「お客様からのクレームが辛い」「コールセンターに将来性を感じない」といった悩みから、コールセンターから異業種への転職を検討する人は少なくありません。

結論からいうと、培ってきたコミュニケーションスキルなどを活用できる職種を選べば、転職は可能です。本記事を読んで、転職活動を進めていきましょう。

関連記事：コールセンターにおすすめの転職エージェント徹底比較！仕事内容や転職を成功させるコツも解説

コールセンターから転職が不利ではない理由

コールセンターから転職が不利ではない理由は3つあります。

コールセンター勤務の強みを活かし、転職活動を有利に進めていきましょう。

コミュニケーションスキルを保有しているから

コールセンターから転職が不利ではない理由ひとつ目は、コミュニケーションスキルを保有しているからです。

コールセンターでは、一日に何十人ものお客様を担当します。そのため、業務を通じてコミュニケーションスキルが磨かれていきます。

コミュニケーションスキルは、どの業界においても重宝されるスキルです。なぜならお客様やメンバーと円滑にやり取りでき、信頼関係を築けるようになるためです。

そのことから、未経験者歓迎の求人票に「コミュニケーションスキルを保有している方」と記載している企業もたくさんあります。

正しい言葉遣いをマスターしているから

コールセンターから転職が不利ではない理由2つ目は、正しい言葉遣いをマスターしているからです。

コールセンターはお客様とたくさん会話する仕事です。業務を通じて、正しい日本語の使い方やビジネスマナーが身についてきます。

日本語を正しく丁寧に話せれば、採用面接を始め、同僚・上司・お客様に好印象を与えられるでしょう。

秘書や受付など、立場が上の人やお客様と直接接する仕事に向いているといえます。

忍耐力の高い人が多いから

コールセンターから転職が不利ではない理由3つ目は、忍耐力の高い人が多いからです。

コールセンターではお客様が納得いくまで、丁寧にわかりやすく話す必要があります。お客様の電話を自分から切れないため、忍耐力もついてくるでしょう。

中にはクレームを言ってくるお客様もいます。

冷静にクレームを対応するスキルやお客様を怒らせない謝り方が身につくので、どの業界に就職しても応用が効きます。

忍耐力が高ければお客様から新規案件を獲得するまで諦めずにアプローチできるでしょう。

コールセンターから転職する際に準備すべきこと

コールセンターから別業種・職種に転職するためには、事前準備が大切です。

以下4つの手順に沿って行動しましょう。

4つの手順に沿って転職活動すれば、転職に失敗する可能性が下がります。

1.転職で譲れない条件を明確にする

転職後に失敗したと後悔しないためには、転職前に譲れない条件を明確にすることが大切です。紙などに転職希望条件を記載しましょう。

例えば「自宅から30分以内の勤務地」「リモートワークが可能」など、希望条件をメモしてください。

すべてを満たす求人はないかもしれませんが、優先順位を決めておけば理想の職場が見つけられるはずです。

自分で希望条件に当てはまる求人を探すのが面倒な方は、転職エージェントを利用してみてください。専任スタッフが希望にあった求人を選んでくれます。

2.企業分析をしっかり行っている

転職で譲れない条件を明確にした後は、企業の分析をおこないましょう。

希望条件にあった求人の中で、自分が働きたいと思った企業をいくつか選びます。企業分析する理由は、就業先の選定や面接対策に役立つためです。

求人サイト以外にも企業サイトや会社説明会へ参加することで、より深く企業を理解できます。

企業分析では会社概要、事業内容、取り扱い商品やサービス、採用情報などを確認します。入社後のミスマッチを防ぐために、今後の事業方針もチェックしてください。

企業分析後は、各企業の比較ができるようにスプレッドシートなどにまとめておきましょう。

関連記事：転職先が簡単に決まる人の特徴10選と決まらない人の特徴5選！

3.コールセンター業務で培ったスキル・知識を棚卸しする

企業分析が完了した後は、現在保有しているスキル・知識を書き出します。

スキルや知識を書き出す理由は、求人票に掲載してある「求める人物像」「必須条件」に当てはまっているか確認するためです。

ひとつでもたくさんの条件に当てはまっていれば、書類選考の通過や採用される可能性がアップします。特に優遇条件を満たしていれば、書類選考が不要になったり、面接回数が減ったりすることもあります。

