「30代で転職するのは難しい？」
「何度応募しても書類選考で落ちてしまう…」

30代で転職したいと考えながらも、転職活動で苦戦している方は多いです。実際、転職サイトの登録者の約3割は30代だと言われています。

しかし、30代には「30代だからこそ」の強みもあります。特に評価されやすいのは、20代よりも経験が豊富でありながら、40代より柔軟に動ける点でしょう。

この記事では、30代の転職市場の現状を踏まえながら、転職を成功させるためのコツやおすすめの職種について解説します。

「転職したいけれど、どうすればいいのかわからない」という方は、ぜひ最後までお読みください。

関連記事：30代におすすめ転職エージェントランキング比較｜男性・女性・未経験・フリーター向けの選び方を解説

他の人はどうしてる？ 30代の転職市場の現状

「30代での転職」は、現代では決して珍しいことではありません。多くの人が転職活動をおこない、成功させています。

ただし、30代になると転職市場で求められる要件が20代とは異なるのも事実です。

ここからは、30代の転職市場の現状と、企業が30代の求職者に求めることについて解説します。

30代での転職は昔ほど難しくない

近年、終身雇用の制度が少しずつ変化してきており、転職すること自体はそれほど珍しいことではなくなってきました。

特に30代の場合、転職に対する抵抗感はかなり薄くなっています。

一昔前であれば「30歳を過ぎてしまったら転職は厳しい」と言われていましたが、最近の30代は経験と若さのバランスが取れていると判断されるため、企業からの需要が高い年代です。

厚生労働省の調査によると、労働者のうち2023年の間に転職した30代の割合は以下の通りでした。

人数で言うと30代前半で約53万人、30代後半でも約51万人が転職をおこなっていることになります。

【参考】令和５年　雇用動向調査「就業形態、性、年齢階級別労働者数及び労働移動率」｜厚生労働省

30代の転職で年収アップできる可能性は低い

転職の目的に「年収アップ」を挙げる方は多いですが、実際に転職によって収入を上げられている人は4割ほどだと言われています。

厚生労働省「雇用動向調査」によると、30代の転職による賃金変化の結果は以下の通りでした。

	賃金が増加した	現状維持	賃金が減少した
30～34歳	44.6%	25.6%	29.1%
35～39歳	38.0%	31.3%	29.9%

調査結果から、実際には3割近い方の賃金が下がっていることがわかります。

転職活動をおこなう際には慎重に企業を選び、明確な根拠を持って交渉する必要があると考えられます。

【参考】令和５年　雇用動向調査「性、年齢階級、就業形態・雇用形態・前従業上の地位、賃金変動区分別　入職者数 及び 構成比」｜厚生労働省

30代の転職では即戦力としての実務能力が求められる

企業は30代の転職者に対して、入社後すぐに成果を出すような即戦力スキルを期待しています。

たとえば以下のような能力が求められることが多いです。

転職する際には、職務経歴書や面接を通して上記のようなスキルをアピールしましょう。

重要なのは、いかに具体的なエピソードと一緒に伝えられるかです。将来の転職のために、今の職場で意識的にリーダー経験を発揮しておくといった作戦も考えられるでしょう。

30代で転職が決まらない人に見られる7つの特徴

転職活動が思ったように進まず、悩んでいる30代の方は多いです。

しかし、実はうまくいかない原因はほんのちょっとしたことに過ぎず、それを改善するだけで大きく流れを変えられるケースもあります。

ここからは、30代で転職が決まらない方に見られる特徴を7つ紹介します。

自分自身が当てはまっていないか確認し、必要であれば改善するよう心掛けてみてください。

1.スキル・経験と希望のミスマッチが起きている

30代の転職活動では、それまでの経験で身に付いたスキルを期待されます。

しかし中には「やりたいこと」と「できること」の間にあるギャップに気付かず、無理な転職活動を繰り返している人もいるのです。

たとえばずっと事務職だった人が、toC事業の営業職に応募するといった場合がこれに当てはまります。

よほど明るさや積極性をアピールしない限り「本当に現場でお客様の対応ができるのか」と面接官に疑問を抱かれてしまうでしょう。

もちろん未経験職種への転職が不可能だという意味ではありません。

しかし、自分の市場価値を冷静に分析し、これまでの経験を活かせる職種から始めた方が、転職活動はスムーズに進みやすいでしょう。

「そうは言っても自分の市場価値なんてわからない」という場合は、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談し、客観的なアドバイスをもらうのがおすすめです。

