看護師として働いてきて、看護師以外の他職種への転職を検討している方もいるでしょう。

本記事では看護師の経験・資格を活かせる転職先や、おすすめの他職種などを紹介しますので、これから転職を考えている方はぜひ参考にしてください。

関連記事：看護師向け転職エージェントおすすめ19選！各社を徹底比較【2024年最新】

看護師からの転職を考える理由

まず、看護師から転職を考える理由を紹介します。

厚生労働省が2023年に発表した「看護師等（看護職員）の確保を巡る状況」によれば、看護師の離職理由は以下の通りでした。

退職理由（全体）	割合（%）
結婚	11.6%
子育て	10.5%
転居	9.1%
妊娠・出産	8.8%
自分の健康（主に身体的理由）	7.4%
看護職の他の職場への興味	7.2%
親族の健康・介護	6.7%
配偶者の転勤	6.5%
勤務時間が長い・超過勤務が多い	5.4%
夜勤の負担が大きい	4.9%

結婚や子育て、転居などのライフスタイルが上位に並ぶ中、他の職場に転職したいと考える方も一定数いることがわかります。

ここからは自社で独自に実施したアンケートの声も交えながら、それぞれの理由について深く掘り下げていきます。

【アンケート名】看護師の退職・転職に関する実態調査
【調査日】2024年5月15日
【調査対象】看護師を辞めた/看護師から転職した経験がある男女
【調査人数】300人（男性43人/女性257人）
【調査方法】調査方法：アイブリッジ株式会社Freeasyを用いたインターネットリサーチ（調査元：キャリアアップステージ編集部）

看護職の他の職場への興味

看護師として働くうちに、他の病棟や職場への興味が出て離職した方も多いです。

理由は様々ですが、学びたい分野がある・スキルアップしたいなどプラスの理由から、人間関係や給料などに不満があったというマイナスな理由まで含まれるでしょう。

実際に看護師から転職した経験をお持ちの方からは、以下のような意見が寄せられていました。

結婚や妊娠・出産などのライフスタイルの変化

転職した理由として最も多く挙げられていたのが、結婚や転居などのライフスタイルの変化です。

看護師は他の職種に比べて女性の割合が高いため、ライフスタイルの変化に伴って転職を考えたという方も多い傾向にあるようです。

病院では夜勤や2交代・3交代といったシフトが組まれることも多く、ハードな勤務と育児を両立することが難しくなって転職する方もいるでしょう。

勤務時間が長い・残業が多い

看護師から転職する理由として、勤務時間の長さや残業の多さを挙げる方もいます。

病棟では日勤と夜勤を繰り返して働くことが一般的になるため、生活リズムが一定に保てず、疲れが取れないと悩む方もいるでしょう。

たとえば日勤でも、情報収集のために始業より1時間ほど早く出勤する「前残業」が常態化していることもあるようです。

夜勤の負担が大きい

看護師として働く中で、夜勤の負担に耐えかねて転職を考える方もいるでしょう。

たとえば訪問看護ステーションや、クリニックや美容外科などでは、日勤のみの勤務体系を取っていることも多いため、資格を活かして転職することが可能です。

夜勤手当がつかないため、給料が下がる可能性は高いですが、それでも身体的なストレスからは解放されるでしょう。

人間関係や責任の重さで精神的な負担があった

看護師からの転職を考えるきっかけとして、人間関係の問題を挙げる方も少なくありません。

ほか職種に比べ、看護師は女性の割合が高いことから、女性特有の空気感やトラブルに悩まされることも少なくないようです。

また看護師同士のトラブルはもちろんですが、患者さんからクレームを言われたり、他職種の方との人間関係に悩まされたという声も見られました。

看護師から転職する際の他職種の選び方

この章では、看護師が転職先を探す際の選び方について紹介していきます。

看護師の経験を活かせる職種を選ぶ

看護師から全くの別職種を選ぶのが不安な方は、看護師の資格や経験を活かせる仕事を選ぶのもポイントです。

詳しくは後述しますが、看護師経験を活かせる職種は以下の通りです。

これらの職種であれば、日勤のみのため身体的な負担も軽減できるほか、経験や資格を活かして選考も有利に突破できるはずです。

新しくスキルを学び直すのが負担に感じる方や、看護師のキャリアを白紙にするのが不安な方は、経験を活かせる他職種に転職しましょう。

転職に役立つ資格を取得する

ゆくゆくは転職したいと考えている方は、希望する職種に役立つ資格を取得するのも手です。

一例のみを紹介しましたが、以下記事では転職に役立つ資格を30個に分けて紹介していますので、詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。

