接客業に興味をもった時に、このような悩みをもつことがあるのではないでしょうか。

接客業には労働環境や給料面でブラックなイメージが強く、周囲から反対される方も少なくないでしょう。

自分が接客業に向いているかどうかを把握し、仕事選びのポイントを知ることで失敗する確率を下げられるはずです。

この記事では、「接客業はやめとけ」と言われる理由8つについてまとめています。

接客業が向いている人・向いていない人の特徴や、接客業以外のおすすめの職種についても解説するため、接客業に就くか迷っている方はぜひ参考にしてください。

接客業はやめとけと言われる8つの理由

接客業はやめとけと言われる理由は以下のとおりです。

• クレーム対応がつらい
• 常にまわりに合わせる必要がある
• 労働環境に給料が見合わない
• シフト制が多く生活リズムが狂いやすい
• 土日や大型連休に休みにくい
• 場合によってはノルマが課せられる
• 立ちっぱなし・動きっぱなしの体力勝負である
• スキルアップや昇進がほぼ見込めない

接客業の実情を知り、仕事選びの参考にしてください。

クレーム対応がつらい

接客業でもっともつらいのは、お客様からのクレーム対応ではないでしょうか。

飲食店やショップ・ホテルのスタッフ、受付など、直接お客様と関わる窓口で働く方は、まず初めに意見やクレームを言われる立場です。

その場合、たとえ自分に責任がないことでも、丁寧な謝罪や適切な対応をおこなわなければなりません。

しかしクレーム対応があまりに頻繁だったり、罵詈雑言を浴びせられたりするとメンタルへのダメージが大きくなり、仕事そのものが嫌になってしまうでしょう。

常にまわりに合わせる必要がある

接客業はお客様ありきの仕事のため、自分のペースで仕事を進めることが基本的に難しいといえます。

たとえばお店が忙しい時間帯は休憩を遅らせる、繁忙期は土日祝日でもフル出勤するなどの対応が必要です。

そのため在宅ワークのようなマイペースに働ける環境や、工場勤務のような決まったルーティンを希望する方には向きません。

また、基本的にスタッフやチームの一員として働くことになるため、協調性がない方は働きにくさを感じるでしょう。

労働環境に給料が見合わない

接客業は、朝から晩まで拘束されることが珍しくありません。

そのうえ最低時給で残業手当がつかないなど、待遇の悪い「ブラック企業」が多い傾向にあります。

そのため、仕事内容や労働環境に対して給料が見合わないと感じる方が多いと考えられます。

シフト制が多く生活リズムが狂いやすい

接客業はショップスタッフのように早番・遅番があったり、飲食店やコンビニのように深夜勤務があったりすることが珍しくありません。

基本的に勤務時間は固定ではなくシフト制が多いため、生活リズムが狂いやすいといえます。

9時から17時のような決まった時間で働きたい方にとって、接客業は難しい選択になるでしょう。

土日や大型連休に休みにくい

土日や大型連休に休みにくいのも、接客業のデメリットのひとつです。

レジャー施設やショップスタッフなど、多くの接客業では土日や連休が繁忙期のため、基本的には出勤となります。

もちろん、シフトを調整して月1〜2回程度、希望日に休みを取ることも職場によっては可能です。

しかし週末のイベントに参加しにくい・友人や恋人と休みが合わないなど、制約を感じる場面は多いでしょう。

場合によってはノルマが課せられる

職場や職種によっては、ノルマが課せられる場合もあります。

たとえばアパレル店員や美容部員・携帯販売員などは、一定の売り上げ目標や予算が組まれるケースが多くみられます。

たとえノルマを達成できなくても、降格やクビなどの厳しい処分があることはまずありません。

しかしノルマの設定によってプレッシャーを感じたり、まわりと比べて自分だけ売り上げを上げられず落ち込んだりする方は、接客業を選ばないほうが良いかもしれません。

立ちっぱなし・動きっぱなしの体力勝負である

接客業の多くは立ち仕事で、常に店内や施設内に目を配って動く必要があります。

とくに飲食店のスタッフはランチや祝日など、お客さんが一気に来店するタイミングでは目の回る忙しさです。重いものを持つ、スピーディーに動くといった能力も必要で、ある程度の体力やスタミナが求められます。

