常駐先や納品期限によっては、厳しい労働環境となりがちなITベンダーなどのSE(システム・エンジニア)とは異なり、社内SEは、企業の従業員の一人として、他部門と同様の勤務制度が敷かれています。ほかのSEと比較して、自社での業務や安定した勤務時間などに魅力を感じ、社内SEを選んだITエンジニアも少なくはないでしょう。
人材不足の影響もあり、企業によっては社内SEが過酷な労働環境やスキルアップができないなどの不満を募らせています。「転職したい」「辞めたい」と考えながら仕事に臨んでいる社内SEも多いかもしれません。
本記事では、現在は社内SEとして勤務しているけれど、転職を考えている、また、転職を迷っている方に向けて、おすすめの転職先と転職成功のポイントを紹介します。転職を意識し始めた社内SEの方は、まずは辞める理由や希望する転職先について考えてみましょう。


社内SEから転職したい!辞めたいと思う8つの理由
転職を考えている社内SEの方の中には「自分の転職理由は特殊なのではないか」「辞めたいと思ったけれど、もっとがまんすべきか」などと、一人で悩んでいる方もいるかもしれません。ほかの方の転職理由や辞めたい理由を知れば、心が軽くなり、転職へのビジョンがはっきりするかもしれません。
リクルートグループが運営する、エンジニア向けサイト「Tech総研」が実施したアンケートを紹介します。このアンケートは「会社を辞めたいと思ったことがある」というエンジニア400人に対して実施されました。
「あなたが会社を辞めたいと思っている理由はなんですか?」の問いに対するアンケートの集計結果は以下のとおりです。
引用元: Tech総研
給料が上がらない、もしくは下がったから
最も多かった理由が、給料に関するものでした。やはり、収入に納得がいかないと、その職場を辞めたくなるエンジニアが多いのですね。
長年に渡って勤務していて、ある程度の責任ある仕事を任されているにもかかわらず、給料がそれに見合っていなければモチベーションも上がらないものです。
お金が全てではありませんが、やはり給料は働くうえで重要な要素なのですね。
スキルアップしないと給料上がらないというエンジニアと。収益をふやさないと給料あげられないと思っている経営陣とで、そもそも方向性って微妙にずれるんよね
— 佐藤 大輔 オープントーン (@satou_ot) December 7, 2022
もうちょっと給料上がらないかしら・・・?
— 水城祐弥 (@furiata) March 26, 2012
まぁ、高卒エンジニアなんで薄給なのは仕方ないのかも知れませんが、少なすぎやしませんかね
社内SEの平均年収は?
SEという仕事は、上述のようにさまざまなものがあります。もちろん収入や待遇もさまざまです。気になる年収は、 doda「平均年収ランキング2017職種別」 によると、SEの含まれる技術系(IT/通信)の平均年収は463万円。
そのなかでトップは、ITコンサルタントの608万円で、最下位はヘルプデスク(フィールド・エンジニア)の345万円です。ちなみに年収とは別に、仕事の環境でもITコンサルタントは、恵まれている傾向にあります。
一方、苛烈な環境にあるのはフィールド・エンジニアで、そのなかでも特に、客先常駐SEが厳しい労働環境だといわれています。
自社では技術やスキルを伸ばせないと思った
そして、集計結果の第2位が、技術やスキルを伸ばせないと思ったことです。36%ですから、3人に1人という割合でこのように感じているということ。
技術力が全てのエンジニアにとって、やはりスキルアップは重要なテーマ。特に、20代の若いエンジニアであれば、スキルを伸ばせない職場で働きたくないと考えるのは当たり前のことでしょう。
弊社の事業は大好きだけど達成できない目標とかエンジニアとしてスキル伸ばせないとかフロントエンドの領域と全く関係ないことの方が評価されるとかちょっとやる気削がれてきちゃったな。
