エンジニアと聞くと、あらゆる業界のなかでも高収入を得られるイメージがあります。
なかには年収1,000万円を稼ぐエンジニアが存在するともいわれており、どのようにすれば年収アップが図れるのか疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。
しかし、ひとこと「エンジニア」といっても、職種や勤め先、役職の有無によってもらえる給料に幅があるのも事実です。
この記事では、エンジニアが高収入を得る方法について詳しく解説していきます。
厚生労働省の調査による平均年収や、年収1,000万円を稼ぐエンジニアに共通するスキルも掲載しています。
エンジニアとしてキャリアアップしたい方や年収1,000万円を稼げる上級エンジニアになりたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
エンジニア職で年収1,000万円を目指せる?
ITエンジニアの年収は国内企業の平均年収よりも高額です。
もし、さらに高額の年収1,000万円を目指すとなれば、それなりの努力や工夫が必要といえます。
逆にいうと、努力して知識やスキルを身に付ければ、年収1,000万円の可能性が上げられるでしょう。
少数派ではあるものの、実際に年収1,000万円以上を稼いでいるエンジニアは存在します。
もし「現在の年収は低い」と自身の収入に納得していない方がいれば、年収アップを目標に動いてみるのもありかもしれません。
年収1,000万円を稼ぐエンジニアの特徴
エンジニアで高額年収を目指そうと思っても、指標がなければどのようなキャリア形成を図れば良いのか悩んでしまう方もいるでしょう。
以下は、年収1,000万円を稼ぐエンジニアの特徴に挙げられる項目です。
- 大手企業で管理職に就いている
- エンジニア職のスペシャリストである
- フリーランスで活動している
- 副業している
各項目を詳しく解説していきます。
大手企業で管理職に就いている
エンジニアのなかでも大手企業に勤めており、プロジェクトをまとめるマネージャー以上の役職に就いていると、年収が高くなる傾向にあります。
以下は、企業規模と役職者の有無によるエンジニア職の平均年収の違いを、賃金構造基本統計調査に基づいてまとめたものです。
年収条件 |
企業規模10~99名 |
企業規模1,000名以上 |
企業規模1,000名以上 |
ソフトウェア作成者 |
398万8,800円 |
590万3,000円 |
626万7,500円 |
システムコンサルタント・設計者 |
490万300円 |
721万2,700円 |
791万9,000円 |
その他の情報処理・通信技術者 |
424万4,500円 |
527万6,100円 |
617万3,900円 |
このように、企業規模が大きくなれば平均年収が大幅にアップするとわかります。
また、企業規模1,000名以上でも役職者の有無によって金額に差が出ている点から、管理職になればさらなる年収アップが期待できるでしょう。
したがって、エンジニア管理職のなかには年収1,000万円を超える人がいてもおかしくありません。
管理職に就くには、エンジニアの十分なスキルと経歴に加え、高度なマネジメント能力やコミュニケーション能力も必要と考えられます。
【参考資料】
令和3年賃金構造基本統計調査_職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|厚生労働省
令和3年賃金構造基本統計調査_【参考】職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)(役職者を除く)|厚生労働省
エンジニア職のスペシャリストである
年収1,000万円を超えるエンジニアは、特定の分野における卓越した知識と経験を備えたスペシャリストといえます。
幅広い知識と経験をもつジェネラリストとは真逆の存在であり、特定の分野で非常に高いパフォーマンスを発揮できるのが特徴です。
これまで日系企業では、ジョブローテーションによって幅広い職務経験を積んで管理職になるのがキャリアパスの代表例でした。
