IT業界は今後も需要が続くと考えられ、転職を希望する方は今後も増えていくでしょう。

少しでも有利にIT業界へ転職するには色々な方法が考えられますが、そのひとつに資格取得が挙げられます。

IT業界へ転職を考えている方に対して、おすすめの資格や資格の選び方などをご紹介しますので、転職活動の参考にしてみてください。

関連記事：IT業界向けの転職エージェントおすすめ５選｜選び方や活用ポイントを解説

IT業界への転職に資格があると有利な理由

面接など初対面の相手に自分の能力を伝える場合、資格があると相手の信頼を得やすくなります。

ここでは、IT業界への転職に資格があると有利な理由を詳しく説明します。

技術やスキルを客観的に証明できる

資格を持っていると、その分野において技術や知識があることを客観的にアピールできます。

特に未経験での転職では、資格を持っていることで企業に熱意を伝えることができるでしょう。

専門知識を体系的に学ぶことができる

独学で勉強しようとしても何から始めたら良いかわからない方も多いのではないでしょうか。

また、実務経験者であっても知識にバラつきがある可能性があります。

資格を取得することで、特定の分野を体系的に学ぶことができ、未経験者でも正しい知識を効率よく得ることができます。

資格手当やキャリアの発展につながる

企業によりますが、特定の資格を持っていると資格手当が支給される場合があります。

また、実務経験者が転職でのキャリアアップを希望する場合も、上位資格を取得することで年収がアップする可能性があります。

就職後は取引先への信頼に繋がる

取引先にとって、自社のシステムがしっかり管理されていることは重要です。

資格を証明できると、就職後も取引先からの信頼を得やすくなるでしょう。

IT業界への転職で資格を取る場合の注意点

IT関係の資格の種類は多岐にわたります。自分のキャリアに合った資格を取得することで、スムーズに転職活動を行えるでしょう。

資格を取る際に、どのようなことに気をつけたら良いのかを、以下にまとめました。

資格よりも実務経験の方が重要視される

職種やポジションなどによっては、資格が必須という求人もあります。

しかし一般的には、実務経験があり即戦力となる方が重視されることが多いです。

これらを理解したうえで、資格を取得するために時間を使うか、少しでも早く経験を積むために転職活動をスタートするかを考えてみてください。

資格を沢山取ってもプラスにならない場合がある

初心者向けの資格ばかり持っていても、専門的な知識を持っているとはみなされませんし、マイナーな資格ばかり取得しても実務で使えない可能性があります。

むしろ、やりたいことがブレていると、企業にマイナスな印象を与えてしまうこともあるかもしれません。

面接では資格取得の動機を説明する

しっかりと資格取得の動機を説明することで、学び続ける姿勢や、そのポジションに対しての熱を伝えることができます。

また、自分のキャリアの方向性が明確になるので、採用する企業側とのミスマッチが起こりにくくなると考えられます。

将来目指すキャリアに合った資格を選ぶ

IT関連の資格は種類が多く、基礎知識を問うものから専門的なものまで幅広いです。

また、資格を取得した後も更新が必要なものや、そもそも受験するにあたって実務経験が求められるものもあります。

目指すキャリアプランをイメージし、必要な資格を効率的に選んで受験すると良いでしょう。

IT資格にはどんな種類があるのか

IT関連の資格には、大きく分けると国家資格とベンダー資格があります。

それぞれどのような特徴があるのかをまとめました。

国家資格

IPA（独立行政法人情報処理推進機構）が行っている資格です。

経済産業省が管轄しているため、日本のIT企業であれば知っている方が多く、信頼が高い資格といえます。

民間資格と比較すると受験料も安く、一度取得すると有効期限がないことがメリットです。

ベンダー資格

ハードウェアやソフトウェアなどを販売しているベンダーが主催している資格です。

自社製品の操作技術や管理技術など専門的な内容のため、即戦力として実務に活かしやすいという特徴があります。

一年に何度も受験する機会があり、世界で通用するベンダー資格を取得すると、グローバルに仕事をすることも可能です。

未経験でのIT転職に有利になる資格　

未経験でIT業界へ転職する場合、どの資格を取得すればいいか迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。

