営業職の年収がどのくらいなのか気になる人も多いのではないでしょうか。

営業はどの企業にとっても欠かせない、売上を作る重要な仕事です。そのためほかの職種に比べて、給与が高く設定されている企業も多くあります。

業種によっても年収の幅は広く、企業によっては30歳前後で1,000万円を超える収入を得ることも可能です。

この記事では、収入が高い営業職の種類と年収をアップさせるための具体的なコツを紹介します。

　

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営業職の平均年収は550万円程度

複数の統計を比較すると、営業職の年収は550万円前後と推定されます。

出典：日経転職版、doda

全職種の平均年収よりやや高い

国の統計では、2022年に年間を通じて勤務していた給与所得者の平均年収は458万円でした。

直接の比較はできませんが、営業職のほうが総じて年収が高いといえるでしょう。

出典：国税庁｜令和4年分 民間給与実態統計調査

世代別営業職の平均年収

営業の平均年収を年代ごとで比較してみましょう。

統計によると20代の営業職の平均年収は446万円ですが50代ではおよそ倍の913万円という結果でした。

年齢が上がるほど収入が増えて50代がピークとなっています。

年代	平均年収
20代	446.4万円
30代	616.9万円
40代	792.5万円
50代	912.7万円
60代	895.8万円

年齢とともに基本給が上がることに加えて、50代では役職手当も最も多く支給されること推測されます。

60歳を過ぎると、役職定年を迎えてそれまでのポジションを外れることが年収減の要因です。

定年後に再雇用される場合は、給与が下がるケースが一般的です。

営業職の年収が高い主な業種

業種別にみて、年収の高い営業職を紹介します。営業職の中でも高収入を狙うなら業界選びが重要です。

1. 製薬

製薬会社の営業職は、医薬品の情報を医師や薬剤師をはじめとする医療従事者に提供する仕事で「MR」と呼ばれます。

MRとして働くためには、厚生労働省の認可を受けた試験に合格する必要があります。

企業によっては未経験者でも転職が可能ですが、転職後に資格取得を求められるでしょう。

医療用の医薬品は国民生活に欠かせないもので、国により全国一律の価格が決められています。そのため業界の売上も安定していて、全体的に給与水準も高くなっています。

2. 金融・保険

銀行や証券など金融関連も、伝統的に給与が高い業界です。

お金に関する幅広い知識が求められ、ファイナンシャルプランナーなどの資格が必要な場合もあります。

一方、生命保険の営業は求人数が多く、業界未経験や営業が未経験でもチャレンジしやすい仕事だといえます。

保険会社の給与体系は、外資系を中心にインセンティブの比率が高く、トップ営業は1,000万円から1億円の年収も実現可能です。

ただしインセンティブが少なくなれば、収入も減少してしまいます。

関連記事：証券会社のリテール営業に転職するためのコツと成功のヒント

3. 広告

高収入といえば広告会社、広告代理店を思いつく方も多いかもしれません。大手企業を中心に年収の高い業界といえます。

テレビ、新聞に加えてWeb広告の市場が急拡大し、クライアント企業は豊富な予算をかけて広告を出します。

ただし高年収の背景には、ハードな働きが求められます。

4. IT・通信

IT営業はハードウェアの販売を行うほか、近年はSaaSの営業のニーズが増えています。

SaaSを扱う企業は、他社に先駆けてシェアの獲得を図るため「売れるサービスを一気に拡充しよう」として、人員拡大を図る傾向にあります。

よい待遇で優秀な人材を多く集めようとするため、営業スキルのある人には狙い目の業界といえるでしょう。

トレンドの移り変わりは激しいものの、成長を続けている業界です。ベンチャー企業に転職して、企業規模の拡大とともに給与アップを狙うことも可能です。

5. 商社

総合商社の給与水準は、日本全体でもトップレベルで、就職先の人気調査でも上位にランクインしています。

人気の背景には、海外勤務が多いこともあげられます。

海外赴任中は、さまざまな手当が支給されるため国内で勤務するときに比べて大幅に収入がアップすることが知られています。