2.転職理由が後ろ向きである

転職の動機が「今の会社が嫌になったから」「残業が多いから」といったネガティブなものである場合、転職活動は成功しづらくなります。

もちろん、面接で後ろ向きな理由をそのまま伝える方は多くないでしょう。どんな人でもそれらしい志望理由を話しているものです。

しかし、後付けの志望動機や転職の理由を話しても、面接官には口調や表情から自然と「これは本心ではないな」と伝わってしまいます。

転職のきっかけ自体がマイナスの要素であったとしても、新たな職場で何をしたいか具体的にイメージし、前向きなメッセージを伝えられるよう準備しておきましょう。

3.キャリアプランが明確に定まっていない

「とにかく今の環境から抜け出したい」という気持ちだけが先走ってしまい、将来のキャリアプランを描かないまま転職活動をしてしまい、なかなか採用されずに悩んでいる方もいます。

転職後のキャリアパスが見えていないと、面接でも「なぜこの仕事がしたいのか」「この仕事を通じて何をしたいのか」といった質問に対して、自信を持って答えることができません。

まずは5年後、10年後の自分がどんな立場でどんな仕事をしている状態が理想的なのか想像してみましょう。

理想の姿に辿りつくために何が必要なのかを計算し、戦略的な転職活動をおこなえば、話の説得力が増し、面接官からの評価も高くなるでしょう。

4.非現実的な転職条件を掲げている

せっかくの転職だからと多くの条件を掲げてしまい、その結果どこにも採用されないというパターンもあります。

確かに、自分の理想通りの会社と出会えるのであれば、それが一番良いでしょう。

しかし、実際にそのような会社が存在し、しかも自分を採用してくれる可能性は限りなく低いものです。

転職の際に条件を考えること自体は問題ではありません。ただし、優先順位をつけ、譲れる条件と譲れない条件とをはっきり区別しておくことが重要です。

5.自己分析・市場分析が不足している

転職活動は、今の会社で働きながら進める方が多いため、中には準備不足のまま行動し始めてしまう方も見られます。

しかし、自分自身の強みや市場の状況を十分に理解しないまま選考を受けても、なかなか成功にはつながりません。

自己分析では、以下のようなことを整理しておきましょう。

また、市場や業界、企業について調べるときには、以下のような内容をまとめておくのがおすすめです。

自己分析と市場分析は、応募書類作成や面接対策の土台となる重要な作業です。現職で忙しくてもしっかりと時間をかけて取り組み、言語化しておくことで、選考の際にも自信を持ってアピールできるようになります。

6.転職活動の進め方におかしな点がある

転職したいという気持ちだけが先行し、十分に調べないまま企業に応募しても、転職活動はうまくいきません。

たとえば「企業研究が不十分なまま、数だけ大量に応募している」「応募書類をコピー＆ペーストで済ませている」「職務経歴書の書き方が不適切」など、明らかに間違った転職活動をしていては、その人を採用したいと思う企業は現れないでしょう。