ここでは基礎的ものを中心に、国家資格とベンダー資格それぞれの資格をまとめました。

ITパスポート

ITに関する基礎的な知識が証明できる、経済産業省認定の国家試験です。

ITを活用するすべての社会人や学生に対して、AIやビックデータ、マーケティングまで、ITに関する基礎的な知識を幅広く学ぶことができます。

IT化が進んでいる現代社会において必要な基礎能力が備わるため、年々受験者数は増加しており、令和4年度では約174万人が受講しました。

【参考記事】応募者データ

基本情報技術者試験

ITに関する基礎的な知識と技能を証明できる国家資格で、ITパスポートよりもワンランク上の資格です。

業界ではITエンジニアの登竜門といわれており、情報処理を学んでいる学生やITエンジニアを目指す方におすすめです。

大手のシステム開発会社では、入社後2～3年目までの合格が義務づけられていることもあります。

応用情報技術者

ITエンジニアとして応用的な知識や技能を証明できる国家資格で、基本情報技術者試験よりもワンランク上の資格です。

技術だけではなく、管理や経営など幅広い知識が身につくので、ITエンジニアとしてのレベルアップを目指したい方におすすめです。

CCNA(Cisco Certified Network Associate ）

ネットワーク機器のシェア率が世界トップのシスコ社による認定資格です。

CCNAはネットワークエンジニアの入門資格として、初めてネットワークを学ぶ方や、これから知識を身につけたいという方におすすめです。

実務ではシスコ社の機器に触れる可能性が高いため、知識を活かせる場面は多いでしょう。

Linux技術者認定試験 LinuC

日本市場において最適化された日本独自のLinux技術者認定試験として、2018年度からスタートしました。

Linuxとは、主にサーバー管理やWebアプリケーションの開発環境などで使われているOSのことです。

システム構築から運用管理まで、ITエンジニアに求められるスキルを証明することができ、難易度ごとに4つのレベルがあります。

LPIC(Linux Professional Institute Certification)

カナダに本拠地をおく非営利団体 LPIによって運営されている、Linux技術者認定試験のひとつです。

世界共通のIT資格として多くの国で実施されており、海外への転職活動に活かすことも可能です。

PHP技術者認定初級試験

一般社団法人PHP技術者認定機構が運営する資格で、プログラミング言語であるPHPのスキルを証明するための唯一の資格です。

経済産業省が定めた「ITスキル標準（ITSS)」において求められる、PHPプログラミングの基礎知識を問う試験となります。

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)

マイクロソフト社公認の国際資格で、WordやExcel、PowerPointなどのMicrosoft Office製品の利用スキルを証明する資格です。

IT業界に限らず、Microsoft Office製品はビジネスの場で広く使われているため、ひととおりの使い方を知っておくと実務で便利です。

エンジニア経験者がスペシャリストを目指すために有利になる資格

エンジニア経験者がスペシャリストを目指す場合、更に上位の資格を取得すると有利です。

ここでは、エンジニアの上位資格をまとめました。

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークの知識だけではなく、ネットワークに関連したセキュリティやサービスまで幅広い知識や技術を問われる国家資格です。

大規模かつ強固なネットワークシステムを構築・運用できる、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアを目指す方におすすめです。

データベーススペシャリスト試験

膨大なデータを管理し、高品質なデータベースシステムを構築できるIT専門家であることを認定する国家資格です。

データベースに関する高い知識や技術を持ち、企画・開発・運用・保守において中心的な役割を果たす専門家を目指します。

データベース管理者や、インフラエンジニアを目指す方に最適な資格です。

システムアーキテクト試験

上級エンジニアを目指す方のための国家資格です。

企業活動における情報システム戦略を具体化するために、システム開発の構想、設計の知識やスキルを評価します。

システムアーキテクトの業務を円滑におこなうため、OS・データベース・ネットワーク・セキュリティなど幅広い知識が求められます。

情報処理安全確保支援士試験

サイバーセキュリティリスクを分析・評価し、ITの安全・安心を支えるセキュリティの番人としての技術を問う国家資格です。

セキュリティエンジニア・セキュリティコンサルタントを目指す方がチャレンジする資格です。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験

IoTを含むエンベッドシステム（組み込みシステム）開発に関する幅広い知識や技能を証明する国家資格です。

組込みシステムに関する事業戦略や製品戦略に関する能力、ハードウェアとソフトウェアを適切に組み合わせて、組込みシステムを構築・開発する能力が求められます。

組込みエンジニアやIoT系エンジニアを目指す方におすすめです。

Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 11

Javaの権利を所有しているOracle社公認で、Javaアプリケーション開発に必要とされるプログラミング知識を証明する資格です。

プログラミングスキルだけでなく、さまざまな状況への対応能力も求められます。

ORACLE MASTER

日本オラクル社が運営するベンダー資格で、全世界で利用されているOracle Datebaseの運用や管理、SQL知識を認定する資格です。習熟度に応じてBronze・Silver・Gold・Platinumの4段階があります。

一般的にはSilver以上の資格取得により、データベースの運用管理スキルをもつエンジニアとして評価されます。

AWS、GCP、Azureなどクラウド関連の認定資格

クラウドエンジニアとして働きたい方が取得する、クラウドサービスに関する資格です。代表的なものには、Amazonが提供するAWS・GoogleのGCP・MicrosoftのAzureがあります。