一方で大入り手当などがつくことはほとんどなく、「こんなに働いたのに時給に見合わない」と感じやすいでしょう。

スキルアップや昇進がほぼ見込めない

接客業はパートタイム労働者や派遣社員が占める割合が高く、言い換えれば「誰でも無難にこなせる仕事」がほとんどです。

それだけに、長く続けて特定の資格がとれたりスキルが身についたりすることはほとんどありません。

アパレル店員やホテル業のように、現場仕事以外の職種への異動やキャリアアップの可能性はありますが、それも職場によって大きく異なります。

そのため基本的にはアルバイトやパートタイム、派遣など短期で働くのにおすすめの業種といえるでしょう。

接客業が向いていないのはこんな人【やめとけ】

接客業が向いていない方の特徴を以下にまとめました。

• メンタルが弱い
• 人見知り・口下手である
• 1日中立ちっぱなしや動きっぱなしがつらい
• 土日や大型連休にしっかり休みたい

自分に当てはまりそうか、チェックしてみてください。

メンタルが弱い

なによりも、メンタルが弱い方に接客業は向きません。

お客様と企業をつなぐ窓口に立つことが多い接客業では、理不尽なクレームを受けることもしばしばです。

また、たとえプライベートで嫌なことがあっても、お客様の前では常に笑顔で接する必要があります。

自分の感情を抑えて適切な対応ができない方は、接客業に携わっても業務に支障がでるため、やめておいたほうが良いでしょう。

人見知り・口下手である

接客業は、文字どおりお客様と接する仕事です。人見知りで話すのが苦手な人は、そもそも向いているとはいえません。

ときどき、「人見知りを直したいから」とあえて接客業に応募する方もいますが、やはり性格に合わないところで長く続くことは稀です。

無理をするより、自分の性格に合ったところで働くほうが長い目で見ると自分のためにもなるでしょう。

1日中立ちっぱなしや動きっぱなしがつらい

接客業は立ちっぱなし・動きっぱなしの体力勝負になるため、体力に自信がない方には向きません。

そもそも運動が嫌いな方や体を動かす習慣のない方が長く働き続けるのは難しいといえます。

オフィスワークや工場勤務など、座ってできる仕事もあるため自分に合った働き方を検討しましょう。

土日や大型連休にしっかり休みたい

接客業は土日や大型連休が繁忙期です。

友人や恋人と休みを合わせたい、週末に行きたい趣味のイベントが多いなど、プライベートを優先したい方は接客業を選ばないほうが良いでしょう。

関連記事：接客業に向いてないかも？接客業に向かない人の特徴と正しい転職活動の進め方

接客業に向いているのはこんな人【やめなくてOK】

一方、接客業に向いているのは以下のような方です。

• 人と接するのが好き
• お客様の役に立つことにやりがいを感じる
• 座り仕事よりも動いているのが性に合っている
• 自分の都合に合ったシフトで働きたい

多く当てはまるようなら、接客業に就くことを前向きに検討してみてください。

人と接するのが好き

接客業のメインの仕事は人と接することです。お客様から感謝されたり、ふとしたことで会話が弾んだりすることもあるでしょう。

そういったやりとりにやりがいや喜びを感じる「人との交流が好き」な方は、まさに接客業向きといえます。

確かに、接客業ではクレームを受けることもあります。

しかし「さまざまな人との出会いや、やりとりを通じて成長したい」と考える方なら、どんな経験も自分の糧にできるでしょう。

お客様の役に立つことにやりがいを感じる

接客業は、お客様の反応をダイレクトに感じられる仕事です。商品探しの手助けや案内をした際に、「ありがとう」と言ってもらえることも多いでしょう。

しかし、工場勤務や事務員の場合、そういった反応を直接受けることはほとんどありません。

自分が誰かの役に立っていると感じることがやりがいとなり、接客業を続けていこうと思える方であれば、この仕事に向いているといえます。

座り仕事よりも動いているのが性に合っている

世の中には、なるべく決まったルーティンで黙って働きたいタイプの方と、常に何かをして忙しくしていたいタイプの方がいます。

接客業は、圧倒的に後者の「常に動いていたい」人向けの仕事です。

とくに同時に複数の作業を進行するマルチタスクが得意な方は、接客業もそつなくこなせる可能性が高いでしょう。また、黙っているより声を出したい方、会話を楽しみたい方も接客業向きといえます。

