エンジニアやWebマーケティングに興味があって、転職を考えているけど、専門スキルがなければ転職もできないと考える方や、お悩みの方も多いと思います。
そこで今回は、IT業界に転職するにあたって、求められるスキルはなんなのか、アパレル、出版業界の編集からIT業界へ転職した経験をもつ編集部の方の意見と、IT業界(Webメディア運営事業)で人事経験のある方の意見を参考に、IT企業への転職を叶えるためのノウハウをご紹介します。
ITエンジニアの転職はまた少し違うスキルが求められますので、エンジニア転職に必要なスキルを知りたい方は、後述の『エンジニア・デザイナーに求められるスキル』をご覧ください。
IT業界へ転職する際に企業が求めるスキルはたった3つ

専門的なスキルが必要ないなら、どんなスキルや知識があればいいの!?資格も取っておいた方が良いっていう意見も多いし、もう何が正しいのかわからない!

IT業界といっても幅広いジャンルがあります。SE、Webエンジニア、デザイナーもそうですし、営業職、Webマーケティング・ディレクター、WebライターもIT業界の職種の一つです。
どの職種を選ぶかによって求められるスキルも違ってきますが、最も大事なのは、その仕事に『興味を持ってやりきれるか』という一点につきます。専門的なスキルや知識に関しては後から付いてきます。
技術の進歩や流行り廃りの激しい業界ですから、『日々新しい情報にアンテナを張って』、『その知識や技術を取り入れて何ができるか』を考えて実行する気持ちが、何よりも求められるスキルといって良いでしょう。
IT業界と言えば、PCやネットワークを使ったシステムを開発する業界というイメージが強く、システムエンジニアなどの専門的な知識やスキルなければ転職できないと思われがちですが、全くそんなことはありません。
Webサービスの運営、サイトデザイン、ITツールの販売/代理店、メディア運用、ゲーム開発、SNS運用、広告運用を行なっている会社もIT業界です。
業界 | 有名企業 |
---|---|
広告系 | サイバーエージェント、オプト、電通デジタル、セプテーニ など |
ツール/SNS系 | サイボウズ、ドロップボックス、SHOWROOM など |
メディア系 | Google、食べログ、ヤフー、レッティ など |
ウェブPR | 株式会社ベクトル、サニーサイドアップ、電通パブリックリレーションズ など |
ゲーム系 | ゲームウィズ、mixi、Cygames など |
システム開発系 | NTTデータ、日立製作所、富士通 など |
一度は聞いたことのある企業が多いと思います。このような有名企業に転職したいかはともかく、IT技術は日々進歩しているため、すでにスキルを身につけている人でも日々新しい技術習得のために努力を続けています。
未経験者でも研修を受けたり入社してから勉強したりすることで企業の戦力として働けるスキルを身につけられると考え、未経験者を歓迎する企業も少なくありません。
そのため、IT業界未経験者に求められるスキル(適正)としては、下記の3つが大事になります。
- 学び続けようという意欲と姿勢
- 興味関心を仕事に行かせること
- 数字に苦手意識を持たないこと/克服する努力をすること
学び続けようという意欲と姿勢
IT業界の技術や知識は日々進歩しているため、すでにスキルがある人もそうでない人も、これから勉強し続けていかなければならないという点では同じです。
Webのマーケティングに関して言えば、去年まで最新と思われていた手法も1年で廃れるというケースは非常に多いです。
つまり、専門的な知識やスキルがあることよりも、新しい技術を吸収する力や一度学んだことをどのようにすれば活かせるのか、考え続け実行に移せることが大事なスキルです。新しいことについていけない、学び続けることに飽きてしまうという方には、正直IT業界は向いていないでしょう。
【IT業界の採用人事から】
エンジニアでもサイトのディレクター職、広告運用の担当でも、共通してみているのは、新しい情報に対するアンテナがどの程度あるのかですね。
ただ、世の中で流行っているから取り入れようではなく、自分ならどう思うか、こうた方がもっとよいパフォーマンスが出せるのではないか、自分で考えて実行できるかどうかが大事です。
与えられた環境で最大限努力するというのも立派ですが、いまの現状に疑問を持って、こうしようという意見があれば素晴らしい人材だと思います。
