厚生労働省の発表によると、2021年の宿泊業・飲食サービス業への入職者数はおよそ118万人で入職率は23.8%、一方離職者数はおよそ127万人、離職率は25.6%で、入職者よりも離職者のほうが上回っているのが現状です。また、産業全体でみると、宿泊業・飲食サービス業は入職率・離職率ともに最も多いことがわかりました。
現在飲食サービス業で働いていて、転職を検討している方もいるでしょう。中には、「自分に何ができるかわからない」「転職したとしても労働環境は変わらないのではないか」と、転職の一歩を踏み出せないまま躊躇している方もいるかもしれません。
飲食業からの転職を成功させるためには、これまで培ったスキルを活かせる職種やおすすめの業界を知ることが重要です。
この記事では、飲食業界からの転職を検討している方に向けて、転職活動のポイントや転職活動のコツなどについて解説します。おすすめの転職エージェントも紹介するため、転職を考えている方はぜひ参考にしてください。
【参考記事】産業別の入職と離職|-令和3年雇用動向調査結果の概況-|厚生労働省
飲食業から転職したい!転職を希望する理由とは
飲食業を志望して入職する方が多いにもかかわらず、なぜ飲食業からの転職を希望する方もこれほど多いのでしょうか?その要因としては、厳しい労働環境や年収の低さなどが考えられます。
この章では、飲食業からの転職を希望する理由について解説します。
残業が多く労働時間が長い
近年、政策の一環として「働き方改革」が推進されており、長時間労働の解消もそのひとつとして取り組まれています。
労働基準法で定められた労働時間は一日8時間、週40時間です(労働基準法第32条)。また、特例によって、パート・アルバイトを含む常勤労働者が10人未満の飲食店の場合、週の労働時間は44時間とされています(労働基準法第40条)。
しかし、飲食業は業務の多さと少人数によるシフト制が影響して、長時間労働の解消は難しいのが現状でしょう。
実際、2017年に厚生労働省によっておこなわれた飲食店を対象とした調査によると、月の時間外労働時間が45時間を超える方は全体の14.4%、80時間を超える方は1.8%で、多くの方が長時間にわたる労働を余儀なくされているようです。
飲食店では、①開店準備、②営業時間内の労働、③閉店準備などの業務を分担して取り組む必要があり、特にスタッフ数が少人数の店舗の場合、1日12時間労働になるケースもあるでしょう。
残業の多さや労働時間の長さから、体力的に働き続けることが難しくなり、転職を希望する方もいると考えられます。
【参考記事】⑥時間外労働時間について|第4章 外食産業における労働時間と働き方に関する調査(2017年)|厚生労働省
土日に休めず有給取得も難しい
土日祝日は飲食業にとって稼ぎ時であるため、カレンダーどおりに休むのは難しいでしょう。年間の休日総数がほかの業種と同じくらいであれば納得できるかもしれませんが、現状はそうではないようです。
厚生労働省の調査結果によると、労働者一人あたりの年間休日総数は全産業の平均が113.7日であるのに対し、宿泊業・飲食サービス業は102.9日で最も休日が少ないことがわかります。
また、労働者一人あたりの年次有給休暇取得日数についても、産業全体の平均日数9日に対して、宿泊業・飲食サービス業の平均は5.2日で、全体で最も少ない結果となっています。
ほかの業種に比べて休暇取得が難しく休日が少ない点も、転職を検討する理由のひとつとなっているのでしょう。
【参考記事】平成 30 年就労条件総合調査の概況|厚生労働省
年収が上がりにくく将来が不安
2021年9月から2022年8月にかけて転職エージェント「doda」がおこなったdoda登録者約56万人を対象とした調査結果によると、全体の平均年収はおよそ403万円でした。
一方、小売・外食業は全産業の中で最も平均年収が低く、居酒屋・バーで勤務する方の平均年収は345万円、レストランで勤務する方の平均年収は340万円となっています。
年齢別の平均をみると、両業種とも40代まで働いてようやく平均年収を超えており、飲食業界は年収が上がりにくい傾向にもあるようです。
給与面での不満から、ほかの業種への転職を決断する方もいるでしょう。
【参考記事】年収の高い業種は?平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】(2022年)|doda
コロナによる業績不振
さらに、長期化するコロナ禍の影響を受けて、飲食業は厳しい経営を迫られているようです。
東京商工リサーチによる居酒屋チェーン上場主要14社に着目した集計によると、運営店舗総数がコロナ禍前の2019年12月時点では7,200店であったのに対し、コロナ禍の2021年12月にはおよそ2割減の5,844店に減っています。2021年3月と2021年12月の間には約300店舗が閉店しており、コロナ禍による業績不振が影響していると考えられます。
店舗の閉鎖や閉店で働く場所が無くなり、転職を余儀なくされている方もいるでしょう。
【参考記事】居酒屋運営の主要14社、コロナ前比で1356店が閉店 ”保守的”な店舗政策続く|東京商工リサーチ
飲食業界からの転職で活かせる経験・スキルは?