自分の都合に合ったシフトで働きたい

接客業の多くは時間固定ではなく、シフト制を取り入れています。

そのため大学生や、子育て中の主婦でも働きやすい仕事です。

「学校終わりの遅番のみOK」「子どもが幼稚園に行っている間のランチタイムだけ働ける」など、自分の都合に合わせやすいのが魅力です。

やめとけと言われない！接客業以外のおすすめ職種5選

接客業に魅力を感じていても、周囲にやめとけと言われて迷っている方もいるでしょう。

ここでは接客業以外に人と関われる仕事や、接客に向いていなくても就けるおすすめの仕事5つを紹介します。

• 営業・企画
• 旅行・観光
• 介護
• 清掃
• 工場

自分に合った仕事があるか、チェックしてみてください。

営業・企画

営業職は企業や顧客と深く関わる場面が多いことから、コミュニケーションが苦にならない方に向いています。

対応力やメンタルの強さが試されるなど、接客業と似ている面も多いでしょう。

接客業を通じてお客様の役に立つことにやりがいを感じる方は、企画の仕事も向いています。

いずれの仕事も、お客様が求めていることを考えるという部分が共通しているためです。

「人と接する仕事がしたいが、休日や給与面に不満がある」という方はぜひ検討してみましょう。

関連記事：未経験でも営業職に転職しやすい理由とは？営業職への転職を成功させるコツも紹介

旅行・観光

ツアーコンダクターやガイド、受付スタッフなどの旅行・観光業もおすすめの職種です。

お客様のサポートをし、お客様の喜ぶ顔を間近で見られるため、やりがいを感じられます。

とくに得意な外国語がある方や旅行好きな方は、仕事と趣味・特技を兼ねられる理想的な仕事といえるでしょう。

介護

介護職は利用者とコミュケーションをとりながら、体を動かして働きたい方にぴったりです。

シフト制が多くパートタイム労働者として働きやすいという部分も、接客業と共通しています。

地方でも求人が多く転職しやすいうえ、今後も需要が伸びる傾向にあるため長く働ける仕事でしょう。

資格がなくても始められますし、資格を取得すれば手当や役職がつくこともあるため、キャリアアップを目指したい方にもおすすめです。

関連記事：介護の仕事はきつい？やりがいやメリット・仕事がきついと感じたときの対処法を紹介

清掃

マイペースで淡々と仕事を進めたいタイプの方は、清掃業が向いています。

アルバイト・パートタイムでの募集が多いものの、副業やシニア世代でも長く働きやすい仕事です。

決まった時間で働けることや資格がいらないこと、求人数が多く働き先に困らないことなどがメリットですが、キャリアアップは基本的に見込めません。

きれい好きな方、自分のペースで働きたい方は検討してみても良いでしょう。

工場

接客に向いていないと感じる方におすすめなのが、工場勤務です。

決まったルーティンで黙々と作業することが多く、人と関わらなくても働けます。

勤務時間が固定されており、夜勤だけや平日だけなど融通がききやすいのもメリットです。

全国どこでも求人が豊富にあり、大手企業はとくに高待遇で残業手当もきちんとつくことがほとんどです。

中には座ったままできる仕事もあるため、体力に自信がない方も仕事選びの選択肢に入れてみてください。

失敗せずに接客業で働くためのポイント

失敗せずに接客業で働くためのポイントは次のとおりです。

• 本当に接客業でやっていけそうか考える
• 就業先について事前に十分リサーチする
• 仕事を続けながら転職活動する
• 転職エージェントを利用する

あらかじめポイントを確認し、安心して働けるようにしましょう。

本当に接客業でやっていけそうか考える

まずは自分が本当に接客業でやっていけるのか、十分に考える必要があります。

「性格的には向いていないがやってみたい」という方もいれば、「向いていそうだが周囲に止められて迷っている」という方もいるかもしれません。

ですが、最終的には自分の気持ちが一番大切です。

