女性コンサルタントに対して華やかなイメージを持つ方も多いでしょう。

しかし「ハードワークと聞くから不安」「長く続けられるかわからない」と、女性コンサルタントへの転職を躊躇してしまう方もいます。

そこで本記事では、女性コンサルタントのメリットや悩み、転職に必要なスキルを解説します。

コンサルティング業界で活躍したい女性は、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事：コンサルタントにおすすめの転職エージェントランキング比較｜戦略コンサル・ITコンサル・未経験向けに解説

女性でコンサルタントへの転職は厳しい？

結論、女性でもコンサルタントへの転職は可能です。

「コンサルタントは男性中心の環境なので女性が転職するのは厳しい」という印象が過去にはありましたが、ここ数年で変化しています。

なぜなら、近年の働き方改革や福利厚生の改善などの取り組みによって、女性がコンサルティング業界でのキャリアを構築する環境が変わりつつあるからです。

ただし、対策をしなければ転職に失敗する可能性もあります。

コンサルタントの仕事内容

コンサルタントは、クライアント企業だけでは解決できない課題の解決をお手伝いする役割です。

たとえば、戦略コンサルであればクライアントの業績アップや、採用コンサルであれば新卒採用力の増加などがあげられます。

クライアントと相談をして、チームを組み数ヵ月単位のプロジェクトとして契約することが一般的です。

女性男性ともに人気のコンサルティングファーム10選

コンサルタントとひとくちにいっても、コンサルティングの内容は企業ごとに特徴があります。

また国内と外資でも文化や得意領域が違うため、それぞれの希望やスキルに合った企業を転職先に選びましょう。

ここでは国内と外資で人気のコンサルファームを5社ずつ紹介します。

日系コンサルティングファーム

日本発の代表的なコンサルティングファーム5社を特徴とともに紹介します。

企業名	種類	特徴
アビームコンサルティング	総合系	IT分野に強み 国内最多のSAP認定コンサルタントが在籍 出産・育児・介護支援制度や時短勤務制度が充実 フレックス・リモート・副業OK
ベイカレント	総合系	IT、製造、公共、金融などコンサルティング未経験者の採用にも積極的 教育体制がしっかりしている 海外向けプロジェクトも豊富
ドリームインキュベータ	戦略系	産業プロデュース、事業創造支援、DX化、M&A OJT制度 中途採用は通年募集
野村総合研究所（NRI)	金融IT系	金融IT、産業IT、IT基盤などITに強み システム設計、構築、運用までITに強み シンクタンクでは日本企業ランキング1位 調査研究力がある
クニエ（QUNIE）	総合系	NTTグループ 製造業に強み 新興国支援、観光業支援など65％が海外案件 海外出張多め

クニエは、NTTグループの持つ「国に貢献する」という意志を受け継ぎ、日本や日本企業の発展を支えるというビジョンがベースにあります。ほかのNTTグループと連携しながらビジネス面でのコンサルティングを担っているのもクニエならではでしょう。

どの企業も中途採用を積極的に行っており、外資系に比べると平均勤務年数は長めです。

一般的な平均勤務年数が外資系3年、日系8年といわれているなか、野村総合研究所だけは約15年となっています。

どの企業にも共通していますが、女性への待遇が手厚いのも特徴のひとつです。

外資系コンサルティングファーム

企業名	種類	特徴
アクセンチュア	総合系	世界最大級の従業員を抱える（73万人） 戦略策定、システム構築、ITに強み 売上高世界1位
デロイトトーマツコンサルティング	総合系	日系企業に近い社風 人を育てる文化で教育制度が充実 人材採用、育成、DX促進、税務、M＆A、会計・監査・税務までをワンストップで解決
ボストン・コンサルティング・グループ	戦略系	経営戦略の作成支援、オペレーション支援、新規事業立案、デジタル戦略など 日本流にカスタマイズされた手法
マッキンゼー・アンド・カンパニー	戦略系	世界最大戦略コンサルの1つ 昇進が早い 産休育児制度が整っており女性も働きやすい
ベイン・アンド・カンパニー	戦略系	大企業や政府機関の経営課題を解決 「少数精鋭」と「結果主義」 海外で働きたい人向き

海外拠点への転勤もあり、英語力は必須。新卒では早慶や上位国立大学出身者が中心で、中途では実務経験がある人が採用されやすい傾向です。

平均勤務年数は3～4年で、日系コンサルに比べて短めです。ただし、クビで退職する人は少なく、次のキャリアのために自ら退職するケースがほとんどとなっています。

コンサルタントの平均年収は約780万円

厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、コンサルタントに該当する「その他の経営・金融・保険専門職業従業者」の平均年収は780.8万円でした。