一方で「こういう会社にしか転職しない」と応募先を絞り込み過ぎてしまうのも、転職失敗の原因となります。

バランスの取れた効率的な転職活動をおこなうためには、転職エージェントなどプロの手を借りるのもひとつの有効な手段です。

7.焦りが表面に出すぎている

30代になると、転職活動をするときにも「年齢的にもう遅いのではないか」「このまま転職できなかったらどうしよう」と焦ってしまう人は少なくありません。

焦りから面接の際に必要以上に自己アピールをしてしまったり、相手の質問をよく聞かずに答えてしまったりすると、かえって面接官の印象は悪くなってしまいます。

また、早く転職活動を終えたいという気持ちから「とにかく内定をもらおう」と妥協してしまい、転職してしまってからミスマッチに気が付くという例もあるでしょう。

焦りというものは、冷静な判断を妨げる大きな要因となり得ます。

長期的なキャリアを考え、計画的な活動を心がけることで、より良い転職先が見つかる可能性が高まるでしょう。

転職活動の具体的な進め方と段階別のコツ

転職を成功させるためには、準備から内定獲得まで計画的に活動を進める必要があります。

30代の場合、今の会社でも年次やポジションが上がっており、忙しくてゆっくり転職活動の準備ができない人も多いです。

だからこそ、具体的な手順やポイントを事前に把握し、計画的に行動する必要があるのです。

ここからは、転職活動を効率的に進めるためのステップとコツを解説します。

転職活動の全体的なスケジュール

30代の転職活動には、一般的に3～6ヵ月程度の期間がかかると言われています。期間はあくまで目安ですが、余裕を持って活動するのがおすすめです。

転職活動を始める前に、まずは退職のタイミングを考えましょう。現職で重要なプロジェクトを抱えているなら、それが一段落してから本格的な活動を始めるのが賢明です。

また、採用のチャンスを増やすために、企業側の流れも把握しておく必要があります。

多くの企業では、新年度に備えた2～3月や、夏のボーナスを受け取って退職した人の補充をおこなう8～9月といった時期に多くの求人を出す傾向があります。

そういった時期を意識して、可能であれば現職の業務をコントロールしておけば、効率的な転職活動をおこなえるでしょう。

志望業界や志望企業の絞り込み方

新卒就活とは異なり、30代の転職活動は「企業と求職者がお互いのメリットを提示して、お互いが納得すれば成立する」という仕組みになっています。

転職先を検討するときには、自分のやりたいことだけでなく、実際にできることも意識して選ぶように心掛けましょう。

まずは自分のスキルを棚卸しし、どういった業務に向いているかをイメージしたうえで、志望業界や志望業界を絞り込んでいきます。

転職サイトやSNSを活用し、実際に働いている人やかつて働いていた人の口コミを見るのも効果的です。

ただし、働きながらさまざまな業界や企業について調べるのは難しいという方もいるかもしれません。

そういったときは転職エージェントに登録し、業界選びや企業探しを手伝ってもらうのがおすすめです。

転職エージェントでは、初回面談で自身の経歴や希望を伝えておけば、キャリアアドバイザーが自分に合った会社を探してくれます。忙しい人は検討してみましょう。

書類選考を突破する方法

書類選考を突破するためには「ミスのない書類」を提出することが最も大切です。

最近は転職サイトからメッセージを送って応募するケースも増えていますが、ここでミスをしてしまうと第一印象がかなり悪くなります。

エントリーやメッセージ送信の際には、タイプミスや誤字をしないように細心の注意を払いましょう。

また、30代の書類選考においては、職務経歴書の重要性が高まります。今までの仕事の中で努力してきたことと実際に達成したことを整理し、わかりやすくアピールすることを心掛けましょう。

職務経歴書を複数の企業で使いまわす方も見られますが、基本的にはおすすめできません。同じような業種に見えても、その企業が求める人材像は少しずつ異なるからです。

先方の求めている人材像をイメージし、自身の経験の中から関連性の高いエピソードを選び、そこを明確にアピールする経歴書を作成しましょう。数字など具体的な成果があれば、積極的に盛り込んでおくのがおすすめです。

面接を突破するためのコツ

30代の面接では、即戦力かどうかを厳しくチェックされることが多くなります。自分の経験について、自信を持って具体的に説明できるように、事前準備をしっかりおこなっておきましょう。

新卒時の面接と異なるのは「チームでプロジェクトを完遂した経験」や「後輩の育成に関わったことがあるか」など、これまでの業務経験に関する質問が増えてくる点です。

「今後のキャリアプラン」といった定番の質問に関しても、今まで働いてきた経験を踏まえ、現実的な内容を話すことが求められるようになります。

前向きな転職であることをしっかりとアピールしながら、面接官に「この人なら入社後活躍してもらえそうだ」と思われるよう、自身の強みを伝えましょう。

内定後の退職交渉のやり方

無事に内定を獲得したら、次は現職の退職の準備を始めます。まずは就業規則を確認し、いつまでに報告する必要があるのか確認しましょう。

退職の報告は、まずは直属の上司にするのがマナーだと言われています。あらかじめ直接またはメールなどで「時間を取って欲しい」と打診しておき、直接報告するのが一般的です。

