転職するデメリット・メリットは?成功させるための方法を解説

編集者
CUS編集部
株式会社アシロ
転職サイトやエージェントは何を選ぶかではなく、『どう使いこなすか』にフォーカスしたWEBメディア。株式会社アシロの転職メディア編集部による、転職エージェントの賢い『使い方』とキャリアアップ実現の方法論を解説。
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転職活動は、一生の中で数回あるかないかの重要な決断です。しかし、世の中には多くの求人があり、無数の選択肢があるため、転職活動の一歩を踏み出せない方も多いでしょう。

理想の職を求め、後悔のない転職を叶えるためには、転職のメリット・デメリットの両面を理解することが必要となります。

そこでこの記事では、転職のメリット・デメリットを中心に、転職活動の注意点と効果的な方法などを紹介します。あなたの理想の転職を叶えるための参考にしてください。

目次

転職するメリット7つ

転職を検討する際、その背景にはさまざまな転職理由や転職に対する期待が存在します。

収入アップや新しい環境での人間関係の構築、新しいスキルの習得などの転職のメリットを知ることで、より明確な目的を持ち、成功への道を進むことが可能となるでしょう。

ここでは、転職する7つのメリットを解説します。

1.年収が上がる

転職の最大のメリットのひとつが、年収の増加です。

とくに、給与水準の高い企業に転職すると、同じ業務内容だとしても収入アップが見込めます。また、新たなスキルの習得やキャリアアップすることで、年収がアップするケースも少なくありません。

しかし、収入の増加を最優先に考えると、給与水準のみで会社を選ぶことになり、転職後の昇給率や福利厚生を見落としてしまうケースもあります。

転職活動を進める際には、年収だけでなく、その他の労働条件も確認し、長期的な視点で最適な選択をおこなうことが重要です。

2.人間関係の悩みを解決できる

多くの方が転職を検討する理由として、現職の人間関係に関する悩みが挙げられます。

転職先の新しい職場では、まったく新しい人間関係を築けるため、前職の悩みから解放される可能性が高いでしょう。

しかし、新しい環境でも人間関係のトラブルが起こるリスクはゼロではありません。転職を成功させるためには、コミュニケーションの取り方を学んだり、自己理解を深めたりすることが求められます。

人間関係を改善するための努力や継続的な自己啓発が、転職後の充実した職場生活を送るために重要です。

3.新しいスキルが身につく

転職により、新たな業務や環境に変えることで、多様なスキルを習得するチャンスが増えるのもメリットです。とくに、異なる業界や職種への転職は、幅広い知識や経験を身につける大きな機会となります。

しかし、新しい職場で求められるスキルが現在の自分のスキルセットと異なる場合、研修や独学が必要となるでしょう。転職後にも、スキルの習得を目的とした継続的な学びが不可欠です。

4.キャリアアップできる

現在の職場でスキルの向上や昇進の機会が限られている場合、職場を変えることでキャリアアップできるかもしれません。

転職先で新しい業務やプロジェクトに携わることで、これまでにない経験や知識を得られ、より高いポジションや専門職への道が開かれる可能性もあります。

キャリアアップのための転職を成功させるには、自身のスキルセットや過去の実績を明確にするとともに、将来のキャリアビジョンを持つことが必要です。

5.残業時間が減る

現職で長時間労働や残業に悩まされている方は、転職でワークライフバランスの取れた生活を送れるかもしれません。

従業員が働きやすいように、残業を最小限に抑える取り組みを進めている企業もあります。

このような企業に転職すると、生活の質の向上や健康の維持を実現できるでしょう。また、労働時間の短縮によって、自分自身の趣味や家族との時間を持つことにもつながるため、精神的な充実感を得られるはずです。

ただし、転職活動の際には、残業時間だけを重視するのではなく、業務の内容や給与、福利厚生などもバランスよく考慮することが大切です。

6.自分に合った仕事に就ける

自分の興味やスキル、価値観に合った仕事に就くことは、長期的なモチベーションを維持したり仕事の充実感を得たりするうえで、重要です。

転職を通じて、自分の専門性や得意分野に特化した職種や企業に移ることで、毎日の業務にやりがいを感じられるようになるでしょう。

たとえば、特定の技術や知識を活かした専門職のほか、社会的な価値観を共有するNPO法人や社会事業など、多様な選択肢が存在します。

自分に合った仕事を見つけるためには、自分自身の価値観やキャリアの方向性を明確にし、それに合った企業や職種をリサーチすることが必要です。

7.人脈や視野が広がる

新たな職場では、異なるバックグラウンドや経験をもった多くの同僚と連携し、共同で業務を進めることとなります。

人脈の広がりは、自身の知識・スキルだけでは得られない情報や視点をもつことにもつながり、自分一人では思いつかなかったような多様なアイディアや解決策を提供してもらえるかもしれません。

また、新しい職場や業界での経験には、自身の視野を大きく広げる効果があります。異なる業界の動向や技術の進化、市場の変動など、これまでの職場や業界では接触しづらかった情報に触れる機会が増えるでしょう。

新しい知識や情報は、自身の業務の質を向上させるだけでなく、今後のキャリアの方向性を見つめ直す契機にもなり得るのです。

転職する10のデメリット

新しい職場での新たな挑戦や経験、高い給与やキャリアアップのチャンスなど、転職には多数のメリットがあります。

しかし、その一方で、デメリットも無視できません。転職を成功させるためには、デメリットもしっかりと認識することが必要です。

この章では、転職する10のデメリットを解説します。

1.年収が下がる可能性がある

多くの方が年収アップに期待して転職活動をします。

しかし、実際には年収が下がる場合も少なくありません。とくに、長年勤務した企業からの転職では、経験やスキル、勤続年数が正当に評価されにくいケースもあるようです。

さらに、新しい職場での評価基準や給与体系が前職と異なる場合、初年度の給与が低下する可能性もあります。

このような事態を防ぐためにも、転職活動では十分なリサーチと交渉が必要です。

転職エージェントは年収交渉もおこなってくれるため、転職の目的が年収アップの方はぜひ交渉を依頼しましょう。

2.ゼロから人間関係を構築しなければいけない

新しい職場では、人間関係をゼロから構築する必要があります。同僚や上司とのスムーズなコミュニケーションは仕事を進めるうえで必要不可欠です。

新しい環境での人間関係の構築には、多くの時間と労力を要するものです。

新しい職場でのコミュニケーションのスタイルや文化になじむためには、積極的に同僚や上司とコミュニケーションをとり、相手の価値観や考え方を理解する必要があります。 

3.退職金や企業年金が少なくなる

定年退職後の老後資金として、退職金や企業年金の受給に期待している方も多いでしょう。しかし、転職を繰り返すと、これらの金額が減少する可能性があります。

とくに、退職金は勤務年数に応じて算出されることが多いため、短期間の勤務では受給額が低くなるのが通常です。また、企業年金も同様に勤務年数が影響するので、転職を繰り返すと受給額が下がるリスクがあります。

