「転職したいが、自分におすすめの職業はあるのだろうか…」
と、転職を検討している方のなかにはどのような職業がよいのかで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。転職は新たな挑戦だからこそ、慎重に考えたいものです。
しかし、転職で好きな仕事を選ぶのももちろんよいですが、ポイントを押さえて業界を選ぶと、長く安定して働きやすくなります。
さまざまな職種の求人があるので、今後のことも考えて慎重に選ぶことが大切です。
「転職する業界を選ぶポイントは?」
「転職におすすめの職業は?」
「転職を成功させるために知っておきたいことは?」
この記事では、このように思っている方に向けて、転職におすすめの職業や未経験可の業界をご紹介します。
転職を成功させるコツと注意点についても解説するので、転職を転機にするためにお役立てください。
転職する業界をどう選ぶ? 3つのチェックポイント
どの業界に転職するのかは、今後仕事を続けていくうえでとても重要です。
安定して働きやすい仕事を得るためにも、まずは業界選びでの3つのチェックポイントをご紹介します。
拡大中の業界か
業界が拡大中であれば、将来性があり、この先長く勤務しやすくなります。
近年、主に拡大中の業界として挙げられるのは、「IT業界」「インターネット広告業界」「医療機器業界」「介護業界」です。
IT業界
著しく発展し拡大を続けているのが、IT業界です。
総務省の調査によると、その市場規模は国内産業の10%以上という結果になりました。
全ての産業の中で首位となるIT業界は、需要が高く今後も拡大が期待されています。
IT業界の特徴は、ほかの業界との掛け合わせで、新しいビジネスの展開がどんどんと進んでいることです。
たとえば、オンライン授業などは教育業界とIT業界の掛け合わせ、キャッシュレス決済などは金融業界とIT業界の掛け合わせで生まれました。
このようにさまざまな分野で応用できるIT業界は、これからも多くの業界で活用される可能性があります。
IT業界は需要が高くなる一方であるのに対して人材が不足しているため、未経験でも採用されることが多く、転職ではおすすめの業界です。
インターネット広告業界
拡大中の業界の中でも高い成長率を誇るのが、インターネット広告業界です。
2013年以降、市場規模はどんどんと伸び、株式会社電通の調査によると2019年には2兆円を超えました。
2021年には、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌からなる「マスコミ四媒体広告費」を上回り、現在もさらに成長しています。
インターネット広告は、現代における最大の媒体に成長しているのです。
この急激な成長は、スマートフォンの普及が背景にあるとされています。
多くの人が手軽にインターネットにアクセスできるようになり、そこから情報を得る機会が多くなったためです。
また、新型コロナウイルス感染拡大による影響も大きく、外出自粛が解除された後もインターネット広告による効果は大きくなっています。
インターネットはさらに進化していくと考えられ、これに伴いインターネット広告業界も成長し続けると予想されています。
【参照】
「2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」
2021年 日本の広告費
医療機器業界
少子高齢化が進む近年の日本では、医療機器業界も拡大を続けています。常に需要がある医療機器業界ですが、近年ではIT業界との掛け合わせによる技術も増えていてさらなる拡大が予想されています。需要が安定している医療機器業界は、まさに転職向きの業界です。
ただし、大手医療機器業界には規制などが多いため、簡単に転職できないことも珍しくありません。特に、ペースメーカーやコンタクトレンズなどを扱う高度管理医療機器を扱う企業は、転職が難しいケースが多い傾向です。
一方で電子カルテなどを扱う管理医療機器や、ガーゼなどを扱う一般医療機器の企業は、比較的転職しやすくなっています。
介護業界
少子高齢化による拡大が続いているのは、医療機器業界だけではありません。介護業界の需要は右肩上がりとなっていて、今後も高まっていくことが予想されます。
【参照】第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について
介護業界は、全体的に給与が低めで非正規雇用が多いこと、労働環境が厳しいことも介護業界の特徴です。
しかし高齢化により要介護者の人数は増え働き手が減っていることで、需要はさらに加速していくでしょう。介護業界には、施設職員だけでなくIT業界との掛け合わせによる技術開発の仕事もあります。
