
高卒よりも大卒のほうが優遇されるから、転職はやっぱり難しいよね
このように最終学歴が高卒で転職するのは難しいと悩んでいる方は少なくありません。
しかし、自分一人で転職活動をするのではなく転職エージェントにサポートしてもらいながら正しい事前準備や対策することで、高卒の方でも転職することはできます。
自己流で転職活動をしたり、自分とは合わない転職エージェントを利用すると、かえって転職活動がうまくいかない可能性があります。
そこで本記事では、高卒で転職が難しいといわれる理由や転職を成功させる方法、おすすめの転職先の業界について解説します。
高卒で転職するのは厳しい?難しい?
結論として、高卒での転職は難しい一面も持ち合わせていますが、必ずしも不可能ではありません。
実際に、リクルートエージェントの公式サイト内で「高卒以上」と条件を絞って検索すると「649」件の求人情報がヒットします。(※2023年9月現在)
確かに、大卒や院卒と比べて転職できる幅が変わるかもしれませんが、高卒の求人を出している会社は多数あるのです。
なによりも、転職時に自分の強みをしっかり企業にアピールできれば、十分に成功も見込めるでしょう。
「高卒での転職は厳しい・難しい」といわれる理由3つ
高卒が転職で難しいといわれる理由は、下記のポイントが主な理由です。
- 高卒のほうが大卒と比べて離職率が高いため
- 「大卒」を応募条件にする企業が多いため
- 学業経験の差をみているため
それぞれ詳しくみていきましょう。
高卒のほうが大卒と比べて離職率が高い
企業は、長く勤めてくれる人材を求めています。高卒は大卒と比べて離職率が高い傾向にあり、採用に抵抗のある会社もいるというのが現状です。
厚生労働省が発表した「令和2年度における新規学卒就職者の離職率」において、新規学卒就職者の3年以内の離職率は下記のようになっています。
最終学歴 | 就職後3年以内の離職率 |
---|---|
中卒 | 55.0% |
高卒 | 36.9% |
大卒 | 31.2% |
結果からわかるように、中卒から大卒にかけて3年以内の離職率は徐々に上がっています。高卒と大卒を比べると、5.7%も差があり高卒の方が就職後の離職率が高いことが分かります。
会社は長期的に勤続できる社員を求めるため、データ的にも離職率の低い大卒を率先して採用するというケースが考えられます。
「大卒」を応募条件にする企業が多い
求人サイトの募集要項に、「大卒以上」という文言を見ることは多いのではないでしょうか。採用の際に、会社は応募者を絞るために条件を限定することもやはり多いです。
企業は大学で専門性のある知識を得た大卒を求めることが多く、高卒というだけで書類選考に進めない場合があります。
学業経験の差を見ているため
高卒の方は3年間の学業経験に対して、大卒の方は(高校の年数も含めると)合計7年以上の学業経験があることになります。
3年と7年という差はやはり大きいでしょう。学業以外にも、社会経験・活動面でも高卒・大卒では差があります。高校での活動は学校の授業と部活が主ですが、大学では活動の幅が広がります。
- サークル活動
- アルバイト
- インターン
- 卒論研究
これらの活動で社会との関わりが増え、社会人スキルや経験値を磨く場が増えます。
大学に通い単位を取るために勉強を継続する学習意欲や、インターンを通して社会性を磨いた大学卒と比べてしまうと高卒の場合は判断材料が少なく、採用側にリスクがある点は否めないでしょう。
厳しいと言われる高卒転職を目指す上でアピールすべきポイント
高卒が大卒と比べて転職に不利な面があるものの、転職が不可能なわけではありません。
ここでは、高卒が転職を目指す上でアピールできるポイントを3つ紹介します。
- 高校卒業からの社会人経験の長さ
- 若くてスキルの豊富な人材の可能性
- やる気や協調性
それぞれ詳しくみていきましょう。
高校卒業からの社会人経験の長さ
高卒は、大卒と比べて4年も早く社会人として活動しています。つまり、実践での対応能力や社会人としての対人スキルは大卒と比べて高いのです。
特に同じ業界内で転職する場合、すでに業界の知識がある高卒は即戦力になると判断され、転職に有利になるかもしれません。
若くてスキルの豊富な人材である
高卒が大卒に勝る点は「若さ」です。たとえば、高校卒業後すぐに社会人として働き始め4年後に転職を検討する場合、転職時の年齢は22歳です。
大卒が新卒として働き始める年齢と同じです。若くてスキルのある高卒は、教育期間を短くしてすぐに働き始めることができます。