転職を検討する際には、退職金や企業年金の受給額を十分に確認し、将来的なライフプランとのバランスを考慮することが重要です。

4.現職で抱えている問題が解決するとは限らない

転職の理由として、現職での人間関係のトラブルや職場環境の不満など、さまざまな問題を挙げられることが多いものです。

しかし、新しい職場でも同様の問題が再発する可能性は完全には排除できません。

たとえば、自身のコミュニケーションスキルや仕事の進め方に原因がある場合、同じような状況が新しい職場でも繰り返される可能性があります。転職活動を進める前に、自己分析をしっかりとおこない、問題の原因を理解することが大切です。

また、新しい職場での人間関係の形成や社風に適応するには、柔軟性とオープンな姿勢が求められます。

事前に情報収集して、企業のカルチャーに合致するかどうかをチェックすることで、再発のリスクを軽減することが可能です。

5.退職後に転職すると収入源がなくなる

在職中ではなく、前職を退職してからの転職活動には、経済的なプレッシャーが伴います。

仕事を辞めると収入源が途絶えるため、転職活動が長引くにつれて経済的な困難が生じてしまうかもしれません。

このような状況下では、焦って転職先を決めてしまうリスクがあり、結果として自身のキャリアや希望する条件とは異なる職場を選択する可能性も考えられます。

また、長い無職期間は、採用側から見て不利にとられることもあるでしょう。

転職先が決まる前に退職する場合は、十分な生活資金の準備や、転職活動期間の見極めと目標設定が大切です。

6.在職中の転職はタイムマネジメントが必要

在職中に転職活動を進める場合、日常の業務と転職活動の両立が求められます。

求人情報のチェックや履歴書・職務経歴書の作成、面接対策と、転職活動には多くの時間が必要となります。

これに加え、現職の業務に支障をきたさないよう注意しなければいけません。

両立させるためには、タイムマネジメントのスキルが不可欠となり、計画的に活動を進めることが大切です。また、転職活動をしていることが職場の同僚や上司に知られないよう、細心の注意を払う必要があります。

本業が忙しくてなかなか転職活動を進められない方は、転職エージェントのサポートを借りることが大切です。

転職エージェントは求人紹介から書類作成、さらには面接対策など転職活動をトータルでサポートしてくれます。

7.すぐに転職できるとは限らない

希望する条件や職種、業界での転職先を見つけるのは容易ではないでしょう。

また、企業側も慎重に採用活動をおこなっており、求めるスキルや経験値、適性を持った候補者を選ぶため、一度の面接だけでの採用は少ないのが現状です。

内定までに複数回の面接や試験を受ける必要があり、時間がかかることも珍しくありません。

そのため、焦らず、長期的な視点で転職活動を進めることが重要です。転職市場の動向をしっかりと把握し、自身の強みや適性を理解することで、成功への道を切り開けるはずです。

8.ボーナスがもらえない場合がある

多くの企業では、労働者に対する評価や業績に応じてボーナスを支給しています。

しかし、中にはボーナスを支給しない企業があることも理解しておくべきです。

実際、厚生労働省が2022年に実施した調査の結果によると、30人以上の事業所のうち、夏季賞与を支給した企業は89.7%で、10.3%の企業ではボーナスが支給されていないことがわかります。

転職活動のタイミングによっては、現職のボーナス支給時期を逃す可能性が考えられます。さらに、新しい企業に入社したあと、即座にボーナスがもらえるとは限りません。

転職を考える際には、ボーナス支給のタイミングや新しい職場での評価制度を確認し、経済的な影響を最小限に抑えるための準備をおこなうことが大切です。

【参考記事】令和4年夏季賞与の支給状況|毎月勤労統計調査 令和4年9月分結果速報等|厚生労働省

9.ローンの審査が通らないケースがある

転職を検討する際、経済的な面での影響は避けられません。

とくに、転職と同じタイミングで、住宅ローンや車のローンなどの大きな借入を検討している場合、転職による収入の変動や無職期間がローンの審査に影響する可能性があります。

金融機関は借り手の返済能力を重視して融資を決定するため、安定した収入がない場合、ローンの審査が通りにくくなるかもしれません。

また、ローンを返済中の方も、現在のローンや負債の状況を確認し、転職後の収入に応じて将来的な返済計画を再検討することが必要です。

転職活動の開始前に金融機関との相談を検討することで、返済計画の見直しや条件変更の選択肢を探ることができるでしょう。

短期で転職を繰り返すと転職の難易度が上がる

近年、転職は特別なことではなくなりつつありますが、短期で転職を繰り返していたり、年齢の割に転職回数が多かったりすると、転職の難易度が上がる可能性があります。

「採用してもすぐに辞めるのではないか」と企業側にネガティブなイメージをもたれるためです。

もちろん、短期での離職が初めての方や、退職に正当な理由があるケースでは問題ありません。しかし、それ以外の場合は、面接で離職理由について深く質問されることは避けられないでしょう。

大手企業に転職するメリット

転職を検討する際、大手企業の魅力にひかれる方は少なくありません。大手企業には、高い給与や充実した福利厚生、社会的信用といった特徴があります。

以下では、大手企業に転職することの具体的なメリットを解説します。

社会的信用を得やすい

大手企業のネームバリューによって、大手企業に所属していると、社会的信用が高くなる傾向があります。

具体的には、ローンの審査が通りやすくなったり、取引先との信用が得やすくなったりするなどのメリットがあるようです。また、多くの場合、クレジットカードや賃貸契約の審査も通りやすくなるでしょう。