転職先を検討する際には、飲食業で培ってきたスキルや経験を活かせる道を見つけることが大切です。ここでは、飲食業で働いてきた方が転職活動の際に強みとしてアピールできる経験・スキルについて解説します。
コミュニケーション能力
飲食業で働いている方は、接客の経験が豊富にあるはずです。特に、長い間飲食業で働いてきた方は、相手に好印象を与えるコミュニケーションの方法や接客マナーが自然と身についているでしょう。
たとえば、クレームを受けたときに物怖じせず丁寧な説明や対応ができることは、飲食業で培ってきたスキルのひとつといえます。
また、さまざまな年代のスタッフと連携してお店を営業することで、チームワークを築くためのコミュニケーション能力も培われているでしょう。
お客さまのニーズを見抜く力
飲食業で働いている方は、これまでに顧客満足度を高めるためのさまざまな取り組みをしてきたはずです。たとえば、水のおかわりを求めているお客さまがいないか観察したり、子ども用の椅子や食器を必要に応じて提供したりと、常にお客さまのニーズをくみ取って対応してきたでしょう。
毎日の仕事を通じて身についた相手のニーズを見抜く力は、ほかの業種でも重宝されるスキルといえます。
料理や食材に関する知識
特に厨房で働いている場合、料理や食材に関する豊富な知識があるでしょう。
食材についてどのように調理するとおいしくなるのか、どのように保存すればよいか、仕入れにかかる費用はどのくらいかなど、料理や食材に関する豊富な知識もほかの業界で活かせるスキルです。
たとえば、食品開発や食品販売店など、飲食に関する業界への転職においてアピール材料になるでしょう。
飲食業界の経験者におすすめの転職先
飲食業で働いて培ってきたスキルや経験は、ほかの業種での仕事にも役立てられます。特に、前章で紹介したコミュニケーション能力や食品に関する知識を求めている企業であれば、転職活動を有利に進めていくことができるでしょう。
ここからは、飲食業で培ったスキルを活かせるおすすめの転職先を紹介していきます。
接客業
接客業は、人と関わるのが好きで高いコミュニケーション能力を有する方におすすめの職種です。
たとえば、以下のような仕事はお客さまとのコミュニケーションが好きな方に向いているでしょう。
- 店舗販売員
- コンビニ、スーパーマーケットのレジスタッフ
- 宿泊施設のフロントスタッフ
- スポーツジムなどの受付
- アミューズメント施設のスタッフ など
接客業の求人は一年をとおして多い傾向にあるため、自分に合った条件の仕事を探してみるとよいでしょう。
食品業界
料理や食材に関する知識を活かすのであれば、食品業界への転職という選択肢もおすすめです。
たとえば、食品メーカーで働きたいのであれば、飲食店などの外食産業や卸売業者に向けた営業部門も転職先として考えられます。特に食品業界の営業は、飲食業で培われた食材などの知識やコミュニケーション能力を十分に活かせるでしょう。
そのほかにも事務職や経理など、食品メーカーの求人は多岐にわたりますが、一部の求人には高い専門性が求められるため注意が必要です。
たとえば、研究開発部門は大学における農学・生物学・化学などの特定分野の専攻や、「商品開発経験3年以上」などの特定の経験が求められることもあります。
また、製造部門では生産ラインスタッフのマネジメント経験が必須である場合や、品質管理部門では菌・微生物検査の知識が必要となるケースもあるでしょう。
そのため、こうした専門性がない場合の転職は難しいかもしれません。
営業職
飲食業で培ったコミュニケーション能力や相手のニーズをくみ取る力は、金融関係や不動産関係、車の販売など、幅広い業界における営業職でも活かせるでしょう。
営業職は未経験でも応募可能な求人が多いため、転職のチャンスが大きい職種といえます。
飲食業界の経験を問わない転職先
飲食業で働いてきた経験に関係なく、まったく新しい職種に転職したい方もいるでしょう。この章では、飲食業界での経験を問わず採用の可能性がある転職先を3つ紹介します。
IT関連業界
急速な社会のデジタル化にともない、これから先もIT関連業界はさらに飛躍していくことが予想されています。
経済産業省の情報通信業基本調査によると、2020年度の情報通信業の売上高はおよそ53兆円です。また、2030年にはITエンジニアが最大でおよそ79万人不足する見通しとなっています。
IT関連業界は慢性的に人材不足であるため、転職先を見つけやすい可能性が高く、将来性にも期待できるでしょう。
