「もう働きたくない、疲れた……」
「50代だけど心が折れたから退職したい」

このように感じていないでしょうか。

50代の女性で仕事を辞めたいと考える方は少なくありません。しかし辞めるべきサインは何なのか、辞めて後悔しないのか悩みますよね。

この記事では、50代女性が仕事を辞めたいと感じる原因について解説しています。注意点やよくある質問も紹介しているため、仕事が嫌すぎてどうしていいか悩んでいる方は参考にしてください。

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50代女性が仕事を辞めたいと感じる原因8つ

50代女性が仕事を辞めたいと感じる原因は次の8つです。

人間関係がつらい

人間関係の悩みやストレスから、仕事を辞めたいと感じる例は多くあります。

令和4年の50代女性の退職理由は次のとおりです。

退職理由	50歳～54歳	55歳～59歳
人間関係がよくなかった	12.4％	12.1％
会社都合による退職	8.1％	10.7％
労働条件が悪かった	7.2％	7.4％
能力・個性・資格を生かせなかった	7.7％	3.9％

定年・契約期間の満了をのぞくと、「人間関係がよくなかった」という退職理由がもっとも高い割合となっています。

50代では年下の上司が増えたり、若い人材が増えて仕事についていけなくなったりと、まわりとうまくやれずに悩むケースが珍しくないのです。

関連記事：職場の人間関係が合わない・疲れたから会社を辞めたい時にすべき行動とは？

体力的に厳しくなってきた

50代の女性は、体力的に仕事についていけなくなることもあります。

特に介護・飲食・小売など、立ちっぱなしや重いものを持つ場面が多い仕事の場合、体力の限界を感じて辞める方も珍しくありません。

これまではこなせた残業や時間外労働も、50代ともなるとより多く働くより、体力の回復や自分の時間に使いたいと感じることが増えるでしょう。

関連記事：長時間労働で会社を辞めたい！退職時に確認すべきことや適切な転職理由などを紹介

家事や子育てとの両立が難しい

50代は、家事や子育てとの両立に悩む時期でもあります。

子どもが高校生や大学生になり、思春期への対応や教育費の悩みも尽きないでしょう。

これまで全力で仕事に家事に取り組んできて、疲れを感じ「そろそろ仕事を辞めてゆっくりしたい」と考えるかもしれません。

仕事内容にやりがいを感じられない

仕事内容にやりがいを感じられないことも、仕事を辞めたくなる原因の1つです。

実際に、50代で退職した人の3.9％〜7.7％が「能力・個性・資格を生かせなかった」と答えています。

この先も定年まで長く続けると考えると、達成感や充実感を感じられない仕事ではなく、自分がやりたいと思える仕事への転職を考えるのも自然なことでしょう。

関連記事：仕事が「つまらない」は転職で解決できる？理由や解決方法を解説

ホルモンバランスが乱れている

女性の50代は、ホルモンバランスの乱れの影響を受けやすい時期です。

更年期にさしかかるとイライラしやすくなったり、ホットフラッシュやだるさといったつらい症状が出ることもあります。

体調や精神状態が万全ではなく、思い通りにならないことが積み重なって、仕事を辞めたくなるケースもあるでしょう。

会社の将来性が感じられない

今いる会社に将来性が感じられないと、今のうちに転職したほうがいいのではと不安になる可能性があります。

業績不振の会社では定年まで勤め上げるどころか、ある日突然首を切られることも十分考えられます。

そこまではいかなくても減給やボーナスのカットなど、何かしらの悪影響はありえるため、会社という船が完全に沈んでしまう前に決断するべきでしょう。

子育てが一段落したため働き方を変えたい

50代の場合、子育てが一段落したため暮らし方を変えたいと考える女性も多くいます。

これまでは正社員で頑張ってきたものの、時短勤務や派遣社員・パートに切り替えたり、体力的に楽な部署へ異動願いを出したりする方法もあります。

また人間関係に疲れたら、最低限の出社やZOOMミーティングなどで済むフルリモート勤務に切り替えるのも方法の1つです。

関連記事：ワークライフバランスが実現しやすい業界・職種・企業の特徴と転職成功のポイントを解説

ほかにやりたいことがある

定年を見すえ、趣味ややりたいことを極めるために仕事を辞めたいと考える人もいます。

その場合は現在の働き方を変えたり転職したりするだけでなく、早期退職も選択肢の1つになるでしょう。