転職先企業の知名度やブランド力は、個人のキャリア形成にもプラスとなる要素といえます。

さまざまな部署や職種を経験できる

大手企業は事業領域が広く、多くの部署や職種が社内に存在します。

異なる職種や部署を経験するチャンスが増えるため、多角的なスキルや視点を持つことが可能となるでしょう。

組織の大きさから、キャリアアップのための教育体制も整っている場合が多く、自らのキャリアの幅を広げるための機会が増えます。

大企業で様々な経験を積むことは、今後のキャリア形成において重要になるはずです。

福利厚生が充実している

多くの大手企業では、福利厚生が充実しており、健康診断や子育て支援、住宅補助、資格取得支援など、さまざまな制度が用意されています。

ワークライフバランスが取れるなど働きやすい環境の提供にも期待できるでしょう。

福利厚生の充実は、長期的に勤務するうえでの安心感や、仕事とプライベートのバランスを取るための大きなサポートとなり得ます。

研修制度が整っている

多くの大手企業では、新入社員や中途入社の社員を対象とした研修制度が充実しています。大手企業が人材の育成に力を入れている証拠ともいえるものです。

研修制度が整っていると、業界未経験者や新たな職種に就く方でも、基礎から学べる環境が提供される点がメリットといえます。

具体的には、OJT(On the Job Training)や専任のトレーナーによる研修、外部の専門機関と連携したプログラムなどが用意されています。

職務に必要なスキルや知識を習得しやすく、安心して業務に取り組めるでしょう。

仕事の規模が大きい

多数の顧客や取引先を持ち、幅広い事業領域を展開しているため、国内外を問わず仕事の規模が大きい点は大手企業の特徴とひとつです。

たとえば、新しいプロジェクトやサービスの立ち上げ、大規模なイベントの運営、国際的なプロジェクトの推進など、多くのチャレンジを経験できることは、キャリアを築くうえで大きな魅力です。

仕事の成果が社会にもたらす大きなインパクトにも期待でき、その結果としての達成感や満足感を得やすくなります。

給料水準が高い

大手企業は、その経済的基盤の強さから、給料水準が一般的に高い傾向があります。中小企業と比較して、基本給やボーナス、各種手当てなどが充実しているのが特徴です。

給料水準が高いことは、生活の質を高めるだけでなく、将来の生活設計を考えるうえでの大きなメリットです。

たとえば、家族の教育費や住宅ローン、老後の計画など、生活に関するさまざまな選択を考える際、安定した収入があることは大きな安心感につながるでしょう。

大手企業に転職するデメリット

前述したように、大手企業への転職には、社会的信用の得やすさや給料水準の高さなどのさまざまなメリットがあります。

しかし、大手企業で働くことにはメリットだけでなく、デメリットも存在するのです。

ここでは、大手企業への転職を検討する際に知っておきたいデメリットについて解説します。

意思決定に時間がかかる

大手企業は従業員数が多く、部署間の関係が複雑であるため、意思決定プロセスが煩雑となることが少なくありません。新しい提案やアイディアを実現する際には、多くの承認を得る必要があります。

たとえば、新しいプロジェクトを立ち上げるときは、関連する各部署の意見や承認を得るために、さまざまなステップを踏まなければいけません。

このような過程には時間がかかるため、スピーディな行動が難しくなることもあります。

転職を検討する際には、各企業の文化や組織構造を理解したうえで、自身の適性や求める働き方と合致しているかどうかを検討することが重要です。

仕事が細分化されている

多くの大手企業では、仕事の細分化が進んでいるのが一般的です。ひとつのプロジェクトやタスクが、多くの部署や担当者に分けられ、一人ひとりが専門的な業務を担当します。

このような環境は、専門的なスキルを磨くのには適している反面、多岐にわたる業務を経験することが難しい点がデメリットです。

対して、中小企業やベンチャーでは、一人の従業員が多岐にわたる業務を担当することが多いため、幅広い経験を積めるメリットがあります。

転職を考える際には、どのようなキャリアを築きたいのか、どのような経験を積みたいのかを明確にし、企業の特性とのマッチングを考慮することが必要です。

ルールが厳しく機敏に動きにくい

大手企業には、長い歴史と伝統を背景に、厳格なルールやマニュアルが存在するのが一般的です。そのため、柔軟に動くことが難しい環境も少なくありません。

新しい取り組みや改革を進める際には、なかなかうまくいかないこともあるでしょう。

一方で、ルールやマニュアルが整備されていると、業務の進め方に一貫性を持たせることができ、ミスを防ぐ効果もあります。

しかし、変革的な環境やスピード感を重視する方にとっては、大手企業の厳格さがストレスに感じられるかもしれません。

転職を考える際には、自身の働き方や価値観と、企業の文化や環境が合致しているかどうかを検討することが大切です。

異動や転勤を命じられることがある

大手企業には、多くの支店や拠点が存在します。このような組織構造の中では、異動や転勤が頻繁におこなわれることも起こり得るでしょう。

とくに、経営層が人材のローテーションを重視する企業では、数年おきに人事異動が発生することも珍しくありません。

転勤は、新しい環境での業務経験を積むチャンスともなる一方で、家族をもつ従業員にとっては、生活環境の変化や子供の教育環境に影響が出ることも考えられます。

また、転勤による生活費の上昇や住居の変更など、経済的な負担が増えるケースも少なくありません。

大手への転職を考える際は、異動や転勤の頻度、企業のサポート体制などを確認し、自身のライフスタイルや価値観と合致しているかどうかを判断しましょう。

昇進するハードルが高い

大手企業では、多数の従業員が働いているため、昇進するためのハードルが高いと感じられることがあります。

とくに、中途入社の場合、同じ職位の新卒入社者と比較して、昇進のチャンスが限られるかもしれません。

また、昇進を評価する基準も企業によって異なるため、業績や実績だけでなく、社内の人間関係や企業文化への適応能力も求められる場合があります。昇進のチャンスを増やすためには、積極的なコミュニケーションや継続的なスキルアップが必要となるでしょう。

転職を判断する前には、昇進の評価基準やキャリアパスを確認し、自身の能力や適性と合致しているかを検討することが求められます。

新卒入社を優遇する人事制度が採用されている

多くの大手企業では、新卒入社者を中心とした人事制度が採用されています。新卒入社の社員を長期的に育成し、組織のリーダーとしての役割を果たしてもらうためです。

一方で、中途入社者が新卒入社者と同等の待遇や評価を受けることが難しいケースも考えられます。

たとえば、給与や役職、教育制度などで新卒入社者が優遇されることがあるため、中途入社者としてのキャリア形成が難しいと感じられることもあるでしょう。

転職前に人事制度や待遇、教育制度などを確認し、自身のキャリアビジョンと合致しているかを判断することが必要です。

中小企業に転職するメリット

この章では、中小企業に転職する際の主なメリットを詳しく解説します。

裁量権をもって仕事ができる

中小企業における勤務では、従業員数が限られているため、一人あたりの業務範囲が広いのが特徴です。

自身の仕事に対する裁量権が大きい傾向があります。具体的には、業務の進め方や意思決定の過程で、個人のアイディアや提案が生かしやすくなるでしょう。

また、社長や上司との距離が近いのも特徴で、直接意見や提案を伝えやすいのも中小企業ならではのメリットです。このような環境は、自分の意見やアイディアを実現したいと思う方にとっては大きな魅力といえます。

