これまで必死に働き続け、ふとした瞬間に仕事を辞めたいと感じる40代は多くいます。仕事を辞めることでどんな楽しいことがあるかワクワクする気分が芽生える反面、本当に会社を退職してもいいのか不安になる方も少なくないでしょう。

本記事では、40代で会社を辞めた方のリアルな体験談や、会社を辞めることで得られるメリット・注意すべきデメリットなどについて詳しく紹介します。

また、「40代の離職率はどれくらいですか？」「40代からでも転職活動はうまくいきますか？」といったよくある質問にもお答えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

関連記事：40代で退職はアリ？退職時のポイントや仕事を辞めたあとの働き方を紹介

【現実】40代で仕事を辞めて転職に成功している人は多い

実際、40代で仕事を辞める方は少なくありません。その中でも、転職に成功している方も多いのが特徴です。40代は、これまで培ってきたスキルや経験が豊富にあり、役職に就いていたりマネジメント業務を行ったりという方も多いです。

こうした高スキルや様々な経験を積んだ40代は、即戦力として働ける方がほとんどなので、転職先企業も積極的に採用しています。今以上の好待遇を狙えるのも、40代の転職のポイントといえるでしょう。

以下の表は40代の転職者の年収状況です。転職者の40代の転職によって年収が下がってしまうのは全体の約2割から3割ほどと少ないです。転職者の半数以上が年収増加や変化なしという結果となっています。

年齢	年収増加	変化なし	年収減少
40～44歳	38％	28.9％	32.3％
45～49歳	34.2％	36.5％	27.6％

40代の転職は年収が下がってしまうことに不安を感じる方も少なくありません。この表からは、年収アップする転職者が一定数いることが分かるでしょう。

退職の末路はやばい？40代で会社を辞めた人のリアルな体験談

「40代で会社を辞めた人の末路は？」「本当に40代で会社を辞めても大丈夫？」など、心配や疑問を抱える方のために、40代で会社を辞めた人のリアルな声をご紹介します。

40代男性は、退職することで心身ともにゆっくり休むことができ、さらに資格を取ることによってスキルを高めて転職し給料アップに成功しています。

上記男性と同じように資格を取得した女性の体験談です。退職することで自分のペースで勉強に集中でき、短期間で資格取得に成功しています。転職もスムーズに決まり大きな成功を収めているといえるでしょう。

40代での退職はやはり漠然とした大きな不安を抱えてしまうものです。しかし、こちらの男性は思い切って転職したことでキャリアアップに成功し、これまで以上に充実した生活を手に入れています。

こちらの女性は、今後の方向性を決めた結果、退職という形を選んでいます。40代は今まで培ってきたスキルを活かし、新しいチャレンジをする絶好のタイミングともいえます。

40代の退職は様々な不安もありますが、自分の気持ちを優先することも大切です。

仕事辞めたら人生楽しすぎ！40代で会社を辞めるメリット

40代で会社を辞めることで得られるメリットは、主に下記の4つがあります。

それぞれの具体的な内容を詳しくみていきましょう。

仕事のストレスから解放される

40代で会社を辞めることで得られる大きなメリットとして、仕事のストレスから解放されるという点が挙げられます。

40代の会社での立場はほとんどが中堅です。そのため、上司や部下に挟まれてしまったり、嫌いな上司との関わりが意図せず増えてしまったりということも少なくありません。

また、近年ではコロナウイルスが落ち着いたことで飲み会を再開しているケースも多くあります。「飲み会に行くのが面倒」「行きたくないけれど行かなければ何を言われるか分からない」など、仕事外での付き合いにストレスを感じる方も多くいるでしょう。

退職することでこうしたストレスから解放されるので、寝不足や溜まった疲れを癒し、心身共に落ち着いた日々を過ごすことができます。

旅行や趣味などやりたいことに自由に挑戦できる

40代は、旅行や趣味など、自分がやりたいことを自由に挑戦できる年代でもあります。例えば20代や30代は、仕事・結婚・出産・家や車の購入など大きなライフイベントがあります。

