「営業職を辞めたいけど甘えなのかな...」

営業職を続けていると、辞めたいけどなかなか一歩が踏み出せない方も多いのではないでしょうか。

本記事では「営業職を辞めたい」と思ったときの対処法と心構えについて詳しく紹介します。

営業職から別の仕事へ転職を検討している方は、最後まで読んでみてください。

営業職がツラいと感じて辞めたいと思うのは甘えではない

営業職を辞めたいと思う理由は人それぞれであり、ツラいと思うのは甘えではありません。

むしろ、自分自身のキャリアや人生について真剣に向き合っている証拠といえるでしょう。

仕事は一人ひとりの能力や性格によっても、向き不向きがあるので営業職が根本的に向いていない方もいます。

そのため、向いていない仕事はツラいと感じたり、やる気が起きなかったりするのは自然な流れとなります。

逆に甘えといえるような事例は、次のようなケースが考えられます。

このような考えから営業職を辞めたいと思っている状況だと、周囲から甘えと捉えられても仕方ありません。

そのため、闇雲に辞めるのではなく以下のような方法で、考えをまとめるのがおすすめです。

自分自身のキャリアを大切に考え、適切な判断をしてみてください。

営業職を辞めたいと思う共通の理由｜3選

営業職を辞めたいと思う共通の理由について、以下3つ紹介します。

電話営業や飛び込み営業がツラい

電話営業や飛び込み営業がツラいと感じるのは、営業職をしていると誰もが経験するでしょう。

精神的にきついと感じる理由は、次のとおりです。

このように営業職をしていると、ストレスが溜まる場面も多くあります。

営業職の仕事を辞めたいと思った方は、自分の気持ちを大切にし無理せず心と体を休めてください。

業務に対して報酬が見合わない

営業の仕事に対して給料が少ないと感じ、辞めたくなるケースも多くあります。営業職はとても忙しく、体力と精神力を使います。

このような状態で、自分自身が想像していた報酬より低ければやる気も削がれるのは当然です。

もし、報酬に対しての不満がある場合、自分自身の労働量や給料を冷静に評価してみましょう。

それでも報酬が少ないと感じるなら転職を考えるのも一つの方法です。

上司からのプレッシャーが精神的に疲れる

上司からのプレッシャーが精神的に疲れると感じるのは、営業職を辞めたいと思う理由の一つです。

多くの営業職では顧客獲得ノルマがあり、上司から詰められる場面があります。

上司からのプレッシャーがあると仕事に行きたくなくなったり、仕事獲得に焦って失敗したりと悪循環に陥ります。

もし、上司からの必要以上のプレッシャーに悩む場合、パワハラに当てはまる可能性があります。このようなときは「自社の相談窓口」や「総合労働相談コーナー」などに相談してみましょう。

パワーハラスメント（パワハラ）とは

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えられたり、職場環境を悪化させられる行為をいいます。

引用：総合労働相談コーナーのご案内｜厚生労働省

パワハラを受けて精神的な健康状態を損なうと、長期的なキャリアにも悪影響を及ぼします。上司からのプレッシャーに悩んでいる方は、一人で抱え込まずに専門機関に相談してみてください。

参考：総合労働相談コーナーのご案内｜厚生労働省

営業職を辞めたいと思う人がやるべき3つの対処法

営業職を辞めたいと思う人がやるべき3つの対処法については、以下のとおりです。

詳しく解説します。

1.上司に相談して社内異動を検討する

営業職を辞めたいと感じたら、まず上司に相談して社内異動を検討してみましょう。社内異動を申し出るのは逃げではなく、キャリアを見直し現在の勤務先に適しているのか確かめられるよい機会となります。

筆者が勤めていた企業でも、仕事のプレッシャーと仕事量で精神的に疲弊し社内異動を申し出た同僚がいました。

実際、社内異動で別事務所に行ったことで、新たな上司と仕事内容が適して、現在は順調に日々の仕事に取り組んでいます。

ただし、ある程度の従業員数と部署がないと異動しても、環境改善が難しくなります。規模の小さい中小企業に勤めている方は、社内移動ではなく転職を検討する方が問題解決できる場合もあります。