また男女別に見ると、男性は851.5万円、女性は603.7万円です。勤続年数や役職が上がるとさらに年収は上がります。

常に結果とスピードが求められるうえに、人間性も重視される業種であるため、給与水準は他の業種に比べてかなり高いといえます。

代表的コンサルティングファーム新卒の年収比較

給与水準がほかの業種に比べて高いコンサルティングファームですが、代表的なコンサル企業の新卒年収を比較してみましょう。日系2社、外資系2社を表にまとめました。

企業名	初任給（大卒）	平均年収	平均年齢
野村総合研究所	約380万円 （初任給22万1,500円）	1,242万円	40.6歳
ベイカレント	600万円	1,118万円	32.6歳
マッキンゼー・アンド・カンパニー	約700万円	1,210万円	32歳
デロイトトーマツコンサルティング	約580万円	955万円	33.1歳

野村総合研究所の初任給は平均並みですが、そのほかのコンサルティングファームは年収600～700万円からスタートします。

コンサルタントは、人事評価制度の中では、ビジネスアナリストのひとつ上の立場です。

コンサルタントを経て、シニアコンサルタント、マネージャーへとステップアップしていけば、年収2,000万円も視野に入ってきます。

関連記事：コンサルのキャリアプランとは？転職時にチェックするべきポイントを解説

女性がコンサルティング業界で働くメリット5つ

コンサルティング業界は、福利厚生や働き方が整えられ、女性でも活躍できる環境になりつつあります。

企業側も積極的に女性の参画を求め、女性コンサルタントの採用・育成・持続的なキャリアアップに真剣に取り組んでいます。

福利厚生が整備されている

女性がコンサルティング業界で働くメリットは、福利厚生が整備されている点です。

多くの企業が女性の活躍を奨励し、柔軟な働き方を促進する充実した福利厚生を提供しています。

優秀な人材を長期間活用するために、産休・育休を取得しても復帰できるような制度が整っています。

リモートワークやフレックスタイム制、時短勤務を導入することで、ライフイベントに対する考え方も柔軟になっています。

平等な評価が受けられる

近年、多くの企業では男女の差別が減っている傾向があるため、平等な評価が受けられるメリットがあります。

コンサルティング業界では、公平で実力主義の評価システムが採用されており、実績と成果が重要視されます。女性だとしても、性別関係なく、コンサルタントの実力や専門知識が評価される傾向があります。

コンサルティング業界は性別による差別が少なく、実力や専門性が重視される環境が整っているため、女性コンサルタントにとって活躍の場を広げる場になるでしょう。

産休・育休後も活躍できるスキルを得られる

コンサルティング業界で得られるスキルや経験は、希少価値が高くなるため、産休・育休後でも活躍できる可能性が高まるでしょう。

なぜなら、さまざまな業界・職種の経営問題を解決できる人材が少ないからです。

コンサルタントとしてのスキルを身につけておくと、転職市場で高く評価され、産休・育休後も必要とされるので復職しやすくなります。

一般企業の場合、部署や役職ごとに人数の上限があり、復職後に降格したり部署異動になったりするケースもあります。

しかし、コンサルタントはプロジェクト単位で仕事をするので、人数の上限がありません。復職後も元のポジションに戻りやすく、転職がスムーズにできるでしょう。

収入が増える

コンサルティング業界は全体的に平均年収が高水準であり、職種ごとによっても高い傾向があります。

他の業界からコンサルティング業界へ転職すると、現在よりも収入が増える可能性が高いでしょう。

以下は、マイナビが調査した「2023年版 職種別 モデル年収平均ランキング」の結果です。

職種名	平均年収
経営コンサルタント	1,358万円
システムコンサルタント	987万円
セキュリティコンサルタント	731万円
営業・マーケティングコンサルタント	723万円
金融コンサルタント	720万円

特に経営課題に対処する高度なスキルや知識が求められる分野では、高い報酬が支払われる場合が一般的です。

コンサルティング業界で経験を積むと、将来的にはより高収入のポジションへの昇進も期待できます。

女性問題に関する課題に挑戦できる

コンサルティング業界では、ジェンダー平等や女性のキャリア支援に関する課題に積極的に取り組む企業が増えています。

特に、女性視点が求められる福祉・教育・ジェンダー平等などの分野や、社会問題に対処するプロジェクトが多く存在します。女性が自身の経験や視点を活かして活躍できる機会が増加しているでしょう。