また、50代や60代ともなると、自由になる反面体力が落ちて思うように行動できないことが増えてきます。さらに50代は、親の介護や子どもの進学など、まとまったお金が必要になる時期でもあります。仕事を退職することは現実的に厳しく、家族からも受け入れてもらえない可能性が高くなるでしょう。

40代は、子どももある程度大きく、まだ余裕がある生活を送れる最後のチャンスと言っても過言ではありません。

そのため、退職することで旅行や趣味など、これまで我慢したり諦めていたりした自由な過ごし方を実現できるでしょう。

日々の生活や心にゆとりができる

退職することによって心身共にゆとりができ、穏やかな日々を過ごせるようになります。

朝から晩まで働きづめで心身ともに疲れ切っている方は少なくありません。寝不足や疲れの蓄積はもちろん、土日関係なく不規則な働き方をすれば生活リズムも乱れ、身体的にも大きなストレスとなるでしょう。

40代は、若い世代とは違い衰えや体力低下を実感する時期でもあります。これまでは問題なくこなしていた業務に疲れを感じやすくなったり、満員電車が苦痛に感じたりということも珍しくありません。こうした生活を我慢し続けてしまうと心身の不調が出てしまうこともあります。

実際、会社を辞めることで「朝ゆっくり起きられるようになった」「日々の心配がなくなって気持ちが穏やかになった」という方は少なくありません。

自分の心と体を労わるためにも、会社を辞めて日々の生活や心にゆとりをもたせることで、充実した生活を手にすることができます。

将来についてしっかり考えて、やるべき行動が明確になる

上記のように、40代で会社を辞めることで日々をゆったりと過ごすことが可能になります。その結果、今後のビジョンを明確化しやすくなるでしょう。心身共にゆとりをもって過ごすことで思考が前向きになり、将来のことを明るく考えられるようになります。

将来を具体的にイメージできれば「必要な資格を取ろう」「もっとスキルを高めたい」など、これからやるべき行動もみえてくるでしょう。40代で会社を辞めるのは、大きな不安や心配がついてまわります。

中々一歩が踏み出せない場合は、発想を逆転させてみてください。考えてから退職するのではなく、まずは仕事を辞めて時間を確保し、自由な日々を過ごす中で今後の考えをまとめていくのもひとつの方法です。

仕事辞めたら人生終了？40代で会社を辞めるデメリット

40代で仕事を辞めた場合、上記のように様々なメリットがある一方注意すべきデメリットも当然出てきます。

上記は主なデメリットです。何がデメリットになるか、どのような点に注意すべきかを詳しく紹介します。

定年退職よりもらえる退職金が少ない

当然ですが、定年退職よりも受け取れる退職金が少なくなります。場合によっては定年退職の半分以下まで減額となることもあるので注意してください。

勤続年数が長ければ長いほど退職金は多くなりますが、40代での退職はトータルの収入が大きく変わる要因になります。

仕事を辞める決断をする際には「退職金が減ってしまってもいいか」という点を今一度よく考えましょう。

転職するまで社会的信用を失う

仕事を辞めると「会社員」という肩書がなくなります。その結果これまでは問題なくできていたことができなくなるため、不自由を感じることも少なくありません。

社会的信用を失うことで上記のようなことが起こります。また、すでに消費者金融などで借り入れがある場合、増額審査に通らないだけではなく、限度額の引き下げや借入の返済のみしかできなくなってしまうこともあるでしょう。

そのため、40代で会社を辞める場合、肩書をなくしてしまう前にまずは賃貸契約やクレジットカードの発行などを済ませてから行うことが大切です。

転職後に年収が減る可能性がある

本記事でもお伝えしたように、40代で転職することで年収が上がった・年収が変わらない方は約半分以上の割合となっています。

しかし、実際年収が下がってしまうということも珍しくありません。また、転職した初期の段階ではこれまでより収入が下がるケースがほとんどです。

働き続けることで結果として年収アップを成功させることはもちろん可能です。

しかし、転職した最初はどうしても収入が下がってしまうことがあるので、退職前に「今の収入が下がっても大丈夫か」「今現在のストレスは収入を下げてまで耐えられないものなのか」ということを考えてください。