— ささめま@13年後にFIREする平社員 (@firessmm) September 5, 2022
仕事で理不尽な目に合わされた
次に多かった回答が、仕事で理不尽な目にあわされたという理由です。無茶苦茶な対応をさせられたのであれば、どのようなエンジニアでも納得いかないものです。
もちろん、どのような仕事であっても、お客様の要望を無条件でのまなければいけないケースもあります。しかし、それがあまりにも理不尽であれば、辞めたいと思うのは当たり前ですよね。
とあるオッサンSE(コード書かない人)と組んで仕事してたとき
— えび@プログラマー (@ebiebi_pg) August 20, 2023
自分が100%コーディング担当してて毎回毎回そのオッサンに
「いつもバグを出すのは君の方ばかりだ!」
って怒られてた
ITエンジニアの世界にはこのくらいの理不尽がちょうど当たり前だった時代もある
なんでも屋扱いが嫌になった
ネットワークを含め、社内のIT関連については、すべて社内SEが担当することになります。パソコンの設定からWordやExcelなどソフトの操作方法まで、「これって俺の仕事なの?」という問い合わせが来ることがあるようです。
まるでなんでも屋のように扱われることに、いらいらし、モチベーションが低下することがあります。社員をお客様かのように扱う毎日には疲弊しますよね。
ITエンジニアは、ITを使った何でも屋になりやすい課題があるとは思いますハイ。
— A-pZ|ぢつにんさん (@alpha_pz) June 2, 2022
夜間や休日でも対応に追われる
社内SEといえば、平日定時帰りというイメージがあるかもしれませんが、会社や状況によってはそうとは限りません。
システム障害時や緊急時は、時間を問わずに対応する必要があるからです。なかなか気持ちが休まらないときが多いと、勤務時間外もゆっくり過ごせません。夜間や休日に呼び出されることが頻繁に起こると、社内SEを辞めたくなります。
「PayPay(ペイペイ)は汗をかかずに儲かるシステムだから抵抗してやめました」と話題です。
— マスクド・アナライズ(DXコンサルタント・作家) (@maskedanl) June 26, 2023
ITエンジニアは仕事で汗をかきませんが、残業と休日出勤でうつ病になったり、仕事が忙しすぎて離婚しています。
そもそも「楽して稼げる商売」だったら、なんでずっと人手不足なんでしょうね。
クレーム対応がつらい
社内SEは、問い合わせがある経営陣や社員との物理的距離が近いです。ただでさえクレームは精神的につらいのですが、直接攻撃的な物言いで言われると、かなりタフなエンジニアでも疲弊してしまいます。
システム障害時に「まだ復旧しないの?」「なんでこんなことになるの?」と追及されたら、相当なプレッシャーを感じるでしょう。
SES営業時代に一番腹立たしかったのは現場常駐先のエンジニアトラブル(クレーム対応)ですねー。
— takuya.com🌐くらうどえんじにあ (@takuu0426) June 19, 2023
「なんで、客からこんな理不尽なこと言われなあかんねん!しかも本人はヘラヘラしてて反省してる素振りすらない。( ̄^ ̄゜)」
2番目くらいに急な退職ですねー。これもトラブルの一部だけどねー。
評価されにくい
社内SEのつらいところとして、質の良い仕事をしても評価されにくいというのが挙げられます。社内SEが所属する情報システム部は利益を生まないバックオフィス部門なので、どうしても評価されにくいのです。頑張って効率よく仕事をしても認められないと、頑張りがいがないかもしれません。
社内SEもSESもどちらも経験した身でいうと
— むぎSE (@MUGI1208) April 16, 2023
①社内SEの方が忙しくない→そんなことない
②社内SEの方が難易度低い→そんなことない
②社内SEの方が評価されやすい→そんなことない
③社内SEの方がチェックが緩い→あるかも(弊社だけ?)
④社内SEの方が突発の雑用が多い→あるあるあるあるある!