そして、コンサルタントとしてのスキルを駆使して、さまざまな問題に対して解決策を提案することが期待されています。

女性が自らの価値を発揮し、社会に貢献するためのフィールドとして、コンサルティング業界が適しているといえるでしょう。

コンサルタントに向いている人の特徴

コンサルタントに向いている人の特徴を次の5つにまとめました。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ヒアリング力がある

ヒアリング力は、クライアントの課題を正確に把握するために重要です。

問題点の洗い出しだけでなく、クライアントが求めるゴールや期待値を正しく知るために必須といえます。

コミュニケーション力にも通じ、クライアントと良好な関係を構築するのに役立つでしょう。

好奇心や挑戦心が旺盛

コンサルタントは、常に新しいプロジェクトに取り組む機会があるため、挑戦心が必要です。

新しい環境や業界に飛び込むことを恐れず、楽しめる人が向いています。

また、さまざまな業界のクライアントニーズに対応する必要があるため、常に新しい情報や知識を追求する方が向いています。

数字への強さ

クライアントの業績や市場動向などを数字で分析し、クライアントにわかりやすい言葉で解決策を提示する必要があります。

そのため数字やデータを使用するのに慣れており、提案に活用できる力が求められます。

英語が得意

日本のコンサルティングファームでも、交渉相手が海外であるケースも少なくありません。

日本語が母国語ではないスタッフとのやりとりも日常的となるため、ある程度以上の英語力は必須です。

ただし「英語が得意」だけでは不十分です。高い問題解決能力やコミュニケーション能力のほうが重要な場面が多々あります。

心身ともにタフ

コンサルタントは、高いストレスレベルと厳しい期限に直面しても負けない精神力が必要です。

また、繁忙期でもダウンしない体力もあわせて重要です。綿密な調査や分析をおこない、顧客との協議に何度も繰り返し臨みます。

プラン実現に向けて根気強く伴走していくため、心身ともにタフであることが重要でしょう。

女性コンサルタントに必要なスキル5つ

コンサルタントは専門知識やスキルだけでなく、多くの人との関わりながら業務を進めるため、コミュニケーション能力などのスキル不可欠です。

コンサルタントを目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。

ロジカルシンキング

ロジカルシンキングとは、物事の因果関係を整理して論理的に考える能力です。

複雑な問題やプロジェクトに対処するときには、結論に至るまでの手順や論理的な根拠をわかりやすく提示する必要があります。

コンサルタントは、クライアントが抱える問題を整理・分析し、それに対する効果的な解決策を導き出す重要な役割を果たします。

また、情報が複雑で多岐にわたる場合でも、クライアントに理解しやすく説明するスキルが求められます。

クリティカルシンキング

クリティカルシンキングとは、情報を客観的に評価し課題に対する効果的な解決策を見つける能力です。

コンサルタントは、クライアントが抱える課題に対して最適な解決策を提案する必要があります。提案したアイデアや情報に対して矛盾点や問題点がないかを考えるには、クリティカルシンキングが欠かせません。

また、大量の情報を扱って複雑な問題を対処するとき、情報を整理しながら信頼性や妥当性を検証することが不可欠です。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、コンサルタントにとって重要な能力であるといえます。

なぜなら、クライアントとの円滑な連携や情報の共有がプロジェクトの遂行に不可欠だからです。

クライアントの要望や課題を理解し、効果的な解決策を提案するには、ヒアリングが大切です。クライアントとの信頼関係は、プロジェクトの成功に直結するため、良好なコミュニケーションが求められます。

コンサルタントはチーム内で連携をとる場面が多くなります。コミュニケーションが円滑であれば、プロジェクトメンバーとの協力や情報共有がスムーズにおこなえるでしょう。

分析・資料作成力

コンサルティング業界への転職を目指すなら、分析・資料作成力は不可欠なスキルです。

分析結果や資料は、クライアントに対してわかりやすく効果的に伝える必要があります。

資料作成力が高いと、複雑な情報が整理されクライアントの理解力を深めます。

また、コンサルタントはクライアントの課題を正確に理解し、適切な解決策を提案する必要があります。データ分析を通じて、課題を深掘りし客観的な情報をもとに、問題を把握することができます。