当たり前のことのように聞こえますが、できているようで、案外難しいことなんですよね。
興味関心を仕事に活かせること
エンジニアもマーケティング系も営業職でも、IT業界の限定した情報だけではなく、他の業界で取り入れている知識をうまく取り入れられるかどうかも大事です。
IT業界は幅ひといと言いましたが、例えば同じIT業界でも『美容化粧品』と『家電』のEC/物販では施策や取り組み方も違います。
例えばIoT家電(ネットやBluetoothと接続できる家電)の場合、性能差に大差がなくなってきた現状、他社製品と比較して、どう自社製品が秀でているかを説明し、納得して購入してもらう必要があります。
化粧品を扱っている場合では、@コスメの〜〜部門1位や、比較サイト・アプリなどでいかに多くの人に使われているか、良い口コミが集まっているかをPRするのが、一つの成功法になっています。
もうすこし突っ込むと、今はサブスクリプションの時代ですので、情報が溢れかえっている中で、ユーザーも自分では選べない現状をどう解決するのかも一つの課題です。
こうなってくると、IT業界と言えど、どういったアプローチが一番効果的なのか、リアルな日常生活で『いいな』と思ったことを仕事(IT・Web)に取り入れることが重要になってきます。
【人事が教える面接時のポイント】
使い古された言葉になりつつありますが、『個の時代』とも言われていますので、『誰が言ったか』『誰が紹介しているか』も注目されている現状を考えて、自分なりの答えを持って面接に臨んでこられると、時代の変化を踏まえて考えていると思われますので、役員面接にも推しやすいですね。
【アパレルからIT業界に転職した方】
もともとはアパレル業界(ユニクロ)で販売員として働いていました。
長時間労働自体は覚悟して入社したのでそれほど辛いものではなかったのですが、ヘルニア予備軍になった時、この仕事を10年続けられるかと考え、漠然とWebのマーケティングに興味があったのでIT業界への転職を決意しました。
転職をする際、当時の上司にマーケティングの仕事をしたいといって退職したのですが、その時に『うちってマーケティングの会社なんだよ。』と言われました。『最初はなにを言っているのか?』と思いましたが、人の行動を予測、実際にデータとして並べてみることで、『この曜日、この時間にどの商品が売れている』というのがわかる。
だから『この日には一番目立つ位置に、どの高さで、どの商品を置くのが良い』というのを研究していると言われて、衝撃が走りました。マーケティングってWebだけじゃないんだというのがわかったと同時に、行動などが全てデータとして可視化でき、数字を元により正確な判断ができる業界に強い興味を持ちました。
転職先はWebの販売代行(商品を代わりに売る事業)の営業職だったのですが、退職までに行動心理や考え方をある程度勉強できたのは大きかったですし、転職後も営業としてすぐに結果を出すことができました。
そのあと、Webマーケの責任者を任されたので、リアル店舗の経験がWebに活きるのか疑問でしたが、どんなことが成果に繋がるかは興味を持って取り組んでみないとわからないので、よい気づきだったと思います。
新しい情報に敏感な人
日々進歩していくコンピューター技術を扱うIT企業では、新しい情報に敏感な人が求められます。一度技術や仕事のノウハウを理解したらそこで終わりでなく、常に新しい技術を勉強し、向上心を持ち続けられる人でなければIT企業から採用をもらうことは難しくなります。
数字に苦手意識を持たないこと/克服する努力をすること
IT業界が他の業界と大きく違う点をあげるとすると、『数字へのコミットメント』でしょうか。もちろん、どの業界でも数字を元に判断するのは当たり前に行われていることですし、事実をベースに考えなければ『机上の空論』でしかないのは確かです。
そのなかでも、IT/Web業界では『数字』をよりシビアに捉えていると言えます。
例えば、『インターネット広告』。Google、Yahoo!、SNSなどで広告を見かけることは多いと思いますが、大体が『クリック課金』と呼ばれるモデルで、1人のユーザーが1クリックするたびに、高額なケースでは5,000円ものお金が出て行きます。
興味本位でクリックされては広告費の無駄遣いですから、
- この金額をいくらに設定すれば良いのか?