自分の保有スキルがわからない場合は、後述する「コールセンターから異業種への転職に活かせるスキル・知識」を確認してください。

4.転職のプロに相談する

在職中で忙しい方や、初めて転職するため何から始めたらよいのか分からないという方は、転職のプロである転職エージェントを活用するのも手です。

転職エージェントでは主に以下のサービスを活用することが可能です。

転職エージェントは無料で利用できるので、気軽に相談してみてください。

コールセンターから異業種への転職に活かせるスキル・知識

コールセンターから異業種へ転職する際には、身につけたスキル・知識が活用できる職種に応募した方がよいでしょう。

コールセンター勤務で身につくスキル・知識は以下のとおりです。

これらのスキル・知識が活かせる環境に転職すれば、給料アップやキャリアアップなどを実現できるでしょう。

コミュニケーションスキル

コールセンターで身につくスキルひとつ目は、コミュニケーションスキルです。

コールセンターでは、一日に何十人とお客様を担当します。お客様とスムーズにやり取りするため、相手にわかりやすく伝えられるようになります。

このスキルはどの業界・職種でも役に立ちます。

例えば営業職に転職したら、お客様と短期間で信頼関係を構築できるでしょう。営業事務なら、スキルを通じて社内メンバーと仲良くなれるので、業務をスムーズに遂行できます。

そのためコミュニケーションスキルがあれば、未経験者も応募できる企業は多いのです。

営業スキル

コールセンターで身につくスキル2つ目は、営業スキルです。

担当業務によっては、お客様に商品やサービスを提案する場合があります。

電話対応しているだけで商品が売れているなら、お客様に商品が欲しくなる提案をできている可能性が高いです。お客様の購入意欲を高めるのは誰にでもできることではありません。

そのスキルは営業職で活用できるでしょう。営業職ではお客様と顔合わせするので、電話よりも表情や仕草などでどう考えているか把握できます。

それにより、お客様ニーズに合った商品を提案できる可能性がさらにアップするでしょう。成果が出れば営業手当や賞与に還元されることが多いので、働くモチベーションにもつながります。

基本的なPC操作スキル

コールセンターで身につくスキル3つ目は、基本的なPC操作スキルです。

Wordに入力してある文字の色を変更できる、Excelで関数を使えれば、基本的なPC操作スキルを取得しているといえます。これらを使えれば、PCを用いるオフィスワークに転職できる可能性がアップします。

また、コールセンターでは通話しながら文字を入力する機会が多いです。毎日入力作業があるため、タイピング速度が早い人も多いでしょう。

勤務歴が長い人は、PCのキーボードを見ないで入力する「タッチタイピング」もマスターしているはずです。

求人票の必須条件に「文字入力が早い人」「タッチタイピングができる人」と募集している企業もあるので、自己PRや特技としてアピールできます。

メンバー育成・教育に関する知識

リーダーやSV経験がある人は、メンバー育成・教育に関する知識が身につきます。

メンバー育成・教育に関する知識は、どの業界でも必要とされます。

相手にわかりやすく伝えるスキルも身についているので、メンバーのやる気がアップするようなアドバイスが可能でしょう。

メンバー育成・教育に関する業務は誰にでもできることではないため、年収が高めに設置されている企業が多いです。ゆくゆくは管理職や幹部へとステップアップしたい人は自己PRや志望動機でアピールしましょう。

コールセンターから転職するときの注意点

コールセンターから転職するときの注意点は以下3つです。

これらを事前に知っておくことで、入社後のミスマッチを減らせるでしょう。

就業規則によっては派手な髪型やネイルができない

コールセンターはお客様と直接会う機会が少ないので、髪型やネイルが自由な企業が多いです。

転職先の企業によっては、派手な髪型やネイルができないところもあります。

例えば飲食店の場合、髪の色にも指定があります。それ以上明るい色にすると、黒染めが必須と就業規則に書かれていることもあるのです。

飲食店のホールスタッフを希望している場合、ネイルをしてしまうと、運ぶ料理にネイルパーツが入るリスクがあります。クレームにつながるので、禁止しているところも多いです。