意思決定のスピードが早い

大企業と比べ、中小企業は組織がシンプルで、階層が少ないため、意思決定のスピードが早いのが特徴です。

また、変化の激しい市場環境下での迅速な対応が求められる場合、中小企業は先手を打つことができるケースもあります。

意思決定が早い点は、大手企業と比べて中小企業のメリットの一つでしょう。

転勤の可能性が低い

中小企業は、事業所や拠点が限られていることが多いため、大企業に比べて転勤の可能性が低いといえます。

多くの中小企業は地域密着型の事業を展開しているため、地域を離れるような転勤が発生しにくいのが特徴です。

家族との時間を大切にしたい方や、地元での生活を希望する方にとって、転職を検討する際の大きなポイントとなるでしょう。

中小企業に転職するデメリット

転職を考える際、中小企業への転職には魅力的な点が多い一方で、大手企業にはないようなデメリットも存在します。

転職を成功させるためには、デメリットを知り、対策を練ることが欠かせません。

本章では、中小企業に転職する際の主なデメリットについて詳しく解説します。

大手と比べると将来性が安定していない

中小企業の特性として、経営基盤が大手企業よりも脆弱であることが挙げられます。

とくに、経済状況の変動や市場の変化に対する影響を受けやすいのが特徴です。

このため、業績が不安定にもなりやすく、結果としてボーナスや昇給の安定性にも影響を及ぼす可能性があるでしょう。

また、資金力による制約から新しい事業展開や投資が難しく、会社の将来性に関する不安が増大することもあり得ます。

転職を考える際は、中小企業の業績や成長性を十分に確認し、自身が思い描くキャリアパスを実現できるかどうか判断することが必要です。

研修制度が整っていない

多くの大手企業では、新入社員を対象として、充実した研修制度や教育体制が整備されています。しかし、中小企業の場合、研修や教育制度が用意されていないことも珍しくありません。

中途で入社すると、新しい職場環境や業務に慣れるためのサポートが十分でないと感じられる可能性があるでしょう。

また、評価制度が不明確なことや、キャリアアップのための明確なステップが存在しない場合もあります。

転職活動の段階で、研修制度や教育体制、評価制度など、自身の成長をサポートする環境が整っているかどうかを確認することが重要です。

福利厚生が整っていない

大手企業は、従業員やその家族の生活を充実させるための制度が多数用意されています。

一方、中小企業は、大手企業と比較すると福利厚生の面で劣ることは否めません。

このため、転職を検討する際には、中小企業が提供する福利厚生を十分確認し、求めるライフスタイルや家庭の状況に合った企業を選ぶことが必要です。

たとえば、家族がいる場合、子育て支援や住宅手当が重要な要素となるでしょう。

また、健康面でのサポートが充実している企業を選ぶことで、長期的なキャリアを築くうえでの安心感も得られるはずです。

雑務も自分でこなす必要がある

多くの中小企業では、役職や専門分野に関係なく、多岐にわたる業務を担当することが求められます。

大手企業ではアシスタントや専門の部署が担当するような雑務も、中小企業では自分自身で対応しなければいけないケースもあるでしょう。

これは、中小企業の組織がフラットであることや、人手が限られていることが影響しています。

このような状況は、業務の多様性を求める方にとっては魅力的に感じられる一方、専門業務に集中したい方にとっては負担にもなり得るものです。また、雑務が増えることで業務の効率が下がるリスクも考えられます。

中小企業への転職を考える方は、自分が担当する業務の範囲や内容を確認し、自分のキャリアビジョンや働き方の希望と合致しているかを判断することが重要です。

ベンチャー企業に転職するメリット

転職活動中の方にとって、ベンチャー企業という選択肢は大きな魅力にあふれています。ベンチャー企業といえば、若い世代の社員が活躍する現場で、新しい風を感じながら働くイメージをもつ方も多いでしょう。

本章では、ベンチャー企業に転職するメリットを詳しく解説します。

仕事の自由度が高い

ベンチャー企業の大きな特徴のひとつは、仕事の自由度が高いことです。

従業員の平均年齢が若く、新しい仕事や考え方に対してオープンな環境である点に魅力を感じる方も多いでしょう。

年齢層が近いと意見交換がしやすく、人間関係を良好に保てる環境が構築されているのが特徴です。

そのため、自分のアイディアや提案を積極的に出しやすく、実際に取り組むチャンスの増加にも期待できます。

成長スピードが早い

ベンチャー企業は、成長スピードが早いことも大きなメリットです。社員数が少ないため、一人ひとりの裁量権が大きく、積極的な行動が評価されやすいといえます。

また、経営陣の年齢層が若いため、新しい挑戦や変化を恐れず、迅速な経営判断が可能な点も特徴です。その結果、事業の成長とともに、自身のキャリアアップにも期待できるでしょう。

新規事業立ち上げの経験ができる

ベンチャー企業に転職すると、新規事業の立ち上げ経験が得られる点も大きな魅力です。新しいアイディアや事業モデルを実際に形にするプロセスに関与できるチャンスがあるため、多岐にわたる経験を積めるでしょう。

新規事業立ち上げの経験は、今後のキャリア形成においても非常に価値が高く、ほかの企業への転職時にも大きなアドバンテージとなるはずです。

20代でマネージャーになれるチャンスがある

ベンチャー企業には、独特の組織風土があり、早い段階での昇進のチャンスが広がっています。

大手企業では、経験年数や年齢をもとに昇進が決まるのが一般的ですが、ベンチャーでは実績や能力、取り組み姿勢が重視される傾向が強いのが特徴です。

そのため、20代でもマネージャーやリーダーのポジションに就ける可能性もあります。

このような経験は、キャリア形成の初期段階における大きな財産となり、自身の成長やビジネススキルの向上に繋がるでしょう。

経営陣との距離が近い

ベンチャー企業の特徴として、経営陣と一般社員との距離が近いことが挙げられます。従業員数が少ないことから、日常的に経営陣とのコミュニケーションが取りやすい点が大きなメリットです。

自身の意見やアイディアを直接経営陣に伝えるチャンスがあるため、新しい取り組みや改善案の実現可能性が高まります。

また、経営の意向や方針を直接学べるため、企業全体のビジョンや方向性を理解しやすくなるのも魅力です。

ストックオプションを得られる可能性がある

ベンチャー企業の中には、社員に対してストックオプションを提供する企業も存在します。

ストックオプションとは、従業員に対して将来的に株を一定の価格で購入する権利を与える制度です。

企業の成長とともに、従業員自身の資産も増える可能性があります。

このような制度があると、従業員のモチベーションの向上や、企業への所属意識を強化する効果が期待されます。

もちろん、ストックオプションが資産価値を増やす保証はありませんが、企業の成長を自身の成長と直結させる機会として、多くのベンチャー企業が採用しているのです。

ベンチャー企業に転職するデメリット

ベンチャー企業への転職は、新しい挑戦や自分らしい働き方を求める方にとって魅力的な選択となります。しかし、その裏には意識しておくべきデメリットも潜んでいます。

この章では、ベンチャー企業特有の課題やリスクについて、具体的に解説します。

事業が不安定で撤退する可能性がある

ベンチャー企業は、その性質上、新しい事業や市場に挑戦することが多いものです。そのため、成功すれば大きな利益が得られる反面、失敗すると大きな打撃を受ける可能性もあります。