会社で早期退職者を希望している場合、退職金が割増しになることもあるため、チャンスがあれば検討してみてください。

関連記事：50代で早期退職しても大丈夫？後悔しない辞め方や注意点を解説！

50代女性が仕事を辞めたいと感じたときの対処法8つ

50代女性が仕事を辞めたいと感じたときの対処法は次の8つです。

自己分析する

まずは、自分がなぜ仕事を辞めたいと感じているのかを深掘りしましょう。そして自分の強み・弱みや価値観を客観的に考え、今の仕事を続けていくべきか、退職するべきかの判断材料にします。

自分が仕事に求めるものや妥協できない部分が明確になれば、この先進むべき道もおのずと見えてくるはずです。

自分では難しい場合、無料で客観的な意見をくれる転職エージェントを利用してもいいでしょう。

関連記事：50代におすすめ転職エージェント18選｜転職成功のコツを徹底解説

家族や上司に相談する

家族や上司など、まわりの人間に相談するのもおすすめです。

自分1人で考えこんでも、同じところで堂々巡りになりがちです。親しい人なら自分のクセや考え方を理解しているため、適切なアドバイスがもらえるでしょう。

自分を褒めながらやりがいを見つける

仕事にやりがいやモチベーションを見いだすには、自分を褒めるのがコツです。

地味な事務仕事や雑用をして感謝されることは多くありませんが、自分で自分を褒めることはできます。

毎日小さな目標を立て、それを達成できたら自分にご褒美を与えるなど、工夫しながら日々を乗り切りましょう。

まとまった休みを取り気分転換する

これまで働きすぎてろくに休みも取れていなかった場合は、気分転換するのもおすすめです。

たまった有給を使ってまとまった休みを取り、旅行や趣味を思いきり楽しんでみましょう。リフレッシュすることで、仕事への活力が戻ってくるかもしれません。

時短勤務やリモートワークを検討する

フルタイムの正社員として働くことに疲れたら、時短勤務やリモートワークを検討してみてください。

自分の自由時間が増えたり、人間関係や満員電車のストレスから解放されたりすることで、仕事への向き合い方にも変化が出る可能性があります。

体調管理に気をつける

ホルモンバランスの乱れの影響を強く受けている場合、体調管理にも力を入れましょう。3食きちんと食べる、睡眠時間をしっかり取るなど、自律神経を整えることが有効です。

体力の衰えを防止するため、筋トレに取り組んだりトレーニングジムへ通ったりするのもいいでしょう。

資格の勉強や副業を始める

今後、異なる業種への転職を考えている場合、資格の勉強や副業を始めるのもおすすめです。

50代から取得可能で仕事へ活かせる資格には、次のものがあります。

関連する職種でパートや派遣社員から始め、正社員登用を目指す道もあります。

そのほか早朝だけ・深夜だけの2〜3時間のパートや、在宅でできる副業を視野にいれるのも方法の1つです。

関連記事：50代女性の転職はできる？転職に役立つ資格やおすすめの業界を解説

転職する

ここまでの対策をしても解決できそうにない場合、転職も視野に入れてください。

令和4年度の50代女性の転職入職率は正社員で7.1％、パートで10％（※）と、転職する人が一定数存在することがわかります。

つまり転職は不可能ではありませんが、求人数は決して多くなく厳しいことは事実です。

50代の転職では、現職で得たスキルや実績をどう活かせるかを明確にアピールすることが大切です。場合によっては業種や働き方の幅を広げ、柔軟な探し方をする必要があるでしょう。

関連記事：50代の転職で失敗する人の特徴は？おすすめの職種や仕事の探し方などを解説

（※参考：令和4年雇用動向調査結果の概要）

50代女性が仕事を辞める際の注意点4つ

50代女性が仕事を辞める際の注意点は次の4つです。

50代の転職事情を把握しておく

まず、50代の転職事情を把握しておくことが重要です。

そもそも、50代の正社員求人は若い世代と比べて多くありません。

主要な転職サイトで20代と50代それぞれが応募可能な求人数を調査したところ、50代の求人数は20代の半分から4分の1程度でした。

転職サイト	20代が応募可能な求人数	50代が応募可能な求人数
マイナビ転職	2,204件	1,170件
doda	2万9,589件	1万9,707件
リクナビNEXT	2万5,334件	1万3,131件
女の転職type	869件	279件