分析・資料作成能力を高めるには、プロジェクトに積極的に参加し、日々の積み重ねがスキル向上につながるでしょう。

課題解決能力

課題解決能力とは、複雑な問題や課題に対して論理的かつ効果的な解決策を見つけ出す能力です。

コンサルタントはクライアントが抱えるさまざまな問題や課題を対処し、解決するための計画を立てて実行する役割を果たす必要があります。

課題解決能力を身につけるには、複雑な問題を細かく分析し問題がなにか正確に捉える練習から始めてみましょう。情報や提案に対して疑問を抱きながら分析することで、より深い理解が得られます。

コンサルタント転職に有利な資格

コンサルタントとして転職するうえで有利な資格を次の4つの系統に分けてまとめました。

順番に見ていきましょう。

ビジネス系

コンサルタント転職に有利なビジネス系の資格は以下の3つです。

MBA

MBAとは、「Master of Business Administration」の略で、経営学修士号や経営管理修士号とも呼ばれる学位です。取得するためにはビジネススクールで2年間にわたる修士課程を修了しなければなりりません。

MBAは「資格」ではなく「学位」ですが、修士課程において経営関連の理論を体系的に学習することから、実践的なビジネススキルを身に付けているとみなされ、コンサルタントとして評価されやすくなります。

とくに、経営者目線での考え方やビジネスリーダーに必要な知識・実践力などを必要とする戦略系ファームでは歓迎されるケースがあるでしょう。

中小企業診断士

中小企業診断士とは、中小企業の経営課題解決に向けた診断や助言をおこなう専門家のことです。

中小企業支援法にもとづく国家資格のひとつであり、資格取得のためには筆記試験、口述試験の合格のみならず、実務補習・実務従事を受講する必要があります。

文字どおり、中小企業の経営を支援する資格であるため、中小のクライアントをメインとしているファームへの転職では有利に働く可能性があります。

一方で、大手のクライアントをメインにしているファームの場合、「なぜその資格で当社に入りたいのか？」と指摘を受ける可能性があるため、納得できる他の志望理由を用意しておきましょう。

PMP

PMPとは「Project Management Professional」の略で、アメリカのPMIが認定する国際資格です。

プロジェクトを予定どおりに遂行するためには、納期や予算の制約があるなかで全体をコントロールする力が求められます。

そのため、PMPはこうしたプロジェクトマネジメントに必要な知識を体系的に習得できる資格であり、コンサルタント転職の際にはマネジメントスキルを保証するための資格として役立ちます。

とくに、海外ではPMP取得者をプロジェクト受注時の要件とするケースが多いことから、外資系ファームで歓迎されやすい資格だといえるでしょう。

会計・財務系

コンサルタント転職に有利な会計・財務系の資格は以下の4つです。

それぞれ見ていきましょう。

公認会計士

公認会計士は、独占業務として監査業務を認められている国家資格です。

会計および監査の専門家である特性を活かし、監査業務以外にも税務やコンサルティング業務に携わる公認会計士も存在しています。

公認会計士となるためには国家試験に合格するだけでなく、業務補助に2年以上従事する必要があるため、誰でも簡単に取得できる資格ではありません。

そのため、資格取得の難易度に加え、監査および会計の専門家であることから、公認会計士取得者のニーズはコンサルティングファームでも高くなっているのです。

USCPA

USCPAとは、アメリカの各州が認定する公認会計士資格です。

アメリカの資格ではあるものの、国際ビジネス資格のなかでもトップクラスの認知度を誇り、世界中の多種多様な業種・年齢の人々が就職や転職で有利に働くことを目的として試験にチャレンジしています。

コンサルタント転職においては、とくにグローバル企業で歓迎される可能性が高く、今後海外進出を目指している企業や海外企業との合併・再編を検討している企業などへの転職でも有利になるでしょう。

税理士

税理士とは、税理士法にもとづく国家資格であり、税務のプロフェッショナルとして税務代行・税務書類作成・税務相談の3つを独占業務として認められています。

また、厳しい税理士試験を合格する必要があるだけでなく、「租税もしくは会計関連の事務」において2年以上の実務経験を積まなければいけません。

企業と税務は切っても切れない関係にあるため、税の専門家である税理士資格はコンサルタント転職時にも有利に働く可能性はあるでしょう。

簿記

簿記とは、ビジネスで発生するお金の出入りを帳簿に記録する作業のことです。

簿記資格を取得しておけば、簿記業務に必要な知識やスキルを客観的に証明できるだけでなく、会計・財務について基礎的な知識を身に付けているとみなされやすくなります。

また、習得には、ビジネスにおける数字の意味、財務状況の読み解き能力、会計の仕組みなどを理解する必要があり、資格取得者は「経営状況や財務の数字を読み解く力がある」とみなされやすいからです。