関連記事：看護師の転職に有利な資格30選｜分野別の難易度やおすすめの資格を紹介

未経験者歓迎かどうか募集要項をチェックする

看護師から全くの異業種に転職したい方は、未経験者歓迎の求人に応募するのがおすすめです。

募集要項には「〇〇の実務経験3年」といったように条件が明記されていることが多いため、必ず事前に目を通しておくようにしましょう。

看護師として培ったコミュニケーション能力や、臨機応変な対応力などを応用すれば、接客業や事務職などにも転職しやすいでしょう。

看護師の経験を活かせる転職先13選

ここでは、看護師からの転職でおすすめの職種を13つ紹介します。

産業看護師

一般企業の看護師は産業看護師とも呼ばれ、企業内の医務室に勤務し社員の健康管理などをおこないます。

学校の保健室の先生のようなイメージで、健康診断や具合が悪くなった社員の対応などもおこないます。

産業看護師は企業内で働くため、基本的には日勤のみであるのが大きな特徴です。

また命に関わるようなプレッシャーがかかる業務をおこなうこともほとんどありません。

デスクワークがメインなので、オフィスで勤務したい方や体力的に余裕のある仕事に就きたい方に向いています。

ただし、人気が高い業種なので募集人数が少ないことがデメリットです。一般公募されず転職エージェントの非公開求人で決まってしまうことも多いので注意しましょう。

訪問看護師

訪問看護師は患者さんの自宅にて医療行為をする仕事です。

注射や点滴をはじめ健康状態のチェックや療養生活のアドバイスなどもおこないます。他にも患者さんの家族の対応や介護など多岐にわたります。

訪問看護師は病院の看護師と違い、基本的には日中のみの勤務であることが特徴です。

しかし、職場によってはオンコール対応が必要な場合もあるので、避けたい場合は転職前に確認しておくとよいでしょう。

患者さんと向き合い寄り添った看護をしたい、病院看護師として患者さんと向き合った経験を活かしたい方におすすめです。

関連記事：訪問看護の転職方法とは？失敗しない求人の探し方を解説！

保育園看護師

保育園の看護師は園児の健康管理が仕事です。

看護師なので保育士の資格は必要ありません。基本的に平日の昼間の勤務となり、土日祝日をしっかり休みたい方におすすめの職場です。

看護師が1人で対応する職場が多いため、責任もありますが自分で仕切れる範囲も広く仕事がしやすいところが特徴です。

先輩や医師との人間関係に疲れた方や自分である程度裁量を任されて仕事をした方にも向いています。

子どもと一緒にいる仕事のため、子ども好きな方にはやりがいを感じられる仕事だといえるでしょう。

美容クリニック

美容クリニックの看護師は、患者さんに対する美容医療の施術を行います。

医療脱毛やレーザー治療をおこなったり整形手術の介助をしたりなど、美容関係の医療行為を担当します。

患者さんのカウンセリングや医療的な観点から美容についてのアドバイスをおこなうので、看護師の知識や経験が活かせるところもメリットです。

勤務時間は、クリニックの診療時間に準拠するため夜勤はありません。プライベートの時間を充実させたい方にもおすすめです。

美しくなりたい患者さんのお手伝いをすることから、コミュニケーション力が高い方や美容に興味のある方に向いているといえるでしょう。

また、美容クリニックは自由診療の治療が多く、給与が高めなところも大きなメリットなので、高い給与の仕事を探している方にもおすすめです。

