営業職に興味はあるものの、「きつい」という評判を聞いて思いとどまってしまう方もいるのではないでしょうか。

たしかに営業ノルマに追われることから、ストレスやプレッシャーがかかる仕事だといわれます。

また残業時間が長い、外回りが多くて体力的にきついなどの印象を持つ方も少なくないでしょう。

しかし、取り組み方によってはやりがいがあり、成長を実感しやすい仕事ともいえます。

この記事では営業職がきついと言われる理由と、具体的な対策について解説します。

　

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営業がきついといわれる理由

まず、一般的なイメージとして「営業がきつい」といわれる主な理由を解説します。

販売ノルマを課せられる

一般的に営業職には個人の売上目標が与えられます。

日々、ノルマを気にしなくては目標達成は難しいものですが、気にしすぎることで心理的な負担が大きくなります。

ノルマ未達成の場合には叱責を受けたり、評価が下がったりするプレッシャーにもさらされるでしょう。

目標達成すれば、評価が高まり報酬も上がりやすいのですが、次の目標ハードルが高くなるのも営業職の常です。だんだんと目標達成が難しくなるでしょう。

社内コミュニケーションのストレスがかかる

営業マネージャーなど、上司からの期待やプレッシャーは、常に営業担当者へと向けられています。

同僚とは常に営業成績の競争を強いられるため、関係がギスギスしてしまう場面もあります。

順調に成果が上がっていない状態だと、社内にいづらくなるでしょう。

残業が多い

顧客の都合によって打合せが遅く開始されたり、外回り営業を終えてから事務所に戻って残業したり、営業職は勤務時間が長くなることの多い仕事です。

営業の内容によっては、急な呼び出しや土日にも出勤しなければならない場面もあります。

恒常的に残業が続くと、疲労が残るのはもちろん、メンタル面でもきついでしょう。

商品に誇りを持てない

営業で成績をあげるコツは、商品を愛することなどと言われます。

自信をもって売れる好きな商品なら、熱意も伝わりますが、嫌々「売らなければならない」状態では成果も出ないうえに、精神的にもきついでしょう。

商品の弱みを把握していながら、あえて隠すように売っていると罪悪感とストレスが増していくはずです。

誇張して売らなければならない

「売り切れ間近」「まもなく締切」などと伝えることで、顧客を焦らせる営業手法があります。

もし事実と異なり、人気がない商品の場合、自分がウソをついているような感覚に陥るかもしれません。誇張していることに相手が気づくと、信頼を失うことも多いので注意が必要です。