仕事についていけない
社内SEが担当する業務が幅広く、仕事についていけないと感じて「辞めたい」と思う方もいるようです。社内SEは、社用パソコンのセキュリティ管理からネットワーク構築、システム開発、サーバー管理などと、業務は多岐にわたります。
ネットワークの構築を得意とする方が、アプリ開発を担当することになった場合、知識やスキル不足に陥ってしまうことは想像に難くないでしょう。出社しても仕事をなかなか進められない状態は、ストレス過多となるはずです。
SEは専門職のため、同じ職種の人材が社内にあまりいない可能性もあります。仕事についていけないことを共有することができなければ、精神的につらい日々を送ることになるでしょう。
炎上というかツッコミたくさん入れられてのインプ稼ぎ狙いな気がするなー。
— 百舌(mozu) (@mozzybb) August 27, 2023
自分は社内SEではないですが、僕の母の旦那の息子で社内SEやっていた人は残業100時間超えもザラにあったし、新しい知識をそれなりに求められていたっぽいです。転職後も波はあるものの結構忙しいとか。僕の話ではないですが。 pic.twitter.com/NdKmFq1UVm

社内SEから転職する際におすすめの就職先は?
次に、社内SEの方におすすめの転職先を紹介します。転職先を考えるにあたって、まず、どのように転職先を絞ればよいのかを明確にしておきましょう。
そのためには、業種・職種という2つの要素から、『同業種・同職種』『同業種・異職種』『異業種・同職種』『異業種・異職種』の4つのマトリックスから分析を行います。
まずは、業種・職種の言葉の意味から確認してみましょう。業種とは、会社が営む仕事や事業の種類のことをいいます。具体例としては、金融業、建設業、情報通信業、広告業、運輸業などが挙げられます。
一方、職種とは、その人が就いている仕事の種類のことをいいます。具体例としては、営業職、人事職、経理職などが挙げられます。

では、業種と職種で4つのマトリックスを考えてみましょう。すると以下のようになります。
同職種 | 異職種 | |
同業種 | 同業種・同職種 おすすめ | 同業種・異職種 おすすめ |
異業種 | 異業種・同職種 おすすめ | 異業種・異職種 おすすめしない |
4つのマトリックスの中で、異業種・異職種のみがおすすめできません。
転職においては、ご自身の業界知識や職務経験を活かすことが基本中の基本です。さらにいえば、業界知識と職務経験どちらの方が自身の強みかを把握し、業界知識の方に強みがあるのであれば、同じ業界へ、職務経験に強みがあるのであれば同じ職種へと転職することがおすすめです。
同業他社の社内SE
社内SEの方の転職先として、同業他社の社内SEという選択肢もあります。社風や職場環境が合わないという方の中には、勤務先を変えればうまくいく場合があります。業務内容以外の理由で転職をしようとしている方のケースです。
勤務先が変われば、業務内容が全く同じことはないにしても、さほど変わらないという可能性もあります。新しい環境に慣れさえすれば、業務に集中でき、以前の職場よりも成果を上げられるかもしれません。
自社開発Webエンジニア
Webエンジニアとは、Web上のアプリケーションを作成する人をいいます。Web上のアプリケーションとは、ブラウザ上で利用するアプリケーションのことで、具体的にはフェイスブックやツイッターなどのSNSや、Gmailなどのメールサービス、アマゾンなどのショッピングサイトが挙げられます。
SEとWebエンジニアが作るものの違いは、パソコン上で動くか、ブラウザ上で動くかの違いであるといえるでしょう。
Webエンジニアは、メイン作業がプログラミングになりますので、SEとしての職務経験、とくにプログラミングに強い人や、新しい技術に挑戦したい人におすすめの転職先です。
なお、注意点としては、自社でアプリケーションを開発・運営している企業に限定しなければならないということが挙げられます。
外部企業から請け負ってWebアプリを開発する場合には、開発するものが『システム』か『Web上のアプリケーション』かの違いだけで、厳しい期限に負われながらの長期間の労働という点は変わらない可能性が高いからです。
大手SIer
