
常駐先で長年働いていてスキルアップができない…

日々激務に追われていて仕事がつらい…

何の技術も身についておらず、このままだと会社の戦力にならない
このようにIT業界、特にSEとして働いているけれど、転職を考えているという人もいるでしょう。
システムエンジニアとしてキャリアを積んできたものの、SEの労働環境は過酷であり、それに見合う給与がもらえることも少ないため、一般的に離職率が高く、もうIT業界はこりごり!自分も転職したい!と悩んでいる方も多いです。
では、IT業界からの転職先としてはどのような業種や職種があるのでしょうか。本記事では、IT業界のSEから転職を考えている人におすすめの転職先を紹介します。

IT業界・SEから異業種へ転職する理由

IT業界からの転職を考えている人は、それぞれ現在の仕事に悩みを抱えていることでしょう。
転職先を考える際に、あなたの悩みを確認することは非常に重要です。なぜなら、抱えている悩みごとに、転職先の方向性が変わるからです。
ここでは、まずIT業界で働いている人が持つ、よくある悩みについて紹介します。あなたの抱えている悩みと比較しながら読んでみてください。
そもそもSEに向いていないから
SEとして働いているうちに、「自分はSEに適していないんじゃないか?」という疑問を持ち始める人も少なくありません。
そんな疑問を持つのにはいくつかの理由があります。具体例としては以下のようなものが挙げられます。
- ITに興味が沸かない
- 技術的なことについていけない
- 業務内容が思っていたものと違う
IT業界に就職してみたものの、実際に働いてみたらまったく興味が沸かなかったという人もいるでしょう。IT業界では日々新しい技術が開発されており、いろいろなことを学びながら仕事をします。ITに興味が沸かなければ、そのようなことは苦痛でしかないはずです。
また、プログラミングができなかったり業務内容が難しかったりなど、技術的なことについていけないという人も多く見られます。
プログラミングに苦手意識や興味が持てない
なぜなら、今現在プログラミングが苦手だとしても、学習次第でいくらでも能力は伸びるからです。もし、自己学習での限界を感じている場合にはCodeCampなどの、マンツーマンのプログラミングレッスンを受講するとよいでしょう。
また、クライアントの業務が複雑でよく分からないという人もいます。特に金融業界をクライアントに持つ企業は、顕著なことが多いようです。
業務が複雑である場合には、働きながら身につけていくか、業界の専門書などを読んで少しずつ知識を増やしていきましょう。
上流工程ではなくエクセル仕事ばかり
さらに、業務内容が思ったものと違うというケースもあるでしょう。
特に、SIerの構造として、大手は主に設計を担当し、中小がプログラミング、実装、テストなど、上流工程と下流工程が分けられていることが一般的です。
プログラミングを覚えたかったのに、「どうでもいいようなドキュメントを毎日Excelで作成しているだけ…」なんてことも少なくありません。
労働環境が過酷だから
サービス残業なんて当たり前で、納期前になったら一週間会社に泊まり込みなど、過酷な労働環境に悩んでいる人もいるでしょう。
SEの仕事は3Kならぬ7K(きつい・帰れない・給料が低い・規制が厳しい・休暇が取れない・化粧が乗らない・結婚できない)であると言われたりもしています。
過酷な労働環境から逃れたい人は、定時に帰れたりサービス残業がなかったりする業種・職種に転職すべきだと言えます。
会社の評価に不満があるから
仕事で成果を出しているにもかかわらず、それが給与に反映されなかったり昇給しなかったりすることに悩んでいる人もいます。特に中小のSIerでは、優秀なSEに対してそれに応じた報酬を与えるといったケースは稀であると言えるでしょう。
そのため、会社の評価に不満がある場合には、ご自身のスキルを高く買ってくれる同業種・同職種への転職がおすすめです。
スキルアップができないから
SEとしてさらに能力を高めたい、新たな技術をどんどん学んでいきたいけれど、日々の仕事が忙しくスキルを磨くことが困難であると悩んでいる人もいます。
特に、SIerで毎日長時間働いている人にとってはスキルアップするための時間を確保することはなかなかできないはずです。そのような人は、ご自身のスキルを伸ばせるように、同職種で異業界への転職がおすすめです。
IT業界・SEから転職したい人におすすめの異業種
まずは、IT業界から転職した人がどのような転職先を選んでいるのかを業種・職種別に確認してみましょう。
転職先の業界として選ばれているのはメーカーや流通
大手人材会社のエンジャパンが2020年2月に発表したデータによると、『48%の転職コンサルタントが「異業種転職をしたミドルがいる」と回答』したことが分かっています。
図1:異業種・異業界企業への転職を実現された方は?
図2:ミドルの転職者は、どのような業種が多いか?
【引用:異業種転職の実態調査。転職コンサルタントの48%が「異業種転職を実現したミドルがいる」と回答。―「ミドルの転職」コンサルタントアンケート集計結果―】
メーカーや流通・小売サービスを目指す方が多いようですが、このデータだけではIT業界からの転職をした層が分かりませんので、下記で細分化してご紹介します。
コンサルティング|SEからの転職が最も多い
株式会社リクルートが発表している「リクルートエージェントの転職決定者数の分析」でも、2009年から比較しても、約3倍の方が異業種への転職を選択しているようです。
引用:2020年 転職市場の展望
中でも、最も多い転職先として選ばれているのは、コンサルタント業界です。「IT・通信」からコンサル業界への転職者数は、この8年間で5.6倍、異業種転職全体の3倍を大きく上回っています。
企業は総じて、ITの経験のある方を求める傾向が強 い。コロナ禍以前から需要は高かったものの、人々の 仕事や暮らしにオンラインが溶け込んでいくことで、 課題や新しいサービスの需要が高まり、さらにITの知見が求められるようになってきている。
【引用:2021年 転職市場の展望】
高い職種経験を持っているならば、転職することで、年収が上がったりキャリアアップにつながったりするケースが多いでしょう。
SEの方の転職先として、職種を変えつつも同じ業界が選ばれるのは、専門性や経験を活かして活躍してほしいという企業ニーズの表れでしょう。