さらに50代女性の転職率は7.3％から9.6％と、20代女性の約15％と比べて2分の1程度にとどまっています。

引用：令和4年雇用動向調査結果の概要

このことから50代での転職は選択肢を広げ、職種や働き方にとらわれず探す必要があるでしょう。

関連記事：50代の転職が難しいのは本当？難しいといわれる理由や転職できる人とできない人の特徴も紹介

今後の暮らしや仕事についてよく考える

また、今後の暮らしや仕事についてよく考えておくことも大切です。

理想のライフプランに合わせて、必要になるお金や経験を計算しておきましょう。

たとえば次のようなことが考えられます。

将来を見すえて逆算して動くことで、効率よく理想の暮らしを実現できるでしょう。

当面困らない程度の貯金をしておく

転職するにしても、当面困らない程度の貯金は必要です。

離職前の2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あれば失業保険を受け取れますが、受給期間は最大1年間となります。

また受給金額は離職前の50～80％程度で満額ではないため、すぐに仕事が決まらないと生活に窮する恐れがあるでしょう。

もしものときの備えとして、最低でも1年間は暮らせる程度の貯金があると安心です。

辞めづらい場合は退職代行を利用する

仕事を辞めづらい場合、退職代行サービスを利用する手もあります。

退職を決意しても言い出しづらかったり、引き止められたりしてなかなか辞められないこともあるでしょう。

退職代行なら直接同僚や上司と顔を合わせずに済むうえ、即日対応していれば退職を伝えたその日から出勤せずに辞めることも可能です。

おすすめのサービスは以下の記事で紹介しているため、参考にしてください。
関連記事：退職代行おすすめランキング13選｜サービス内容を比較【最新版】

仕事を辞めたい50代女性によくある質問

ここからは、仕事を辞めたい50代女性によくある質問に回答します。

仕事を辞めるべきサインはある？

次のとおりです。

上記に当てはまるようなら、その仕事は辞めどきといっていいでしょう。

関連記事：仕事を辞めたい時は診断してみよう！仕事が辞め時のサイン12選

いくら貯金があればいい？

家族構成にもよりますが、早期退職する場合5,000万円から1億円が目安です。

転職を考えている場合、普段の生活費から計算しておよそ1年分をまかなえる分の貯金があると安心でしょう。

仕事辞めたら人生楽しすぎって本当？

50代で仕事を辞めた人からは、「家族との時間が増えた」「育児を終えたあとの人生にやりがいができた」といった声がきかれました。

早期退職するには十分な資金が必要ですが、派遣社員やパートなど働き方を変える、または転職するだけでも、ある程度は環境を変えられます。

50代は定年年齢よりもまだ体力的に余裕があり、これまでの経験を生かした転職も可能です。資格取得や副業をきっかけに起業したり、フリーランスになったりする人もいます。

結局のところ、人生を楽しくできるかは自分次第といえるでしょう。

関連記事：「仕事辞めたら人生楽しすぎ」は嘘？仕事を辞める判断基準や注意点などを解説！

次を決めずに退職してもいい？

2022年のリクルートの調査によると、50代の55％が次の転職先を決めてから仕事を辞めています。また、50代では転職活動を始めてから内定まで平均4.2ヶ月かかっています。

その間の生活が不安定になることを受容できる場合は、次を決めずに退職してもいいでしょう。

（※参考：就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022）

まとめ

50代の女性は人間関係のストレスやプライベートとの両立、ホルモンバランスの乱れなどによって仕事にも悩みがちです。また、定年が目前に迫ってくると仕事以外にやりたいことができたり、現在と異なる業種へ挑戦したい気持ちが芽生えたりすることもあるでしょう。

今の仕事を続けていくのか、その場合は働き方や雇用形態をどうするのか、それとも転職・退職するのかなど、考えるべきことはたくさんあります。今後の生活費や年金受給額などを踏まえて綿密なライフプランを立て、それを踏まえて仕事をどうしていくか決断してください。