関連記事：美容クリニックに強い転職サイトおすすめ8選

治験コーディネーター

治験コーディネーターとは、治験がスムーズにおこなわれるように患者と製薬会社や医療機関との間に立って調整する仕事です。

患者さんに治験内容の説明や、検査のサポート、副作用が発生したときなどの対応をおこないます。

他には臨床開発モニターも治験コーディネーターを目指す方におすすめです。

臨床開発モニターとは、治験が定められた規定にそって実施されているかどうかをチェックする仕事です。

製薬会社や医薬品開発を委託されている機関に所属し、治験コーディネーターと連携した業務をおこないます。

基本的に夜勤や土日祝日の出勤がないため、平日昼間のみ勤務したい方に向いています。

患者さんとコミュニケーションを取る業種のため、看護師で患者さんを担当した経験を活かせる仕事です。

また新薬を開発するための仕事なので、未来の医療に貢献したいなど社会貢献をしたい人にもおすすめです。

ケアマネジャー（介護支援専門員）

ケアマネジャーは介護サービスの計画を作成するのが仕事です。

勤務先は特別養護老人ホームや地域の支援センターなどの介護施設となります。

介護や医療サービスのプランの作成など看護師の経験や知識を活かせるのが特徴です。

基本的に平日昼間の勤務で、土日祝日は休みの場合が多い業種です。

看護師の仕事と似ている部分も多いため、仕事に早く慣れやすいところもメリットだといえます。

ケアマネージャーになるには、介護支援専門員の合格が必要条件です。その後、介護支援専門員実務研修を受けた後に、ケアマネージャーとして認定されます。

5年以上の実務経験も必要ですが、看護師として5年以上勤務した経験があれば、問題ありません。

介護支援専門員の試験は医療分野の問題が多いため、看護師は合格しやすいといえるでしょう。

実際、東京都のケアマネージャー合格者のうち約16％が看護師で、介護福祉士に続いて多くなっています。

【参考記事】令和4年度(第25回)東京都介護支援専門員実務研修受講試験の合格発表について｜東京都福祉保健局

関連記事：ケアマネジャー向け転職エージェントおすすめ8選！項目別に徹底比較

医療事務

医療事務は、病院などの受付や医療費の計算などの会計業務をおこないます。

勤務時間は日中であることがほとんどです。土日祝日の休みが取りやすいところも特徴といえます。

看護師の経験を通して身につけた医療の知識を活かせるところもメリットです。

医療事務の仕事に就くためにとくに資格は必要ありません。大学病院からクリニックまで選択でき、職場のバリエーションが多いところもポイントです。

業種をまとめると、次のとおりとなります。

業種	仕事内容	向いている方
一般企業の産業看護師	企業内での健康管理	デスクワークが得意な方
訪問看護師	患者さんの自宅で医療行為をおこなう	患者さんに寄り添った仕事がしたい方
保育園看護師	園児の健康管理をおこなう	子どものお世話をするのが好きな方
美容クリニックの看護師	美容医療の施術をおこなう	美容に関心がある方
治験コーディネーター	治験の実施サポートをおこなう	医療の発展など社会貢献をしたい方
ケアマネージャー	介護サービスの計画などを作成する	介護業務に関心がある方
医療事務	病院の受付や医療費の計算などをおこなう	看護師の経験を活かした事務をしたい方