Webエンジニア|ネットサービスの運営企業
いわゆるメディアを運営した広告収益モデルや、ネットサービスを運営する企業への転職です。同じIT業界という括りではありますが、システムエンジニアとウェブエンジニアでは、役割も業務も違うのはあなたも認識している通りです。
ネットサービスの競争激化はとどまることを知らず、Webエンジニアは2021年以降も引き合いは多く、ネット企業以外からもラブコールが絶えない⼈材獲得戦争が続きます。その要因の一つに、働き方改革に伴うリモートワークの推進や、多様な働き⽅を⽀援する動き、⼿当・給与改定等もあります。
引き続き、DX関連、通信では5G関連、テレワーク・ オンラインサービス増加に伴うインフラ系のエンジニア 需要が高い。
引用:2021年 転職市場の展望

サービス業
dodaの異業種へ転職した人を調査した結果によれば、サービス業へ転職した人の割合で、2番目に多いのが、IT/通信業界からの転職であることが分かります。
引用:【最新調査】異業種への転職が多い業種は?異業種へ転職している人はどんな人?|doda
また異業種からの転職で占める割合が商社の次に多いため、未経験だとしても十分に転職できるチャンスがある業種であるといえるでしょう。
引用:【最新調査】異業種への転職が多い業種は?異業種へ転職している人はどんな人?|doda
教育・人材|いま狙い目!SEの転職におすすめの業界
今まで、パソコン教室やスキルの個別指導塾では、スタッフが採用・教育のフロントに立っていましたが、「ED-Tech」と呼ばれる領域でIT化が進んでおり、WebエンジニアやUIUXデザイナー、コンテンツ開発のPM等、IT⼈材の採⽤が加速しています。
そのため、学習塾の内容も変化しており、コーディング技術、インフラ系、組み込み系エンジニアを目指す人のために、映像やITを活⽤した新しい教育コンテンツの開発・運用に載せる知識のあるエンジニアを積極的に募集しています。
IT⼈材の確保・採⽤ニーズは、⾼まっていくでしょう。
ITに全く関わらない異業種にもチャンスがある
営業職
SE、IT業界でも営業職はありますが、自動車、保険、不動産など商品やサービスはさまざまです。IT機器販売などであれば、これまでのIT知識が重宝されるかもしれません。
事務職
事務職は、データ入力や文書作成、資料作成など、ルーティーン化している仕事も多いので、せっかく磨いたスキルが無駄になるかもしれないという不安はありますが、場合によっては、会社のWebサイトの管理やIT担当を任される場合もあります。
人事・労務など
今後社内の人材教育分野においても注目されるはずの職種です。
人事労務と言っても種類があり、『採用企画』『労務(勤怠など)』『人事評価』『広報』など、会社にとって実は重要なポジションばかりです。
特にネットのベンチャー企業では、ほとんど人事労務の整備などがされていないことの方が多いので、SEをはじめ、IT経験者を求める声は多く、重宝される傾向があります。
IT業界・SEから異業種への転職を成功させるポイント
IT業界から異業種へ転職するのは簡単ではありません。
だからこそ、転職を成功させるためには事前準備が大切です。
本章ではSEから異業種への転職を実現させるために押さえておきたいポイントを4つ紹介します。
転職する理由を明確にする
転職を成功させるためには、なぜ転職したいのか理由を明確にすることが大切です。
- キャリアプランを実現するため
- 残業を減らすため
- スキルや実績を正しく評価されないため
このように、転職を決意した動機は人それぞれです。
自分が求める転職先のイメージをより鮮明にするためにも、現職での不満点も洗い出しましょう。
転職理由が明確になることで、転職先に求める条件が決まり、転職を成功させるための具体的な戦略を立てることが可能になります。
自分のスキルや経験を棚卸する
SEとして働いた経験は他の業界にも十分に生かすことができます。
そのため、今までの職務経験で培った能力やスキルを一度洗い出してみましょう。
チームで仕事を進めるSEには以下のような他の業界でも役に立つ「ポータブルスキル」が身についていることが多いです。