また、賃金制度も社員の年齢や勤続年数にともなって上がる、年功序列が当たり前だったものと思われます。
しかしその風土は近年変化し、キャリアは個人で築き上げるものであり、賃金は成果にふさわしい額を与えるべきと考える企業が増えてきたようです。
IT業界では、年々システム技術がより高度で複雑になっており、専門性に特化したスキルのある人材が求められるようになりました。
そのため、特定分野のスキルと経験を極めているITスペシャリストは、任せられる業務が責任を伴うのと同時に、高い報酬を獲得できていると考えられます。
専門性の高さやミッションの難易度次第では、年収1,000万円を叶えるのも可能といえるでしょう。
フリーランスで活動している
エンジニアが年収1,000万円を稼ぐには、企業に勤めるだけでなく、フリーランスで活動する方法もあります。
フリーランスは会社員と違い、自身の実力が収入に直結するものです。
なかには、ひと月に100万円を稼ぐ人もおり、高単価案件を受注し続けられれば、年収1,000万円を超えるのも十分現実的でしょう。
なお、フリーランス白書2019によると、IT・エンジニア系の個人事業をしている方の約10%が「年収1,000万円以上である」と回答しています。
割合的にはごく一部のように感じますが、自身の努力次第で収入がどんどん上がっていくと考えれば、年収1,000万円を叶えるチャンスがあるといえるでしょう。
【参考資料】
フリーランス白書2019|フリーランス協会
副業している
働き方の多様化が進んでいる現代では、エンジニア職に就きながら副業している方も多くいます。
本業で年収600万円~700万円を稼ぎ、副業で月収30万円~40万円程度の案件を受けられれば、年収1,000万円も夢ではありません。
最近ではエンジニア職に特化した仕事探しサイトもあり、自身が思う条件やスキルに絞った副業検索も可能です。
仮に1時間あたりの報酬が3,000円だった場合、1日3時間の副業を一週間おこなえば、週63,000円の収入が見込めます。1ヵ月に換算すると約25万円です。
副業はフリーランスと同様に、自身のスキルを高めていけば収入アップが期待できます。
会社で昇給を目指すよりも簡単に目標年収に到達できる可能性があり、副業をしながら年収1,000万円を目指す方法も良いかもしれません。
このように、年収1,000万円を稼ぐエンジニアは、基本的なITスキルを習得しているのに加え、より高度な技術や大きなプロジェクトに関わっているケースが多いといえるでしょう。
業務量や責任の大きさによって自身に負荷がかかるケースもあるかもしれませんが、高額収入を得るには避けて通れない道ともいえるかもしれません。
年収1,000万円超えのエンジニアに共通する7つのこと
年収1,000万円を稼ぐエンジニアは自身を置く環境のほか、備わっているスキルにも共通点があります。
管理職に就いたりフリーランスになったりするのが現実的でないと考える方は、以下で解説スキルを身に付けるだけで収入アップが図れるかもしれません。
詳細をチェックしておきましょう。
1.ハイレベルな実務経験がある
年収1,000万円超えのエンジニアは、当然専門性の高いスキルや経験を豊富にもっていると考えられます。
たとえば、プロジェクトマネージャーのような管理系のエンジニア職であっても、ハイレベルなプレイヤー経験があったり十分な実力を備えていたりすると、評価とともに年収も上がりやすくなるのは事実です。
また、ハイレベルなエンジニアなら、システム設計の初期におこなう要件定義・計画立案などの上流工程と、あとに続く開発・テスト・納品といった下流工程のプロジェクト管理もうまくまとめられるでしょう。
現場に対して実務経験に基づいた技術的な指導もできるなど、各ITエンジニアからの信頼が厚いのも特徴です。
2.論理的思考・分析力・判断力がある
年収1,000万円を稼ぐエンジニアは、どんなに経歴が長くても自身の感覚に頼るのではなく、論理的な思考と分析に基づいた根拠のある方法で業務に取り組みます。