SIerの中でも、大手(従業員数100名以上)SIerへの転職もおすすめです。大手と中小のSIerの一番の違いは、上流工程を担当するか、下流工程を担当するかであるといえます。
大手SIerであれば、要件定義・設計・開発などの下流工程はあまり行わず、プロジェクトマネジメントが中心の作業となります。
そのためSEとしてスキルアップしたい方や、スケジュール管理や調整などの、職務スキルを強みとする人におすすめの転職先です。
数字で見るみんなの転職先
転職先を考えたとき、他の人がどのような転職先を選んでいるか参考にしたいという人もいるでしょう。大手転職サイトのdodaの調査によると、SEを含むIT/通信の主な転職先は、同業種が多いようです。
引用:doda
今度は、職種で見てみましょう。
引用:doda
同じくdodaが行った調査によると、SEを含むIT/通信の人の転職先は同じ職種であるケースが80%を超えています。
やはりSEは、プログラミング作成という専門性が高いため、職務経験を活かして転職するという人が多いことが見て取れます。
ITコンサルタント
ITコンサルタントとは、企業が抱える問題点や課題を、ITを用いて解決する人のことです。具体的な役割は『コンサルタント』『アナリスト』『マネージャー』の3つがあります。案件によって、3つのうち複数を担当することもあります。
それぞれの具体的な内容は以下の通りです。
コンサルタント | 企業の要件をまとめる・整理することが業務の中心。 また、具体的なタスクを決定します。 |
アナリスト | コンサルタントが決定したタスクを実行する業務が中心。 タスクの例は、仕様書の作成・動作確認・プログラミングなど。 |
マネージャー | プロジェクト全体の進捗の管理を行う。 |
ITコンサルタントとSEの違いとしては、経営問題まで解決するか、それともシステムを作成するかという点が挙げられます。SEは主に顧客が望むシステムを開発しますが、ITコンサルタントは経営の問題を洗い出し、それを解決するためにシステムを導入します。
ITコンサルタントは専門性の高い職業です。また、顧客と直接やりとりを行うため、高いストレスにさらされる傾向にあります。業界知識や、問題解決、コミュニケーションをとることを強みとする人におすすめの転職先です。
SIerの営業
足を動かしてトーク力で勝負したい人は、SIerの営業に所属してみても良いでしょう。
営業としてシステムの受注・契約をとる仕事です。エンジニアではなくなりますが、エンジニアとして培ったスキルや知識を十分に活かせる仕事です。技術面も考慮した提案ができるでしょう。社内SEでは、頑張ってもなかなか評価されなかったことに不満がある人に相性が良いです。
技術営業
社内SEの経験で培ったITに関する知識やスキルを生かし、顧客の困りごとを解決するために尽力するのが、技術営業です。顧客のニーズに応じ、ITによる具体的な改善方法を伝えられるため、重宝されます。
営業担当者と現場の担当者間では、営業担当者の知識不足による、いざこざが生じることがあります。営業担当者が現場に無理難題を押しつけることもあるでしょう。
社内SEとして現場を経験していれば、そのようなもめごとを回避でき、顧客のIT担当者の状況を理解して営業提案をすることが可能です。
独立してフリーランスエンジニアになる
フリーランスとは、会社から独立し、個人でシステム開発や運用を行います。
スキルに自信があれば、フリーランスとして独立してしまうのも選択肢のひとつです。日本の企業は、昔に比べるとエンジニア職を正当に評価するようになりました。
それでも、涼しい顔をして短期間で開発してしまう天才エンジニアよりも、何日も残業をしてようやく完成させるエンジニアのほうに高い給料を払いがちです。
フリーランスには、「来年は収入がゼロになるかもしれない」といった不安が常に付きまといますが、本当に腕に自信があるなら、劣悪な環境で消耗するよりもよいかと思います。
問題点はどのように案件を探すかということですが、クラウドソーシングなどもあるため、フリーランスになりやすい環境が整っているといえるでしょう。
フリーランスは年収を上げたい人やすべての工程を一人でやりたい人におすすめの転職先です。
その他、転職しやすい異職種