自分の適性と希望に合った業種を選ぶときの参考にしてみてください。

関連記事：医療事務系の求人サイトを比較｜自分に合う求人の探し方も紹介

フィールドナース

フィールドナースは、医療機器を取り扱うメーカーなどで営業を担当する看護師のことを指します。

主な営業先は病院などの医療機関であり、自社の商品をPRして購入してもらうことが目的となります。

販促する商品は医療に関わるものであることが多く、営業職に興味があるものの全くの別業界に転職するのが不安な方に向いているといえるでしょう。

医療系コールセンター

看護師の経験を活かし、医療系のコールセンターで働くというのも手段のひとつです。

コールセンターでは日勤・夜勤の両方があり、メンタルヘルスの相談や患者さんの急変時の対応などをおこなうことが多いです。

病棟看護師と異なり、基本的にデスクワークですので体力的な負担は少なく、対応の時間も決まっているため残業がほとんどないのも魅力といえるでしょう。

関連記事：コールセンター看護師はきつい？仕事内容や向いている人の特徴を解説

専門学校の教員

看護師としての経験が豊富な方は、養成所の専任教員になるのもおすすめです。

新しい世代の育成に興味のある方や、人に何かを教えることが好きな方に向いている職種といえるでしょう。

専任教員になれる人の条件としては、以下のように定められています。

専任教員になるための研修は、都道府県等が主催しているほか、オンラインでも受講することが可能です。

参考：一般社団法人 日本看護学校協議会｜看護師等養成所の教員への道

行政保健師

行政保健師とは、保健所や保健センターなどに勤める国家公務員の保健師のことを指します。

市民の健康相談に乗ったり、健康診断を実施したりするほか、同じ地域で働く公務員の健康管理なども業務内容となります。

行政保健師になるためには、国家資格である保健師の資格を取得する必要があります。

保健師過程がある教育機関に入学する必要があり、かつ全日制の学校が多いため、働きながら目指すことは難易度が高いかもしれません。

最短で1年で保健師資格が取得できるパターンもありますので、よく検討してみてください。

関連記事：保健師への転職は後悔する？理由や退職の基準・転職成功のコツを解説！

保健室の看護師

日勤で働きたい方には、保健室の看護師に転職するという手も挙げられます。

保健室では生徒や学生の処置のほか、健康管理や保健指導などの業務をおこないます。

土日祝が休日であることがほとんどのため、ライフワークバランスを重視したい方におすすめです。

公立学校の保健室で働くためには養護教諭の免許が求められますが、看護師免許や一定の臨床経験があれば可としているところもあります。

助産師

母性看護に関心がある方は、助産師を転職先に選ぶのもよいでしょう。

主な業務としては、妊婦さんの産前産後のサポートや分娩の介助、沐浴指導などが挙げられます。

日本の法律では女性だけがなれると定められており、助産師になるためには保健師と同様に資格を取得する必要があります。

看護師の平均年収が508万円であるのに比べ、助産師の平均年収は567万円（※）と高い傾向にあるため、年収アップを目指す方にもおすすめといえるでしょう。

※参考｜厚生労働省｜Job tag

関連記事：助産師転職サイト・エージェントおすすめ7選！項目別に徹底比較

医療業界以外でおすすめの転職先3選

次に、医療業界以外のおすすめの転職先を紹介します。

販売職

販売職は店舗に来店したお客さんへの接客業務です。

未経験者歓迎の求人も多いため、比較的転職しやすい業種です。

販売職の職場はスーパーやデパートをはじめ、さまざまな店舗で募集しています。

勤務先の選択の幅が広いところもメリットです。

勤務時間は店舗によって異なりますが、サービス業なので土日祝日の出勤が必要となる可能性は高い傾向にあります。

お客さんとコミュニケーションを取る仕事のため、患者さんと話す機会が多い看護師の経験が活かせる仕事といえるでしょう。

関連記事：接客業に強い転職エージェントおすすめ10選｜選び方や必要なスキルを解説

飲食業

飲食業とはレストランなどの運営に関わる業務のことです。

未経験で募集している業種の多くは、店舗のスタッフの仕事となります。

注文や予約を取るなどお客さんと話す機会も多いため、コミュニケーション能力が高い看護師に向いている仕事だといえるでしょう。

販売職と同様に土日祝日に出勤するケースが多いものの、比較的自由に勤務時間を設定できるところも特徴です。

レストラン、居酒屋、カフェなど、自分に合ったタイプの環境を選びやすいところもポイントといえるでしょう。

関連記事：飲食業界向けの転職サイトおすすめ15選｜選び方や活用ポイントを解説

エステティシャン

エステティシャンは、お客さんのフェイシャルやボディのケアをおこない、美しく仕上げる仕事です。

脱毛やレーザー照射などの施術をおこなうこともあります。

ダイエットやスキンケアなどを取り扱うため、看護師の医学的な知識を十分に活かせる業種だといえます。

エステティシャンになるための資格は必要ないため、未経験者の求人が多いところも特徴です。

基本的に土日祝日も営業している店舗が多いものの、夜勤はないため生活のリズムを崩すことなく働けるでしょう。

おすすめの他業種をまとめると、以下のとおりです。

業種	仕事内容	向いている方
販売員	来店したお客様の接客業務	人と話すのが得意な方
飲食業	飲食店の店舗スタッフとして接客	コミュニケーション能力が高い方
エステティシャン	エステやサロンで美容のサービスをおこなう	人を美しくすることに興味がある方