特に、トラブルが発生した際の状況判断能力と、原因を突き止めて適切に対処できる力は企業内外から重宝されるものです。
そのような人材は、実力・成果主義が高まっている企業だとますます評価される傾向にあります。最初は年収が低くても、結果的に1,000万円を稼げるエンジニアに成長するケースも考えられるでしょう。
3.最新技術の知識を備えている
市場価値の高いエンジニアは、IT業界のトレンドに敏感で常に最新技術の知識を備えています。しかし、新しい情報をインプットするだけでは意味がありません。進化する技術に実際に触れ、業務にアプトプットするのが大事といえます。
技術の進歩に遅れず自身をアップデートできる人材こそ、周囲から高評価を獲得でき、高い年収を得られるのです。
4.コミュニケーション能力が高い
多方面から評価される年収1,000万円超えのエンジニアは、知識や技術が他者より優れているだけでなく、プロジェクトチームをまとめるコミュニケーション能力も定評を得ています。
「エンジニア」と聞くと、1人でコツコツ業務に当たる寡黙なイメージをもつ方もいるかもしれません。
しかし、実際は他者の力がなければ仕事が進まず、企業内外におけるプロジェクト関係者とのスムーズなコミュニケーションが求められるのです。
なお、対人スキルは過去の経験によって磨かれるものであり、その差は顕著に表れます。周囲から信頼を得ている人ほど過去に重大な案件に取り組んできたケースが多く、一歩先を考えた応対でチームの調整を図っていると思われます。
その結果が、高額年収につながっているのでしょう。
5.マネジメントができる
年収1,000万円のエンジニアは、全体スケジュールを把握しながら業務を円滑に進められるマネジメント能力が備わっていると考えられます。
特にプロジェクトマネージャーに就くとなれば、チームの連携を図ったりクライアントと進捗を共有したりするなど、関わるメンバーの業務効率を意識する必要があるでしょう。
また、マネジメント能力があれば、技術責任者(CTO)や、マネジメント責任者(VP of Engineering)も目指せるようになります。
管理職になると年収アップも期待できるため、結果的に年収1,000万円へ近づけるでしょう。
6.対応領域が広い
専門領域以外にも対応できるなど幅広い知識をもつエンジニアがいると、高い報酬を払ってでも一緒に働きたいと思う企業は多いものです。
また、1人で広範囲を対応できると、任せてもらえる業務量も増える可能性が高いといえます。
企業に勤めていればインセンティブがもらえたり、責任のあるポジションへ昇格したりするケースも出てくるでしょう。
フリーランスであれば次第に案件に困らなくなり、件数をこなすほど収入の増加が期待できるようになります。
いずれにしても、対応領域の広いエンジニアは多くないため、貴重な人材と考えられ高額収入などの待遇を受けられると思われます。
7.向上心がある
ITエンジニアで年収1,000万円を達成している方は、誰もが向上心をもってプロジェクトに取り組んでいます。
そもそも年収の高い人物は、どの業界においても現状に満足せず努力できる方が多いものです。
時代の経過とともに急速な進化を遂げるIT業界において、自身を高め続けられるかどうかは、特に重要といえるでしょう。
年収1,000万円を達成できるエンジニアは、ストイックともいえる向上心を持ち続け、高額収入を得ているといえます。
このように年収1,000万円を稼ぐエンジニアは、高度な分析・判断力や調和を図るコミュニケーション能力、業務を完了に導くマネジメント能力など、ビジネスパーソンの魅力を十分備えている点が共通しています。
ハイパフォーマンスな人材を目指すなら、自己分析によって自身に足りない要素を見つけることから始めましょう。
1人の力で解決できない場合は、知人や転職エージェントなど第三者からの客観的な意見を聞くのもおすすめです。
現職エンジニアが年収1,000万円を目指す3つの方法
最後に、現役のエンジニアにもできる年収1,000万円を目指す方法を3つ紹介していきます。
年収アップを目的にしたキャリアパスを考えるためにも、詳細を確認しておきましょう。
1.エンジニアの専門スキルを磨く