現在の仕事に特にこだわりがなければ、異なる職種や業界に転職してしまうのもおすすめです。たとえば、自動車メーカーの組みこみシステム・エンジニアから、通信事業者の社内セキュリティ・エンジニアに転職。
ゲーム会社のアプリ開発から、鉄道会社の社内ITインストラクターに転職といった感じです。ちなみに異業種でSEの求人の多い業種は、WEB・メディア・広告系、人材・コールセンター系、医療系、金融・証券・保険・銀行系となっています。
社内SEから転職できない方の特徴
転職市場での需要はあっても、転職できない社内SEの方もいるのが実情です。社内SEから転職できない方の特徴を3つ紹介しますので、チェックしてみましょう。
ネガティブな転職理由
まずは、転職理由がネガティブな方です。ネガティブな転職理由とは「年収が低い」「残業が多い」「会社がブラック」などの不満から生じる理由です。
採用担当者は、ネガティブな転職理由を聞かされれば「うちの会社でも不満を抱きそうだ」と感じることでしょう。
ネガティブな転職理由は、ポジティブに変換するか、ポジティブな要素を追加すると印象は変わってくるはずです。たとえば「成果を出して収入を上げられる環境に移りたい」「集中して効率良く働いて結果を出したい」などです。
スキル不足
SEは特定の分野のスキルを持った専門職であるため、スキル不足の方の転職は、スムーズにいかない可能性があります。
同じ社内SEであっても、20代ならば、成長途中とみなされる場合もあるでしょう。企業は、仕事への意欲や向上心を買ってくれる可能性もあります。
特に厳しいのは、30代や40代の中堅層の方です。スキルが伴わないのに、年齢相応の給料を支払わなくてはならないとなれば、採用を控える企業が多いことは想像できます。
行動を起こさない
転職をしようと決意しても、行動を起こさなければ何も始まりません。社内SEとしてバリバリ仕事をしている方であれば、仕事の忙しさにかまけて、転職活動を後回しにしがちです。
転職のしやすさは年齢によっても変わってくることを理解しているはずです。転職サイトや転職エージェントに登録したり、職務経歴書を書いてみたりするなど、小さなアクションを起こしてみましょう。
社内SEを辞める前にやっておきたい5つのこと
社内SEを辞めるという決断はそう簡単にしてはいけません。安易に退職してしまった結果、次の転職先を妥協して決めてしまい、早期に退職することになった人も少なくないからです。
自分と仕事を見極め、転職活動を進めておくのがベターです。
自己分析をする
まずは、自分の長所・短所の把握やスキルの棚卸などを行いましょう。今までの自分は何をしてきたか、そして今の自分は何ができるのかを明確にするのです。
そこで、妥当な市場価値を推測してみましょう。自分を安売りするのも、高く見積もるのも、よくありません。冷静な自己分析が求められます。
転職の目的はっきりさせておく
なぜ転職をするのか、目的をはっきりさせておくことは非常に重要です。目的があいまいなまま、転職活動をおこなうと、転職後に後悔したり、転職はしたものの、またすぐに転職活動を始めたりと、転職をした意味がなくなってしまいます。
自分の転職への意思と自己分析の結果と照らし合わせながら、転職の目的を明確にしておきましょう。
理想の職場を具体的にイメージする
実現できるかどうかはひとまず置いておいて、理想の職場の条件をリストアップしていくのは大切です。その条件の優先度も明確にしましょう。今の職場とのギャップが明らかになるので、社内SEを辞めるかどうかの判断軸になります。
早めに行動する
状況にもよりますが、計画的ではない限り無職期間は少ないほうが良いでしょう。社内SEを辞めたいと衝動的に思ってもひとまず冷静になり、転職エージェントに登録することから始めてみませんか。
求人を見ると「案外、今の職場は給料が高いな」「あんまりいい仕事ってないんだな」といったことに気付くかもしれません。転職活動を始めてから知ることがあるので、早めに行動することをおすすめします。
IT転職エージェントを使う
大手の転職エージェントであれば、さまざまな業界への転職をサポート可能です。社内SEは、転職の選択肢が幅広いため、自分の想像を超えるような提案を受ける可能性もあります。