とくに、コンサルティング業界では、会計・財務関連のあらゆる数字を踏まえた視点が求められるため、簿記の資格が転職時に役立つ可能性は十分に考えられるでしょう。

英語系

英語系の資格は、グローバルに展開する企業でとくにニーズが多い資格です。

英語力をはかる主な資格はTOEIC、TOEFL、英検の3種類が挙げられますが、TOEICとTOEFLは「TOEICのスコア〇点以上」「TOEFLスコア〇点以上」などの形で就職・転職時に基準となるスコアが設定されているケースがあります。

もちろん、英語系の資格がまったくない人材より資格取得者のほうが有利になる可能性は高いですが、目安として7割以上のスコアを獲得しておくことが有利になる条件のラインだといえるでしょう。

一方で、英検も英語力を証明する資格として役立ちますが、学生時代に取得するケースが多いため、取得から長期間経過している場合は転職時に有利に働かない可能性があります。

英語関連の資格を持っている方全員がスムーズに英会話できるとは限らないため、資格の種類にかかわらず、転職時には英語使用経験やスピーキングなどをあわせてアピールするのがおすすめです。

IT系

コンサルタント転職に有利なIT系の資格は以下の5つです。

順番に見ていきましょう。

ITストラテジスト

ITストラテジストは、経済産業省所管のIPA（独立行政法人情報処理推進機構）が認定する国家資格です。

高度なIT人材として特定の専門分野に精通し、企業の経営戦略にもとづきITを活用して事業の改革、高度化、最適化などを進めるための支援をおこなうことが主な役割です。

端的にまとめるとIT戦略の専門家であるため、IT企業のクライアントが多いファームへの転職時に有利に働く可能性があります。

ITサービスマネージャ

ITサービスマネージャも前述のIPAが認定する国家資格です。

高度IT人材として特定の専門分野に精通し、サービスの計画立案、設計、移行、提供、改善といった一連の活動を指揮または管理するのが主な役割です。

ITストラテジストが戦略の専門家であるのに対し、ITサービスマネージャはマネジメント領域の専門家であるため、現場でのマネジメントスキルに長けている人材が欲しい企業への転職時に活かしやすいでしょう。

CIA／CISA

CIA（公認内部監査人）とCISA（公認情報システム監査人）はいずれも米国に本部がある期間が認定している内部監査関連の資格です。

2つの違いを簡潔にまとめると、CIAは監査について体系的な知識を証明する資格、CISAは情報セキュリティのプロフェッショナルを証明する資格であるといえます。

これらの資格は、コンサルティング業界において、リスク管理やサイバーセキュリティ領域を支援するポジションで一定のニーズが見込めるだけでなく、国際的なビジネスマンである価値を証明することで差別化につなげやすいメリットがあります。

SAP認定コンサルタント資格

SAP認定コンサルタント資格は、ドイツのSAP社がSAP製品関連の知見やノウハウを有していることを公式に認定する資格です。

AAP ERPの保守サポートが2025年で終了する「2025問題」は、2027年まで保守サポート期限が延長されたことで一旦の落ち着きを見せていますが、根本的な解決には至っていません。

そのため、SAP製品に精通しているSAP認定コンサルタントは、SAPの導入・開発に携わる企業にとって大変企業な人材です。

一方で、将来的なSAP ERP保守サポート終了に伴い、他のERPへ切り替える企業が一定数存在すると予想できるため、SAP専門の導入コンサルタントとしてキャリアを歩むべきかは冷静に判断する必要があるでしょう。

CISSP

CISSPは情報セキュリティの専門家であることを証明する国際的な資格です。

世界中で広く認知されている資格であり、Novell、Deloitte Touche Tohmatsuといった世界的な大企業でCISSP認定資格の取得が情報セキュリティ関連業務従事者の必須事項とされているケースもあります。（参考：ISC2 | CISSPとは）

そのため、こうした権威性、実用性の高さからグローバルなキャリアを目指す人材にとって価値があるだけでなく、情報セキュリティを重視する流れが加速している日本国内での転職時にも有利に働く可能性があるでしょう。