2.別業界の営業職に転職する

現在の勤務先で営業職を辞めたいと感じた場合でも、営業職自体が合っていないとは限りません。

営業職と一口に言っても、業界や商材によって仕事内容や求められるスキル、職場環境は大きく異なります。

営業の種類を簡単に分けるだけでも、以下の種類があります。

営業職の種類	特徴
法人営業	企業を対象に商品やサービスを紹介する
個人営業	個人顧客を対象に商品やサービスを販売する
内勤営業	電話やメール、オンライン会議を通じて営業する
ルート営業	既存の顧客を定期的に訪問する
技術営業	技術的な知識を活かして、技術製品やサービスを販売する

上記のように営業と言っても、多くの種類があります。

そのため、現職の営業職には向いていないけど、別業界の営業職に向いているケースもあるでしょう。

「営業職がツラい...」と感じたら、まずは現在の仕事で何がストレスになっているのかを明確にし、原因に基づいて他業界の営業職へ転職を検討してみてください。

3.営業職の経験を活かして別職種に転職する

営業職を辞めたいと感じたら、営業での経験やスキルを活かせる別職種への転職も一つの方法です。

具体的に言うと以下のような職種であれば、営業職のスキルが活かしやすいと言えるでしょう。

職種	活かせるスキル
マーケティング	営業で得た顧客理解や市場分析のスキルを活かせる
人事	営業での人間関係構築能力を活かし、候補者との信頼関係を構築できる
営業事務	営業での経験を基に資料作成やデータ分析などで営業活動を効率化できる

このように営業職の経験を活かせる別業種も多くあります。

営業職が合わないと感じたら、営業で培ったスキルを活かして他の職種に転職するのも一つの方法です。

営業職に向いていない人の特徴｜3選

ここからは、営業職に向いていない人の特徴を3つ紹介します。

数字に追われるのが苦手

営業職では数字（ノルマや目標）に追われることが避けられません。

仮に歩合制度の割合が高い場合、目標達成できないとき上司から注意を受けるだけでなく、収入が大幅に下がり生活にも影響がでる可能性があります。

そのため、数字に追われるのが苦手な方は、営業職に向いていない可能性が高いと言えるでしょう。

まずは、自分が何にストレスを感じているのかを明確にしてみてください。

断られるのがストレスとなり耐えられない

断られるのがストレスになり耐えられない方は、営業職に向いていない可能性があります。営業職は顧客に商品やサービスを提案する仕事です。

しかし、すべての提案が受け入れられるわけではなく、断られるケースも多々あります。

とくに信頼関係が構築できていない新規営業の場合だと、冷たく対応されたり提案を断られたりするのは日常茶飯事です。

そのため、営業職として働くにはこのような状況に対して粘り強さを持ち続けなければいけません。

まずは営業職の特徴を知り、自分が耐えられるのかどうかを確認するようにしておきましょう。

内向的で話すのが苦手

内向的で話すのが苦手な方は、営業職に向いていない場合があります。営業職は、新しい顧客を獲得するために、初対面の方と積極的にコミュニケーションを取らなくてはいけません。

また、新規営業では初対面の方にアプローチし、自社の製品やサービスを説明しなければいけないので、内向的で話すのが苦手な方にとっては仕事自体がストレスに感じるかもしれません。

まずはストレングスファインダーや適職診断など、自分自身の性格と営業スタイルの適性を考え、どのような仕事が自分に向いているかを見極める必要があります。

営業職は向いていない？続けるか辞めるのか判断する3つの基準

営業職を続けるか辞めるのか判断する3つの基準について、この章では紹介します。

仕事で成果を出せているのか

仕事で成果を出せているのかどうかは、営業職を続けるか辞めるかを判断する重要な基準です。営業職では売上や契約件数など、具体的な成果が求められます。

成果を出せている場合仕事に向いており、職場環境に特別な問題がなければ営業職を続けても問題ないでしょう。

一方、どれだけ努力しても成果が出ない場合、営業職が向いていない可能性が高くなります。

営業職で成果を出せているかどうかを冷静に評価し、続けるか辞めるか判断してみてください。もし成果を出せていない場合は、自分に合った他の職種を探すことを検討してみましょう。