エネルギー、資源など取り扱い金額の大きな業界で経験を積むと、その後の転職先でも高収入が望める可能性が高まります。

6. 不動産

不動産業は住宅や土地の販売や仲介、管理など幅広い業務が含まれますが、収入面ではデベロッパーや住宅メーカーなどがおすすめです。

特にデベロッパーは少ない人数で利益率が高いため、業界の構造的に高い年収が得られる傾向です。

また住宅販売やハウスメーカーも、1件あたりの成約価格が高いため、1件の契約でもたらされる利益が大きくなります。

営業で高収入を実現するためのポイント

営業人材は需要に対して供給が少ない状態が続いており、営業経験やスキルのある人は人材市場でも人気が高いです。

高収入にこだわる方が気をつけてほしいポイントを5つ紹介します。

成長性の高い市場を選ぶ

まずは今後も成長が期待できる業種選びが重要です。

すでに飽和状態に達している市場、いわゆるレッドオーシャンで競争が厳しい市場を選ぶと、営業成果を上げ続けるのは難しいといわざるを得ません。

5～10年後の業界の成長像を思い描きながら、業界を選ぶのがよいでしょう。

商流の中でも上流で仕事を受ける

自社の商品を直接販売する場合と、別の会社から仕入れた商品を卸す場合では、生産性が大きく異なります。

当然メーカーがユーザーに直接販売すれば、利幅も大きくなり、価格の調整も自由におこなえるでしょう。

他社から発注を受ける場合にも、発注元と直接契約すれば売上は大きくなり、間に複数の企業があるほど売上・利益ともに下がりやすくなります。

直接の取引ができる、または1次請けの環境を選ぶと収入はアップしやすくなるでしょう。

外資系のグローバル企業を選ぶ

外資系でかつグローバルにビジネスを展開している企業は、求人数も多く、給与水準が高いのでおすすめです。

人材獲得においても、競合企業を上回る必要があるため、結果的に求人の条件がよくなるという現象が起こっています。

日系でもグローバルに競争している企業は好待遇となりますが、いずれも条件がよいだけあって人材に求めるレベルは高くなっています。

個人向けより法人向けビジネスに注力する

個人向けのBtoC型のビジネスと比べ、BtoBのほうが扱う商品の単価が高く、給与も高くなりがちです。

一般的に法人向け営業は、より難易度が高いとされ、ビジネススキルやマナーが求められます。

法人向けビジネスに苦手意識がなければ、挑戦を検討してください。

インセンティブの獲得にこだわる

営業が年収を伸ばすなら、インセンティブの設定は大きな要素となります。

基本給を確保しつつ、成績次第でインセンティブを獲得できれば、やりがい向上にもつながります。

営業の腕に自信がある方は、インセンティブの手厚い企業を選ぶと収入を大きく伸ばせる可能性があります。

年収が高い営業の特徴

高年収の営業パーソンに共通する特徴を紹介します。

粘り強く負けず嫌いの性格である

負けず嫌いであることは、成果を継続的にあげられる営業には欠かせない性格だといえます。

優れた営業は目標達成にこだわり続けますが、契約見込みがずれたり、他社に取られてしまうことも当然あります。

このとき、達成に向けて粘れるか、下を向いて諦めるかで、成果に大きな差が生まれるのです。

目標をなにがなんでも達成するというマインドで行動しているセールスパーソンは、あらゆる組織で評価されるといっても過言ではありません。

営業が好きで明るく働いている

「好きこそものの上手なれ」のことわざにある通り、好きな仕事をしていると成果が出やすいものです。

一方で、営業がつらいと感じながら仕事をしている人は、成果が出にくくなり、ますます仕事をつらく感じてしまいます。

営業の仕事が好きであり、加えて自身が販売する商品に対して愛着と誇りを持っている人は、成果を継続的にあげられるため、年収増にもつながりやすいでしょう。

課題を設定して解決する能力が高い

お客様が課題に気づくきっかけを与えて「それを解決するには当社の商品が必要」といえる営業は、重宝され、年収が高くなるでしょう。

お客様が自分から「買いたい」と熱望している場合は、誰が営業しても簡単に契約できます。欲しがっている人に商品を販売するだけでは、営業人材としては差別化しづらいのです。