- お問い合わせ/購入と比較して獲得単価の上限はいくらにすれば良いのか?
- 本当に月の予算はこれだけで問題ないのか、見込みデータの参照は現実的か? など
などを試算するスキルは大事です。
【人事担当から】
こういった数字を元に判断する力はもちろん『あったほうが良い』です。ただ転職時に必須という話ではありません。
未経験から転職する際に、広告やマーケティングの計算式を正確に把握できているとは企業側も思っていませんので、苦手意識を持っていないか、持っていたとしても取り組む姿勢、学ぶ姿勢があるかどうかで判断します。
よく見せようとして適当なこと言っているかどうかは、IT業界の人事であれば大体わかります。もしわからなかったとしても、2次面接では受からないでしょう。
【出版業界から転職した方】
ずっと書籍や雑誌の編集者として仕事をしてきましたが、紙だけで生活するのは今後10年を考えた際に衰退が見えてしまったのでIT業界への転職を決めました。
もちろんマーケティングやエンジニアのスキルなんて持っていませんでしたので、自分がIT業界に転職できるかどうかはわかりませんでしたが、Webメディアのコンテンツマーケティングを行なっている企業に転職できました。
『流行っている』という漠然とした業界知識のみでしたが、Webの文章って『校正/校閲/編集』という出版業界では当たり前に行われていることをほとんどやってないんですよね。誰に確認を取ったかもわからない、正確性の担保もされていない情報が垂れ流しになっているんです。
そこに憤りを感じたわけではないのですが、せめて正しい情報元を参考に、『ウラを取ること』って、今後のWebでは大事なことだという話しをしたら、採用して頂きました。
実際に業務をするに当たって面白いなと思ったのは、Webは読んだ人を『数字で判断できること』で、読了率(何人がどこまで読んだか)やそもそもそのページに何人が訪れたのか、直帰率(何人がその場でページを閉じたのか)が全て分かってしまうことでした。
本ってタイトルでほぼ決まる部分もあって、本屋さんに平積みで置かれた本を手に取る要因って、『タイトルのキャッチーさ』や『誰が書いたか』ぐらいしかないんです。
編集はいかにその本を手に取ってもらえるかを作家と一生懸命考えますが、実際にどの程度の効果があったのか、計るのは実質不可能なので、それがWebだとできることに感動を覚え、同時に恐怖でした笑
でも、そのおかげで数字の取り方や分析もできるようになって、よりパフォーマンスの高いコンテンツにすることができました。数字には疎い方でしたが、興味があって知りたいと思えば、自然とできるようになりましたね。
論理的な思考ができる人
大雑把な思考だけではIT企業での仕事は務まりません。その目標に至るまでにはどのようなプロセスを経由する必要があるのか、そのためにはどのように設計、計画を立てたらよいのかということを論理的に考えられる人材がIT企業では求められています。
【結論】IT業界だから特別なスキルが必要ということはない
IT企業にも営業職や事務職は存在し、それらの職種では専門的な知識やスキルを要求されないことがあります。「営業職に就くにしてもある程度ITへの知識を持っていないと製品の紹介ができない」と考える方も多いですが、それも杞憂です。
全くの未経験者からいきなり営業職で活躍するのは難しいのは勘違いで、入ってからでも十分に活躍はできます。むしろ中途半端に知識を持っていない方が、飲み込みも早いケースがあります。
また、IT企業に身を置きたいというだけなら、事務職や経理職に応募するのもひとつの手だと言えるでしょう。また、研修制度が整っていて、未経験者を育てて戦力に変えていこうと考える企業も数多くあります。
IT業界に資格は必要ない
情報セキュリティ資格や他国家資格もありますが、だけ持っていてもIT業界ではあまり重要視されませんし、資格を持っていないと採用しないという求人は見た事がありません。
未経験者がIT業界の求人を探す時には、『未経験者歓迎』、『研修制度アリ』などの条件を含めて検索をかけることで効率よく求人を探せますし、自分の希望にあった企業はどこか、転職エージェントに登録することでおすすめの企業を紹介してもらうという方法もおすすめです。
IT業界での転職で持っていると重宝されるスキル
一口に「IT人材」と言っても、業界やポジションによって求められるスキルはさまざまですが、どの企業でも共通して持っていると重宝されるスキルは以下のようになります。それぞれ解説しますので、書類選考や面接などでアピールする際に参考にしてみてください。
- 基本的なプログラミングスキル
- 論理的思考力
- 分析力
- コミュニケーション力
- マネジメントスキル
- 顧客対応に関するスキル
- 英語力
- 資料作成能力 など
基本的なプログラミングスキル