引き継ぎや有給休暇の扱いについてもこのタイミングで打ち合わせをすることが多いです。会社のルールに従って手続きを進めましょう。

多くの場合、退職報告をしたからといって現職を今すぐ辞めるわけではありません。上司に伝える際にも、転職理由は前向きなものを伝えておく方が無難です。

入社までに準備しておくこと

内定から入社までの期間を使って、新しい環境に向けた準備も進めておきましょう。

業界や企業に関する知識をさらに深めたり、必要な資格があれば取得に向けた勉強を始めたりする方が多いようです。

引っ越しを伴う転職をする場合には、業者の選定や予約も早めに済ませておくのがおすすめです。特に4月から入社する場合には、引っ越しをする人が多いため、早めの予約が必要となります。

また、現職までの経験を振り返りながら「自分ができること・できるようになったこと」を整理しておくのも効果的です。次の職場で良いスタートができるように、抜けのない準備を心掛けましょう。

未経験でも30代から挑戦できる職種9選

30代で転職を考えている方の中には、これまでとは異なる職種で働きたいと考えている方もいるでしょう。

30代からの未経験転職は、決して不可能ではありません。むしろこれまでの社会人経験を活かせる職種も多いです。

ここからは、30代から未経験でもチャレンジしやすい職種を紹介します。自分の適性や興味に合った仕事がないか、検討してみましょう。

事務職

事務職は、未経験でも基本的なビジネススキルがあれば挑戦しやすい職種です。特に営業事務の場合、商品知識や業界理解があれば、即戦力として期待されることがあります。

社会人経験者には報告・連絡・相談の基本が身についていると判断されるため、企業側も積極的に採用しようとします。

ExcelやWordの基本操作ができれば、十分スタートラインに立てるでしょう。

ただし、企業によって求められる事務スキルは異なります。募集要項をよく確認し、必要なスキルは事前に勉強しておくことをおすすめします。

関連記事：事務職に強い転職エージェント10選｜未経験・女性・第二新卒別に解説

営業職

営業職は、未経験でも「人と話すことが好き」「コミュニケーション力には自信がある」という方であれば、比較的採用されやすい職種です。

30代の場合、これまでの社会人経験で培った対人スキルが評価される傾向があります。また、前職での商品知識や業界理解を武器に、新しい業界でも活躍できる可能性もあるでしょう。

とはいえ、営業の仕事は業界や商材によって必要なスキルが大きく異なります。まずは自分の経験や知識を活かせそうな業界から検討するのが賢明でしょう。

関連記事：営業職の転職に強いおすすめ転職エージェント徹底比較17選｜失敗しない選び方と転職成功のコツを解説

教育支援業の総合職

学習塾講師など教育支援業の総合職については、人手不足に陥っている会社も多く、未経験でも採用されやすい傾向が見られます。

30代はまだまだ若いうえに社会経験を積んでいるため、即戦力として重宝されやすいです。

教育現場の経験がなくても、自身の就活体験や社会人経験を活かして学生をサポートすることは可能です。むしろ、企業での実務経験があることは、生徒に対する進路指導の際に大きな強みとなるでしょう。

生徒や学生の将来に関わる仕事なので、教育への興味や意欲は必須です。教育支援業で働く際には、コミュニケーション力と共に「人の成長をサポートすること」への情熱が求められます。

販売職

販売職は、社会人としての基本的なマナーが身についている30代が歓迎されやすい職種であると言えます。

特に営業職経験者である場合や、販売する製品に関する専門知識を持っている場合、即戦力としての活躍が期待されます。

知識を活かして現場で活躍し、エリアマネージャーなどの管理職へとステップアップしていくというキャリアも考えられるでしょう。

ただし、販売職は立ち仕事が多く、ある程度の体力が求められる仕事であることは認識しておく必要があります。また、シフト勤務が基本となるため、生活リズムの変化も考慮に入れておかなければなりません。