- 課題解決能力
- コミュニケーション力
- プロジェクト管理能力
一度自分のスキルや経験を洗い出しておくことで、面接での自己アピールで話すこともできます。
企業や業界について調べる
IT業界から新しい業界や企業へ転職するためには、どんな業界なのか、企業のサービスについて調べておくことが大切です。
面接では異業種へ転職する理由を聞かれることが多いでしょう。
その際に、面接官が納得できる理由を伝えられるかどうかで、異業種への転職が成功するかを大きく左右します。
志望している業界がどんなビジネスモデルであり、現在の市場の動向を理解しておくことで、面接でしっかりとした受け答えができるでしょう。
また、企業調査や業界理解は自分に合う企業を見つけやすくなるメリットもあります。
特に、企業の文化や働き方についても注意深く調べ、自分の価値観と合致するか確認することが大切です。
転職エージェントを利用する
エージェントには多岐にわたる業界情報や非公開求人を持っており、あなたの経歴とニーズに合った求人を提案してくれるでしょう。
また初めて転職活動をする人は、どのように進めていけばいいのか分からない方も少なくありません。
そんな方は転職エージェントに相談することで、どのように進めていけば転職を成功できるのかアドバイスをもらえるでしょう。
転職エージェントは無料で利用することができるので、まず登録して使ってみることをおすすめします。
IT業界・SEからの転職に失敗する人の共通点
なかなか転職がうまくいかない人には共通点があります。
IT業界からの転職を成功させるためにも事前に失敗する人の共通点を理解しておきましょう。
- 自分一人で転職活動をしている
- なんとなく転職活動をしている
- スキルが足りない業界に応募している
自分一人で転職活動をしている
自分一人で転職活動を行うことは、転職に失敗する原因になります。
自分一人ではなぜ書類選考や面接に落ちたのか理由が分かりません。
そのため、なかなか選考に通らずに、内定をもらえないことにもなりかねません。
そして偏った自己分析を行ってしまい、難易度の高い業界や職種に応募している可能性もあります。
効率的にかつ、自分の望みを叶える転職を成功させるためにも転職エージェントを活用することをおすすめします。
なんとなく転職活動をしている
「なんとなく」転職活動をしている人は転職活動の軸が定まっていないため、転職に苦労する可能性が高いです。
具体的な転職理由や志望動機でないと、求めるポジションや条件が曖昧になり、自己PRも曖昧になりがちです。
現職を辞めたい想いで転職をしていると、人手が足りないブラック企業に転職する可能性もあります。
スキルが足りない業界に応募している
IT業界から異業種への転職では、自身のスキルが新しい業界で求められているのかを理解することが大切です。
エンジニアとしてのプログラミングスキルが長けていても、営業として働くために直接活かせるわけではありません。
求人にはどんな人材を求めているのか人物像が明記されています。
一度自分のスキルや経験を明確にしてから、企業側が求めている人物像と一致するのか確認しましょう。
自分の能力を過大評価してしまうと、転職先がなかなか見つからない可能性があります。
「今のスキルだとどんな求人に応募できるのか」と思う方は、多くの求人を保有している転職エージェントに相談しましょう。
IT業界・SEからの転職におすすめの転職エージェント
IT業界から転職を考えている場合には、転職エージェントを利用することをおすすめします。転職エージェントとは、あなたと転職先をつないでくれるサービスで、以下のようなサポートをしてくれます。
- あなたのキャリアの洗い直し
- あなたの強みの分析
- 面接対策
- 給与の交渉
つまり、転職エージェントを利用することで、転職に必要なサポートを無料で受けることができるのです。転職先を迷われている方も、あなた専任のカウンセラーに相談することで、ご自身に最適な転職先が見つけられる可能性が高まるでしょう。
ここでは、IT業界からの転職におすすめの転職エージェントを紹介します。
マイナビITエージェント