システムエンジニアとして開発職に携わるなら、何らかのプログラミング言語を用いたプログラミングスキルは必須です。開発職ではなくても、基本的なプログラミングスキルを身につけておくことは必要でしょう。
業界や企業によって使用されるプログラミング言語は異なるため、これからプログラミング言語の習得を目指す方は、自分の入りたい企業がどのような技術を取り入れているかをチェックしておくことが大切です。
論理的思考力
「論理的思考力」とは、「ものごとを筋道立てて考える力」のことを指します。エンジニアをはじめ、IT人材にはシステムを開発する際にクライアントの要望を把握し、どのようなシステムにするかを決める「設計」「要件定義」という業務が発生します。この時、クライアントはITに精通しているとは限らないため、クライアントの要望から本当に求めている機能を論理的に導き出す力が求められるのです。
またバグや不具合が発生した際、それがいつどこでどのように起きたのかをできるだけ早く究明し、対策しなければなりません。その作業に役立つのが論理的思考力です。
分析力
論理的思考力と重なる部分もありますが、IT人材にはとにかく「考える力」が求められます。大量にある情報のなかから必要な要素に切り分け、正確な現状把握や将来予測、意志決定をおこなうためにも分析力は必要な能力です。
コミュニケーション力
IT人材はパソコンと向き合う仕事だと思われがちですが、実はチームで開発にあたることが多く、メンバー間のコミュニケーションは欠かせません。また、職種によっては顧客に対するサポート業務が発生するため、コミュニケーション能力がある人はIT業界で特に重宝されるでしょう。
マネジメントスキル
先述したとおり、IT業界はチームで開発にあたることが多く、年次が進むとチームやプロジェクトを管理するマネジメントポジションにつくことが一般的です。後輩エンジニアを育成するほか、プロジェクトが適切に進むようにスケジュールを管理したり、メンバーが働きやすいように職場環境を整えるのもマネジメントポジションの役割です。
過去にマネジメント業務を経験したことがある人は、どれくらいの規模の人数をどのようにマネジメントしていたかを整理しておきましょう。
顧客対応に関するスキル
IT人材には顧客とコミュニケーションをとる機会も多くあります。クライアントの言いたいことを正しく理解し、わかりやすく正確に説明する能力やクレームに対して真摯に正しく対応できるかどうかはIT人材としてとても必要な要素です。
英語力
IT人材に英語力は必須ではありませんが、英語力があることで仕事の幅が広がります。と言うのも、企業によっては海外の顧客と接したり、オフショア開発などで海外エンジニアとコミュニケーションをとったりすることもあるからです。
また、技術関連の資料は英語の文献が多く、最新技術に関する情報も英語で発表されることが一般的です。英語力があることで、技術のキャッチアップスピードが格段に上がるため、重宝されるスキルの1つです。
資料作成能力
IT人材は社内外問わず資料を作成する機会が多くあります。論理的に要点がまとまっていることはもちろん、誰が見てもわかりやすい資料を作成できれば上司や顧客などから信頼してもらえるようになるため、評価にもつながるでしょう。
IT業界で求められる人の3つの特徴
IT業界に転職をするとき、ITに関する知識が豊富であるにこしたことはありませんが、実はそれよりももっと大切なことがあります。それは以下の3つです。それぞれ詳しく説明します。
- 新しい知識を学ぶ意欲がある
- 論理的に思考することができる
- コンプライアンスに対する意識がある
新しい知識を学ぶ意欲がある
前述しましたがIT業界の採用担当が求職者に対して求めるのは「学習意欲が高いこと」です。ITに関する知識は学習意欲さえあれば入社後に身につけることができるからです。
また、新しい技術がめまぐるしく生まれるIT業界では今ある知識はどんどん古くなります。新しい技術やトレンドにアンテナを張り、「まずはやってみる」という好奇心の高い人こそがIT業界で活躍できる人材でしょう。
論理的に思考することができる
「IT業界で求められる人材が持っている8つのスキル」でも述べましたが、IT業界において「論理的に思考できること」は必要な要素です。
顧客の要望を理解し、システム設計をするときや目の前のトラブルを解決するとき、自身の学習スケジュールを立てるときなどあらゆる場面で役に立つ特徴といえるでしょう。
コンプライアンスに対する意識がある
IT業界では、膨大な顧客データをはじめ、目に見えない「情報」を扱うことが多いため、セキュリティやコンプライアンスに対する意識が特に求められます。人為的ミスや資料の持ち出しなどにより情報漏洩につながらないかといった視点でものごとを見られるかどうかは大切な要素です。
IT業界にはどんな職種がある?