30代で販売職に転職する場合には、その後のキャリアまで具体的に考えておくのがおすすめです。

IT関連職

IT人材の需要は依然として高く、未経験者向けの求人も多い職種です。

最近は未経験からプログラマーやエンジニアとして採用する企業も増えていますが、元の職種によってはITサポートやカスタマーサービスなどでこれまでの経験を活かすという道も考えられるでしょう。

専門的なスキルが必要な職種に転職する場合には、転職前に独学で学んだりスクールで教わったりしておくと良いでしょう。入社後に研修があるといっても、前提知識があるかないかではその後の動きが大きく変わります。

IT産業は年々拡大傾向にあるため、うまくいけば収入を大きくアップさせられます。

ただし、スキルが身につくまでは収入が減少する可能性もあるため、貯蓄をしておくなど計画的な準備をおこなっておいた方が良いでしょう。

関連記事：IT転職エージェントおすすめ比較28選！エンジニア向けに徹底解説【2024年最新】

Webクリエイティブ職

WebデザイナーやWebライター、メディアのディレクターなど、クリエイティブ職に転職する30代も少なくありません。

Webクリエイティブ職はまだ誕生から間もない業界なので、未経験転職で始める人も多く、転職後も比較的馴染みやすいと言われています。

Webクリエイティブ職は、企業から依頼を受けて成果物を納品するというビジネスモデルです。30代の場合、これまでのビジネス経験を活かしてクライアントとの折衝をスムーズにおこなえる場合が多く、重宝されやすいです。

ある程度のスキルは求められますが、在職中からコツコツ学習を始め、ポートフォリオの作成などを済ませてから転職活動をおこなえば、比較的スムーズに転職できるでしょう。

関連記事：クリエイティブ職に強いおすすめ転職エージェントは？成功確率を上げるポイントも紹介

サービス業各種

接客業やサービス業は、未経験者も積極的に受け入れている業界です。ホテル、レストラン、美容関連など、幅広い業種で募集がおこなわれています。

30代には社会人としての基礎力があるため、接客の基本を学べば十分に即戦力としての活躍が期待できます。あるいは、これまでの経験を評価されて、マネジメント職候補として採用される場合もあるかもしれません。

サービス業は多くの顧客と触れ合いやりがいのある仕事ですが、休日が不規則になりやすく、場合によっては長時間労働を強いられる場合もあります。

ワークライフバランス維持のための取り組みについては、転職活動の際によく確認しておきましょう。

関連記事：接客業に強い転職エージェントおすすめ10選｜選び方や必要なスキルを解説

介護職

人手不足が続く介護業界は、未経験者の採用に積極的です。資格がなくてもスタートでき、働きながら介護職員初任者研修などの資格取得を目指せます。

介護業界において30代はかなりの若手扱いになります。体力面でも精神面でも充実している年代だと判断されるため、多くの職場で歓迎されるでしょう。

ただし、介護職は施設によってはかなりハードな体力仕事を伴ううえに、夜勤などシフトの不安定さとも向き合う必要があります。

5年後には施設管理者になることを目指す、将来的には独立して経営側になるなど、将来のキャリア設計もおこなっておいた方が良いでしょう。

関連記事：介護職向け転職エージェントおすすめ13選を徹底比較【2024年最新】

ドライバー職

ドライバー職など運送業界も人手不足が続いているため、未経験者であっても歓迎されやすい状況が続いています。

大型免許や特殊免許の取得支援をおこなっている企業も多く、初めは普通免許だけでも入社可能な会社が増えています。

長時間労働のイメージがある方も多いかもしれませんが、最近は残業時間の規制が入ったため、勤務状況は改善傾向にあると考えられるでしょう。

30代は体力も判断力も充実している年代であり、ドライバーとして働き始めるのに適した時期です。

ただし、長時間の運転や不規則な勤務時間があることも多いため、体力面での準備は必要です。

関連記事：転職成功率UP！ ドライバー向け転職エージェント・サイトのおすすめ15社

転職したいのにスキルがない…と落ち込む30代がやるべきこと5選

「転職したいけれど、自分には特別なスキルがない」と悩んでいる30代の方はたくさんいます。

しかし、これまで働いてきた30代が、本当に何のスキルも持っていないというケースは多くはないでしょう。見方を変えるだけで、自分の経験やスキルを大きな武器に変えることも可能なのです。