さまざまな介護用品の製造に携わることで、人の役に立っているやりがいを感じることもできるでしょう。IT関連の仕事をしたい場合には、IT業界だけでなく介護業界などで活躍するという選択肢もあります。
離職率が低い業界か
離職率が低い業界であれば、安定して仕事を続けることができます。
離職率は定着率のよさを測る指標のひとつとなるため、転職の際にはぜひチェックしておきたいポイントです。
たとえば以下の業界は、離職率が低いとされています。
- インフラ業界
- 電気製品業界
- 自動車産業
離職率が高くなるのには、労働条件や働く環境に問題があったり雇用者数を減らしたりしているなどの要因が考えられます。
そのため、少しでも離職率が低い業界のほうが、安定して働きやすいでしょう。離職率だけで起業の良し悪しは判断できませんが、チェックポイントのひとつとして参考にしておくことが大切です。
離職率が低い業界のデメリットは、定着率がよいことから求人数が少ない点です。求人が出ても人気が高くなりやすく即戦力が求められる傾向にあるため、転職のハードルは高めであるといえます。
長い歴史がある業界か
長い歴史がある業界の魅力は、社会的な信頼が厚いことです。新型コロナウイルス感染拡大などで売上低迷が避けられない事態に陥っても、社会的な信頼が厚い企業は持ち直しやすくなります。
また、長い歴史の中で培ったノウハウにより、働く環境も整備されているケースが多くなっています。しっかりとした業務マニュアルが用意されていたり、トラブル時の対応が事細かに決められていたりするなど、業界未経験であっても働きやすい環境が整っているのです。
歴史が浅い業界の中には、教育環境の整備が間に合っておらず、十分な教育がないまま仕事を任されてしまうこともあります。
業界の知識や経験がある場合はそのようなケースでも対応できますが、そうではない場合は長い歴史がある業界を選ぶと安心です。
長い歴史がある業界としては、下記が挙げられます。
- 自動車産業
- 大手総合商社
- インフラ業界
転職におすすめの職業・職種4選
業界選びのチェックポイントを踏まえ、ここからは転職におすすめの職業と職種を4つご紹介します。
ITエンジニア
未経験者でもチャンスがあり、需要が高いのがITエンジニアです。業界全体が急拡大していることで人手不足な企業が多く、転職にもおすすめの職種となっています。
ITエンジニアは技術と経験がないと転職できないイメージを持っている方もいますが、ゼロからスタートすることも可能です。
特にプログラマーやネットワークエンジニアの場合、教育制度が整っていて、未経験であっても知識とスキルを得ることができるためです。
たとえばマニュアルを基にした数ヶ月間の研修やOJT指導を受けるなどして、一人前になるまでサポートを受けることができます。
また、近年増えているプログラミングスクールなどを利用すると、転職前にある程度の知識を身に付けておくことも可能です。
事前に仕事内容について触れておくことで、自分がITエンジニアに向いているかどうかの判断もできるでしょう。
今後もITエンジニアの需要は高まると予想されているため、転職の際に思い切って飛び込んでみるのもおすすめです。
コンサルタント職
さまざまな場面で企業をサポートするコンサルタントは、近年の急激なインターネットの普及によって需要が高まっています。
インターネット広告による効果が大きくなってきたこともあり、広告の出し方やSNSの活用方法などでコンサルタントを求める企業も少なくありません。
また、今までと同様に、経営や戦略などにおいてのコンサルタントを求める企業も多くあります。多方面で活躍できるコンサルタント職では、その分野における知識と経験、自分なりの考えが求められます。
知識のない分野におけるコンサルタントは難しいですが、その分野における知識や経験があれば未経験でも転職が可能です。まったく違う業界からの転職であっても、今までの経験を活かして活躍することができます。
生産技術・製造技術・品質保証関連
さまざまなものの安全性が求められる現代では、生産技術・製造技術・品質保証関連の仕事の需要も高まっています。
生産技術や製造技術は図面や設計図などを元に製品を作る仕事となり、未経験者でも転職しやすいことが特徴です。
作業内容は細かくマニュアル化されているのが一般的で、特別な技術などがなくても転職できることも珍しくありません。
品質保証関連の仕事は、品質を保証することです。安全が確保できる規格に則り、製品がこれに沿っているかどうかを確認します。
この仕事も作業内容がマニュアル化されていることがほとんどなので、未経験からの転職にもおすすめです。