IT業界には大きく分けて4種類の業種があり、さらにその中でいくつかの職種に分かれています。主な業種・職種は以下のとおりです。
開発職 | ・システムエンジニア ・プログラマー ・Webデザイナー ・インフラエンジニア ・フロントエンドエンジニア ・バックエンドエンジニア |
マネジメント職 | ・プロダクトマネージャー ・プロジェクトリーダー |
営業職 | ・営業 ・セールスエンジニア |
コンサル職 | ・ITコンサルタント |
マーケティング職 | ・Webマーケター ・データアナリスト |
エンジニアというと、まず開発職を思い起こす方が多いのではないでしょうか。プログラマーやシステムエンジニア、Webデザイナーなど、システムやデザインをゼロから作り上げる職種は、IT業界の基本ともいえる職種です。
経験を積み上げていけば、プロダクトマネージャーやプロジェクトリーダーなどマネジメント職へのキャリアアップや、コンサルタントへのキャリアチェンジも目指せます。
営業やWebマーケターなどは、エンジニア経験がなくても転職可能な職種です。サービスや商品を広めたいと考えている方なら向いている職種でしょう。
近年注目を集めている、データ分析の専門家であるデータアナリストもIT業界で活躍できる職種です。統計学の基礎知識や、基本的なプログラミングの知識を持っておく必要はありますが、クライアントの課題解決に役立ちたいと考えているなら選択肢になるでしょう。
IT業界未経験者がこれから転職で選ぶべき職種は?
これかからIT業界を目指す人におすすめの職種をいくつかご紹介します。
マーケティング職
IT企業では、新しいシステムやサービスを開発するときに必要なマーケティング部門も設けられています。ターゲットの年齢層や性別に受け入れられるのはどんなサービスか、それをリサーチする能力はIT企業でも活かすことができます。
IT企業でも他の企業と同様に、プロジェクトを企画し、それを完了させるためにチームが団結して作業を進めます。そのため、プロジェクトの進捗状況を管理したり、効率よく作業を進めるためにエンジニア達をマネジメントしたりする能力も必要となります。
前職でプロジェクトリーダーの経験があったり、マネジメントの経験があったりする場合には、IT企業への転職でも有利に働くと言えます。
フロントエンドエンジニア/デザイナー
ネットサービスやメディアを運営する企業は売り手市場ですし、引く手あまたと言っていい人材です。新しい情報や、技術を取り入れ、最新の技術を自分のものにすることが好きだ、というのは立派な志望動機になります。
常に進歩しているIT業界では、すでに技術を持っている人ではなく、この先もずっと勉強の意欲を持ち続けてもらえるかの方が重要視されるのです。
また、最初にエンジニアとして転職しなくても、マーケティングを学んでからエンジニアに転向するケースもよくあります。マーケティング知識をもったデザイナーやエンジニアはいってしまえば鬼に金棒です。芸術家気質ではなく、顧客満足度に目線を合わせられる人材になれば、将来的にその会社を転職する時にも役立ちます。
IT業界に求められる人材になるためにやっておくべきこと
IT業界への転職を有利に進め、内定を勝ち取るためには以下の点を押さえて事前準備をしておきましょう。
スキルの棚卸し
IT業界へ転職する際は、まず自身のスキルの棚卸しをしましょう。特に未経験の場合、冒頭で紹介した「企業が求める3つのスキル」が自分にないか自己分析することが大切です。
新しいことに興味を持ち積極的に学ぶのが得意なら、これまでどのようなことに興味を持ち学習してきたかをまとめてみてもよいでしょう。また今興味を持っていることを転職先でどのように活かしたいか、といったビジョンを明確にしておくことも大切です。
これまでの実績を数字で表せるものは、わかりやすく整理しておきましょう。たとえば営業職であれば、目標に対してどれだけの売り上げを達成したのか、新規顧客、既存顧客ごとの獲得数、表彰の回数などです。
その他、コミュニケーション能力や提案力など、あると重宝されるポータブルスキルがないか分析し、アピールできるようにまとめておきましょう。
独学やスクールでスキルを身に付ける