ただし、プログラミング関連の知識やスキルを採用の条件としている企業もあるため、未経験であればプログラミングのスキルを習得してから転職活動をするのがよいでしょう。
中には、未経験でも入社後に研修を受けながらスキルを習得できる企業もあるので、未経験の場合にはそのような企業に応募するのもおすすめです。
【参考記事】
2021年情報通信業基本調査(2020年度実績)の結果を取りまとめました|経済産業省
図 3-11 IT 人材需給に関する主な試算結果①②③の対比|-IT 人材需給に関する調査- 調査報告書(2019年)|経済産業省
建設業界
国土交通省の「建設業を巡る最近の状況」によると、2023年には21万人程度の人材が不足すると見込まれています。IT業界と同様、建設業界も慢性的に人手不足であるため、未経験でも転職しやすい業界といえるでしょう。
職種も営業から設計、CADオペレーターなど多岐にわたりますが、未経験でも転職しやすい職種は営業職や建設現場を管理する施工管理です。
施工管理への転職に必要な資格はありませんが、転職後に建築施工管理技士や土木施工管理技士、電気工事施工管理技士などの資格を取得し、スキルアップや年収アップを目指す方もいるようです。
【参考記事】建設業を巡る最近の状況|国土交通省
介護業界
高齢化社会にともない人材が不足している業界として、介護業界が挙げられます。厚生労働省の発表によると、必要な介護職員の数は2025年度で約243万人、2040年度では約280万人です。不足数は2025年度で約32万人、2040年度は約69万人と推計されており、長期にわたって人材不足が予想されているため、未経験でも転職のチャンスが広がっているといえるでしょう。
資格や経験がなくても介護士にはなれますが、仕事をしながら介護福祉士の資格を取得すると業務の幅が広がります。応募の際には、未経験者向けの研修制度などが整っている施設を選ぶのがよいでしょう。
【参考記事】第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について|厚生労働省
飲食業界から未経験業種への転職を成功させるコツ
自分一人で転職活動を進めていこうとすると視野が狭くなり、志望企業や志望業界が求める人物像もわからないまま間違った方向に進んでしまう可能性があります。その結果、求められているスキルや経験をうまく選考過程でアピールできず、転職に失敗してしまうかもしれません。
飲食業界から未経験業種へ転職を希望しているのであれば、どんな点がアピールポイントになるのか、また、どんな人材が必要とされているのかについて、プロのアドバイスを受けるのがおすすめです。
後ほど詳しく説明しますが、転職エージェントを利用すると、幅広い求人情報が手に入ったり転職活動のサポートが受けられたりするため、転職活動を円滑に進められる可能性を高められるでしょう。
内定を受けても必ず転職しなければいけないわけではないので、まずは試しに転職エージェントに登録しておくことが未経験業界への転職を成功させるコツといえます。
飲食業界から転職活動を成功させるための面接準備
転職を成功させるためには、自分のやりたいこと・得意なことと企業が求める経験・スキルが、マッチしているかどうかが大切なポイントになります。そして、自身が企業の求める人物像に合っていることを面接や職務経歴書でわかりやすく伝えることが重要です。
まずは自分自身をしっかり見つめ直すとともに、企業の情報収集を積極的におこなってください。この章では、面接に向けて準備するうえでのポイントを解説します。
自己分析をしてアピールポイントを見つける
自己分析とは、自身のこれまでの経験や性格、成功体験などについて振り返り、長所や短所、思い描く将来像、理想の働き方などについて把握するためのプロセスです。
転職活動前に自己分析を十分におこなうことで、自身のアピールポイントや希望条件が明らかになり、軸をもって転職活動に取り組めるようになります。
自己分析にしっかり取り組んでいると、たとえば志望動機を尋ねられた際にも、自身のアピールポイントと企業の求める人物像を絡めながら、説得力のある理由を述べられるでしょう。「残業が嫌だから今の仕事を辞めて、残業のない企業で働きたい。」と退職理由を正直に話しても、面接官に良い印象は与えられません。
特に、自分がどんな人にどのように貢献していきたいのか、また、5年後・10年後にどのように成長していきたいのかという点について、しっかりと深掘りしていきましょう。
たとえば、自己分析から自身のアピールポイントを導き出すと、以下のような志望動機を述べられるようになります。
(例1)