経営が不安定になると、最悪の場合、事業撤退や倒産のリスクもゼロではありません。

社会情勢の変化や外部環境の影響を受けやすいことは、ベンチャー企業の特徴のひとつとして理解が必要です。

転職を考える際には、その企業の事業内容や業界の将来性、経営状況をしっかりと調査し、リスクを把握したうえでの決断が求められます。

ハードワークになりやすい

ベンチャー企業は、従業員数が少ない場合が多く、一人あたりの責任範囲が広い傾向があります。

その結果、高い裁量をもちながらも、多忙な日々になりやすいのがデメリットです。残業や休日出勤が基本になっている企業も珍しくありません。

また、経営者の考え方や方針によって、自身の昇進や昇給が影響を受けることも考えられます。

転職を検討する前に、自分のワークライフバランスやキャリアビジョンを明確にし、企業の実態をよく調べることが大切です。

福利厚生が整っていない

ベンチャー企業の魅力として、自由度が高い点や新しいチャレンジができる環境が挙げられます。しかし、その一方で、大手企業に比べると福利厚生が整っていないケースが少なくありません。

とくに、賞与制度、退職金制度、育児・介護のサポートなど、生活を支えるための基本的な制度が不十分なケースがあります。

福利厚生が整備されていないと、長期的に働き続けるためのモチベーションが低下したり、生活の安定感につながりにくかったり、といった問題を生じやすくするかもしれません。

転職を検討する際は、入社前に企業の福利厚生について詳しく確認し、自身のライフスタイルや将来のビジョンと合致しているかを検討することが重要です。

相談できる相手がいない可能性がある

ベンチャー企業は、組織がフラットであることが多いのが特徴です。

自由に意見を出し合ったり、裁量権をもって行動したりすることが期待される一方、悩みや問題を相談できる相手が不在であることも少なくありません。

たとえば、大手企業のような相談窓口や専門のカウンセラーが配置されておらず、気軽に相談できる体制が整っていない企業も多いようです。

加えて、上司や先輩との距離感が近いことから、仕事の悩みを打ち明けにくいといった問題も考えられます。

このような環境では、ストレスの蓄積やコミュニケーションの断絶が生じやすく、職場の雰囲気やチームワークに悪影響を及ぼすリスクがあります。

転職を考える方は、相談体制や環境整備の状況を確認し、長期的に働けるかどうかを判断するとよいでしょう。

知人の会社に転職するメリット

転職を考える際、知人が働く会社に転職するという選択肢があります。知人の存在は、転職活動や入社後の適応において、特有のメリットを生むでしょう。

その中でもとくに注目すべきメリットについて、以下で詳しく解説します。

ミスマッチが起こりにくい

転職を検討する際に、知人に会社の内情を教えてもらえることは大きな利点となります。

仕事内容や働き方、労働環境など、あらゆる情報を事前に知人から得られるため、入社後にギャップを感じにくくなるはずです。

たとえば、企業の公式な採用情報では伝わらない、職場の雰囲気や実際の労働時間などのリアルな情報を知ることが可能です。

自分の希望や価値観に合致するかどうかを事前に確認できることは、何よりのメリットといえます。 

転職活動が短く済む

知人がいる会社への転職は、転職活動の期間を短縮する大きな要因となります。

通常の転職活動では、企業への応募、選考、面接などの多数のステップがあるため、オファーを獲得するまでに時間がかかることが多いものです。

しかし、知人を通じての紹介の場合、選考プロセスがスムーズに進行するのが一般的です。

事実、自社の社員から紹介を受ける「リファラル採用」では、企業もリスクを軽減できるため、一般応募よりも選考ハードルが低い傾向があり、短期間での内定獲得に期待できます。

知人の会社に転職するデメリット

知人が働く会社への転職は一見魅力的に思えるかもしれませんが、デメリットも存在します。事前にデメリットを知っておくことで、後悔のない転職活動を進められるでしょう。

この章では、知人の会社に転職するデメリットを解説します。

給料や条件の交渉がしにくい

知人がいる会社への転職では、内部の情報を転職前に把握できる利点があります。しかし、その一方で、給与や勤務条件の交渉が難しくなるかもしれません。

この理由は、「知人との関係性を損ねたくない」「知人の社内での評判を落としたくない」という心情から、本来の希望を伝えにくくなるためです。また、自分の給与や待遇が知人に知られることへの抵抗感も考えられます。

転職活動の際は、自身の価値を明確に理解し、適切な条件を交渉することが重要です。

知人の会社であっても、自身のキャリアと将来を考え、遠慮せずに希望する条件を提示しましょう。

選考途中で断りにくい

知人の紹介による転職の際、選考途中で企業とのミスマッチを感じたとしても、辞退するのが難しくなることが考えられます。「紹介者との関係性を損ねたくない」「紹介者に迷惑をかけたくない」といった感情が働くからです。

しかし、自身のキャリアを優先して、最適な選択をすることが何より重要といえます。

選考途中でミスマッチを感じた場合、適切なタイミングで丁寧に辞退する勇気も必要です。

入社後に退職しにくい

入社後、仕事内容や会社の雰囲気などにミスマッチを感じたとしても、知人の紹介という背景があるため、退職を判断するのが難しい場面も考えられます。

とくに、知人との関係性が強い場合、その影響で長く不満を抱えつつ働くことになるおそれもあるでしょう。

しかし、転職は自身の人生において大きな選択のひとつです。入社後に不満を感じた場合は、適切なタイミングで退職を検討し、自身のキャリアを再構築することが大切です。

【職種・雇用形態別】転職するメリット・デメリット

現在の職種や雇用形態によっても、転職するメリット・デメリットは異なります。

それぞれのメリット・デメリットを把握して、最善の選択をしましょう。

正社員からほかの雇用形態への転職

正社員からほかの雇用形態への転職には、一般的に以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリットデメリット
プライベートと両立しやすくなる
重圧から解放される
状況によって仕事を変えやすくなる
人間関係の悩みが減る
雇用が安定しなくなる
収入や保障、福利厚生が減る
正社員への復帰が難しくなる
ボーナスがもらえない
契約社員・派遣社員は原則3年の契約期間がある