Web広告関連の仕事
急速に拡大を続けるWeb広告業界では、マーケティングやクリエイターなどのWeb広告関連の仕事の需要も増えています。
どうすればより効果的に売上を上げていけるのか、その戦略などを担当するマーケティングは、Web広告の運用に欠かせない存在です。知識や経験があれば即戦力となるため、転職においても有利になるでしょう。
またデザイナーなどのクリエイターも、Web広告を運用するうえでは必須となることが多くなっています。クリエイターの仕事は基本的な知識が必要ですが、近年ではクリエイター養成スクールなども増えています。
未経験から転職可能な企業もありますが、事前にスクールで勉強して知識を得ておくと、より転職しやすくなるのでおすすめです。
未経験でも転職しやすい職業・職種3選
転職を機に、新しい仕事をしたいという方も多くいます。そんな方のために、未経験でも転職しやすい職業と職種を3つご紹介します。
医療関連・介護職
前述したように、少子高齢化による需要が拡大している医療関連や介護職の仕事は、未経験でも転職しやすい傾向です。
どちらも専門的な知識や技術が必要になる職業もありますが、まったくの未経験から始められる職業もたくさんあります。
たとえば施設で働く介護職員などは、未経験で資格がなくても転職しやすい職業の1つです。ただし、医療関連や介護職は現場だけが勤務場所ではありません。
医療機器や介護用品の製造メーカーなど、開発や製造などの仕事も含まれます。前職がIT業界ならばITを駆使したビジネスをする企業を選ぶなどすると、転職もスムーズに進みます。
営業職
営業職は、常に募集されている職種のひとつです。特徴は、どの業界のどのような企業でも必要な存在であることです。
一般的な企業は、商品やサービスの売り込みありきで利益を出すことができるため、営業職は欠かせません。
営業職には、自社の商品やサービスの知識だけでなくコミュニケーション能力や営業力が必要です。ですが、これらは入社後でも身に付けられるため、未経験者であっても挑戦しやすくなっています。
法人営業やルート営業など、その種類はさまざまですが、人と話すことが好きな方には特におすすめの職種です。未経験でも応募できる求人が多いことも、営業職の特徴です。
運輸・配送業
インターネットでの通販が広く普及してきたことで、運輸・配送業の需要も高まっています。特に近年は人手不足が顕著となっていて、未経験からでも挑戦しやすい職種のひとつとなっています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響によりインターネットで買い物をする人が増えたことも、運輸・配送業の需要が高くなっている要因です。
運輸・配送業は、ドライバーなどの配送に携わる現場仕事以外にもさまざまな職業があります。たとえば、入出庫業務を担当する仕事、オペレーターとしてお客様対応をする仕事も運輸・配送業です。
これらの仕事は知識がなくても始めやすい内容のものが多いことから、未経験からの転職におすすめです。
転職を成功させるコツと注意点
転職を成功させるためには、ここからご紹介するコツと注意点を踏まえて行動することが大切です。将来につながる最高の転職にするために、ぜひ参考にしてください。
職業選びに迷ったら「やりたいこと」「向いていること」を考える
転職では、年収や労働条件などを優先して業界を選びがちです。これらを優先した転職でも、もちろん成功するケースは多くあります。
しかし年収や労働条件だけでは職業を選びきれない場合には、自分の「やりたいこと」や「向いていること」を考えてみましょう。多くの時間を費やすことになる仕事だからこそ、自分らしい職業を探すことが大切です。
また、やりたいことであっても、本当にその職業のすべての業務を問題なくこなしていけるのかを考えてみることも欠かせません。
たとえば、教えることが好きだから教育業界に転職したとしても、書類作成や営業の仕事に配属される可能性もあります。万が一配属された仕事が自分に合っていない場合、またすぐに転職を考えるかもしれないのです。
あわせて、そこまでやりたい仕事ではなくても、自分に向いていることやできることを転職先として選ぶのもおすすめです。無理なくできる仕事ならば、ストレスなく作業でき安定して働きやすくなります。
このように条件だけに縛られることなく、自分自身と向き合い、自分らしく働ける職業を見つけることが成功の秘訣です。
転職先の職種を選ぶ時に考えておきたいこと
職種を選ぶ際には、希望している転職先についての調査も欠かせません。転職先で長く安定して働けるかどうかを判断するうえで、このステップは重要となるためです。