もちろん、IT転職エージェントへの登録もしておきましょう。ITに特化した転職エージェントのため、社内SEにきめ細やかな対応をしてくれるはずです。
使える転職エージェントは1社のみ、と決められているわけではありません。複数の転職エージェントを利用して、多様な視点から転職先を見定めていきましょう。
社内SEから転職する際におすすめのエンジニアに強い転職エージェント5選
SEからの転職を考えている場合には、転職エージェントを利用しましょう。転職エージェントとは、あなたの転職を援助してくれるサービスで以下のようなサポートを受けられます。
- 自分の強みの洗い出し
- キャリア相談
- 職務経歴書・履歴書の書き方のアドバイス
- 面接対策
- 給与交渉
つまり、転職では、実際に面接をする前にさまざまな準備をしなければなりませんが、そのような面倒なことはすべて転職エージェントがやってくれるのです。
特に大事になってくるのは、キャリア相談だといえるでしょう。あなたの持つ強みが業界知識なのか、職務経験なのかが明確になり、自身の転職の方向性をはっきりさせることができます。
転職をしたいけれど、どのような職種が自分に合っているのか分からないという方も、転職エージェントを利用することで、最適な業種や職種が明確になるでしょう。
ここでは、社内SEの転職におすすめのエンジニア専門転職エージェントを紹介します。
マイナビITエージェント

- 企業規模や募集職種など、取り扱い求人の幅が広い
- 企業情報の収集を担当するリクルーティングアドバイザーが在籍
- 非公開求人多数
マイナビITエージェントは、人材紹介企業大手の株式会社マイナビが運営する転職エージェントで、IT・Webエンジニアの転職に特化しています。
業界の転職事情に詳しい専任のキャリアアドバイザーが、ベンチャー企業から大手企業まで、さまざまな選択肢の中から最適な求人を紹介してくれます。
ITコンサルタントやインフラエンジニア、社内SEなど募集職種が幅広く、非公開求人が多数あることも、大手エージェントならではの特徴でしょう。
また、企業の情報収集を担当するリクルーティングアドバイザーが在籍しており、企業が求める人物像や内部情報を把握したうえで応募に進めるのもうれしいポイントです。
応募書類の添削や面接対策などの転職支援も充実しているため、一人で転職活動を進めるのが不安な方にもおすすめのサービスといえます。
サービス名 | マイナビITエージェント |
運営会社 | 株式会社マイナビ |
公開求人数 | 17,289件(※) |
非公開求人数 | 6,311件(※) |
おすすめポイント |
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対応地域 |
東京、名古屋、大阪、福岡など全国/海外
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公式サイト |
レバテックキャリア

- 15年以上IT・Web業界に特化
- ITエンジニアが利用したい転職エージェントNo.1
- 現場社員から収集した企業の内部情報を共有
レバテックキャリアは、IT・Web業界の転職支援において15年以上(※1)の歴史を有する転職エージェントです。
職種ごとに分かれたキャリアアドバイザーのサポートに定評があり、ITエンジニアが利用したい転職エージェントNo.1(※2)を獲得した実績もあります。
また、企業の内部情報の収集に力を入れており、現場社員からヒアリングした生きた情報を共有してもらえることも特徴です。
社員のマネジメント方法や職場の雰囲気・スキル感など、入社前に知っておきたい情報を得られることは、転職の失敗を避けるためにも有効といえます。
(※1)レバテックキャリアの公式ホームページより
(※2)日本マーケティングリサーチ機構調べ 「2021年1月期 サービスの比較印象調査」1位
サービス名 | レバテックキャリア |
運営会社 | レバテック株式会社 |
公開求人数 | 21,424件(※3) |
非公開求人数 | 非公開 |
おすすめポイント |
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対応地域 |
東京、名古屋、大阪、福岡など全国/海外
