保育士の資格や経験を活かせる職場は保育園だけではありません。

保育園以外の施設や一般企業でも、保育士の資格や経験を活かせる仕事は多く存在します。

そこで本記事では、保育士の資格や経験を活かして働ける仕事を全部で29個紹介します。

意外性のある職場も紹介するので、転職を検討している方は職場探しの参考にしてみてください。

関連記事：保育士転職エージェントおすすめ比較22選｜求人数や口コミも紹介！

保育士の意外な職場先【保育園以外の施設】

まずは、保育士の資格や経験を活かせる保育園以外の施設を18個紹介します。

それぞれの仕事内容や保育士の経験が活きるポイントを解説します。

インターナショナルプリスクール

インターナショナルプリスクールは、日本人の子どもを対象で英語の習得を目的とした保育施設です。

プリスクールでは、英語圏の保育を再現し、海外の文化や習慣に触れる機会を提供しています。

日常会話には英語が使われるので、英語力がある方は能力を活かせるでしょう。

ベビーシッター

ベビーシッターは、依頼者の自宅や指定された場所で子どもを預かるサービスです。

預かる子どもの人数は、きょうだい児を除けば基本的にひとりです。

1対1でゆったり子どもと関われるので、1対多の関わりが求められる保育園とは異なる働き方ができます。

ベビーホテル

ここでいうベビーホテルは、夜8時以降開園していて宿泊をともなう保育施設を指します。

夜勤の仕事や急な予定で、夜間子どもを見ているのが難しい保護者の代わりに子どもを預かります。

保育士は基本的に夜勤のシフトです。主な仕事内容は、子どもたちの食事や入浴、寝かしつけなど入眠までのサポートです。

安心して子どもたちが過ごせるように、細やかな配慮をする必要があります。

託児所

託児所は、一時的に子どもを預かる施設です。

託児所は商業施設やホテルなどに設置されており、利用者が用事を済ませている間に子どもを預かります。

慣れない環境に不安を感じる子どもは多いです。保育士の経験を活かせば、子どもが安心できる環境を作れるでしょう。

放課後デイサービス

放課後デイサービスは、障がいがある6〜12歳の子どもが放課後や休日に利用する施設です。

受け入れ対象となる障がいの種類は、各施設によって異なり、身体障がい、知的障がい、発達障がい、ダウン症などが含まれます。

個別支援計画にもとづき、子どもたちの年齢や障がいに応じた活動やケアを提供します。

近くで成長を見守れるため、やりがいを感じられるでしょう。

関連記事：放課後等デイサービスの仕事はきつい？職員が悩む9つの場面と得られるやりがいを解説

児童発達支援施設

児童発達支援施設とは、障がいがある0〜6歳までの未就学児が、療育的ケアや日常生活の自立を目的に通う施設です。

受け入れ対象となる種類は、各施設によって異なります。

身体障がい、知的障がい、発達障がい、ダウン症などの子どもが利用しています。

保育士は、衣服の着脱や食事など自立に向けたサポートをおこないます。

重症心身障がい児施設

重度心身障がい児施設は、重度の身体障がいや知的障がいの合併があり、一人での日常生活を送るのが難しい満18歳までの子どもが通所する施設です。

障がいの程度はさまざまです。人工呼吸器や医療用チューブを使用する医療が必要な利用者や、医療行為は不要でも日常生活全般の介助が必要な方もいます。

利用者は言語や脳機能の障がいにより会話ができない方も多いです。

子どものふとした言動から意図を読み取ってきた保育経験が、ここで活かせるでしょう。

産婦人科・助産施設

産婦人科や助産施設でも保育士は活躍できます。

保育士は、生まれた赤ちゃんの全身ケアや沐浴練習のレクチャーなどを担当します。

上の子どもとの関わり方や子育てにおける不安などの相談も受けます。保護者対応の経験が、妊産婦への助言や支援に役立つでしょう。

学童保育

学童保育は、親が仕事や用事で子どもと過ごせない場合に、小学生が放課後や休日に利用する施設です。

保育士は、子どもの宿題や遊びを見守ります。ときに主活動を計画して実施したり、地域との交流を図ったりします。

生活習慣が自立している子どもも多いので、保育園の子どもほど手がかからず体力的負担が少ないです。

子育て支援センター

子育て支援センターは、子育て中の親が交流できる場を提供している施設です。

子ども向けや親子向けのイベントを開催して、集いやすい環境を整えています。