社会情勢がどんどんと変わっていくこともあり、情報は常に最新のものを入手して精査する必要があります。
業界そのものが縮小していたりしないかどうか、今後需要が低下していく見込みとなっていないかどうかなどについては、特にしっかり調べましょう。
また、今後はAIの発展によりさまざまな職業が人の手から離れると予想されています。AIの発展により、人が仕事を失い縮小していく業界もあるでしょう。
こうした業界に転職してしまうと、長く安定した勤務は難しくなる場合があるので注意が必要です。転職をキャリアアップのステップとして考えている場合でも、転職先の調査が重要です。
自分が希望している仕事ができるかどうか、経験を積みスキルアップができるかどうかについて、深く調査しておきましょう。
転職サイトや転職エージェントを活用する
自分一人だけで活動するより、転職サイトや転職エージェントを活用すると効率的に転職できます。転職サイトや転職エージェントは、業界特化や中途採用向けなど、それぞれで特徴があります。
転職する目的や転職したい業界などに合わせて、最適なものを選んで活用しましょう。転職サイトや転職エージェントを活用すると、自分だけでは見えなかった自分の強みや弱みを見つけ出すことができます。
強みはさらに伸ばすことができますし、発見できた弱みは対策して小さくしていくことが可能です。また書類の添削や面接対策などのサービスが受けられる場合もあるので、転職活動を有利に進めることもできます。
転職サイトや転職エージェントなら転職先の情報収集も効率的にできることから、活用することで自分に合う企業を見つけやすくなることもポイントです。非公開求人を紹介してもらえることもあるため、転職先の選択肢が広がることも活用のメリットです。

おすすめの転職エージェント3選
転職エージェントは数多くありますが、ここでは3つを厳選してご紹介します。複数を利用するとより効率的な転職が可能なので、自分に合うものを見つけましょう。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、トップクラスの求人数を誇る業界最大手の転職エージェントで20代や30代、女性、第二新卒にもおすすめです。
非公開求人も多く抱えているため、希望に合う求人を見つけやすくなります。ほぼ全ての業種の求人を取り扱っているので、どの業界への転職を希望している場合でも登録しておいて損はないでしょう。
リクルートエージェントでは、各業界に精通しているキャリアアドバイザーが、それぞれに合った求人を厳選して紹介してくれます。履歴書などの提出書類の添削や面接対策などのサポートも充実しているので、初めての転職にもおすすめです。
マイナビエージェント

利用者満足度が高いことが売りのマイナビエージェントは、「じっくり聴く」ことを大切にしている転職エージェントです。職歴や強み、今後のプランなどを事細かにヒアリングし、ぴったりな求人を提案してくれます。
働き方や自己分析なども経験豊富なアドバイザーに相談できるため、就職までスムーズに進められることが特徴です。また応募書類の添削はもちろん、模擬面接などをおこない、キャリアアドバイザーと二人三脚で内定を目指せます。
マイナビエージェントはサポートが充実しているため、初めての転職で不安がある方でも活用しやすい転職エージェントです。またキャリアアドバイザーのほかに企業担当アドバイザーがいるため、応募前に企業のリアルな情報が手に入ることも特徴です。
doda
業界最大級の大手エージェントであるdodaは、口コミによる評価がよく、全体的に担当者が好印象であることが特徴です。首都圏だけでなく地方での転職にも強く、非公開を含めて10万件以上の求人を扱っています。
幅広い年代の転職をサポートしているため、年齢を理由に転職を諦めていた方にもおすすめです。dodaは多種多様な職種を扱っていて専門スタッフがぴったりの求人を紹介してくれるので、希望の仕事を見つけやすい環境です。
また、スキルや経験に合わせて企業から直接オファーが届くこともあり、転職の選択肢を広げてくれる転職エージェントといえます。
まとめ|転職でおすすめの職業
転職を成功させるためには、自分のやりたいことなどを明確にし、働きやすい企業へ応募することが大切です。業界だけでなく業種や職種にも注目し、転職を成功させましょう。
転職活動では、転職エージェントの活用がおすすめです。さまざまなバックアップが受けられるほか、幅広い求人を紹介してもらえるため、より自分に合った企業を見つけやすくなります。
自分にとって最適な企業を効率的に見つけるために、ご紹介した転職エージェントなどの利用を積極的に検討しましょう。