IT業界でエンジニアやWebデザイナーを目指す場合は特に、事前にスキルを身に付けておくと転職に有利に働く可能性があります。
プログラミングやデザインは独学でも学習可能ですが、スクールに通えば実践的なカリキュラムで学べるため、転職後いち早く現場で「使える人材」として認めてもらいやすくなるでしょう。
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転職エージェントを活用する
IT業界に転職するなら転職エージェントを活用するのも方法です。転職エージェントではほとんどの場合、専属のキャリアアドバイザーが付き、転職に関する事務的な手続きからキャリアアドバイスまでさまざまなサポートをしてくれます。
面接が苦手な方に向けて模擬面接を実施してくれたり、履歴書や職務経歴書の添削をしてくれたりするほか、希望企業の詳しい内情を教えてもらえる場合もあるなど、転職を有利に進めるためのサポート体制が整っています。
特にIT業界に特化した転職エージェントであれば、業界の動向や、IT業界に求められる人材に詳しく、内定もらえる人の傾向などを教えてもらえる可能性もあるため、はじめてIT業界に転職を考えているなら利用するのがおすすめです。
IT業界への転職を叶える「求める人材」だとアピールする志望動機のまとめ方
IT業界が求める人材だとアピールし、転職を叶えるためには押さえておきたいポイントがあります。
採用担当者は本当に自社で活躍してくれる人材かどうかを見ています。そのため志望動機を考える際は、書類審査で目にとまる、あるいは面接で注目される内容にまとめる必要があります。
ここではIT業界が求める人材だとアピールできる志望動機のまとめ方を、4つのステップで解説します。
STEP1.IT業界でやりたいことを決める
まず、IT業界でどのようなことをやりたいかを明確にしておきましょう。しかし未経験からIT業界に転職する場合は、なかなかビジョンが定まらないこともあるかもしれません。
その場合は業界についてリサーチし、自分が興味を持ったことをまとめ、そこからやりたいことを決めるのも方法です。IT業界と一口にいっても業界の幅は広く、役割も異なります。広くリサーチし、それぞれの職種の社会的役割や自分のやりたいことを見つけていくとよいでしょう。
作りたいアプリがある、インフラエンジニアのように生活基盤を支える仕事がしたい、Webマーケターとして売り上げに貢献したいなど、あなたならではのやりたいことをまず見つけることが大切です。
STEP2.やりたいことと実現できることを関連付ける
やりたいことが見つかったら、それがIT業界で実現できることを関連付けましょう。
いくらやりたいことが明確になっても、実現が難しいものや、漠然としたものでは採用担当者に「本当にIT業界に転職したいの?」と疑問を持たれてしまうかもしれません。
採用担当者の気持ちを動かすには、自分のやりたいことはIT業界だから実現でき、その理由は〇〇である、と理論立てて説明できるようにしておくことが必要です。
例
これまで事務職として働いていました。業務効率を上げるためにExcelで関数やマクロを使って部署だけでなく広く社内で共有できるツールを作成したところ、大変喜ばれました。そこから自分で作ることの楽しさを知り、プログラミングを学習するようになりました。今後は、もっと多くの方の業務改善に役立つシステムやアプリケーションの開発をおこないたいと考えております。 |
このように、自分のやりたいこととIT業界を具体的に関連付けて説明すれば、採用担当者も納得しやすくなります。
STEP3.志望した企業でなければ実現できないことを伝える
さらに押さえておきたいのが、志望する企業でなければ自分のやりたいことを実現できない点を伝えることです。
IT業界にはさまざまな企業があります。「どうしてうちの会社なのか」という疑問に答えられるよう、志望動機をさらに掘り下げておきましょう。
応募企業について詳しくリサーチし、どの部分に共感し、自分が役立てると感じたのかを説明するようにしてください。
例
御社で提供している〇〇は、バックオフィスの業務効率化に大きく貢献する素晴らしいサービスだと感じました。私自身もバックオフィスのさらなる業務効率化を目指せるサービスの提供に関わりたいと考えています。現状のサービスをブラッシュアップするとともに、さらに役立つサービスの開発に携わりたいと考え御社を選びました。 |