現役のITエンジニアが年収1,000万円を目指す最短ルートは、とにかく自身のスキルを高めることに尽きます。
しかし、自身がエンジニアのなかでどのレベルに位置するのか、具体的にどこまで目指せば年収アップが図れるのかはわかりづらく、悩む方も多いでしょう。
そこで目安になるのが、エンジニアに関連する資格の取得です。
以下では、エンジニアの専門スキルを高めていくうえでの客観的指標となる資格を紹介していきます。
基本情報技術者試験(FE)
「基本情報技術者試験」とは、ITエンジニアのキャリアをスタートさせたばかりの初心者におすすめの資格です。
「ITエンジニアの登竜門」といわれており、取得によって今後の応用力における幅が一段と広がります。
出題内容は、エンジニアに求められる基礎知識・技能に関するものとされています。
【参考記事】
基本情報技術者試験(FE)|独立行政法人情報処理推進機構
応用情報技術者試験(AP)
「応用情報技術者試験」は、ITエンジニアがさらなるレベルアップを図るのにおすすめの資格です。
前述の基本情報技術者試験よりも高レベルの知識・技術が求められ、応用力やシステム開発、IT基盤構築などのシーンでパフォーマンスを発揮できるようになります。
また、試験に合格すると今後転職する際にも有利に働くでしょう。
【参考記事】
応用情報技術者試験(AP)|独立行政法人情報処理推進機構
情報セキュリティマネジメント試験(SG)
「情報セキュリティマネジメント試験」は、サイバー攻撃などの脅威から組織を守るための基本的なスキルを身に付けるのにおすすめの資格です。
取得によって、組織のセキュリティシステムにおける計画・運用・評価・改善に貢献できるエンジニアを目指します。
現代の情報化社会ではサイバー攻撃や情報漏えいにおける対策が必須といえます。
情報セキュリティマネジメント試験に合格していれば、それらの脅威を未然に防げる存在と重宝されるでしょう。
セキュリティエンジニアやシステムエンジニア、プログラマーなら、取得しておいて損はないと考えられます。
【参考記事】
情報セキュリティマネジメント試験(SG)|独立行政法人情報処理推進機構
システムアーキテクト試験(SA)
「システムアーキテクト試験」は、上流工程に携わるエンジニア向けの国家試験です。
合格すれば、自身が情報システムの構造分析や設計開発に必要な知識と技術を豊富に備えた上級のエンジニアだと示せます。
システムアーキテクトの役割を円滑に遂行するとともに、下位者を指導する立場として適切な判断も可能になるでしょう。
【参考記事】
システムアーキテクト試験(SA)|独立行政法人情報処理推進機構
情報処理安全確保支援士試験(SC)
「情報処理安全確保支援士試験」は、情報セキュリティ関連の国家試験で最難関といわれるほど非常に難易度の高い資格試験です。
サイバーセキュリティのリスクを分析・評価し、組織の情報システムの安全性を確保すると同時に、技術・管理の面から有効なセキュリティ対策を経営層へ提案できるようになります。
また、情報処理安全確保支援士試験の最大のポイントは、合格者が「情報処理安全確保支援士」といわれる国家資格への登録権利を得られる点です。
セキュリティの脅威が巧妙・過激化している現代では、このようなスペシャリストの称号があると非常に重宝されます。
キャリアパスの選択肢も広がり、さまざまなルートからの年収アップを検討できるようにもなるでしょう。
【参考記事】
情報処理安全確保支援士試験|独立行政法人情報処理推進機構
2.フリーランスとして案件獲得を目指す
自身の専門分野をより極めながら、年収1,000万円のエンジニアを目指したい場合は、フリーランスに転身して案件獲得に励むのがおすすめです。フリーランスは実力や業務量が収入に直結します。
そのため、勤務する企業や役職を選ばなくても、年収1,000万円を目指せる職業といえるでしょう。
ただし、業務以外の事務処理や案件獲得の営業なども、全て1人でおこなわなければいけません。
作業時間や進捗管理なども自己責任になるため、相応の覚悟をもってチャレンジする必要があるといえるでしょう。