一方で、年収の高い優れた営業は、顧客に「欲しい」と気づかせる能力に長けています。これを課題設定、解決能力と呼びます。

人脈が広く紹介を受けやすい

既存の顧客から次のお客様を紹介してもらえるリファラル営業ができると、営業効率は断然高くなります。

リファラルを受けるには、販売した商品と営業の両方が評価されて「友人・知人にも購入を勧めたい」と思ってもらう必要があります。

すでに購入して満足している人から勧められた人は、警戒感が下がり、自動的に購買意欲も高まります。

このようにリファラルを受けられる人脈は、長年信頼を積み重ねた結果の財産です。こうした人脈が、高い年収につながります。

高収入の求人への転職を成功させるには

膨大な企業の求人の中から高収入・高条件の求人を見つけるのは簡単ではありません。

高年収の転職を成功させるためのポイントを紹介します。

資格やスキルを使って即戦力をアピール

金融や医薬品、不動産など専門知識が必要な業種へ転職するには、できれば早めに資格の勉強を始めるのがよいでしょう。

もちろんすでに取得済みの資格を使って、即戦力として活躍できることをアピールするのも効果的です。

営業経験がある方は、過去の実績を数字で具体的に示すことを心がけましょう。

売上金の多寡ではなく目標に対しての達成度や達成するために行った施策と結果についてプレゼンするのが有効です。

インセンティブなど給与体系をよく確認する

基本給はもちろん重要ですが、営業のインセンティブの設定によって収入は大きく変わります。

一般的に求人票には、インセンティブの情報までは書かれていないことが多いでしょう。口コミサイトなどを使ってできるだけリアルな情報を集めます。

選考が進み、条件交渉の段階になったらインセンティブ制度の概要について教えてもらえる範囲で確認することをおすすめします。

関連記事：ベンチャー企業の営業職はきつい？転職を成功させる9つのポイントについて解説

転職エージェントを活用する

転職エージェントを積極的に活用することをおすすめします。

企業の中には「非公開求人」といって、一部の転職エージェントだけを使って求人を依頼する場合があります。非公開求人を依頼する企業の中には、多くの人が知る人気の企業も含まれます。

応募が殺到する状況を避け、転職エージェントが「この人は」と選んだ人だけを推薦してほしいという狙いがあるためです。

高年収の求人は「他社に知られたくない」と考えられることもあるので、これだけでも転職エージェントを使うメリットがあります。

営業職の転職におすすめの転職エージェント

ここでは営業職におすすめの転職エージェントを紹介します。

ビズリーチ

リクルートエージェント

マイナビエージェント

doda

type転職エージェント

営業職の年収に関するよくある質問

営業職の年収について、よくある質問をQ＆A形式で解説します。

営業職の平均年収は高い？

営業職の平均年収は、550万円程度と推定されます。

全職種・全国平均の458万円と比較すると100万円程度高いといえます。

営業職が高収入なのはなぜ？

営業が高収入なのは、企業にとって重要な売上を左右する部署であること、営業職のスキルや経験によって成果が変わることが主な要因です。

基本給に加え、営業成績によりインセンティブが支給されることが多いのも高収入につながります。

営業職で年収が高い業種は？

企業としての売上規模が大きい、利益率が高い、売上が安定しているまたは成長しているなどが、年収の高い業種の条件です。

製薬企業などの医療関係、金融、IT、広告、商社、不動産などは全体的に見ると年収の高い業種だといえるでしょう。

営業職の20代の給料は？

20代の営業職の平均年収は、調査によると446.4万円です。

同年代の他の職種と比べると高い水準ですが、年代があがるにつれて平均年収も向上します。

関連記事：20代で営業職へ転職するには？成功のコツとメリット、注意点を解説

まとめ

営業職の年収は、総じてほかの職種よりも高くなっています。

どの企業にも欠かせない仕事である一方、プレッシャーのかかる仕事であるためスキルが評価されると高い年収が見込めます。

転職の際は、高収入が見込める業者や企業を選ぶことも重要です。

とはいえ、最も大事なのは自身の営業スキルを磨いて、営業結果をコンスタントに残すことです。

営業職として評価されれば、基本的に収入はどんどん上がるでしょう。転職する際にも多くの企業が欲しがる人材になれるはずです。