この3社のクラウドサービスを利用する企業は増えているため、今後は資格をもつエンジニアが重宝されやすいといえます。

エンジニア経験者がマネジメントを目指すために有利になる資格

エンジニア経験者が次のステップアップとしてマネージャを目指す場合、マネジメント関係の上位資格があると企業に好印象を与えることができます。

具体的にどのような資格があるのかをまとめました。

プロジェクトマネージャー試験

ITプロジェクトを成功に導くマネージャを目指す方向けの国家資格です。

システム開発における総合的な知識はもちろんのこと、責任者としてプロジェクトの計画・実績を適切に分析・評価する能力や、メンバーを指導する能力などが問われます。

ITストラテジスト試験

ITストラテジストは経済動向などを分析し、企業の課題解決を提案したりIT戦略の立案をおこなう専門家です。

ITストラテジスト試験は、高度な経済戦略とIT戦略の立案と実行能力を証明する国家資格で、CIO（最高情報責任者）やCTO（最高技術責任者）、ITコンサルタントを目指す方におすすめです。

システム監査技術者試験

情報システムに関わる監査人や情報システム責任者などを目指す方に対し、その能力を証明する国家資格です。

監査対象から独立した立場で、情報システムや組込みシステムのリスクやコントロールを点検・評価・検証し、改善のための助言をおこなう能力が問われます。

ITサービスマネージャ試験

経済戦略に基づいて安全と信頼のあるITサービスを提供し、ビジネスを成功に導くことのできるCIOやCTO、ITコンサルタントを目指す方に、その能力を証明する国家資格です。

システムエンジニアとして体系的な知識を身につけたい方にもおすすめです。

情報セキュリティマネジメント試験

年々巧妙化・複雑化しているサイバー攻撃から企業や組織を守るため、新たに誕生した国家資格です。

組織の情報セキュリティの確保に努めるだけでなく、従業員の意識向上の対策に至るまで、幅広い知識が必要となります。

情報管理を担当する方だけでなく、個人情報を扱う全ての方に必要な資格となるでしょう。

情報処理安全確保支援士

サイバー攻撃による社会的脅威が急速に増えている背景から、新たに誕生した国家資格です。

サイバーセキュリティに関する専門的な知識やスキルを証明できる資格で、セキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタントを目指す方に最適です。

IT資格を取得するための勉強方法

IT資格取得に向けての勉強方法は、自身のライフスタイルに合わせて様々な方法があります。

ここでは、具体的な勉強方法について3つまとめました。

参考書や問題集を使う

手軽にスタートしやすい独学の勉強法のひとつとして、参考書や問題集が挙げられます。

有名な資格であれば書店で探せるので、自分が読みやすいものを一冊選びましょう。

試験要綱の改訂がある可能性もあるので、テキストはできるだけ最新のものが良いです。

動画学習などのサービスを活用する

もうひとつの独学の勉強法は、オンラインセミナーやYoutubeなどによる動画学習です。

スクールとは違い、自分のスケジュールに合わせて学べることがメリットで、無料なものから有料のものまで幅広いサービスがあります。

ITスクールに通う

なかなか時間が取れない方や独学の勉強法では自信がない方は、ITスクールがおすすめです。

無料カウンセリングを行っているスクールも多いので、事前にカウンセリングを受けて、自分に合ったスクールを探してみてください。

IT転職を有利に進めたい方におすすめの転職エージェント

IT業界への転職を考えている方は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。

業界に精通したアドバイザーが、スキルやキャリアプランを丁寧にヒアリングし、適切な求人を紹介してくれます。

ここでは、IT業界に強い転職エージェントをご紹介しますので、是非参考にしてください。

マイナビジョブ20’s Tech Career

マイナビジョブ20’sが運営している、20代のエンジニアを目指す方専門の転職エージェントです。

幅広い人材サービスであるマイナビのノウハウを活かし、適正診断をもとにキャリアカウンセリングをおこなうなど、手厚いサポートが特徴です。

サービス名	マイナビジョブ20's
ホームページ	https://mynavi-job20s.jp/techcareer/
求人数	公開求人数：5,806件 ＋非公開求人
運営会社	株式会社マイナビワークス

TechStars Agent

IT・Web・ゲーム業界のエンジニアに特化しており、元ITエンジニアやIT会社役員など、経験豊富なコンサルタントが在籍しています。

年収の交渉や面接対策のサポートなど、充実したフォロー体制によってミスマッチが少ない転職を実現します。

サービス名	TechStars Agent
ホームページ	https://techstars.jp/lp/agent/
求人数	非公開
運営会社	株式会社Branding Engineer

レバテックフリーランス

19年続くIT専門のフリーランス向けのエージェントです。

担当者が営業や契約更新、次回案件の提案などのサポートをしてくれるので、安心して仕事に集中できます。

案件の多くは直接大手企業と受注するため余計な手数料もかからず、高単価での請負が可能です。

サービス名	レバテックフリーランス
ホームページ	https://freelance.levtech.jp/
求人数	公開求人数：4,000件 ＋非公開求人
運営会社	レバテック株式会社

まとめ

IT業界への転職を有利に進めるために、おすすめの資格や資格の選び方をご紹介しました。

ITエンジニアといっても、その種類は多岐にわたりますし、エンジニアのプロになるのかマネージャを目指すのかでも取るべき資格は変わります。

自身の目指すキャリアをイメージし、取るべき資格を定めて、理想のキャリアプランを実現してください。