人と関わるのが好きで、飲食店の仕事では地域の方たちの顔を覚えて毎日コミュニケーションをとることにやりがいを感じていました。高年齢化していく地域の方たちを今後は健康面から支えたいと考え、スポーツジムのインストラクターとして働くことを志望しました。
(例2)
5年間調理スタッフとして勤務する中で、食材の安全性に興味をもち始めました。食品衛生管理者の資格を取得して、専門的な知識をもとに消費者の安全な食事を守りたいと考え、食品衛生管理者の資格取得制度が整っている御社での勤務を希望しました。資格取得後は御社の商品を衛生面から支え、貢献していきたいと考えています。
念入りに自己分析を進めることで、経験やアピールポイントとともに筋道立てて志望動機を答えられるようになります。
職務経歴の棚卸しからもアピールポイントは見つかる
自己分析をしたあとは、これまでの職務経歴を振り返って自身のアピールポイントを探してみましょう。まずは大まかな業務を書き出してみて、それから業務ごとの日々のタスクや工夫していたこと、成功・失敗したこと、具体的な数字を交えた成果について細かく振り返ります。
職務経歴の棚卸しをする際に特に注目したいのは、「与えられた業務や目標に対し、どのような創意工夫をおこなったか」という点です。受け身ではなく能動的に仕事をしてきたことが面接官に伝われば、「目標達成のために工夫しながら臨機応変に対応できる人」として高評価を受けられるはずです。
以下は、職務経歴の棚卸しから得られたアピールポイントの例です。
(例)
ホールリーダーとして勤めていた飲食店ではホールスタッフの離職率が高く、お客さまにリピートしてもらえない原因は一人ひとりの接客スキルの低さにあると考えました。スタッフの定着率を上げるためにスタッフ同士のコミュニケーションの機会を増やし、不満点から些細なアイディアにまで耳を傾けることを意識した結果、スタッフの離職率が下がるとともに志気の向上にも成功しました。最近では「おもてなしを感じられるレストラン」との口コミをもらえるまでになり、売上も前年同時期比120%にまで上がりました。
仕事上でぶつかった壁や課題に対する解決策、実際におこなった工夫やその結果について具体的に述べると、仕事に誠実に向き合う人物であることを面接官に印象づけられるでしょう。
企業情報をしっかりと把握する
ひと昔前まで求人情報を得る手段はチラシやハローワークなどに限定されていましたが、今では転職サイトや転職エージェントから膨大な量の求人情報を得られるようになりました。
ただし、一度に得られる情報量が多すぎて、軸をもたずに闇雲に求人情報を見ていると情報に埋もれてしまう可能性があります。
自己分析と職務経歴の棚卸しを十分におこなうことで、自身が志望する求人を絞りやすくなっているでしょう。
条件に合う求人が見つかったら、企業理念や仕事内容、求める人材、年収、休日、福利厚生などの詳しい企業情報をしっかり調べて、自身の希望とのマッチ度を確認したうえで面接に臨むことがポイントです。
転職サイトだけでなく、興味をもった企業のWebサイトやSNS、会社四季報、新聞などを見てみると、企業の理念や売上高、主力商品、将来性、在籍社員の声などの詳しい情報を得られます。
また、社員同士の人間関係や労働環境など、転職サイトや企業のWebサイトには掲載されていない情報については、口コミサイトで調べてみると掲載されていることもあります。ただし、口コミはあくまでも一個人の意見であるため、参考程度に留めるように注意してください。
企業情報を詳しく調べたうえで面接に臨むと、面接官の心に残りやすい志望動機を述べられるだけでなく、転職後のギャップを最小限に抑えられる効果にも期待できます。
実際に働いてみて、「想像していた企業と違った」「こんなに休日出勤が多いとは知らなかった」と後悔しないよう、徹底的に情報収集しましょう。
なお、転職エージェントを利用していると、企業が求める人物像や職場環境について詳しく教えてもらえることもあります。
年代別転職活動の注意点
同じ飲食業で働いていた方でも、年代によって転職への考え方や取り組み方が変わってきます。ここでは、20代、30代、40代でそれぞれどこに注目して応募企業を探すべきか紹介します。
20代は他業種へ転職するチャンス
20代はポテンシャルの高さを見込んで採用されるケースが多いため、飲食業以外の未経験業種であっても転職できる可能性が高いでしょう。飲食業の将来性に不安を感じるのであれば、思い切ってまったく別の業種に転職するのもひとつの選択肢です。