金銭的なダメージが大きく生活が苦しくなる

40代で仕事を辞めた場合、必ず金銭的なダメージが出てしまいます。特に小学生や中学生などの子どもがいる家庭では、生活の苦しさが顕著としてあらわれるでしょう。

未就学児とは違い、習い事の費用・学校の集金・友達と遊ぶためのお小遣い・服や雑貨など、何をするにしてもお金がかかります。そのため、「40代が一番の稼ぎ時」と言われることもあります。

こうしたタイミングでの退職は金銭的なダメージが想像以上に大きく、生活が成り立たなくなってしまうことも珍しくありません。金銭的ダメージが大きすぎると転職を急がなければならず、仕事を辞めたメリットを実感することもできないでしょう。

40代で仕事を辞める場合、現在の貯蓄や日々の生活費などをしっかりと確認することが重要です。

40代が仕事を辞めた方がいいサイン

「今自分は仕事を辞めるべき？」「退職するべきか続けたほうがいいか判断できない」と悩んでいる方は多くいるのではないでしょうか。

ここで、40代が仕事を辞めたほうがいいサインを紹介します。

上記3つのような特徴が該当する場合、退職を前向きに検討するようにしましょう。それぞれの具体的な内容について詳しく紹介します。

会社に将来性を感じない

これまで働いてきた中で、会社に対して一切の将来性を感じることができなかった場合、退職を本格的に検討してもよいでしょう。

このような特徴に該当する会社は、将来性があるとは言えません。今後も働き続けるより、転職することでスキルアップや年収アップを狙える可能性が高くなります。

職場での人間関係がうまくいっていない

職場の人間関係でストレスを感じるのであれば、退職するのもひとつの手段です。好きな仕事や業務内容に問題がなくても、人間関係の悩みでストレスを感じるのであれば全てがつまらなく思えてしまうでしょう。

嫌いな上司の命令、嫌な同僚との共同作業など、一緒に働く者同士でギスギスしたりしんどい思いをしたりするなら、思い切って退職し、人間関係が良好な職場への転職を目指しましょう。

鬱ぎみである（何をしても楽しめない・1日中気分が落ち込んでいる）

何をしても楽しめなかったり、1日中気分が落ちている状態が続いた場合、鬱ぎみである可能性が高いため退職を検討しましょう。鬱は気分障害のひとつで、精神症状だけではなく食欲不振や不眠症など、身体症状もあります。

症状が重く日常生活に影響が出てしまう場合、早めの退職を決断しましょう。鬱ぎみになってしまう原因ははっきり解明されていませんが、ストレスが蓄積されたことにより発症してしまうことが指摘されています。

鬱ぎみの状態を治すためには、しっかりと休むことが欠かせません。心を落ち着かせ穏やかな日々を過ごすことで、徐々に症状が和らいでいきます。

40代は後輩・部下の指導や重要な業務など責任ある仕事が増えていきます。こうした点も鬱ぎみになってしまうことに繋がりやすいため、まずは時間をかけて心身共に休ませてあげましょう。

会社を辞めたいけど上司に言い出せないなら退職代行がおすすめ

「会社を辞めたいけれど上司に文句を言われそうでなかなか言えない」「退職の意志を伝えにくい」と悩んでいる方は、ぜひ退職代行を利用しましょう。

退職代行は、依頼したその瞬間から、退職にまつわるすべてのやり取りを請け負ってくれます。

会社との交渉をしてくれるケースもあるので、自分で上司と直接話をする必要もありません。退職に必要な書類なども郵送で対応してくれるため、出社しなくても円満に退職できます。

また、退職代行は上司に言い出せないという場合だけではなく、「退職の意志を伝えたのに引き止められてしまい認めてもらえない」「退職したいと言ったら嫌がらせされるようになった」「そもそも退職の話を聞いてもらえない」といったトラブルが発生した場合にも頼れるサービスです。