ワーク・エンゲージメントが満たされているか

ワーク・エンゲージメント（※）が高いかどうかも、営業職を続けるか辞めるかを判断する重要な基準と言えるでしょう。

ワーク・エンゲージメントが高いと、仕事をポジティブに捉え、精神的なストレスを感じにくくなります。

逆にワーク・エンゲージメントが低いと、仕事がストレスの原因となり、営業職を続けるのがツラいと感じる状況もできるでしょう。

営業職を続けるか辞めるかを判断する際、まず自分のワーク・エンゲージメントを評価してみましょう。やりがいやモチベーションを感じられない場合は、別の職種を探してみてもよいのではないでしょうか。

（※）仕事にやりがい（誇り）を感じ、熱心に取り組み仕事から活力を得ている状態

自分の価値観と合っているか

自分の価値観と仕事が合っているかどうかは、営業職を続けるか辞めるのかの判断材料となります。

また、仕事が自分の価値観と合っていると、やりがいや満足感を感じやすくなります。

逆に価値観に合わない仕事を続けるとストレスが溜まりやすく、最終的にはメンタル不調に陥るケースも多いようです。

まず「仕事に求めるものは何か」「人生で大切にしていることは何か」など、自問自答し自分自身の価値観を書き出してみましょう。

営業職の経験が活かせるおすすめの職種｜3選

営業職の経験が活かせるおすすめの職種は、次の3つがあります。

営業職の経験が活かせるおすすめの職種は、以下の記事でまとめているので合わせて読んでみてください。

 

関連記事：営業から転職したい人におすすめの職種7選を紹介｜転職時の注意点も解説！

営業事務

営業職の経験を活かすなら、営業事務への転職もおすすめな選択肢です。営業事務の就業者数や年収、労働時間は次のとおりです。

就業者数	872,440人
労働時間	164時間
賃金（年収）	496.3万円
平均年齢	42.2歳

上記のデータからも営業事務の仕事は、残業も少なく年収自体も日本の平均461万円（※1）より少し高い安定した仕事であることが伺えます。

厚生労働省が運営している「職業情報提供サイトjobtag」に掲載されている内容をもとに、営業事務の仕事内容も合わせて紹介します。

営業事務の仕事は、上記のような形で実施されています。

これらの業務は、営業職をしていた方であれば流れもわかっているため、スムーズに業務に取り組めるでしょう。

参考：営業事務｜職業情報提供サイトjobtag
参考：（※1）平均給与｜国税庁

マーケティング

営業職の経験を活かすなら、マーケティング職もおすすめです。マーケティング職の就業状況や労働時間、年収に関しては次のとおりです。

就業者数	373,786人
労働時間	164時間
賃金（年収）	645.5万円
平均年齢	41.8歳

マーケティング職は企業の売上に直結する重要な職種のため、平均年収も600万円以上と高額に設定されています。

マーケティング職の具体的な仕事内容に関しても見てみましょう。

このように数字を細かく追うという点では、営業職と共通する部分があるので、マーケティング職にキャリアチェンジした際に活かせます。

ただし、マーケティング職は最終学歴が大卒以上の設定になっているケースがほとんどのため、高卒出身の営業職の方は別職種を検討するのがよいかもしれません。

関連記事：営業からマーケティング職に転職するための3つのポイントと必要なスキルを徹底解説

人事（総務事務）

人事（総務事務）の仕事は、組織の人材を管理する重要な仕事です。そのため、多くの取引先と関わってきた営業職の経験は人事の仕事に活かせます。

人事（総務事務）に関する就業者数や労働時間、年収は次のとおりです。

就業者数	105,733人
労働時間	163時間
賃金（年収）	493.4万円
平均年齢	44.8歳

上記のデータからも人事（総務事務）の仕事も営業事務と同じく、残業時間が少なく安定的に働ける職業と言えます。人事（総務事務）の仕事には、以下のような内容があります。