ここからは、スキル不足だと感じている30代の方が取り組むべきことを5つ紹介します。

転職理由を改めて整理する

自分のスキルについて振り返る前に、まずは転職したいと感じている理由を整理してみましょう。

「今の仕事が合わない」「給料が低すぎる」など、現状の不満を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

「異動で担当業務が変わってやる気がなくなった」という場合や「トップダウンの傾向が強すぎて働きづらい」という方もいるかもしれません。

実は、そういった不満を裏返すことで、自分のスキルが見えてくることがあります。

「自分はこういう仕事なら得意なのに」「本当はもっと自分のアイデアを活かしたいのに」といった心の声に耳を傾け、自己分析をしてみましょう。

自問自答を繰り返すうちに、これまで気付いていなかった自分の強みを発見できる可能性があります。

条件の幅を広げながら求人を探す

スキル不足だと感じる方は、求人を見るときに「この条件は満たせない」と、みずから可能性を狭めてしまいがちです。

しかし、求人票に書かれている条件は「理想の人材像」であって、すべてを満たす必要はありません。特に近年では20～30代の若手人材の不足が問題になっています。

むしろ企業側も「伸びしろのある人材」を求めているケースも多いのです。

まずは業界や職種の幅を広げて求人を探してみましょう。その過程で、自分の経験が活かせる意外な職種が見つかるかもしれません。

これまでの仕事で成長した部分を探す

30代で転職活動をしようと考える際に、多くの人は「専門的なスキルを活かして即戦力で活躍しなければ」と考えます。そして自分にはスキルがないと落ち込んでしまう人も多いのです。

しかし、実は「社会人としてここまで働いてきた」という経験を振り返れば、たくさんの成長をしてきたことがわかるのではないでしょうか。

学生の頃にはできなかったことが、今では当たり前になっていることも多いでしょう。

職務経歴書を書く際には、数字や具体的なエピソードを交えながら、これらの経験を丁寧に説明することで、良い印象を残せる可能性が高まります。

5年後、10年後の目標から逆算して妥協ラインを決める

長期的なキャリアプランを立てることによって、今回の転職でどこまで妥協できるかを探ることも、転職活動においては重要なプロセスとなります。

たとえば「いずれは経営者になりたい」と考えているものの、今までに管理職経験はないといったケースを例に挙げましょう。

確かに、いきなり社長の片腕として転職するのは難しいかもしれません。

その場合、一時的に年収を下げてでも、少しでも社長に近い部署で働ける企業を選ぶといった選択肢が考えられます。

ただし30代の場合は、あまり極端に下のポジションにいくのもおすすめできません。業界は変えても職種は活かすなど、これまでの経験を無駄にしない選択を心掛けましょう。

転職エージェントに相談する

自分の経験やスキルを客観的に評価してもらうためには、転職エージェントに登録するのがおすすめです。

多くの求職者を見てきたプロのキャリアアドバイザーが、冷静に判断したうえで向いている業種や会社を提案してくれます。

転職エージェントを利用すると、以下のようなメリットがあります。

スキル不足を感じて落ち込む前に、まずは無料の転職相談を利用してみることをおすすめします。特に30代の場合、これまでのキャリアを活かした転職先の提案を受けられる可能性が高いでしょう。