正社員から契約社員、派遣社員、パート・アルバイト、フリーランスなどに転向する場合、仕事の重圧から解放される、人間関係の悩みが減るなどのメリットがあります。

また、時間の融通が利く仕事を選ぶとプライベートとの両立が図りやすくなったり、状況に合わせて仕事を変えやすくなったりするでしょう。

反対に、大きなデメリットとして、雇用が安定しにくいこと、将来正社員に復帰したくても再就職が難しいことなどが挙げられます。

さらに、収入や保障、福利厚生が減ることは避けられません。多くの非正規雇用ではボーナスが支給されないため、転職前には入念な資金計画が必要とされます。

正社員からほかの雇用形態への転職を考える際は、デメリットも理解して熟考するのがおすすめです。

看護師の転職

看護師がほかの医療機関に転職するメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリットデメリット
収入・残業時間などの労働環境がよくなる可能性がある
人間関係から解放される
都合に合う勤務先を選べる
残業や夜勤が増えることがある
仕事内容や器具の場所など覚え直すことが多い
人間関係が悪化するおそれがある
新卒後3年未満の場合、転職先が限られる

看護師が転職すると、労働環境を改善できる可能性があります。たとえば、夜勤や残業で疲弊している場合、夜勤がないクリニックに転職することで、体力的なストレスから解放されるでしょう。また、人間関係を一新できるのも転職のメリットです。

一方で、転職によって労働環境や人間関係が悪化する可能性もあります。このような事態を防ぐためには、転職活動時に転職エージェントを活用し、応募先の医療施設の内情をよく確認したうえで転職を決めるのが得策です。

また、新卒後3年未満の方は、転職先の選択肢が比較的規模の大きな病院に限られる傾向があります。クリニック・介護施設などへの転職を希望する場合、3年以上の勤務経験が条件とされることが多いようです。

公務員から民間企業への転職

公務員から民間企業への転職を目指す方は、以下のメリット・デメリットを把握しておきましょう。

メリットデメリット
やりたい仕事ができる
年収がアップする可能性がある
キャリアアップにつながる
転居をともなう異動がある
福利厚生が減る
年功序列型の給与制度ではなくなる
企業によっては業績が景気に左右される
年収が下がる可能性がある

公務員から民間企業に転職するメリットは、やりたい仕事を選択できること、年収がアップする可能性があること、キャリアアップにつながることです。

公務員は2年〜4年ごとに異動があるのが一般的で、異動先を自身で決めることはできません。しかし、事業内容に興味をもてる民間企業に転職すれば、目指すキャリアビジョンを実現しやすくなるでしょう。

一方で、公務員ならではの充実した福利厚生や安定性、年功序列型の給与制度に魅力を感じている方は、民間企業への転職にはデメリットが多くなるかもしれません。

家族から反対を受けるケースも多いため、よく考えたうえで結論を出すのが重要です。

業界内での転職

同じ業界内での転職には、以下のようなメリット・デメリットが考えられます。

メリットデメリット
経験・スキル・業界知識を活かせる
他業種への転職に比べて覚えることが少ない
2社を経験することで専門性を高められる
年収アップの可能性がある
比較的採用されやすい
現在の職場とトラブルになる可能性がある
転職先で情報漏洩を強要されることがある
年収ダウンの可能性もある
転職先のやり方になじめない可能性がある

同業他社に転職することの大きなメリットは、現職で培った経験・スキル・業界知識が活かせることです。同業界の経験社数が増えることで、専門性の向上にも期待できるでしょう。また、企業から即戦力としての期待が得られ、比較的採用されやすいこともメリットといえます。

そのかたわら、注意すべきデメリットが多いのも業界内での転職の特徴です。

退職時に転職先の社名が伝わると、同僚や上司、企業とトラブルに発展することがあります。とくに、就業規則で競合他社への転職が禁止されていて、誓約書に署名している場合、最悪のケースでは訴訟を起こされるおそれもあるのです。

また、転職先で機密情報の漏洩を依頼されることもあり、現職と転職先の間で板挟みになって、精神的に辛くなることも起こり得ます。

同業他社への転職の際は、勤め先の就業規則をよく確認し、現職への配慮を怠らないように心がけましょう。

20代の転職

20代の転職には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリットデメリット
ポテンシャルで採用される
未経験業種・職種への転職がしやすい
20代後半は比較的転職しやすい
早期での退職を懸念される
入社3年未満の場合、退職金をもらえないことがある
高い能力が求められる仕事は、スキル・経験不足のため採用されにくい

20代で転職活動に取り組むと、ポテンシャルや人柄で採用されやすかったり、未経験業界・職種に挑戦しやすかったりなどのメリットがあります。また、dodaの調査結果によると、20代後半は転職成功者の中でもっとも割合が高く、比較的採用されやすいこともメリットです。

しかし、20代前半で転職を目指している方はデメリットも多くなります。

早期に退職した場合、「またすぐに退職するのではないか」と企業から懸念され、採用されにくくなるのが実情です。また、多くの企業では退職金の支給対象者を勤続3年以上としているため、退職金をもらえない可能性もあります。

20代前半は経験・スキル不足が理由で不採用となることも多く、求人が限定されることもデメリットです。

入社3年以内の方は、第二新卒採用も視野に入れて転職を検討するとよいでしょう。

【参考記事】転職するなら何歳まで?年代別の転職活動のポイントは?転職成功者の平均年齢調査【最新版】(2023年)|doda
【関連記事】第二新卒向け転職を成功させるためのポイント徹底解説|おすすめ転職エージェントも紹介

フルリモートの仕事への転職

フルリモートの仕事に転職することには、以下のようなメリット・デメリットが考えられます。

メリットデメリット
業務に集中できる
人間関係の悩みが少なくなる
プライベートとの両立がしやすい
通勤のストレスがなくなる
孤独感を抱きやすい
コミュニケーション力が育ちにくい
上司からの評価が見えにくい
生産性を上げるための自己管理が必要

職場勤務からフルリモートの職場に転職する場合、メリットとして業務に集中できること、人間関係の悩みが少なくなること、プライベートとの両立が図りやすいことが挙げられます。

しかし、人によってはこれらの特徴がデメリットになることもあるでしょう。

たとえば、入社時からフルリモートの仕事だと、同僚や上司の人柄がわかりにくく、顔が見えない相手との仕事に孤独感を抱くかもしれません。また、連絡方法は基本的に電話やチャットのみとなるため、社会人に必要なコミュニケーション能力は身につきにくいといえます。