子育て中の親は不安や悩みが多く、誰かに相談できる場所や悩みを共有できる場所を求めています。

保護者対応の経験を活かせば、気持ちに寄り添った支援ができるでしょう。

乳児院

乳児院は、原則として1歳未満の乳児を対象に、保護者の経済的理由や虐待により養育が困難になった子どもを保護・養育する施設です。

24時間体制で運営しているので、シフト制で勤務する形態が多いです。

保育士の仕事は、食事や睡眠、入浴など生活全般のサポートです。子どもたちの健全な成長のために、要求に応えたり、スキンシップを多くとったりします。

児童養護施設

児童養護施設は、原則1〜18際までの子どもが、保護者の経済的理由や虐待により養育が困難になった子どもを保護・養育する施設です。

乳児院と同様に、24時間体制で運営しているのでシフト制での勤務が一般的です。

保育士の仕事は、生活習慣の自立サポートや、安心して子どもたちが過ごせる環境づくりの提供です。

幅広い年齢の子どもたちが生活しているので、個々の発達段階に配慮した関わりが大切です。

院内保育園

院内保育は、病院内またはその近辺に設立された保育園で、医療従事者の子どもを中心に預かっています。

24時間体制で運営している病院では、保育士は夜勤を含めたシフト制で勤務するケースが多いです。

預かり時間は保護者の勤務時間に合わせておりバラバラなので、行事を開催しない保育園もあります。行事の準備に追われない環境が魅力です。

企業内保育園

企業内保育園は、企業内またはその近隣に設立された保育園で、企業で働く従業員の子どもを中心に預かっています。

24時間体制で運営している企業では、保育士は夜勤もあります。

従業員のシフトに合わせて子どもを預かるので、子どもたちの登園時間はバラバラです。

院内保育同様に、全体での活動が難しく行事が少ない保育園も多いです。

小規模保育園

小規模保育園は、原則0〜2歳児の子どもを対象とした保育園で、定員が6〜19人の保育園です。

少人数制の保育なので子どもとゆったり関われます。

対象年齢も低いので、大きな行事や大掛かりな活動はありません。行事や活動の準備に手間がかからない労働環境が魅力です。

病児・病後児保育施設

病児・病後児保育施設は、病気または病気の回復期において、保育園への登園が難しい子どもが利用する施設です。

保育士は看護師と連携し、子どもの体調管理をおこないながら保育します。安静が求められるので、活発に体を動かす活動は基本的にありません。

落ち着いた雰囲気の中での保育をしたい方に合っている環境といえます。

認定こども園

認定こども園は、保育園と幼稚園の両方の機能をもつ施設です。

認定こども園は、保育園のニーズを満たす環境が求められているため、開園時間は原則11時間です。運営形態は保育園に似ているといえます。

認定こども園で働くには「保育教諭」になる必要があります。

幼稚園

幼稚園は就学前教育を目的とした施設です。

遊びや学習カリキュラムをとおして、学校教育の基礎をつくります。教育時間の標準は4時間で、保育園よりも子どもたちと過ごす時間が短いです。

幼稚園で働くには幼稚園教諭の資格が必要です。大学や専門学校で保育士資格と合わせて幼稚園教諭を取得している方は、幼稚園で働く選択肢も考えられるでしょう。

幼稚園は小学校と同様に、夏休みや冬休みがあります。長期休みに憧れがある人にとって、魅力的な職場といえます。

参考記事：幼稚園教諭の仕事内容とやりがい｜どのような人が向いているかも解説

保育士の意外な職場先【一般企業】

保育士の経験を活かして働ける一般企業を7つ紹介します。

保育施設以外の職場に目を向ければ、あなたにとって意外な転職先が見つかるでしょう。

参考記事：保育士から一般企業に転職できる？おすすめの職種や注意点も解説

託児業務付きのサービス業

サービス業では、託児ルームが備わっている店舗もあります。

大人がサービスを受けている間、担当スタッフが子どもを見守ります。

託児所専門スタッフとして雇われるケースと、受付との兼業で働くケースがあります。利用者の自分の時間を有意義に過ごす姿を見て、やりがいを感じやすいです。

子ども用品売り場

子ども用品売り場のスタッフとして働くと、買い物に来た子どもや親との交流を楽しめます。

保育の知識を活かして、年齢や発達に合う商品を提案できます。

幼児向け教室

幼児向け教室の講師は、子どもの成長や学びに携われる仕事です。

保育士の経験を活かせば、効果的な声かけや働きかけができ、子どもの能力を伸ばせます。