20代は定年までに十分な時間があるため、将来的なキャリアアップを狙った転職も可能です。飲食の仕事に留まるメリットと転職するメリットを天秤にかけて、もし転職するメリットが上回っていると感じるのであれば、自分がやりたい仕事を見つけて転職するチャンスの年代ともいえます。
30代・40代は即戦力を求められる
30代・40代となると、即戦力に期待されて採用される傾向にあります。未経験でも採用されやすい業界を除き、飲食業で培った経験やスキルを重視される可能性が高いでしょう。
そのため、自己分析や職務経歴の棚卸しで自身のアピールポイントを明確にし、「求める人材とマッチしている」と面接官に納得してもらう必要があります。
これまでの経験を活かしてキャリアアップしていきたいのであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談し、経験やスキルが活かせる求人の紹介を受けるのもひとつの方法です。
転職先で即戦力として活躍することが厳しいと感じる場合は、未経験者を積極的に採用している業種や飲食業界内での転職も視野に入れて検討しましょう。
なお、現在の職場で働き続けてマネジメントスキルを身につけると、転職で有利になる可能性があります。
将来的な転職を目指して現職でスキルアップするのも、選択肢のひとつといえるでしょう。
転職活動を有利に進めるための転職エージェント
転職活動を有利に進めていくのであれば、転職支援のプロである転職エージェントの力を借りるのがおすすめです。
転職エージェントに登録すると、希望条件に合う求人が出た際に知らせてくれるほか、自己分析や職務経歴書の作成を手伝ってくれたり、面接のアドバイスを受けられたりなど、多数のメリットがあります。
中には求人情報だけでなく、求人票からは読み取れない職場環境や雰囲気まで詳しく教えてくれるエージェントもあるため、転職活動の際に登録しておいて損はないでしょう。
なお、転職エージェントによって得意な職種や年代、地域に差があるので、3社程度に登録して利用するのがおすすめです。
他業種への転職なら
飲食業からまったく別の業種への転職を希望しているのであれば、「リクルートエージェント」「マイナビエージェント」「doda」などの大手転職エージェントにまずは登録しましょう。大手のエージェントは保有求人数が圧倒的に多く、それだけ転職のチャンスを広げられるからです。
以下では、各エージェントのそれぞれの特徴や強みについて紹介します。
リクルートエージェント

求人情報量で他の転職エージェントを圧倒しているのは、株式会社リクルートが運営するリクルートエージェントです。
2023年3月30日時点の公開求人数は約36万件もあり、さまざまな業種の求人から希望に合った仕事を見つけられるはずです。
また、一般には公開されていない非公開求人も約27万件あるため、リクルートエージェントに登録しておけば転職のチャンスが広がるでしょう。
各業界の採用事情に詳しいキャリアアドバイザーが、経験やスキルにマッチする求人を紹介してくれるので、未経験の業種でも安心して転職活動を進められるはずです。
公開求人数 | 36万5,610件 (2023年3月30日時点) |
非公開求人数 | 26万8,817件 (2023年3月30日時点) |
対象地域 | 全国 |
運営会社 | 株式会社リクルート |
公式サイト | https://www.r-agent.com/ |
マイナビエージェント

2023年オリコン顧客満足度ランキングで第1位を獲得している(※)のが、マイナビエージェントです。
高い満足度の理由は、充実した転職サポートにあります。マイナビエージェントでは、各業界の転職事情に詳しいキャリアアドバイザーだけではなく、企業の人事担当者とやり取りをしている企業担当アドバイザーからも転職支援を受けられるため、マッチ度の高い転職を実現できる可能性を高められるでしょう。
職務経歴書の添削から面接練習まで手厚くサポートしてくれるので、初めての転職活動でも安心して取り組めるはずです。
※マイナビエージェントの公式サイトより
公開求人数 | 4万5,616件 (2023年3月30日時点) |
非公開求人数 | 1万8,136件 (2023年3月30日時点) |
対象地域 | 全国 |
運営会社 | 株式会社マイナビ |
公式サイト | https://mynavi-agent.jp/ |
doda

保有公開求人数は19万件以上、非公開求人と合わせると約22万件を超える(2023年3月30日時点)情報量を誇るのが、パーソルキャリア株式会社が運営するdodaです。