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公式サイト |
Geekly

- IT・Web・ゲーム業界の求人多数
- IT業界に特化した口コミサイトがある
- 11年以上蓄積したノウハウをもとに求職者をサポート
Geeklyは、IT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェントで、非公開求人を含めて27,000件超(※1)と、圧倒的な求人数の多さが特徴です。
11年以上にわたって蓄積されたノウハウを活かした転職支援が魅力で、たとえば、応募書類を添削する専門チームがあったり、コンサルタントの専門分野が職種別に細分化されていたりと、きめ細やかなサービスで転職を成功へと導いてくれます。
また、同社が運営する「Geeklyレビュー」では、企業で実際に働く社員から寄せられた口コミを閲覧できます。
応募前に活用すれば、社風や実情を把握でき、自身のアピールポイントの整理にも役立てられるでしょう。
(※1)Geeklyの公式ホームページより
サービス名 | Geekly |
運営会社 | 株式会社Geekly(ギークリー) |
公開求人数 | 19,627件(※2) |
非公開求人数 | 非公開 |
おすすめポイント |
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対応地域 |
東京23区内が中心
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公式サイト |
type転職エージェント

公式サイト:type転職エージェント
type転職エージェントは、さまざまな転職先を紹介していますが、特にITに特化しており、SEの人におすすめの転職エージェントです。前述したとおり、SEの転職先は多岐に渡ります。そのため、望むキャリアを手に入れたいのであれば、SEの求人を豊富に持っている転職エージェントを選択することが重要です。
また、type転職エージェントでは、非公開求人も多く見られます。非公開求人とは、事業戦略にかかわる人材採用などで、公開して募集できない求人のことをいいます。
非公開求人がたくさんあるということは、その分キャリアアップやスキルアップができる可能性が高いことを意味しています。転職でさらにステップアップしたい人にもおすすめの転職エージェントです。
LHH転職エージェント

公式サイト:LHH転職エージェント
LHH転職エージェントは、2018年、オリコン顧客満足度調査で1位を獲得している転職エージェントです。企業の規模や業種にかかわらず、あらゆる転職先を紹介してくれます。
LHH転職エージェントの1番の強みは、あなたをサポートするコンサルタントが職種ごとに別れているということ。そのため、SEの転職に特化したコンサルタントが、あなたに最適な転職先を見つけてくれることでしょう。
※ 2023年4月3日より、「Spring転職エージェント」から名称が変わりました。
社内SEからの転職を成功させるカギは年齢?志望動機?それとも資格?
社内SEの転職のコツは、基本的には他の職業と変わりません。ただし、SEの場合は、今までのキャリアを生かして転職すると成功率がグンと上がります。
年齢とスピード感が大切だと認識しておく
SEの転職は、よく「1歳でも若いほうがいい」といわれます。とりわけエンジニアの転職は20代のうちが良いとされています。
デスクワークのなかでも、体力(頭脳)をハードに使う仕事だからです。とりわけ、ベンチャー企業だと、社員の平均年齢が20代というところも少なくありません。
また、現実的な問題として、社員の平均年齢が若い業界というのもあります。
極端な例をあげると、中小企業やベンチャー企業には、社長が30歳前後、社員の平均年齢が20代という会社もあります。そのような会社には、年齢を重ねれば重ねるほど転職しにくくなります。
新たな知識を吸収するにしても、年齢は若いほうがずいぶん楽です。転職が頭をよぎったら、早めに行動するのが吉だと言えます。
志望動機は将来性を感じさせるものを書く