女性コンサルタントが抱える3つの悩み

女性コンサルタントは魅力的な職業ですが、悩みもあります。コンサルティング業界へ転職を検討している女性は、悩みをどう対処するか考えておきましょう。

ワークライフバランスが確保できない

女性コンサルタントは、ワークライフバランスの確保が課題とされるでしょう。コンサルティング業界はプロジェクトごとに繁忙期が存在し、その期間中は長時間労働を求められるときがあります。

コンサルティング業界は残業や休日出勤をするときもあるため、なかなかプライベートの時間がとれず、ワークライフバランスが確保できないかもしれません。

特に子育て中の女性コンサルタントは、育児や家事との両立に悩むときも多いでしょう。

繁忙期は企業によって異なるので、入社前に忙しい時期や過去の社員の経験などを確認すると、企業の働き方に対する理解を深められます。

ワークライフバランスの確保を重要視するなら、事前に情報収集し、自分のライフスタイルに合致するかどうかを検討することが重要です。

地道で細かい作業が多い

コンサルティング業界は華やかなイメージがありますが、地道で細かい作業が多いのが悩みといわれています。コンサルタントの仕事では、クライアントの課題解決に向けて、さまざまなデータを収集し、綿密な分析を行う作業が不可欠です。

市場データ・業界トレンド・競合情報など多岐にわたる情報を徹底的に調査し、戦略を練るための分析が求められます。

また、提案書や報告書の作成も重要です。具体的なデータや分析結果を、クライアントに分かりやすく伝えるための資料を作成しなければなりません。

新しい知識をインプットする時間がない

コンサルティング業界はさまざまな業界や企業のプロジェクトに携わるため、常に新しい知識をインプットする必要があります。業界のトレンドや技術の進化に対応するために、継続的な学習が大切です。

しかし、出勤日は通常の業務が優先なため、新しい知識をインプットする時間が少ないと感じるでしょう。そのため、仕事後や休日に勉強しなくてはなりません。

家庭と仕事の両立に加えて、セミナー・研修・自己学習など、多くの時間と労力を投資する必要があり、負担に感じてしまう方もいるでしょう。

女性がコンサルティング業界で働く注意点

女性が、コンサルティング業界で働く注意点として、繁忙期に伴う残業の増加があげられます。

コンサルティング業界はプロジェクトごとに忙しさが変動し、プロジェクトの進捗やクライアントの要望に応じて柔軟に対応する必要があります。繁忙期には業務量が増加し、残業の発生が起こりやすいでしょう。

繁忙期であっても、自分のワークライフバランスを意識的に保つことが重要です。また、業務の優先順位を明確にし、タスクの効率的な遂行を心がけることで、残業時間を最小限に抑えられます。

残業の負担を軽減するためには、フレックスタイムやリモートワークなどの制度の活用もおすすめです。

女性に適したコンサルティング企業を探すときのポイント

女性コンサルタントに転職するなら、事前の企業リサーチは欠かせません。自分の働き方や仕事内容に合った企業を探すことで、転職後のミスマッチを防げます。

女性向けの制度が整っているか

女性に適したコンサルティング企業を探すなら、女性向けの制度が整っているかどうかをチェックしましょう。

たとえば、以下のような制度が整っている企業は女性にとって魅力的といえます。

女性向けの制度が整っていると柔軟に働くことができるため、仕事と家庭を両立させやすく、キャリアを積んでいくうえでのサポートが期待できます。

また、女性同士のつながりや情報交換ができると、仕事上の課題・成功体験を共有しやすくなります。

自由度が高い働き方をしているか

自由度が高い働き方は、さまざまなライフイベントに柔軟に対応できるため、女性にとって重要なポイントです。たとえば、結婚・出産・子育てなどのライフイベントは、仕事と家庭の両立が求められます。

自由度が高い働き方をすることで、ライフイベントに柔軟に対応でき、ワークライフバランスを保ちやすくなります。

特に子育てが進むと、子供の成長やイベントに合わせた働き方が必要です。自由度が高い企業ではリモートワークやフレックスタイムなど、仕事を続けながら家庭を大事にすることが実現しやすくなります。

企業の働き方や制度が、自分のライフスタイルに合わせて働けるかどうかを確認することが重要です。

女性の採用に積極的か

アクセンチュアは、従業員の男女比率50％を目標に掲げており、実際のところ新卒採用の女性比率は52％となっています。また、取締役会における女性比率は45％。2025年までにジェンダー平等の実現を目標に掲げています。