看護師以外の業種に挑戦したい方は、参考にしてください。

看護師から他職種に転職するメリット

看護師から他職種に転職することで、以下のメリットが期待できます。

命を預かる責任から解放される

看護師から転職するメリットとして、医療業界特有の命を預かるプレッシャーから解放されることが挙げられます。

他職種でも命に関わるヒヤリハットは起こり得るかもしれませんが、看護師ほど頻繁に起こることはなく、ストレスを減らして働けるでしょう。

事務職や営業職といった一般企業での勤務のほか、日勤のみのクリニックや、保健師などに転職することでも得られるメリットといえるでしょう。

生活リズムが整う

看護師から夜勤のない職種に転職すれば、不規則な生活リズムを整えることができます。

夜勤は手当がつくとはいえ、夜通しずっと働かなければいけないため、気が休まらず大きな負担となります。

なかには身体を痛めてしまったり、子どもとの時間を取れなかったりと悩む方も少なくありません。

日勤のみの訪問看護ステーションやクリニック、他職種に転職することで、規則正しい生活を送れるようになるでしょう。

関連記事：看護師が日勤のみで働くのはきつい？メリットや働きやすい職場も解説

幅広い経験を積むことができる

看護師から他職種に転職することで、新たなキャリアパスを見いだせるのもメリットといえます。

たとえばプログラミングなどのITスキルや、ExcelやWordといった事務に役立つスキルを身につけることで、他職種でも活躍できるビジネスパーソンを目指せます。

看護師は資格・経験があればブランクからも復帰しやすい職種のため、他職種で上手くいかなかったとしても出戻りはしやすいでしょう。

看護師から他職種に転職するデメリット

看護師から転職することで起こり得るデメリットは、以下の通りです。

年収が下がる可能性が高い

看護師から他職種に転職することで、年収が下がる可能性があることは理解しておきましょう。

令和4年に実施された「民間給与実態統計調査」によれば、全職種の平均給与は「458万円」となっている一方で、看護師は508万円となっています。

このように看護師の平均年収を超える職種はそう多くないため、一時的な年収ダウンは覚悟しなければならないかもしれません。

業界によっては看護師免許が全く活かせない

医療業界と全く異なる職種に転職する場合は、看護師免許が活かせなくなるデメリットがあります。

最初から看護師を辞める気持ちで転職するのであれば問題ありませんが、長く看護師としてのキャリアを積み上げてきた方であれば、ギャップを感じてしまうこともあるでしょう。

当編集部の実施したアンケートでも、他職種に転職したものの看護師に戻ってきたという方が見受けられました。

下調べが足りず後悔することがある

求人の下調べが足りなかったり、書かれていた情報と異なって後悔してしまうという方もいるようです。

たとえば残業時間がないと書かれていたのに実際には残業が当たり前であったり、人間関係が良好と聞いていたのに入ってみるとギスギスしていたりと、転職した意味がないような事例も見受けられます。