本当にやりたいと思ったら、思いきって飛び込んでみるのも良い経験になるでしょう。

就業先について事前に十分リサーチする

接客業と一口に言っても、実際は職場・職種によって待遇や環境は異なります。

自分が働きたいと思う職種や、実際に働きたい職場がある場合、集められる限りの情報を集めておきましょう。

働きだしてから「こんなはずじゃなかった」と後悔する確率を減らせます。

周囲の人の評判を聞くほか、ネット上で実際に働いている方の発信や利用者の口コミを見るのも方法のひとつです。

仕事を続けながら転職活動する

転職活動は、現在の仕事をやめずに並行しておこなうことをおすすめします。

どんな職種であれ、転職活動がスムーズにいくとは限りません。

無職の期間が長くなると焦りが生まれ、面接で100％の力を発揮できなくなる可能性もあります。

現職を続けながら転職活動をすることによって心の余裕につながりやすいでしょう。

転職エージェントを利用する

転職活動の際は、転職エージェントを利用するのがおすすめです。

一般的な求人サイトでは自分で応募・書類の用意・面接と進めていきますが、転職エージェントを利用すると次のようなサポートが受けられます。

キャリアカウンセリングによって、自分ではわからない強みや適職に出会える可能性もあります。

利用は無料のため、複数のサービスに登録して選択肢を広げながら探すと良いでしょう。

接客業におすすめの転職サイト・エージェント3選

ここからは、接客業におすすめの転職サイト・エージェント3選を紹介します。

• リクルートエージェント
• マイナビエージェント
• ビズリーチ

自分に合った仕事に出会うため、気軽に転職エージェントを利用してみてください。

リクルートエージェント

リクルートエージェントは、業界最大手の転職支援サービスです。

70万件以上（※1）の求人数があり、勤務地や条件を細かく指定することにより、自分にマッチした仕事を探すことができます。

ハイクラス・高収入やIT・エンジニアなど専門領域に特化した支援があり、専任のキャリアアドバイザーがきめ細かいサポートをおこなってくれます。

今すぐ転職しない場合でも気軽に相談可能なため、まずは登録してみましょう。

（※1 2024年4月時点・非公開求人含む）

マイナビエージェント

マイナビエージェントは、2年連続で満足度総合No.1（※2）の実績をもつ転職支援サービスです。

初めての転職や20代・30代など、転職回数や年代別のサポートがあるため、自分に合った注意点やポイントをつかみやすいでしょう。

さらに販売・サービス業や女性の転職など、各業界や職種に精通した専任のキャリアアドバイザーが在籍しており、安心して利用できます。

（※2 2024年オリコン顧客満足度®調査・転職エージェント第1位）

ビズリーチ

ビズリーチは即戦力・ハイクラス人材に特化した転職支援サービスです。

職務経歴書を登録し、企業やヘッドハンターからスカウトを受けられるのが特徴です。

企業と直接コンタクトが取れるため効率が良く、ミスマッチが起きにくいといえます。

もちろん、スカウト以外でも気になった求人に自分から応募することも可能です。

管理職や経営幹部向けの高収入求人が豊富なため、接客業経験がありさらなるキャリアアップを目指したい方におすすめです。

まとめ

接客業はやめとけと言われることが多い背景には、待遇の悪さやメンタルの問題が挙げられます。

一方で、接客業はお客様の喜ぶ顔や反応を直接見ることができ、やりがいを感じられる仕事でもあります。

どんな仕事にも、メリットとデメリットが存在します。

働き方や性格的に向いていないと思う場合は別ですが、「自分は接客業に向いていそう」「興味がありやってみたい」という場合は、一度目指してみてはいかがでしょうか？

たとえ周囲に反対されても、最終的には自分でやりたいと思う気持ちが一番大切です。

その場合は、ご紹介したおすすめの転職サイトやエージェントを利用するとスムーズに転職活動を進められるため、ぜひ検討してみてください。