さらに、フルリモートは自己管理が苦手な方には不向きな働き方で、集中力が低下して生産性が下がる可能性がある点もデメリットです。

外資系企業への転職

外資系企業への転職で考えられるメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリットデメリット
実力主義で評価を受けられる
給与水準が高い
有給休暇をとりやすい
語学力を活かせる
福利厚生が手薄な企業が多い
日系企業よりも解雇のハードルが低い
企業独自の社風がある
外国籍の上司や同僚となじめないことがある
教育制度はないことが多い

外資系企業への転職を検討する際には、まずはじめに日系企業との明確な違いを理解しておくことが重要です。

外資系企業の一般的なメリットとして、実力・成果次第で年収を上げられること、有給休暇をとりやすいことが挙げられます。外国語が堪能な方や異文化交流に興味がある方は、仕事に達成感をもちやすいはずです。

ただし、日系企業と違う点として、福利厚生が充実していないこと、解雇や左遷のハードルが低いこと、教育制度が整っていないことなどが考えられます。また、人によっては外国籍の上司・同僚や独特の企業文化になじめない可能性もあるでしょう。

これらがデメリットだと感じられるのであれば、外資系企業への転職は向いていないかもしれません。

転職で後悔しないためのポイント8つ

転職の成功は、転職活動開始前の準備と調査、そして自分自身のキャリアの理解によって大きく左右されます。理想の転職を実現するためには、入念な計画と自己分析が不可欠です。

この章では、転職活動を進めていくうえでの8つのポイントを解説します。

1.転職の目的を明確にする

転職活動の最初のステップとして、転職の目的を明確にすることが重要です。

なぜ転職を考えているのか、その背景にはどのような理由や動機があるのかを深く考察することで、適切な転職先を見つけやすくなります。

たとえば、給与アップやキャリアアップを求める場合、合致する企業をターゲットにすることができるでしょう。

一方、働く環境の改善やワークライフバランスの充実を目的とする場合、企業の風土や福利厚生を重視することが求められます。

転職の目的を明確にすることで、転職活動の方向性がクリアになり、効率的な行動がとれるようになります。

2.キャリアプランを明確にする

転職活動では、中長期的なキャリアプランを明確にすることが求められます。

転職を成功させるためには、現在だけでなく、将来の自分のキャリアをどのように描くのか、ビジョンを持つことが大切です。

転職先での自分のポジションや役割、5年後、10年後の自分の姿に合わせた転職活動をおこなうことで、より意味のある転職となるでしょう。

また、自分の強みや得意分野を活かせる企業を選ぶことも重要です。

3.今までの経験やスキルを棚卸しする

転職活動を進めるうえで、自分自身の経験やスキルを、正確にアピールポイントとして伝えることが不可欠です。

過去の業務内容や取得している資格、特技など、自分の強みや特色をもとに履歴書や職務経歴書を作成します。

自分の経験やスキルを十分に棚卸しすることで、転職活動中に自身の価値をアピールしやすくなり、求職者としての魅力を高めることができるはずです。

4.希望条件に優先順位をつける

転職を考える際、さまざまな希望条件が浮かび上がってくるでしょう。給与、勤務地、勤務時間、企業文化、キャリアアップの機会など、重要視する条件は人それぞれ異なります。

しかし、全ての条件を満たす転職先は現実的には限られているため、条件に優先順位をつけて考えることが大切です。

まず、絶対に譲れない条件をリストアップし、次にそのほかの条件を優先順位別に並べます。

条件の優先度を明確にすることで、転職活動がスムーズに進行し、後悔の少ない選択をする手助けとなるでしょう。

5.転職先の企業を調べる

転職先の選定において、企業の情報を十分に調査することは極めて重要です。

企業の業績や成長性、社風、従業員の評価など、多岐にわたる情報を収集すると、自分に合った企業かどうかの判断材料となります。

また、入社後のキャリアパスや福利厚生、教育制度なども注目すべきポイントです。

インターネットでの情報収集はもちろん、実際に働いている人の声を聞くなど、多角的に情報を得ることで、後悔しない転職先選びができます

6.面接対策を徹底する

面接は転職活動の中でもとくに重要なプロセスです。面接における自己アピールやコミュニケーションは、転職成功の鍵となります。

面接前には、自己PRや志望動機、過去の実績や経験を整理し、伝えたいポイントを明確にします。

また、企業側からの質問に対しても、事前に予想し、適切に答える練習を重ねるのが大切です。

面接官の質問内容や雰囲気に臨機応変に対応できるよう、準備も怠らないようにしましょう。

7.ハローワークを利用する

転職活動では、ハローワークを利用するのも有効な方法です。ハローワークとは、厚生労働省が運営する国の職業紹介所で、おもに地域密着型の中小企業の求人紹介を受けられます。

また、窓口での相談や職務経歴書の添削、面接対策などのサポートが充実しているのも特徴です。35歳未満を対象とした「わかものハローワーク」や子育てとの両立を応援する「マザーズハローワーク」など、自身の状況に合った転職支援を受けられるでしょう。

ハローワークの職員には、元人事担当者やキャリアコンサルタント資格保持者などが在籍していることもあり、転職エージェントとは異なる視点のアドバイスにも期待できます。

管轄地域に居住する方であれば誰でも利用でき、有意義な情報の収集に役立つはずです。

【参考記事】全国ハローワークの所在案内|厚生労働省

8.転職エージェントを利用する

転職エージェントは、転職を成功に導くために強力なサポートを提供してくれるサービスです。

エージェントは、非公開求人の情報提供や転職市場の動向・自分の市場価値などの共有をしてくれます。

また、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策のアドバイスなど、転職活動の各ステップでのサポートを受けられる点も魅力です。

エージェントとの良好なコミュニケーションを保ちながら、自分の希望や条件を明確に伝えることで、最適な転職先を見つける手助けとなるはずです。

転職活動をおこなうときに気をつけること3つ

転職活動は、一生に数回あるかないかの大きな選択のひとつです。多くの方がさまざまな悩みや疑問を抱えながら取り組んでいます。

この章では、転職活動を成功に導くための注意点やアドバイスを3つ紹介します。これから転職活動を始める方は参考にしてください。

1.在職中に転職活動をおこなう

転職活動は退職後におこなうのではなく、在職中に取り組むのがおすすめです。

転職先が決まる前に仕事を辞めてしまうと、収入源が途切れてしまい、焦って転職先を決める可能性があります。在職中に転職活動に取り組むことで、納得感のある転職を叶えられるようになるはずです。

ただし、在職中の転職活動にはいくつかの注意点があります。まず、現在の職場に対する配慮を心がけましょう。転職活動を公然と進めるのはマナー違反です。

現職の業務に支障をきたさないよう、転職活動は休日や退勤後の時間を利用して進めるのが得策といえます。

また、転職活動の事実を同僚や上司に知られないようにするため、求人情報の収集や面接日程の調整も慎重におこなうべきです。

転職活動の成果が出る前に、現在の職場の信頼を失うリスクがあるため、周囲への十分な配慮が求められます。

2.一人で転職活動を進めない

転職活動には多くの情報や知識が求められるため、一人で進めるのは困難に感じられるかもしれません。そのような方は、転職エージェントのサポートを受けるのがおすすめです。