当編集部が過去に実施したアンケートでも、転職して後悔したと答えた方は66%に上り、その中で多かったのが「人間関係の問題」と「条件が違っていた」というものでした。

詳しくは以下記事にアンケートがまとめてありますので、気になる方はぜひ参考にしてください。

関連記事：看護師が転職で後悔する理由とは？実例や悩み別に転職ポイントを解説！

看護師から転職すべき人の特徴

看護師からの転職が向いている人の特徴は、以下の通りです。

まずは他職種に転職する目的がはっきりしている人であれば、転職すべきといえます。

たとえば「病棟以外でスキルアップをしたい」「次世代の育成に興味があるので教員を目指したい」など、キャリアプランが明確であれば問題ありません。

ほかにも看護師から他職種に転職すると年収が下がる可能性がありますが、一時的な年収ダウンを許容できる場合も向いているといえます。

最後に大切な観点として、ストレスにさらされて心身ともに限界を迎えている場合は転職を検討した方が賢明です。

我慢して働き続けると、転職に割くエネルギーまで奪われてしまうほか、最悪の場合はうつ病などの精神疾患を引き起こす可能性もあります。

看護師からの転職を避けたほうがよい人の特徴

以下の特徴に当てはまっている方であれば、看護師から転職して後悔する可能性が高いです。

転職して何をやりたいのか分からない方は、一歩立ち止まって考える必要があるといえます。

目的を明確にしないと、転職活動が長期化する恐れがあるほか、納得のいかないまま転職してしまう可能性が高いです。

またお礼奉公として奨学金を病院に肩代わりしてもらっている方もいるかと思いますが、途中で退職すると一括返済を求められるリスクもあります。

ほかにも人間関係の悩みだけで転職に踏み切ろうとしている方も、後悔する可能性が高いでしょう。

なぜなら人間関係の問題は看護師に限らず、どの職種・職場でも起こり得るからです。

まずは上司や師長さんに相談するなど、現職で解決できないか試してみて、改善が見込めない場合は転職を検討しましょう。

看護師からの転職を成功させるためのポイント

ここでは、看護師から転職を成功させるためのポイントを5つ紹介します。

内容をしっかり押さえて、転職が成功する確率をアップさせていきましょう。

転職目的を明確にする

なんとなく転職したいという気持ちだけで転職活動を開始するのは、失敗するリスクが高まります。

まず、転職先の希望条件を箇条書きにして明確にすることが大切です。少なくとも以下の希望条件はしっかり決めておきましょう。

条件を決めたら、どれを優先するかを決めておくことも大事なポイントです。優先順位の高いものから、希望に見合った求人を探していくようにしましょう。

関連記事：看護師の転職で何がしたいかわからない場合の解決法は？自己分析のコツも解説！

看護師の経験をどう活かせるのかを伝える

採用担当者は、面接の際に「なぜ看護師から転職したいのか」という質問を投げかけてきます。

担当者としても入社後にどのように活躍してくれるのかを知りたいため、看護師としての経験を活かしてどう貢献できるのかを伝えましょう。

たとえば「内科病棟で〇年勤務し、介護施設に入所される高齢者の方をよく見てきたので、住み慣れたご自宅で過ごしていただきたく訪問看護を志望した」というように、具体的に伝えられると好印象です。

全くの他職種であっても、プリセプターとして新卒を指導した経験や、他職種と連携を取りながら仕事をした経験などは大いにアピールできるでしょう。

関連記事：看護師の転職面接でよく聞かれる質問と回答例とは？答え方のポイントを解説

下調べを徹底する

転職後のミスマッチを防ぐためには、徹底的に下調べをおこなうことが大切です。

待遇面や勤務形態、仕事内容はもちろん、業種が求める人物像や向いているタイプなども把握できるのが理想です。

自分の希望条件と調べた職場の情報を照らし合わせて、本当に転職しても問題なさそうかどうかを判断していきましょう。

情報収集の方法は、インターネットの検索やSNSの口コミを参考にする、転職エージェントに登録して担当者にリサーチしてもらうといった方法が挙げられます。

また医療業界であれば、職場見学をさせてもらって雰囲気をつかんでおくというのも有効です。

看護師への転職も視野に入れる

看護師から他職種に転職する場合でも、看護師のまま他の職場に移る選択肢も残しておきましょう。

明確な目的がある場合は他職種でも問題ありませんが、人間関係や夜勤への不満が根底にある場合は、職場や雇用形態を変えれば解決する可能性があります。

当編集部でアンケートを実施したところ、同じく看護師として転職し、問題が解決した方も一定数いました。

転職のプロに相談する

看護師として後悔のない転職をしたいのであれば、転職サイトを使うのも手です。

転職サイトを利用すれば、以下のサポートを無料で受けることができます。

具体的な条件が決まっている場合でも、転職をして何がしたいか分からないという方でも相談から無料でおこなってもらえます。

中には「看護師は転職サイトを使わない方がいい」といった意見もありますが、真相については以下記事で触れていますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事：看護師転職サイトは使わない方がいい？使うべき人の特徴や口コミも紹介！