下記の記事では、おすすめの退職代行サービス14選や料金相場、サービスを利用する際の注意点、選び方について詳しくお伝えしています。上司に退職を言い出せない方は、ぜひ参考にしてください。
関連記事：退職代行おすすめランキング14選｜サービス内容を比較【2024年6月】

40代で退職を考えている人によくある質問

40代で退職を考えている方の中には、様々な疑問を抱えている方も多くいます。ここでは、よくある質問として挙げられる4つの内容をピックアップしました。

それぞれの詳しい内容を把握し、40代の退職に関して理解を深めていきましょう。

40代の離職率はどれくらいですか？

令和2年度における40代の離職率は下記表の様になります。

性別/年齢	40〜44歳	45〜49歳
男性	6.5%	6.6%
女性	11.8%	11.5%

上記表の通り、40代の離職率はさほど高くありません。男性に関してはどちらの年代も10％を切っています。

しかし、離職率は低くても実際転職に成功している方は少なくありません。

年収アップに成功している方も多く、即戦力として40代を募集している転職先も多くあるのが特徴です。          

40代からでも転職活動はうまくいきますか？

40代でも転職活動をうまく進めることは可能です。漠然とした不安を感じる必要はありません。

20代・30代のような若さやポテンシャルをアピールすることはできませんが、これまで培ってきたスキルや経験を活かし効率的に転職活動することで、希望条件に合う職場を見つけることができるでしょう。

まずは下記のようなポイントを意識してみてください。

自分ひとりで転職活動するのが難しい場合、転職エージェントを利用するのもひとつの方法です。自分では気づかないようなアピールポイントや能力を見出し、適した求人を紹介してくれます。

転職エージェントを利用してみたい人は以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事：40代向け転職エージェントおすすめランキング！全11社の人気サイトを徹底比較

転職先を決めずに勢いで退職するとどうなる？

転職先を決めないままに退職した場合、下記のような状況に陥ってしまうことがあります。

転職先を見つけずに退職した場合、時間的な余裕が得られるといったメリットはありますが、その反面経済的な不安や焦りが大きくなってしまいます。

まずは退職後の生活をシミュレーションしてください。会社を辞めたことを後悔しないためにも、しっかりと準備を整えてから退職しましょう。

40代女性が退職する理由は何ですか？

40代女性の退職理由は様々です。例えば家庭とのバランスが崩れることで退職するケースがあります。

子どもがある程度大きくなってきたことで仕事がしやすい時期と考える方も少なくありません。しかし、同時に親の介護などが必要になり、仕事との両立が難しくなることが多くあります。

また、40代の女性が退職する理由は家庭内だけではありません。これまでのスキルや経験を活かし、独立や起業を目指す方も増えてきます。

新しいチャレンジに対する情熱が強ければ強いほど、退職という選択を後押しすることになるでしょう。

40代になると仕事に対する価値観にも変化が生じ、より充実した生活を求める女性も増えます。

このように、40代女性の退職理由はひとくくりにすることはできません。生活スタイルや個人の価値観など、様々な事柄がきっかけとなり退職を選択します。

まとめ

40代での退職は、大きな不安や心配など、漠然としたネガティブなイメージを抱えてしまう方もいます。

もちろんすべてが予定通りにうまくいくとは限りませんが、本記事でもお伝えしたように、40代の転職に成功している方は多くいます。

実際に40代で会社を辞めた方のリアルな体験談では、会社を辞めることに関して不安を抱えていたものの、結果的に成功したという方が少なくありません。資格取得やスキルアップなど、これまで以上に実力を発揮できる環境を手にした方もいます。

本記事では、40代で会社を辞めるメリット・デメリット、仕事を辞めたほうがいいサインや気になる質問について詳しく紹介しました。

お伝えした情報を参考に、40代の転職を前向きに捉え、新しいチャレンジの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。