業界によっては、若い人材を求める企業は多く、大卒よりも4年も早く社会人経験を積んでいる高卒は重宝されるでしょう。高卒は若さと自身の積み上げてきたスキルを武器に転職に臨むことがおすすめです。
やる気や協調性
高卒は、やる気や協調性を強く押し出すことで、転職を有利に進められます。
前職での活躍や社員同士の協調性を高めるために自分が工夫した点など、学歴に限定せず、本人の素質に注目してもらうことで企業側は安心して採用を進められます。
企業が求める人材は、やる気があって長期的に働く人材です。採用後、社内で問題なく働ける協調性があることをアピールしていきましょう。
高卒でも転職を成功させる方法|厳しい・難しい状況を乗り越える方法
ここからは、高卒で転職を成功させる方法を5つ紹介します。
- 同業種に転職する
- 高卒でも転職に有利な資格を取得する
- 転職エージェントを利用する
- ハローワーク、就職支援センターを利用する
それぞれ詳しくみていきましょう。
同業種に転職する
同じ業界・業種での転職はやはり即戦力としては評価されやすいので、転職は成功しやすくなります。
高卒の強みは、大卒と比べて社会人経験が長い点です。つまり高卒が同じ業界に転職する場合、応募時点で業界内の一定の知識が身についています。
企業は即戦力となる人材を求めるため、採用される可能性が高まります。面接では、前職で身につけたスキルや対応能力をアピールし、転職後はどんな仕事ができるかを具体的に伝えましょう。
企業としても採用後のイメージを強く持つことができ、転職の成功率も高められるでしょう。
高卒でも転職に有利になる資格を取得する
高卒は「学習能力に不安がある」と見られやすいデメリットがあります。そのデメリットも資格を取得することである程度緩和できるといえるでしょう。
転職したい業種を絞った後に、その業種で必要となる資格を取得するのがおすすめです。代表的な業種とその業種で役立つ資格は以下のとおりです。
業種 | 役に立つ資格 |
---|---|
事務職 |
簿記(2級・3級) MOS |
エンジニア |
ITパスポート |
工場職 |
フォークリフト運転者 電験三種 アーク溶接作業者 |
介護職 |
介護福祉士 |
事務職、エンジニア、介護職で紹介した資格は受験料を払うことで受験することができます。工場職の資格は講習の受講が必要ですが、誰でも受講できます。
転職エージェントを利用する
転職エージェントは、求人サイトに載っていない求人情報ももっています。転職エージェントに登録して、サポートを受けることで転職先の幅が広がるかもしれません。
高卒の転職を検討する場合、転職エージェントは下記の項目に注意して選びましょう。
- 自己分析やカウンセリングサービスの有無
- 応募型か求人紹介型
- 専任のキャリアコンサルタントがつくかどうか
- 高卒求人の有無
- 募集、面接、採用後のサービス内容
会社によってサービス内容が異なります。高卒で転職エージェントを利用するのであれば、応募文章の添削やカウンセリング、模擬面接のサポートなどが充実したエージェントを選ぶのがおすすめです。
応募文章や面接の練習を徹底することで採用確率は上げられるでしょう。
また、転職エージェントには「応募型」と「求人紹介型」の2種類があり、「求人紹介型」を利用すれば、自分で求人を探す以外にもエージェントが自分に合った求人を紹介してくれます。
高卒の求人を多く取り扱う転職エージェントを利用して、できるだけ可能性を広げるとよいでしょう。
ハローワーク・就職支援センターを利用する
ハローワークとは、就職困難者を中心に就職を支援する国の機関です。職業紹介や職業相談、職業訓練の受講を支援することで、利用者が就職できるようサポートします。
就職支援センターでは求人紹介は実施しませんが、ビジネスマナーや作業スキル、対人スキルなどの転職に役立つスキルを学べる機会があります。
特にハローワークでは、就職活動に役立つセミナーや企業説明会などのサービスを受けられ、知識や経験をつけながら転職できるサポートが充実しています。
ハローワークでは担当者と相談しながら転職活動を進められるため、転職活動に不安がある場合には、まずは相談してみるのがおすすめです。
高卒転職が厳しい難しい場合には大卒資格を取得する方法もある
大卒資格を取るには大学に進学する必要がありますが、近年では夜間教育や通信教育が発達しており、また、インターネットでも受講ができる体制が整っているため、仕事をしながらでも進学することが可能です。
すぐに転職を考えておらず、将来のライフプランとして大卒資格を検討している人は、選択肢のひとつとして考えてみてください。