STEP4.希望の職種と自分の強みを関連付けてアピールする
自分にどのような強みがあるかを理解し、それを関連付けてアピールしましょう。
たとえば、積極的、提案力がある、物怖じしない性格、コミュニケーション力に自信があるなど、持っていれば重宝されるスキルを中心にピックアップし、希望の職種と関連付けて説明します。
積極的で物怖じしない性格なのですぐに会社に馴染める、提案力があるので改善点や新しいサービスについて積極的に提案したいなど、具体的に伝えることが大切です。
【ノースキルでもOK】IT企業への転職におすすめの転職エージェント
最後に、IT企業への転職に役立つ、ITに強い転職エージェントをご紹介します。
転職エージェントは担当者の能力次第で転職の成功失敗が左右されてしまうので、1つのエージェントだけを利用するのではなく、いくつかのエージェントを併用して信頼できるエージェントを根気よく探すことが重要です。
Geekly

『Geekly』はIT・WEB・ゲーム業界の人材紹介に特化した転職エージェントです。
職種は幅広く扱っており、ITなどの業界で働いてみたい!と思う方にとっては非常に便利なエージェントサイトです。
登録すると、IT・WEB・ゲーム業界に精通した専門コンサルタントがあなた専任のアドバイザーとして担当にしてくれます。
それぞれ業界の知見があり求職者の希望を理解して実現に向けて動いてくれます。
そのため、過去の職種などでの経験を活かせるので業界未経験であっても安心して応募することができるでしょう。
レバテックキャリア

『レバテックキャリア』はIT・Web関連企業に特化した転職エージェントとして有名です。その一方で、実は未経験の方が応募できる求人はそこまで多く扱っていません。
しかし、もしあなたが未経験者だとしても安心してもらって問題ありません。
なぜなら、未経験者がエンジニアとしてIT企業で働くためのスクールの紹介から、卒業後の転職先の紹介までサポートする『レバテックビギナー』というサービスを行なっているからです。
未経験者でも経験を積んでIT業界に転職しやすくなる動線があるという特徴があるため、「しっかりとスキルを身につけてからIT企業に転職したい」と考えている人におすすめのサイトです。
リクルートエージェント

転職エージェント業界の最大手といえば『リクルートエージェント』です。
IT関連の転職だけに特化しているわけではありませんが、他のエージェントに比べて求人数が圧倒的に多く20万件以上もの非公開求人を保有しています。
そのため、あなたが理想とするようなITの求人を数多く見つけることができるでしょう。
また、未経験可の求人数も他のエージェントに比べて圧倒的に多いのがリクルートエージェントの強みです。「とにかく未経験可の求人をたくさん見たい」という人にはおすすめのエージェントです。
マイナビエージェント

- 20~30代の転職に強み
- きめ細やかなサポートに定評あり
- 夜間・土曜日にも相談可能
マイナビエージェントは、はじめて転職する方におすすめの転職エージェントです。
キャリアアドバイザーの徹底したサポートに定評があり、ヒアリングに力を入れた面談を経て、希望条件に合う求人を紹介してもらえます。
応募書類の添削や模擬面接などにも対応してもらえるため、安心して転職活動に取り組めるでしょう。
保有求人数は7万件超(※1)あり、特に20~30代向けの求人を多く取り扱っています。
また、平日夜間は20:30まで、土曜日は9:30~17:30まで営業(※2)しているため、都合のいい時間に相談できることもメリットです。
(※1)2023年12月時点の求人数
(※2)店舗によって異なります。詳しい営業時間は各店舗に確認してください。
サービス名 | マイナビエージェント |
運営会社 | 株式会社マイナビ |
公開求人数 | 67,499件(※1) |
非公開求人数 | 18,873件(※1) |
おすすめポイント |
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対応地域 |
東京、名古屋、大阪、福岡など全国/海外