看護師から他職種に転職したい方におすすめのサイト

ここからは、看護師以外の他業種への転職におすすめの転職サイトを3つ紹介します。

リクルートエージェント

リクルートエージェントは、全国規模で展開している大手転職エージェントです。

20万件の非公開求人を保有しており、さまざまな業種を幅広く取り扱っています。

どの業種にしようか迷っている方や、多くの選択肢から仕事を選びたい方におすすめです。

また、コンサルタントの数も多く、親身にサポートしてもらえるところも魅力です。

初めての転職で不安な人や応募書類の添削や面接対策などもしてほしい方は、登録しておくことをおすすめします。

マイナビエージェント

マイナビエージェントは、充実したサポートが特徴の転職エージェントです。

業界ごとに専任のキャリアアドバイザーを配置しているのが特徴です。

各業界に精通しているプロが、ぴったりの求人を紹介してくれます。

また、キャリアアドバイザーの他に企業の人事担当者専門のアドバイザーも在籍しています。

doda

dodaはパーソルキャリア株式会社が運営する大手転職エージェントです。

公開求人数も18万件を超え、求人エリアも全国展開しています。

求人サイトと転職エージェントのどちらも利用可能なので、自分で仕事を探しながらエージェントからの紹介も受けたい方にぴったりです。

初めての転職で不安な場合も、キャリアアドバイザーにしっかりサポートしてもらえます。

また、女性に人気の求人情報のコーナーもあるので、効率よく自分に合った仕事を探したい女性看護師も利用しやすいといえるでしょう。

看護師の経験を活かして転職したい人におすすめのサイト

この章では、看護師の経験・資格を活かして転職したい方におすすめのサイトを5つ紹介します。

レバウェル看護

レバウェル看護は、公開求人数の多さが魅力の看護師転職サイトです。

10万件以上の求人情報をホームページに掲載しています。利用者数の累計が40万人を超える人気ぶりも注目ポイントです。

求人情報では働くスタッフの生の声やおすすめのポイントなどが詳しく書かれており、応募前に職場の状況を把握しやすいところも特徴です。

さらに詳しい情報を知りたい場合は、キャリアアドバイザーが情報を提供してくれるところも心強いです。

困ったことがあれば、LINEからでも気軽に相談できます。

職場の情報収集に重点を置いている方におすすめの転職サイトです。

ナース専科 転職（旧：ナース人材バンク）

ナース専科 転職（旧：ナース人材バンク）は、株式会社エス・エム・エスが2005年から運営している老舗の看護師転職サイトです。

年間で10万人以上の看護師が利用している人気の高さも魅力です。また求人募集エリアが全国なので、求人数の多さも強みです。

キャリアアドバイザーも都道府県ごとに在籍し、転職の悩みについても丁寧にサポートしてくれます。

実績のある看護師転職サイトを探している方や、幅広いエリアの求人情報を知りたい方におすすめです。

看護roo!転職

看護roo!転職は、看護師向けメディア「看護roo!」が運営する、充実した求人数が魅力の転職サービスです。

全国の求人を豊富に取り扱っているほか、LINEで気軽にやり取りできるため在職中の方でも利用しやすいのが特徴といえるでしょう。

ナースではたらこ

ナースではたらこは、ディップ株式会社が運営する転職サイトです。

エリア別の担当者制で専属のコンサルタントか希望エリアの求人情報を細かく提供してくれます。

働いてみないとわからない人間関係や職場の雰囲気なども教えてもらえるので、転職後のミスマッチが少なくなるのが魅力です。

また、ナースではたらこでは、求人していない病院に対して求職者からアプローチをかけることが可能です。

病院側が了承すれば、コンサルタントが紹介してくれます。

どうしても働きたい職場が決まっている場合は、サービスを利用してみることをおすすめします。

看護師ワーカー（旧 医療ワーカー）

看護師ワーカー（旧 医療ワーカー）は、看護師・助産師・保健師の仕事に特化した転職サイトです。

全国の求人情報を扱っているので、首都圏以外で転職を考えている方にもおすすめです。

また良質な非公開求人を取り扱っているところも特徴です。月収30万以上で夜勤がない職場など、好条件の求人に出会える可能性もあります。

登録しておけば希望条件とマッチした非公開求人情報をメールで受け取れるので、興味のある求人があれば、すぐに申し込むことが可能です。

対面でカウンセリングを受ける時間がない場合は、Webカウンセリングにも対応しているので、気軽に相談しやすいところも魅力です。

まとめ｜看護師からの転職は経験を活かすのがコツ！ミスマッチを防ぐために自己分析を

ここまで、看護師からの転職を考えている方におすすめの仕事を紹介しました。

未経験から他の業種に挑戦することも可能ですが、できれば看護師の経験や知識が活かせる業種に就くほうが転職はスムーズに進みやすくなります。

とはいえ、新たな業種で心機一転を図りたいという方もいるでしょう。

本記事のまったく経験がない業種に挑戦する場合のアドバイスを元に、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

「どうしても看護師の仕事がつらい」「別の業種で働いてみたい」という気持ちとしっかり向き合い、転職活動の一歩を踏み出してみてください。