転職エージェントの利用は、効率的かつ的確な転職活動をサポートしてくれる手段のひとつといえます。

エージェントは市場の最新情報や求人情報をもとに、希望条件に合った企業の紹介や面接の対策、履歴書の添削などもおこなってくれます。

また、転職のノウハウや業界の動向に詳しいエージェントからのアドバイスは、転職成功の確率を高める大きな武器となるはずです。

3.希望条件を増やしすぎない

転職の際の希望条件は、自分のキャリアや生活スタイルに合わせて設定するのが理想的です。しかし、条件を多く設定しすぎると、求人の選択肢が狭まってしまうことがあります。

たとえば、年収、勤務地、勤務時間、企業文化など、多岐にわたる条件を厳しく設定すると、希望に合った求人が見つかりにくくなります。

条件は大切ですが、自分のキャリアや成長を重視するなら、柔軟な姿勢も必要です。

希望条件の優先度を見直し、柔軟に転職活動を進めることで、意外なチャンスに出会えることもあるでしょう。

空白期間があることのデメリットは?

就業中の転職活動は、求人検索や書類作成、面接など、やるべきことが多々あり労力をともなうものです。転職活動をしている方の中には、「今の仕事を退職して転職活動に集中したい」と考える方もいるでしょう。

しかし、転職前の空白期間は、ケースによってメリットにもデメリットにもなり得るので注意が必要です。

たとえば、退職して難関資格の勉強に励んだ末、資格取得に成功した場合、空白期間は大きなデメリットにはならないはずです。

しかし、空白期間が生じたことに企業側を納得されられるだけの理由がないと、「衝動的に会社を辞めたのでは?」「就業意欲が低いのかもしれない」「スキルが衰えている」と懸念される可能性があります。

目安として、半年以上の空白期間があると、企業は求職者に不安を覚え、デメリットになると理解しておきましょう。

履歴書や職務経歴書に空白期間ができた理由を記載しておくと、採用担当者の理解が得られやすいかもしれません。

また、介護や育児などの明確な理由がある場合、ビジネススキル維持のために空白期間中に取り組んでいたことを伝えると、熱意の高さを示せるでしょう。

転職のメリット・デメリットに関するよくある質問&悩み

ここまで、転職のメリット・デメリットと転職成功のポイントについて解説してきました。

最後に、転職のメリット・デメリットに関するよくある質問や悩みに回答します。不明点を解消して、最良の道に進みましょう。

転職しないほうがいいか判断するポイントは?

現状が以下に当てはまる場合、一度転職を踏みとどまったほうがいいかもしれません。

転職しないほうがいいか判断するポイント
  • 現職に不満があって転職を望んでいる
  • 自身のスキルやキャリアビジョンが明確になっていない
  • 条件や企業名で応募先を選んでいる
  • 転職活動の軸が定まっていない
  • 転職したい理由が自分でもわからず、周りに流されている

もし、自分自身では結論を出せないのであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談するのがおすすめです。転職する・しないを含めて、客観的な視点からのアドバイスを受けられるでしょう。

転職で後悔する人の特徴は?

転職は、決して成功が約束されたものではありません。

以下のような特徴がある方は、転職後に後悔する可能性があります。

転職で後悔する人の特徴
  • 転職すれば全ての問題が解決すると思っている
  • 企業名で転職先を選んでいる
  • 今後のキャリアプランやなりたい将来像が明確になっていない

転職で後悔しないためには、徹底した自己分析と企業研究が要となります。転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談すると、自己分析や企業研究のサポートが受けられ、軸をもった転職活動が可能となるでしょう。

転職のメリットが多い年齢は?

転職市場では、若い世代のほうが応募できる求人数が多いのが一般的です。

しかし、だからといって若いほうが転職のメリットが多いというわけではなく、どの世代においても転職のメリット・デメリットはあるでしょう。

なお、20代・30代・40代の転職には、以下のようなメリットがあります。

  • 20代:ポテンシャルを評価される傾向が高く、未経験業界・職種に挑戦しやすい
  • 30代:即戦力として歓迎されやすい
  • 40代:管理職や重要ポジションでの採用に期待できる

30代で転職するメリットは?

同じ30代でも、30代前半と30代後半では転職市場における事情が異なります。

30代前半が転職するメリットは、即戦力として歓迎されやすいことと、ポテンシャルを見込まれた採用の可能性があることです。転職市場ではまだ若い世代として扱われる年代であるため、転職のチャンスが広がっているでしょう。

30代後半が転職するメリットは、年収が上がる可能性があることと、マネジメント経験を有する人材は管理職として迎え入れられることがある点です。また、社会人経験の長さから、自身の特性をある程度つかめており、合う仕事や企業の判断がつきやすいこともメリットといえます。

最後に

この記事では、転職のメリット・デメリットとともに、転職を成功させるためのポイントや注意点を解説しました。

本記事で紹介した内容をまとめると、転職のメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリットデメリット
年収が上がる
人間関係の悩みが解決する
スキルが身につく
キャリアアップできる
残業時間が減る
自分に合った仕事に就ける
人脈や視野が広がる
年収が下がる可能性がある
ゼロから人間関係を構築しなければいけない
退職金や企業年金が少なくなる
現職で抱えている問題が解決するとは限らない
退職後に転職すると収入源がなくなる
在職中の転職ではタイムマネジメントが必要
すぐに転職できるとは限らない
ボーナスがもらえない場合がある
ローンの審査が通らない可能性がある

また、大手企業、中小企業、ベンチャー企業などへの転職では、それぞれ特有のメリット・デメリットがあります。

転職のメリットだけでなく、デメリットも十分に理解し、転職活動に取り組むことが大切です。

なお、転職エージェントの利用は、効率的な活動のサポートを受けられる重要な手段となります。一人での転職活動には、迷いや不安が多いものです。

転職エージェントを活用すれば、転職活動の良きパートナーとして、転職を成功に導いてもらえるでしょう。

この記事で解説した内容を参考に、あなたの理想とする転職を目指してください。

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CAREERUPSTAGE編集部のアバター
株式会社アシロ

CAREERUPSTAGE編集部

転職サイトやエージェントは何を選ぶかではなく、『どう使いこなすか』にフォーカスしたWEBメディア。株式会社アシロの転職メディア編集部による、転職エージェントの賢い『使い方』とキャリアアップ実現の方法論を解説。