顧客のあたりがきつい

多くの営業は、自分で顧客を選ぶことはできません。

値引き交渉やクレームなどが頻繁に行われるのが苦手な人にとっては、あたりのきつい顧客の対応は負担がかかるものです。

自ら担当の変更を願い出るのも簡単ではないものの、相性の悪い人と長く付き合うと、どんどんすり減ってしまいます。

相手にもストレスがたまるため、ますますあたりがきつくなるという悪循環に陥りがちです。

収入が成績に左右される

営業成績がよいと、インセンティブが支給されることが多いのは営業職の魅力といえます。

その反面、成績が悪ければ収入が減ることにもなります。収入が安定しづらいのはマイナスと捉えられるかもしれません。

営業がきついといわれる業界

レッドオーシャンと呼ばれるような競争が激しい業界は、必然的に営業の環境も厳しくなりがちです。

特にきついといわれることが多い業界を紹介します。

保険会社

かつて保険営業は、セールスレディが既存顧客の親類縁者や友人の紹介を受けて勧誘するのが一般的でした。

しかし今や多くの人が生命保険や損害保険に加入しており、少ないパイを多くの保険会社が取り合っている状況が生まれています。

保険の営業は、伝統的に給与全体に占めるインセンティブの割合が高いといわれており、収入格差も生まれやすくなっています。

不動産会社

不動産営業は、主にマンションや戸建て住宅、土地などの売買や賃貸にかかわる仕事が中心です。

伝統的に完全成果主義の会社が多く、ノルマ達成に向けて厳しく管理されます。

不動産売買などは1件の成約のインパクトが大きい反面で、受注の再現性が高いとはいえず、売上が安定しづらいのがネックです。

土日も働くのが一般的で、顧客の都合によって夜間の商談も多くなるので不規則な仕事だといえます。

人材会社

人材会社もまた成果報酬重視の給与体系が多く、ノルマに追われることの多い業種です。

法人に向けた人材採用や派遣は、一般的にリードタイムが長くて、売上が欲しい営業パーソンにとっては相性が悪いといえるでしょう。

個人向けに転職を斡旋するキャリアコンサルタントは、求職者との相性や本人の能力や意欲によって自身の売上が左右される点がストレスになる場合もあります。

オフィス機器販売

パソコンやコピー機・複合機などを売り込むオフィス機器の営業は、飛び込み営業が多いことで知られています。

多くの企業は、すでにOA機器の導入を済ませており、よほどの理由がなければ乗り換えてもらうのは困難です。

既存顧客から新たな売上を得るためには、頻繁に訪れつつ検討の時期を待つ必要があるでしょう。辛抱強い性格が求められます。

営業がきつくないといわれる業界

対称的に営業がきつくない、売りやすいといわれる業界についてもチェックしましょう。

製造業・メーカー

製造業ではルート営業、つまり既存の販売店や商社に対して営業をかけるスタイルが広く浸透しています。

そのため、新規の営業を行う場面は少なく、飛び込み営業のようなストレスがかかることも少ないでしょう。

競争力の高い商品は、商社などが積極的に販売してくれるので、メーカー自身が営業の労力をかけなくても販売しやすい状況を作れます。

食品

メーカー同士の競争は激しいものの新規参入の障壁が高い業界なので、すでに一定の知名度や売上のある食品メーカーは比較的売上を確保しやすいといえます。

また景気の影響を受けづらく、常に安定的な売上が見込めるのも業界的な強みです。

製薬

製薬会社の営業はMRと呼ばれます。

かつては接待や勉強会など体力勝負の側面もあり、拘束時間の長いきつい仕事として知られていました。

食品以上に新規参入の難しい分野であり、薬の開発には膨大な時間と費用が必要になるものの、医師から高い評価を受けた製品はロングセラーとなりやすいでしょう。

顧客との人間関係を作れば、比較的安定的な売上が見込める業態といえます。

IT

ITの営業といっても広範囲にわたりますが、おすすめは市場で評価され始めて成長期に差し掛かった製品やサービスを扱う企業です。

新しいSaaSなどは、強力なライバルが現れる前に営業人員を増やして一気にビジネスを拡大しようと考えるため、求人も多いのが特徴です。

インフラ

電気・ガス・水道のほか、通信網など生活や産業に欠かせないインフラの営業は、大規模な工場や学校・病院などの公的機関、大型ビルや商業施設など法人向けに提案を行います。