転職決まらない30代におすすめの転職エージェント

ここでは、転職が決まらない30代におすすめの転職エージェントを紹介します。

リクルートエージェント

マイナビエージェント

ビズリーチ

30代で転職が決まらず悩む人からのよくある質問

ここからは、30代で転職を検討しているのにうまくいかずに悩んでいる人から寄せられる質問に回答します。

転職は何歳までなら大丈夫？

日本では求人の際に年齢を条件にすることが禁じられているので、理論上は何歳でも転職できることになっています。

しかし、現実的には何歳でも同じように転職できるとは言い切れないのが事実です。

大手転職サービスdodaが5万人のユーザーを対象におこなった調査によると、2023年に転職に成功した人の年齢比率は以下の通りです。

年齢	転職成功者の割合
24歳以下	10.9%
25～29歳	37.9%
30～34歳	23.9%
35～39歳	12.7%
40歳以上	14.9%

このデータから、実際に活発に転職をおこなっている年代は20代後半から30代前半にかけてであることがわかります。

とはいえ、同調査結果では「すべての年代で成功者の数自体は増加している」とも述べられています。

40歳以上でも転職に成功している方の数は増えていることから、30代の転職難易度についても「そこまで高くはない」と考えられるでしょう。

30代の転職活動で書類選考を通過できない理由は？

転職活動の中でも書類選考を通過できないという場合、いくつかの理由が考えられます。

まずは自分自身が書類に関するミスをしていないか、念入りに確認してみましょう。

人手不足の世の中だと言われる一方で、一般事務や会計事務といった事務職の有効求人倍率は0.4倍前後と競争率の高い状態が続いています。

高倍率な職種ばかりに応募している方は、少し視野を広げてみてもいいのかもしれません。

【参考】一般職業紹介状況(令和6年9月分)について｜厚生労働省

30代の離職理由は何ですか？

退職理由については、厚生労働省が調査をおこなっています。

ただし実際には「その他の個人的理由」と回答している方が最も多いので、これらが一般的な退職理由であると断言しきるのも難しいです。

また、これらの理由を面接でストレートに伝えることは、面接官から「ネガティブな人だ」と判断される危険性からおすすめできません。

たとえば「仕事の内容への不満」であれば「より専門性を高めたい」、「労働時間への不満」は「ワークライフバランスを重視したキャリア形成を目指したい」といった前向きな表現に置き換えるようにしましょう。

【参考】令和５年　雇用動向調査「前の勤め先を辞めた理由・現在の勤め先を選んだ理由別入職者数及び構成比」｜厚生労働省

転職先が決まらない期間の目安は？

厚生労働省の「離職期間別入職者数及び構成比」によると、30代前半の転職成功者の約78%、30代後半でも約76%の方が退職から3ヶ月以内に次の転職先を見つけているとされています。

	15日未満	15日～1ヵ月未満	1ヵ月～3ヵ月未満	3ヵ月～6ヵ月未満	6ヵ月～1年未満	1年～1年6ヵ月未満	1年6ヵ月～2年未満
30～34歳	48.2	10.3	19.2	7.8	10.3	2.7	1.1
35～39歳	47.3	8.3	20.3	9	9.6	4.1	1.1

【参考】令和５年　雇用動向調査「性、年齢階級、就業形態、雇用形態、離職期間別入職者数及び構成比」｜厚生労働省

この情報を元にすると、3ヵ月以上経っても新しい会社が見つかっていない場合は「転職がなかなか決まっていない」と考えられます。

ただし、これは完全に前の仕事を退職した人が、次の職場を見つけるまでの期間を集計したものです。在職中の転職活動が3ヵ月で終わらなかったからといって悲観する必要はありません。

働きながらの転職活動をどれくらいのペースで進められるかは、仕事の忙しさや家庭の事情などによって人それぞれ異なります。焦ってミスマッチを引き起こさないよう、自分のペースで転職活動を進めましょう。

まとめ｜「転職決まらない」30代から脱出するには転職エージェントに相談しよう

30代での転職活動は、決して遅すぎるわけではありません。経験と若さのバランスが取れたこの時期だからこそ、チャンスもたくさんあると考えられます。

しかし、ただやみくもに活動しても、なかなか結果は出にくいでしょう。

自分の市場価値を客観視し、これまでの経験やスキルを整理しながら、慎重に企業選びをおこなうことをおすすめします。

30代の転職活動を成功させるためには、早い段階で転職エージェントに相談するのがおすすめです。

プロの目線で客観的なアドバイスを受けられるだけでなく、非公開求人の紹介を受けられる可能性も高くなります。

ほとんどの転職エージェントは無料で利用できます。一人で悩むよりも、まずは相談してみることから始めましょう。