日本企業では、野村総合研究所の2021年度新卒女性採用率は32％でした。

外資系に比べると、女性比率が低いのは、応募男女比率がそのまま反映されたためです。

どの企業も男女で採用の合否は決まらないとしていますが、より女性採用に積極的な企業を選びましょう。

参照：ジェンダーダイバーシティ | アクセンチュア (accenture.com)
参照：数字で見る野村総合研究所（ＮＲＩ）

自分のスキルが活かせるか

コンサルティング会社には、それぞれ特徴があり、ひとくちにコンサルといっても同じ業務内容ではありません。

どの分野で活躍したいかを決め、自分のスキルを活かせる企業に狙いを定めたうえで転職活動を進めましょう。

種類	業務内容	企業名
戦略系	企業戦略 新規事業戦略 M&A戦略 組織改革	マッキンゼー・アンド・カンパニー ボストン・コンサルティング・グループ ベイン・アンド・カンパニー
総合系	経営改革 IT戦略 人事制度改革 財務戦略	アクセンチュア デロイト トーマツ コンサルティング PwCコンサルティング
IT系	システム開発 ITインフラ構築 デジタル戦略 AI導入	NTTデータ経営研究所 日立ソリューションズ・クリエイト 野村総合研究所
人事系	人事制度改革 組織開発 人材育成 報酬制度	A.T.カーニー コーン・フェリー・ヘイグループ マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング
ベンチャーキャピタル	スタートアップ企業への投資	サムライインキュベート グロービス・キャピタル・パートナーズ 日本ベンチャーキャピタル インキュベイトファンド

ベンチャーキャピタルとは、成長が期待される未上場のベンチャー企業やスタートアップ企業に出資する投資会社です。

企業財務への見識がある人材が望ましく、投資会社以外にも日本生命や三井住友銀行など金融系企業の投資部門でも募集があります。

ITコンサルタントに転職を希望の場合は、ITコンサルタントの転職に強いエージェントを利用しましょう。

おすすめ転職エージェントは、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事：ITコンサルタントに転職する際におすすめの転職エージェント11選

女性コンサルタントが転職する際に抑えておくポイント

女性コンサルタントが転職する際に押さえておきたいポイントは次の3つです。

転職活動を有利に進めるうえでどれも欠かせないポイントであるため、参考にしてください。

スキルの棚卸しをおこなう

転職時の面接で効果的に自信をアピールするためには、自身のスキルを事前に整理しておくことが大切です。

また、面接では過去の経験や特定分野でのノウハウ、保有スキルなどについて深く問われる可能性は十分に考えらえます。

ですが、自分のなかでスキルを整理できていないと、スムーズなアピールも難しくなってしまうでしょう。

上記のポイントを参考に自信のスキルを棚卸ししておくことで、魅力を効果的にアピールしやすくなるでしょう。

自分の市場価値を把握する

転職活動を有利に進めるためには自分の市場価値を高めることが大切ですが、そのためにはまず、自分の市場価値を把握する必要があります。

市場価値は自分で決めるものではなく、第三者が判断するものであるため、社内の同僚や上司と自分を比較するだけでは測れません。

仮に社内で評価されていたとしても、その能力が他社で評価されるかは別の話です。

そのため、自分の市場価値を把握するためには、次の3つの手法を試してみるとよいでしょう。

大切なのは第三者からの客観的な評価であるため、上記の手法を活用して自分の市場価値を把握したうえで効率的な転職活動に活かしましょう。

転職エージェントを活用する

コンサルタントの転職活動では以下のような複雑なプロセスが発生します。

上記は一例であり、転職活動の進め方次第ではさらに多くのプロセスが発生するケースも珍しくありません。

こうしたプロセスを働きながら自力でこなすのは難しいからこそ、転職エージェントの活用がおすすめです。

転職エージェントなら、アドバイザーがキャリア相談に乗ってくれるだけでなく、業界情報の共有、転職先探し、企業との調整、面接対策支援など、あらゆるプロセスで支援を受けられます。

そのため、手間と時間が節約できるとともに、転職のプロである専門家のアドバイスを受けながら転職活動を進めることで、自分にとってベストな転職を成功させられる可能性も高くなるでしょう。