企業体としては伝統的で大規模な企業が多いですが、最近は中途採用を強化しているケースもあります。

安定した業態なので、営業もしやすいといえるでしょう。

営業職に向かない人の特徴

営業職が天職だと感じる人がいるにもかかわらず「きつい」と思う人もいます。

両者にはどのような違いがあるのでしょうか。

ストレスに弱い

営業の仕事にストレスはつきものです。

数字に追われるのが苦手な人もいれば、「スリルがあって楽しい」と捉える人もいます。

また顧客から急な変更や理不尽な要求への対応が求められることもあります。

断られるのが苦手

営業の仕事は常に断られるものです。

断られることで少なからずダメージを受けるのは仕方ありませんが、断られる前提で仕事に取り組めないと苦労するかもしれません。

スケジュールや数字の管理が嫌い

営業でコンスタントに成果をあげるには、複数の案件で漏れが発生しないように、計画を立てて実行することが重要です。

顧客側の事情によっては臨機応変なスケジュール対応も求められます。

数字やスケジュール管理が苦手だと、こうした際に強くストレスを感じてしまうでしょう。

営業がきついときの具体的な対策

営業として働くのがきついと感じたときにどのような対策を取ればいいかを解説します。

残業時間が減るように努める

就業時間が長い状態が続くと体に疲労が蓄積するだけでなく、心の余裕も失われがちです。

繁忙期はつい長時間労働に偏る傾向にあり、早めに仕事を終えるのは難しいかもしれません。

しかし、残業時間を減らすだけでも精神的な余裕を生み出せる可能性があります。結果的に仕事の質も上がることが期待できます。

営業のやり方や流れを見つめ直す

営業のノウハウをもう一度見直してみましょう。営業スキルは必ずしも才能やセンスだけで決まるものではありません。

売れやすい営業プロセスや成約につながりやすいノウハウは、後天的に身につけられるものです。

成果を出しているセールスパーソンの営業の流れを真似て、取り入れることで結果が大きく改善するかもしれません。

改善点の客観的なアドバイスを受ける

営業がきついと感じているときは、精神的に疲れていることが多いものです。

そのようなときは、身近な人に質問や相談をして、気持ちを楽にするとよいでしょう。

より営業経験の長い上司は培ってきたノウハウも多く、話を聞いてもらうだけで、気持ちが楽になることもあります。

営業職のやりがいや楽しさを見直す

営業職にやりがいを感じていた瞬間、「ありがとう」と直接声をかけられた経験などを、思い描くのが効果的です。

メールやチャットの文面は、スクリーンショットで画像として残しておけば、落ち込んだときにも容易に見返せます。

つらいときこそ、営業で楽しさややりがいを見直すのがよいでしょう。

転職を検討する

営業がきついと感じた場合は、仕事内容を変えるのも対策の1つです。

その場合は、部署異動を願い出るとよいでしょう。

ただし、営業の仕事があわないのか、現在の環境に問題があるなのかはよく見極める必要があります。

特に一定の経験やスキルのある人が職場を変えることで、活躍するケースもよくあります。

転職を検討するなら、転職エージェントに登録して情報収集を始めましょう。

営業職におすすめの転職エージェント

ここでは営業職におすすめの転職エージェントを紹介します。

営業職はきつい？と気になる人によくある質問

最後に営業職によくある質問にお答えします。

営業職の中でも特にきつい種類は？

営業職で特にきついといわれるのは、飛び込み営業です。

断られることが多く精神的にきついので、やりたがらない人が多いといわれます。

営業効率も悪く、企業のイメージを損なうリスクが高いので手法として敬遠される傾向にありますが、手っ取り早く新規開拓を図る際に手法として採用している企業も残っています。

営業がきついのはなぜ？

ほとんどの営業職は個人の目標を課せられます。

目標に追われて常にプレッシャーをかけられ、ストレスを感じる人も少なくありません。

よい成果が得られないと、ますますストレスがかかることがきついといわれる原因だといえます。

企画営業やメーカー営業など比較的取り組みやすいのは？

営業職の中で比較的取り組みやすいのは、ルート営業です。

既存の顧客を定期的に訪れて売上を伸ばす営業スタイルで関係性ができれば、ストレスはかかりにくいでしょう。

メーカーには、販売店や商社をターゲットとしたルート営業が多いので、新規開拓の営業が苦手な人もチャレンジする価値があるといえます。

まとめ

営業職は成果があがらない状態が継続するほど、きついと感じる傾向が強まります。

残業が長い、他者の都合によって自由度が下がるなど、ストレスがかかりやすい仕事といえます。

一方で、お客様から感謝される、成果をあげたぶんだけ評価が高まるなど、やりがいを感じやすい仕事でもあります。安定的にパフォーマンスを残すには、良好な人間関係が大切です。

もし、きつさを感じるなら仕事環境を変えることも検討してください。