上記のように人事（総務事務）は新しい人材の採用や、社員の満足度向上を目指し、組織内を円滑に回す重要な職業です。

営業職の経験を活かして、別職種を検討している方は人事（総務事務）も候補の一つとして入れてみてはいかがでしょうか。

営業を辞めたい人が転職活動を成功させるコツ

営業を辞めたい人が転職活動を成功させるコツについて、以下3点を紹介します。

それぞれ見てみましょう。

自分の市場価値を把握する

営業を辞めたい人が転職活動を成功させるには、自分自身の市場価値を把握しておきましょう。

市場価値を把握する方法としては、次のようなものがあります。

市場価値は一般的に個人のスキルや経験、年齢などにより異なります。応募先の企業とミスマッチを起こさないためにも、上記のような方法利用してスキルを確認してみてください。

就労条件を確認する

転職を成功させるためには、応募先の就労条件（※）の確認が必要です。就労条件をしっかり確認しておくと「こんなはずじゃなかった...」と転職後、後悔しなくて済みます。

面接時や応募前には、就労条件について具体的に確認したうえで質問してみましょう。

（※）就労条件とは│働く時間や給料、福利厚生、休日など

転職エージェントを活用する

転職エージェントは転職希望者の要望に応じて、企業選びや面接対策などさまざまなサポートをしてくれます。

利用する流れとしては、次のようなケースが一般的です。

「自分の市場価値を知りたい...」「転職するべきかどうか判断できない...」と悩んでいる方は、自分が転職する業界に強い、信頼できる転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。

営業職の方におすすめな転職エージェント｜3選

営業職の方におすすめな転職エージェントを、以下3つそれぞれ解説します。

リクルートエージェント

マイナビエージェント

ビズリーチ

営業職に関するよくある質問

「営業職を辞めたいと思うのは甘えなのか」に関するよくある質問を、3つに絞り解説します。

営業職の何がツラいですか？

営業職は残業が多い点や基本外回りになるため体力的にもきつく、営業ノルマや上司からのプレッシャー、顧客への対応など精神的にもきつい仕事と言えます。

営業職がツラいと言われる側面には、次のような理由があります。

しかし、営業で培った経験は業界問わずビジネス全般において必要な知識が多いため、自己成長につながるやりがいのある仕事です。

営業職を辞めたら幸せになれますか？

営業職を辞めて幸せになれるかどうかは、転職先の職種や業界などによっても異なります。

営業職を辞めたいと思う理由には、次のようなケースがあります。

営業職を辞めたいと感じている場合は、営業職とはまったく異なる職種に転職すると新しい気持ちでスタートできます。

ただし、未経験の職種で仕事を初めから覚えるのは簡単ではありません。転職を視野に入れる際は、トータルバランスも踏まえながら自分に合う幸せの形を検討してみてください。

優しい人は営業に向いていないですか？

営業職に向いている方の特徴としては、聞き上手や伝え上手、フットワークの軽さ、論理的思考力などが挙げられます。また、コミュニケーションを取るのが苦手だったり、断られるのが苦手だったりする方は、営業職として成果を出すのは難しい傾向にあります。

そのため、優しい人でも断れることがしっかりできる方であれば問題なく営業職は問題なくできるでしょう。

まとめ：営業職を辞めたいと思って不安な方はプロに相談がおすすめ

営業職を辞めたいと思うのは、甘えではなく営業職を経験している方の多くが経験します。

そのため、営業職を辞めたいと感じた際はムリに仕事を続けるのではなく、一度自分自身の状況を見つめ直してみましょう。

また、営業職を辞めたいと考えている方は、転職エージェントやキャリアカウンセラーなどのプロに相談するのがおすすめです。転職エージェントであれば、あなたの生活状況や今までの経歴などを踏まえて、転職先の紹介とサポートをしてくれます。

また、多くの企業と日頃からやり取りをしているので、企業の求めている人材も把握しています。

そのため「営業職を辞めたい...」と考えている方は、転職エージェントを利用してみてはいかがでしょうか。