最近は働き方の多様化が進んでいるため、フリーランスを支援するエージェントも多いでの、エージェントを活用するのも一つの手といえるでしょう。
3.年収アップを目的に転職する
もし、ITエンジニアのキャリアを十分に積んでいるなら、転職で年収アップを図るのもひとつの方法です。
IT業界で年収1,000万円を目指すなら、これまでの知識を活かしてITコンサルタントへ転職するのも良いかもしれません。
その他、今後の成長が期待できるベンチャー企業の役職クラスや外資系企業を選ぶのも、効率的に年収アップが図れるためおすすめです。
転職する際は、転職先の企業研究や応募書類の準備、面接対策といった入念な事前準備が必要になります。
自身のキャリアをきちんと振り返り、優れた人材とアピールできるよう努めましょう。
現職のエンジニアはもともと年収が高いとはいえ、1,000万円を稼ごうと思っても簡単にいくわけではありません。
資格取得やフリーランスへの転身となれば、ある程度の期間がかかるケースもあるでしょう。
なかでも短期集中型で年収を上げたい方は、今よりも待遇の良い企業への転職を考えるのが効率的といえます。
その際は自身の長所をしっかりアピールし、企業の即戦力になる人材との評価を得られれば、年収アップの転職を成功できるでしょう。
ITエンジニアとは?
そもそも「エンジニア」とは、人工システムの開発企画・設計・製作・運用・保全の基礎となる工学知識や技術を利用し、快適な製品やサービスを作り出す技術者を指します。
エンジニアには機械系、化学系などさまざまな分野があり、なかでも近年人気が上昇しているのは情報技術を扱うITエンジニアです。
ITエンジニアは、業務内容によって大きく3種類に分けられます。以下は、各分野のなかでも代表的な職種を一覧にまとめたものです。
分野 |
インフラ系エンジニア |
開発系エンジニア |
その他エンジニア |
職種 |
ネットワークエンジニア データベースエンジニア セキュリティエンジニア クラウドエンジニア |
アプリケーションエンジニア システムエンジニア Webエンジニア プログラマー |
テクニカルサポートエンジニア データサイエンティスト セールスエンジニア |
各分野の詳細を解説していきます。
インフラ系エンジニア
「インフラ系エンジニア」とは、人びとがインターネットを使用するために欠かせないITインフラの基盤を構築したり、障害が発生した際の運用や保守をおこなう職種です。
ITインフラの具体例には、サーバーやネットワークなどのハードウェアや、OS・Webサーバーなどのソフトウェアなどが挙げられます。
インフラ系エンジニアの業務は、在籍企業や携わるプロジェクトによってさまざまです。
担当する技術領域によっては、サーバー機器を他の機器とつないで配線するといった物理的な作業をおこなうケースもあります。
また、セキュリティに特化した職種であれば、システムを外部からの攻撃やウイルス感染から守るのが主な業務となります。インフラ系エンジニアは、ITサービスの根幹に携わる重要な職種といえるでしょう。
開発系エンジニア
「開発系エンジニア」とは、製品やシステムの設計と開発をおこなう職種です。
取引先や自社製品の開発における搭載機能を設計書に落とし込み、内容に沿ってプログラミングを施したり、アプリケーションシステムの開発をおこなうのが主な業務です。
開発系エンジニアの業務は、システムや製品が完成したら終わりではありません。
完成したものが設計書どおりに動くか、機能面で問題はないかといった単体テストの実施も含まれます。
業務範囲はプロジェクトによって異なりますが、多くのプログラミング言語を使えると開発エンジニアとしての対応領域が広がるでしょう。
その他エンジニア
ITエンジニアには、前述のインフラ系と開発系のほかに、エンジニアの専門知識を活用して取引先や顧客への営業・サポートをおこなう担当者もいます。
職種に「エンジニア」と付いているものの、実際には技術的な業務を担わないケースが多いようです。
実務経験がなくても、知識とスキルを身に付けていればエンジニアの業務を遂行できる職種といえるでしょう。