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公式サイト |
【マイナビエージェントの口コミ・評判】
大変お世話になり感謝しております。もし知り合いで転職を考えている方がいればぜひ紹介させて頂きたいです。大変お世話になりありがとうございました。初回の面談からしっかりと聞き取りいただき、合致する求人を紹介頂きました。こまめにフォローを頂き、質問に対すても素早く返答頂きました。また常に的確にハッキリと根拠に基づくアドバイスを頂き、とても頼りにさせて頂きました。ありがとうございました。
マイナビエージェントを利用させて頂いたことで、転職という自分の人生の転機に力になって頂き、非常に感謝しております。間違いなく自分ひとりでは何をしたら良いかもわからず、現職でただただ働き続けていて、動き出すことが出来ていなかったと思います。転職に際してどう動いたら良いかを丁寧に教えて下さり、より自分に合った求人をたくさん提供頂いたこと結果が、自身の満足のいく転職先の決定に繋がったと思っております。ひとりひとりにしっかり寄り添って提案頂けるとても良いサービスだと感じました。キャリアアドバイザーには初めてお会いしてから長い時間になりましたが、定期的に気にかけて下さり、私の希望条件もしっかり加味してフォローをして頂き、本当に感謝しております。
(後略)
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(※1)2023年12月時点の求人数
(※2)2023年オリコン顧客満足度調査 「転職エージェント 20代」で1位
サービス名 | doda |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
公開求人数 | 223,854件(※3) |
非公開求人数 | 39,055件(※3) |
おすすめポイント |
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対応地域 |
東京、名古屋、大阪、福岡など全国
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公式サイト |
【dodaの口コミ・評判】
初めての転職におすすめ
初めての転職で使用しました。最初はdodaさんではないところを使っていたのですが求人が最初来たきり紹介がなく他も利用しようと思いdodaさんを登録。エージェントも登録し担当についてくれた方がとても熱心でした。コロナ禍で書類通過率はかなり悪かったですが絶えず求人紹介を頂けましたし、転職活動を進めるにつれ書類通過率も上がってきました。他サイトの口コミなどであるように専門性には欠けるかもしれませんが初めてで右も左も分からない方にはおすすめです。在職中で忙しい人もlineでやりとりできますし、職務経歴書や志望動機などもざっくりした文章でも添削と調整をしてくれてサポートはかなり手厚いです。引用元:doda/デューダの口コミ・評判
こちらの不安や要望に適した丁寧な対応に満足でした
印象的なテレビCMのキャッチコピーに背中を押されて、登録をしました。
担当の方は、とても穏やかで丁寧な対応をしてくださいました。
求人情報に関しても、こちらの要望に沿うように、繰り返し複数求人をご紹介くださいました。
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おかげさまで無事に転職もでき、最後まで面倒を見てくださった担当者様には大変感謝しております。引用元:doda/デューダの口コミ・評判
まとめ
IT企業未経験だからといって諦める必要はなく、むしろ新しい情報に敏感な人なら未経験でも歓迎してくれる企業はたくさんあります。
また、エンジニアとして働くためのスキルを学ぶスクールを紹介してくれたり、卒業後の転職活動までサポートしてくれたりする転職エージェントもあるため、未経験からIT企業へ転職するのは難しくないと言えます。
ただ、業界研究を怠ったり、興味があるというだけで志望動機を作ったりすると転職はうまくいきませんから、しっかりと業界研究などを行なう必要があります。
ぜひこの記事を参考に、IT企業への転職を成功させましょう。