派手な髪型やネイルができる企業なら、求人票のアピールポイントで記載しています。事前に確認しておきましょう。

年収が下がってしまう可能性がある

コールセンターは、コミュニケーションスキル必須で覚えることが多いので、年収が高めに設定されている企業が多いです。時給換算すると2,000円になるところもあるでしょう。

そのため未経験から異業種に転職した場合、年収が下がってしまう可能性があります。

どのぐらい年収が下がるか知らないと、貯金を切り詰めたり、クレジットカードの支払いが滞ったりすることもあるでしょう。

そのため、コールセンターから転職すると決めたら貯金しておきましょう。年収が下がっても生活できなくなるリスクは避けられるはずです。

シフトの融通がきかない

オフィスワークの場合、平日9〜18時勤務のところも多いです。

朝が苦手な人や平日フルで働けない人には厳しいかもしれません。

しかし、企業によってはいつ出勤しても可能な「フルフレックスタイム」などの働き方を取り入れているところもあります。求人サイトで探してみてください。

関連記事：コールセンターはやめとけって本当？実情や対処法・不向きな人までわかりやすく解説

コールセンター経験を活かせるおすすめ職種・業界

未経験でも応募できる、コールセンター経験者におすすめの業界・職種は以下のとおりです。

コールセンター勤務で培ってきたスキル・知識を活かせる環境なら、スムーズに転職できる可能性がアップします。

もし、コールセンターの仕事は好きだけれど職場の待遇に不満がある場合は、同業界への転職も検討してみてください。

テレアポ経験がある人におすすめ「営業」

テレアポ経験がある人は営業職に転職することをおすすめします。

営業は、お客様の悩みをヒアリングし、多種多様な商品やサービスを提案する仕事です。仕事内容はテレアポとあまり変わりません。

営業職はテレアポと違い、お客様と顔を合わせてやり取りします。声だけでは判別できなかった相手の表情や仕草が確認できます。

お客様の態度を見ながら商品をアピールできるため、売上アップに貢献できるでしょう。

また営業職は会社の売上に貢献できる仕事なので基本給が高いです。成果は営業手当や賞与に還元されるケースも多く、収入アップを実現したい人にもおすすめといえます。

サポート業務が好きな人にぴったり「営業事務・秘書」

お客様をサポートするのが好きな人は、営業事務・秘書がおすすめです。

営業事務は、営業スタッフが円滑に仕事できるように支援する仕事です。主に資料作成・受発注業務・商品の在庫管理などを担当します。

秘書は、経営陣などのスケジュール管理や会議の準備を担う仕事です。経営陣や管理職など立場が上の人たちと働けるため、幅広い知識を習得できます。

営業事務・秘書は、営業スタッフや経営陣らから感謝の言葉を直接言われることが多いです。仕事に対するやりがいを感じられるでしょう。

お客様と直接関わりたい人に最適「販売・接客」

コールセンターは、電話越しでお客様とやり取りする仕事です。

そのため、直接お客様と関わりたいという理由から転職する人も少なくありません。そんな人にぴったりなのが、販売・接客です。

販売・接客は多種多様なお客様と直接やり取りする機会が多い仕事です。たくさんのお客様と信頼関係を築きたい人に向いているでしょう。

ただし、販売・接客は企業によって就業規則が厳しく、派手な髪色やネイルが禁止されているところもあります。

入社後にミスマッチを起こさないよう、事前に口コミなどを確認しておきましょう。

自由な働き方を実現したい人に「ビジネス・プロセス・アウトソーシング業界」

自分の時間を満喫したい人は、ビジネス・プロセス・アウトソーシング業界への転職がおすすめです。

ビジネス・プロセス・アウトソーシング業界とは、各業界の業務をサポートする事業です。外部委託とも呼ばれています。

ビジネス・プロセス・アウトソーシング業界で支援可能な業務例
IT系業務	プログラミング、Web制作、インフラ保守
非IT系業務	コールセンター、営業、総務、事務

正社員という働き方以外に、業務委託という就業方法を選べるのも、ビジネス・プロセス・アウトソーシング業界の特徴です。

業務委託とは、あなたが対応できそうな業務依頼を受注したときに仕事をしてもらう働き方です。業務委託には時給制と成果報酬制の2種類があります。