高卒が転職活動をする際に徹底すべきこと3つ
ここでは、高卒が転職活動をする際に徹底すべきことを3つ紹介します。
- 自己分析を徹底する
- 会社情報をあらかじめ調査する
- 面接での対応をあらかじめ練習しておく
それぞれ詳しく紹介していきます。
自己分析を徹底する
自己分析をすることで、下記の3つのメリットを得られます。
- モチベーションの増加
- 面接でのアピールポイント
- 自分に合った転職先の発見
自己分析をすることで、自分がなぜ転職したいかを客観的に考えられます。分析する中で自分の不満ややりたいこと、目指す将来像を明確にでき、自分のモチベーションが上がるのです。
また、自分の強みや弱みを分析し何を大切にしているかを分析することで、会社の求める人材とのミスマッチを防げます。
自己分析で見つけた自分の情報は面接の強みになるだけでなく、転職後の自分のキャリアを伸ばす軸にもなります。
より深く自分と向き合うためには、自分一人でやるのではなく、転職エージェントにサポートしてもらいながら進めるのがよいでしょう。
会社情報をあらかじめ調査する
会社情報は、公式サイトや口コミサイト、就職四季報などで事前に集めることができます。転職エージェントを利用している場合は、エージェントの持つ企業情報をもらえることもあります。
実際に自分が働く未来を想像して、いい面と悪い面の両方を確認しておきましょう。入ってみて「予想と違う」となるのは、主に事前の情報が不足していることが原因で起こります。
企業の情報を集めることで、自分の求める企業の条件も見えてきます。情報の信憑性を高めるために、内部や外部、アナログの情報など幅広い視点で情報収集をするのがおすすめです。
また、面接時に会社のことを詳しく調べておき、それを面接官に伝えられればかなりの好印象になります。情報収集はやれるだけやっておくのがよいでしょう。
面接での対応をあらかじめ練習しておく
高卒は、大卒と比べて面接経験が少ない方も多いでしょう。大卒であれば就職活動時に面接を経験し、受け答えの経験値がついていることが多い反面、高卒の場合にはそうとは限りません。
面接や企業調査など、練習・用意すれば克服できる項目で他と差がつくのは大きなデメリットです。面接で自分をアピールできなければ、いくら応募しても転職は難しいでしょう。
転職エージェントやハローワークは面接で想定される質問内容の情報を多くもっています。本物の面接で緊張せず話すため、自分のアピールを最大限におこなうためにも、面接練習は徹底しましょう。
高卒転職が厳しい・難しいと思うあなたにおすすめの転職エージェント5選
ここからは、高卒の転職で利用すべき転職エージェントを5つ紹介します。
それぞれみていきましょう。
就職カレッジ
高卒の就職を支援する「就職カレッジ」では、3万3,000人以上(※)の正社員就職を成功させた実績があります。
また、アドバイザーが実際に訪問して「安心して働ける」と判断した求人のみを紹介しているため、入社後3ヵ月の定着率は92.21%(※)と高い数値になっています。
就職カレッジの特徴は、面談後に無料の就職支援講座を受けられることです。
社会人に必要なビジネスマナーを学べるほか、自己分析・企業分析の支援や応募書類の指導、面接練習もあり、知識を身につけたうえで就職活動に臨める点は、経歴に不安のある高卒の方にとって助かる点です。
また、優良企業約20社を集めた集団面接会があり、書類選考なしで参加できることもメリットです。
(※)就職カレッジの公式ホームぺージより
DYM就職
DYM就職は、「未経験歓迎」や入社後の研修が充実している企業の求人を多数取り扱っているため、高卒の方でも優良求人に出会える可能性があるでしょう。
企業規模が幅広いのも特徴で、中小企業やベンチャー、大手企業の中から希望条件に合う求人を紹介してもらえます。
書類選考なしで面接に進める求人も保有されており、経歴や職歴よりも人柄を重視した選考がおこなわれることもあるため、高卒の方は利用したい転職エージェントです。
高卒の方は経歴に不安がつきものですが、DYM就職のエージェントは二人三脚でサポートしてくれるため、安心して就職活動に取り組めます。
応募書類の指導や面接対策のほか、服装指導や入社後のフォローをしてもらえることもうれしいポイントでしょう。
キャリアスタート
- 18~25歳の就職支援に強み
- 未経験可の求人が1,000件以上
- 丁寧なサポートに定評あり
キャリアスタートは、主に18~25歳前後の高卒・第二新卒の就職に強みがある就職エージェントです。未経験可の求人が1,000件以上(※)保有されているため、スキルや経験に自信がない方でも気軽に応募できるでしょう。