コンサルタントへ転職したい女性に転職エージェント5選

ここでは女性でコンサルタントへ転職したい人におすすめの転職エージェントを5社紹介します。

関連記事：コンサルタントにおすすめの転職エージェントランキング比較｜戦略コンサル・ITコンサル・未経験向けに解説

ビズリーチ

ビズリーチは、圧倒的な知名度があるためハイクラス求人が非常に多く、保有求人の3分の1以上が年収1,000万円を超えています。

ビズリーチを使った転職活動は2つあります。

1つは採用企業から直接スカウトを受けることです。採用企業と直接やり取りできるため効率よく活動を進められます。

もう1つは所属ヘッドハンターのサポートを受けて活動を進める方法です。

希望の条件を伝えることでより希望にマッチした求人を提案してもらえる場合や、職務経歴書の書き方や面接対策などのサポートを受けられる場合があります。

ビズリーチは転職サービスでは珍しい有料のサービスです。

一部無料でも利用できますが、有料プランでないと使える機能が限られるため、本格的に転職を考えている場合は有料プランの利用を検討しましょう。

有料というとデメリットと捉えられがちですが、有料である分、掲載企業や提携コンサルタントの利益のみを追求したサービスになりにくいのが魅力です。

リクルートダイレクトスカウト

リクルートダイレクトスカウトは、スカウト機能が特徴のハイクラス向け転職エージェントです。

登録情報をもとにヘッドハンターが最適な求人を探してくれるため、忙しい方でも手間なく希望に合った求人を見つけられます。

一般には公開されていない非公開の求人も紹介してもらえるので、自身のキャリアの可能性を広げられるでしょう。

また、企業から直接オファーが届くダイレクトスカウトにも対応しており、待つだけで効率よく転職活動を進められる点も魅力です。

高年収の求人が多いこともリクルートダイレクトスカウトの特徴で、年収800万～2,000万円の求人も多数保有されています。

ハイキャリアでの転職を考える方や、転職をきっかけに年収を上げたい方におすすめの転職エージェントです。

ランスタッド

ランスタッドは世界39カ国でサービスを展開しているハイクラス求人向けの転職エージェントです。

国内企業はもちろん、グローバルや外資系企業の求人を多数取り揃えています。

また、コンサルタントは各業界に精通しており、専門性の高いアドバイスを受けることができます。

ランスタッドの約8割が非公開求人であるため、自分にあった求人があるか探すためにもまずはランスタッドに会員登録しておきましょう。

type転職エージェントハイクラス

type転職エージェントハイクラスは、管理職やエグゼブティブ層に特化した転職エージェントです。ハイクラス求人の取り扱いは首都圏だけで1万件以上（※1）と多く、年収800万～1,500万円の求人も多数保有しています。

サービスの中でも、特に面談に力を入れており、専任のキャリアアドバイザーが求職者の現状と希望を丁寧にヒアリングしたうえで、キャリアパスのアドバイスや最適な求人の紹介をしてくれます。

一人のアドバイザーが求職者支援と企業の情報収集の両面を担当しているため、スピーディーで的確な情報提供に期待できるでしょう。

首都圏でのハイクラス転職を検討している方は、まず登録しておきたいエージェントです。

（※1）type転職エージェントハイクラスの公式ホームページより

doda X

doda Xは、管理職やハイキャリアの方などに特化した転職サービスです。

全ての求人がマネージャークラスやCFO、事業戦略担当などのハイクラス求人で、現在管理職に就いている方のほか、転職をきっかけにキャリアアップしたい方にもおすすめできます。

年収800万円以上や年収1,000万円以上の非公開求人を多数保有しており、年収アップを目指す方も条件に合う求人を見つけられるでしょう。

登録すると、ヘッドハンターから直接スカウトが届くシステムで、忙しい方でも手間をかけることなく好条件の求人に出会える可能性があります。

気になる求人を見つけたらdoda Xを介して応募できるサービスもあり、自身の意向に合わせて転職活動を進められるのが特徴です。

女性コンサルタントによくある質問

女性コンサルタントによくある質問について回答します。

コンサルタントに転職したい女性はエージェントを使おう

女性のコンサルティング業界への転職は、メリットやデメリットを十分に理解し、事前の企業リサーチが大切です。

以下の点に着目して、志望する企業を選びましょう。

女性コンサルタントへの転職を成功させるなら、転職エージェントの活用がおすすめです。転職エージェントは、自分の経歴や希望条件からあなたに合った求人を提供してくれます。

他にも、応募書類の作成や面接対策など、専門のプロが転職活動をサポートしてくれます。

まずは、無料で利用できる転職エージェントに相談して、コンサルティング業界への転職を成功させましょう。