SEの転職で、前職とまったく同じ仕事をすることは稀です。面接の担当者は、あなたの実務実績をそのまま評価するというより、その実績を見ながら、「うちではどのような仕事をするのだろう」と想像します。
特に、あなたが若く、実績があまりない場合は、志望動機から将来性を読み取ろうとします。志望動機は、「今はこういう能力があるので、貴社ではこう活躍できます」という将来性を感じさせるものを書くようにしましょう。
たとえ、同じ社内SEの仕事でも、現職とまったく同じ仕事内容ではありません。面接官は、現状の能力を伸ばして、どう自社に適応できるか、活躍できるか判断します。
とりわけ、若さや実績に自信がないから、自ら将来性を明確に提示する必要があるでしょう。
未経験の場合は資格を取る
SEの求人は、未経験者を募集していることもあります。
その場合、ITコンサルタントのような上流職よりも、プログラマーに近しい仕事がほとんどですので、応募する場合は、IT系の資格をいくつか取っておきましょう。
その資格で学んだことが、そのまま実務に使えることはほとんどないとは思いますが、たとえそうだとしても、面接官は、取得した資格からあなたのITへの理解力を読み取ることでしょう。
何も取得していない人よりも、がぜん有利です。
ブラック企業を見抜く力を持つ
SEの求人は、若くて未経験の人材を募集していることが多いです。少しでも転職活動をやったことがある人なら、ピンときたと思いますが、このような条件は、いわゆるブラック企業の求人にありがちです。
そして実際、SEを募集している会社には、ブラック企業があります。特にSEという仕事は、上述したように、業務の内容が非常にあいまいです。
ブラック企業は、このあいまいさを悪用して、「ITコンサルタントを募集していたのに、実際の業務は客先常駐のエンジニアだった」とか、「システムエンジニアとして採用されたのに、実際にやっていることはプログラマー」といったことをおこないます。
このようなブラック企業に転職してしまうと、不本意な仕事をしなければならないだけでなく、職場の環境も劣悪だったりするので、なんとしても避けたいところです。
面接官に突っ込んだ質問をすることは、なかなか難しいとは思いますが、それでも採用面接のときは、強い意志をもって具体的な業務の内容を確認してください。
納得いくまで質問をして、ブラック企業かどうかを見抜くのです。
現職との比較を忘れない
多くを望んでしまいがちな人は、現職との比較を忘れないようにしましょう。現職のここがどうしても嫌だ、というのなら、そこを解決しないと、転職成功とは言えません。
転職活動に一生懸命になっていると、ついつい目的を見失いがちなので気を付けましょう。
内定をもらった結果、転職しない選択も考慮する
転職活動をした結果、現職の魅力を再確認することもあります。内定をもらったからといって必ずしも入社しなければいけないわけではありません。内定をもらったら、採用選考中は聞きにくかったことも、突っ込んで質問してみましょう。
疑問をすべて解消してからでの内定受諾が好ましいです。
キャリアアドバイザーに疑問点を相談する
転職エージェントによっては、長年特定の会社の採用に携わっているところがあります。「どういった人が内定を取っているのか」「離職者はどのくらいいるのか」「採用方針は何か」といった情報をできるだけ聞いておくのがポイントです。
せっかく転職のプロがいるのですから、忖度ない意見を聞きましょう。
まとめ
SEは現代社会にとって欠かせない職業です。しかし、その仕事の内容はさまざまで、転職できる業種もさまざまです。SEに転職するときは、どのような仕事をするSEで、どのような会社のSEなのかを、まず明確にしましょう。
SEの人に限らず、転職先を考える場合には、業界知識が強みなのか、職務経験が強みなのかをまずはっきりさせて、転職先の方向性を考えましょう。
もし、自分で自分の強みが分からないという方も大丈夫。転職エージェントのコンサルタントであれば、あなたのキャリアをヒアリングしながら、強みを分析してあなたにとって最適な転職先を提案してくれるでしょう。
また、転職エージェントを利用することで、面接前の面倒な手間も省けます。SEの人が転職する際には、転職エージェントを利用することををおすすめします。
具体的なビジョンが見えれば、きっと、あなたにピッタリの会社が見つかるはずです。