登録すると、経験豊富なキャリアコンサルタントからマンツーマンでの支援を受けられます。適性に合った求人の紹介から応募書類の添削、企業ごとの面接対策、内定後の条件交渉まで、時間をかけて丁寧にサポートしてもらえるのが特徴です。
じっくり話を聞いたうえで一緒にアピールポイントを考えてもらえるため、一人での就職活動に不安を抱える方は、登録して相談してみるといいでしょう。
(※)キャリアスタートの公式ホームページより
ハタラクティブ
20代向けの就職支援を展開するハタラクティブでは、特に未経験者のサポートに力を入れています。
学歴によって利用制限があるサービスもある中、ハタラクティブは高卒の方でも利用できます。
保有求人のうち、8割以上(※1)が未経験可の求人で、経歴よりも人柄を重視した採用をおこなう企業の求人を多数取り扱っています。最短2週間(※1)で内定を獲得した実績もあり、スピード内定にも期待できます。
また、キャリアアドバイザーからきめ細やかな就職支援を受けられることも強みです。スキルや適性・能力をもとにしたマッチングや、就職活動の悩みや将来的なキャリアプランの相談など、20代専門のキャリアアドバイザーだからこそのサポートが充実しています。
もちろん、面接対策や履歴書の添削などにも対応しており、高卒の方でも安心して就職活動に取り組めるでしょう。
(※1)ハタラクティブの公式ホームページより
ジョブドラフトNext

ジョブドラフトNextは高卒第二新卒・高卒既卒者専門の就職・転職支援サービスです。
最大の特徴は高卒者専門であるところです。高卒採用に積極的な多くの企業とのパイプをもっており、高卒者でも安心して就職・転職活動が行えます。
また、ジョブドラフトNextでは、「面接対策」や「履歴書作成」の講座だけではなく、社会人として必要なコミュニケーション力を身に付けられる「社会人基礎力講座」を無料で受けられます。
「履歴書作成が一人では不安な方」や「就職・転職したいが何をすればいいか分からない方」におすすめです。
高卒転職は厳しい・難しいに関するよくある質問
ここからは、高卒からの転職に関してよくある質問に答えます。
- 高卒で大企業に転職できる?
- 高卒は応募時点で落選するって本当?
- 転職の際に高卒だから有利なポイントはある?
それぞれ見ていきましょう。
1.高卒で大企業に転職できる?
高卒でも、業種によっては大企業に転職できます。高卒でも転職しやすい業種は以下のとおりです。
- 営業職
- 事務職
- エンジニア
- 工場勤務
- 接客業
- 介護職
ここで紹介した業種は、大手企業、中小企業を問わず高卒の採用が豊富です。例として、ホテル業界の最高峰ともいわれるヒルトンではエリアによって高卒の採用を実施しています。
転職前の業種が宿泊業であれば、培ったスキルや経験値をアピールすることで即戦力として採用される可能性があります。転職の目的が「大企業に転職したい」という内容であれば、高卒を積極的に採用する業種に絞って転職活動を進めるのがおすすめです。
2.高卒は応募時点で落選するって本当?
一部の求人では「大卒」が募集条件に含まれています。
企業側で募集人数を絞るための方法のひとつで、採用側は、人材を確保するために学歴で募集人数を減らす場合があるのです。
そういった場合は、応募時点で落選してしまうケースもあるでしょう。
3.転職の際に高卒だから有利なポイントはある?
高卒は、大卒と比べて有利になるポイントは以下の2点です。
- 社会人経験が長く、現場での経験値が高い
- 若くて体力がある
高卒で就職すれば、大学生が授業を受けている4年間に社会人として働くことができます。社会人経験が長ければ対人能力や状況把握能力が身につき、基本的な社会人マナーを獲得できます。
同じ業種に転職する場合、実務経験がある方が即戦力になるため、採用される可能性が高まるでしょう。
また、介護職や工場勤務などの体力が必要な業種では、常に若い人を募集しています。高卒は若いうちから社会で働く貴重な人材のため、有利なポイントになるはずです。
まとめ
今回は、高卒で転職をする場合の難易度や成功するためのコツ、転職前に徹底するべき準備について紹介しました。
高卒での転職は、大卒と比べて難易度は高いですが不可能ではありません。事前の準備や転職先の絞り方を正しくおこなうことで、大企業に転職することも可能です。
高卒で転職するためには、自分一人で行うのではなく、転職エージェントにサポートしてもらうことが大切です。