- 企業規模や募集職種など、取り扱い求人の幅が広い
- 企業情報の収集を担当するリクルーティングアドバイザーが在籍
- 非公開求人多数
マイナビITエージェントは、人材紹介企業大手の株式会社マイナビが運営する転職エージェントで、IT・Webエンジニアの転職に特化しています。
業界の転職事情に詳しい専任のキャリアアドバイザーが、ベンチャー企業から大手企業まで、さまざまな選択肢の中から最適な求人を紹介してくれます。
ITコンサルタントやインフラエンジニア、社内SEなど募集職種が幅広く、非公開求人が多数あることも、大手エージェントならではの特徴でしょう。
また、企業の情報収集を担当するリクルーティングアドバイザーが在籍しており、企業が求める人物像や内部情報を把握したうえで応募に進めるのもうれしいポイントです。
応募書類の添削や面接対策などの転職支援も充実しているため、一人で転職活動を進めるのが不安な方にもおすすめのサービスといえます。
サービス名 | マイナビITエージェント |
運営会社 | 株式会社マイナビ |
公開求人数 | 17,289件(※) |
非公開求人数 | 6,311件(※) |
おすすめポイント |
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対応地域 |
東京、名古屋、大阪、福岡など全国/海外
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公式サイト |
リクルートエージェント

- 転職支援実績NO.1の転職エージェント(※)
- キャリアアドバイザーの提案力に定評がある
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サポート力には定評があるため、「自分自身を売り込むのが苦手」「年収などの条件交渉を代行してもらいたい」といった人におすすめです。
サービス名 | リクルートエージェント |
運営会社 | 株式会社リクルート |
公開求人数 | 364,921件 |
非公開求人数 | 233,721件 |
おすすめポイント |
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対応地域 |
東京、名古屋、大阪、福岡など全国/海外
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公式サイト |
【リクルートエージェントの口コミ・評判】
模擬面接を通して「何をメインに伝えたらよいか」「企業側はどういう考えか」など、本番の面接で役に立ったことを学べました。
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レバテックキャリア

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運営会社 | レバテック株式会社 |
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非公開求人数 | 非公開 |
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まとめ
IT業界に限らず、あなたに最適な転職先を見つけるには、あなたが業界知識に強みがあるのか、職種経験に強みがあるのかをきちんと把握しておきましょう。
ITの中でも特にSEは過酷な労働環境であることも多く、精神的にも体力的にもつらいことが多いのではないでしょうか。
転職によってあなたの労働環境が改善したり、給与が上がったりすることは珍しくありません。転職エージェントの利用は無料ですので、もし転職を考えている人は、一度キャリア相談だけでも行なってみることをおすすめします。