このようにITエンジニアの規模は非常に大きく、領域ごとにさまざまな職種が存在しています。企業やプロジェクトによって業務範囲が変動する可能性もありますが、いずれにしても専門知識を伴うのは確かです。
近年のデジタルビジネスの発展によって、後ますます人材の需要が高まっていくと考えられるでしょう。
ITエンジニアのリアルな年収
ここからは、厚生労働省が公表する統計データに基づきながら、ITエンジニアの年収を解説していきます。
エンジニアの職種別年収にも触れているため、よりリアルな情報が知りたい方は参考にしてみてください。
情報通信業の平均年収は448万円+賞与
厚生労働省がおこなった令和3年賃金構造基本統計調査によると、ITエンジニアを含む情報通信業の平均月収は37万3,500円で、年収に換算すると448万2,000円です。
この金額に賞与が加算されるとなれば、年収は500万円を超えると予想できます。
なお、日本におけるフルタイム正社員の平均月収は32万3,400円で、年収にして388万800円です。
この結果を踏まえると、ITエンジニアなど情報通信業の年収は高めとわかります。
ただし、ここで挙げた情報通信業のなかには、Webデザイナーやシステムアナリスト、サーバー管理者といったITエンジニア以外の職種も含まれます。平均年収は参考程度に見ておくのがよいでしょう。
ITエンジニア職の年収比較
ここからは情報通信業をさらに深掘りして、ITエンジニア職のリアルな年収にせまっていきましょう。
厚生労働省の調査によると、IT関連の職種は以下の3つに分類されています。
- ソフトウェア作成者
- システムコンサルタント・設計者
- その他の情報処理・通信技術者
それぞれに該当する職種例と想定される年収を、賃金構造基本統計調査に基づいてまとめてみました。
分類 |
職種例 |
平均金額 |
ソフトウェア作成者 |
|
月給・・・35万3,300円 年間賞与・・・99万100円 想定年収・・・522万9,700円 |
システムコンサルタント・設計者 |
|
月給・・・44万7,700円 年間賞与・・・196万3,600円 想定年収・・・733万6,000円 |
その他の情報処理・通信技術者 |
|
月給・・・37万円 年間賞与・・・114万7,800円 想定年収・・・558万7,800円 |
このように、IT関連のなかでもっとも年収が高いのは、システムコンサルタント・設計者です。
エンジニアの専門知識だけでなく高度なコンサルティング能力も求められるため、年収アップが図れるといえるでしょう。
また、上記の金額は、残業代や諸手当なども含めた企業が社員へ実際に支給している給与額です。
勤務先の規模やエンジニアの経歴によって多少の誤差は生じますが、今後のキャリアパスを検討するための目安にしてみるのもよいでしょう。
【参考資料】
令和3年賃金構造基本統計調査の概況|厚生労働省
令和3年賃金構造基本統計調査_役職及び職種解説|厚生労働省
令和4年賃金構造基本統計調査業種別主な職種早見表|厚生労働省
令和3年賃金構造基本統計調査_職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他
最後に|ITエンジニアが年収1,000万円の転職を成功させたいならエージェントに相談を
ITエンジニアの平均年収は高めといわれますが、1,000万円まで稼ぐのは思っている以上に難しいものです。
エンジニアのままで年収アップを図るなら、スキルを上げるのと同時に大企業や外資系企業への転職を考えるのが有効といえるでしょう。
そのためには、入念な自己分析のもとで自身のキャリアを棚卸し、自身の有能さを志望企業にアピールする必要があります。
もし自身の力だけで転職活動をおこなうのが不安なら、転職エージェントを活用しましょう。
そうすれば、自身のキャリアに基づいた的確なアドバイスを得られる可能性があり、年収1,000万円に近づく転職を成功できるかもしれません。
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