dodaの特徴は、転職サイトと転職エージェントの両方の要素を兼ね備えていることです。自分で求人に応募して転職活動を進めたい方は転職サイトとして、キャリアアドバイザーの転職サポートを受けたい方は転職エージェントとして使い分けでき、自身のニーズに合わせて転職活動を進められます。
また、仕事が忙しく転職活動に時間を割けない方は、スカウトサービスに登録すると企業から直接オファーを受け取れます。登録は無料で、場合によっては書類選考免除の求人オファーを受けられることもあるため、登録しておいて損はないでしょう。
公開求人数 | 19万599件 (2023年3月30日時点) |
非公開求人数 | 3万8,861件 (2023年3月30日時点) |
対象地域 | 全国 |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
公式サイト | https://doda.jp/ |
飲食系で好条件の転職先を探すならおすすめの転職エージェント
転職活動をしているうちに、他業種への転職ではなく、同じ飲食業での転職を希望するようになった方もいるでしょう。ここでは、飲食業界内での転職に役立つ3つの転職エージェントを紹介します。
クックビズ

クックビズ(cookbiz)は、飲食業の求人・転職に特化した転職エージェントです。
2023年3月30日時点で、全国およそ3万件もの飲食業の求人情報が掲載されています。
勤務地で求人を検索できるほか、ホールスタッフやキッチンスタッフ、店長、栄養士といった職種での検索も可能なうえ、フレンチやイタリアン、寿司などの料理ジャンルでも求人を絞り込めます。
クックビズのキャリアアドバイザーはお店の内情にまで精通しているので、求人票かからは読み取れない職場の労働条件や労働環境についても教えてもらえるでしょう。
また、Web履歴書を登録すると興味をもった企業から直接スカウトを受けられる「クックビズスカウト」の機能を活用すれば、これまでの経験やスキルを活かせるお店に出合えるチャンスを高められるかもしれません。
公開求人数 | 2万9,306件 (2023年3月30日時点) |
非公開求人 | あり |
対象地域 | 全国 |
運営会社 | クックビズ株式会社 |
公式サイト | https://cookbiz.jp/ |
フーズラボエージェント

クックビズと同様、飲食業の求人・転職に特化している転職エージェントにフーズラボエージェントがあります。
年間2万人を超える転職相談実績(※)があり、年代別の登録求職者の割合は20代が35%、30代が32%、40代が21%(※)となっています。実績をもとに、30代・40代の転職活動もサポートしてくれるでしょう。
また、フーズラボエージェントを利用して転職した方のうち、72%が転職後の年収アップに成功(※)しています。全体の66%が年収400万円以上を実現(※)できており、現職よりも好条件の職場に転職できる可能性もあるでしょう。
(※)フーズラボエージェントの公式サイトより
公開求人数 | 6,144件 (2023年3月30日時点) |
非公開求人 | あり |
対象地域 | 全国 |
運営会社 | 株式会社クオレガ |
公式サイト | https://foods-labo.com/ |
itk

飲食業界での転職を目指すなら、itkの利用もおすすめです。飲食業界専任のキャリアコンサルタントが応募書類作成の手伝いをしてくれるうえ、面接のアドバイスや入社後のサポートも受けられるため、初めての転職活動でも心強いでしょう。
牛角や安楽亭、TORIDOLL、物語コーポレーションなどさまざまな企業への転職実績があり、希望する飲食企業があれば推薦してもらえる可能性もあります。気になる企業があればぜひ登録しておきましょう。
求人数 | 1万件以上 (itkの公式サイトより) |
非公開求人 | あり |
対象地域 | 全国 |
運営会社 | 株式会社itk |
公式サイト | https://i-t-k.co.jp/ |
まとめ
飲食業から転職する際は、同業種・異業種かかわらず、自己分析を十分におこなったうえで自身のアピールポイントやスキルを把握することが大切です。
一人で転職活動を進めていて行き詰まってしまった場合は、転職エージェントの力を借りるのがおすすめです。キャリアアドバイザーとともに自己分析や職務経歴の棚卸しをすれば、客観的な視点から自身のアピールポイントに気づくことができ、転職成功の可能性を高められるでしょう。
他業種への転職や飲食業界内でのステップアップ転職など、目指す方向に沿った転職エージェントにまずは登録し、思い描いた転職を実現してください。