在宅可能な求人もあるので、転職サイトで探してみてください。

【同職種への転職もあり】働き方は好きだけど職場の待遇に不満がある場合

働き方は好きだけれど、職場環境に不満がある人は、同職種・同業界への転職も検討してみてください。

コールセンターの働き方にはテレアポ・テレオペ・カスタマーセンターとさまざまな種類があります。

職種	業務内容
テレアポ	電話での新規営業 資料請求したお客様への問い合わせ・アポの獲得
テレオペ	サービスの悩みに対して、電話で対応 既存顧客からの問い合わせ トラブル対応
カスタマーセンター	既存顧客からの問い合わせ トラブル対応

未経験入社と比べて、給料がアップする可能性があります。もしくは前職と同等の給料がもらえる可能性があります。

転職先企業と給料交渉する自信がない人は、転職エージェントに相談してみるのも良いでしょう。自分の理想とする条件で転職できる可能性が高くなります。

コールセンター経験者におすすめの転職サイト・エージェント

コールセンター経験者におすすめの転職サイト・エージェントは、以下3つです。

どの転職サイト・エージェントも無料で利用できます。

どのサイトを利用するか迷ったら、ぜひ一度すべて登録してみてください。

リクルートエージェント

ビズリーチ

マイナビエージェント

コールセンターから転職に関する質問や悩み

コールセンターから転職に関する質問や悩みをまとめました。

コールセンターから転職したいけど、自己PR・志望動機の書き方がわかりません

自己PRでは、自身の強み・実績を正確に伝え、将来の展望をアピールしましょう。

自己PRを書くときには、以下5つのポイントを取り入れてみてください。

自己PRの例文を知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。

関連記事：転職でキャリアアップできる人の特徴や成功させるための秘訣を解説

志望動機の書き方がわからない場合は、以下の関連記事を確認してください。

関連記事：第二新卒が転職する時の志望動機の書き方｜注意点と例文も紹介

この記事では、志望動機を書くときに必要な内容や書類選考に落ちてしまう書き方を紹介しています。例文つきで3種類の志望動機も掲載しているので、参考になるでしょう。

コールセンターのSVからの転職は不利ですか？

コールセンターのSVからの転職は有利になります。

なぜなら、SVまでキャリアアップできるということは、さまざまなスキルを保有している証明になるためです。

コミュニケーションスキルを始め、メンバー育成・教育に関する知識も豊富なので、幅広い職種に転職しやすいといえます。

コールセンターからの転職はキャリアにならないですか？

コールセンターからの転職はキャリアになります。

コールセンターで培ってきたスキルや知識を活かせば、よりステップアップを目指せるでしょう。

コールセンターを円満に辞める方法を教えてください

コールセンターを円満に辞めたいなら、1ヶ月前にはSVや上司に相談しましょう。

引き継ぎや人員補充をする必要があるためです。SVや上司に引き止められないように、新しい職場を確保するのも大切です。

退職日が確定した後も、積極的にスタッフを手伝うことで円満に辞められる可能性がアップします。

コールセンターから転職したい理由で多いものはなんですか？

コールセンターから転職したい理由で多い理由が以下の4つでした。

関連記事では、これらの転職理由をポジティブに言い換える方法を記載しています。履歴書を作成する際に参考にしてみてください。

関連記事：【例文あり】コールセンターの転職理由まとめ｜採用担当者に好印象を与える転職理由の書き方も解説

コールセンターから転職が不利ではない理由まとめ

コールセンターから転職が不利ではない理由は以下のとおりです。

コールセンターから転職するときには、営業・営業事務・秘書など、コールセンター勤務で培ってきたスキルや知識が活かせる職種に応募しましょう。

仕事は好きだけど職場環境に不満を抱えている方は、給料アップが見込める同職種での転職をおすすめします。

一人で転職活動を進められる自信がない方は、サポート制度が整っている転職エージェントを利用してみてください。