自信をつける子どもたちの姿を見て、やりがいを感じられるでしょう。

子ども向けの写真館

保育士の経験は、子ども向けの写真館でも活かせます。

写真館にくる子どもたちは、慣れない場所に緊張して、表情が強張ったり、泣いたりする子も多いです。保育士は、子どもの心を掴む技術があり、笑うポイントも知っています。

テーマパーク

テーマパークのスタッフは、来場客が楽しく過ごせるようにサポートするのが仕事です。

家族も多く訪れるので、子どもとの交流を楽しむ機会もあります。

保育士は、子どもを笑顔にする声かけや働きかけを知っています。スキルや経験を活かせば、子どもたちの思い出づくりに貢献できるでしょう。

保育園を運営する本社

保育士の経験は、保育園を運営する本社での業務に活かすこともできます。

裏方で現場の職員を支える仕事に、やりがいを感じられます。

保育士の就職・転職をサポートする人材会社

保育士向けの人材会社で、キャリアアドバイザーとして働く選択肢もあります。

保育士の経験から、求職者の不安や悩みをよく理解できます。ニーズを把握したうえで、希望条件に合う求人を紹介できるでしょう。

保育士の経験を活かして在宅で働ける職種を4つ紹介します。

ひとつずつ見ていきましょう。

保育ママ

保育ママは、自宅の一部を解放して、0〜2歳の子どもを預かるサービスのことです。

保育ママは、自治体の審査に合格すれば始められます。

何かあれば自分に全て責任がおよぶので、プレッシャーが大きい仕事です。ただし、周囲と足並みを揃えて行動する環境から解放され、働きやすいさを感じやすいです。

幼児教室の先生

特技や得意分野があれば、自宅で幼児教室を開き、教室の先生として働く道もあります。

保育士の経験を活かせば、子どものやる気をうまく引き出しながら指導できます。

子どもが成長したり、自信をつけたりする姿を見てやりがいを感じられるでしょう。

保育系の事業家

発信力やコミュニケーション能力がある方は保育系の事業家に向いています。

事業家が成功するのは、周りのサポートがあってこそです。人を大切にできる人は、事業家として長期的に活躍できます。

保育関連のクリエイター

保育の知識や経験を活かして、保育関連のクリエイターとして活躍する選択肢もあります。

コツコツ作業をするのが向いている人は、クリエイター職が向いています。

以下の記事ではフリーランス保育士の働き方について詳しく解説します。仕事内容や収入面が気になる方はチェックしてみてください。

関連記事：フリーランス保育士の働き方4選｜仕事内容や収入、独立するリスクを徹底解説

保育士が意外な職場への転職を成功させる3つのコツ

保育士が意外な職場への転職を成功させる主なコツを3つ紹介します。

未経験の職種への転職に失敗しないように、ポイントをおさえておきましょう。

職種の情報を事前リサーチする

未経験の職種に転職するなら、仕事内容や待遇などのリサーチが大切です。

十分に調べないまま転職をすれば、期待とのギャップが生まれ、ミスマッチのリスクが高まるためです。

「思っていたのと違った！」と転職で後悔しないように、念入りに情報収集しましょう。

転職するデメリットの部分にも目を向ける

転職したからといって現職の悩みが完全になくなるとは限りません。

以下のように、新たな課題に直面する可能性もあります。

転職には必ず妥協点があります。転職するデメリットの部分に目を向け、冷静に判断する姿勢が大切です。

転職エージェントを利用する

未経験の職種に転職するなら、転職エージェントの利用をおすすめします。

転職をサポートするキャリアアドバイザーは職種に精通しており、具体的な仕事内容や職場の雰囲気を知っています。

情報を教えてもらえば不透明な部分がクリアになり、転職への不安が和らぐでしょう。

書類添削や面接対策などのサービスも受けられます。あなたの保育士経験やスキルの魅力が引き立つよう、魅力的な自己PRを一緒に考えてくれます。

保育業界への転職なら、保育士に特化した転職エージェントを利用するのがおすすめです。

専門性があるからこそ保育業界からの信頼が厚く、好条件な求人が見つかりやすいです。

意外な職場で働きたい保育士におすすめの転職支援サービス3選

保育業界への転職におすすめの転職エージェントは、以下の3つです。

どのサービスがどんな求人を紹介してくれるかわからないため、3社とも登録して情報収集しましょう。

関連記事：保育士転職エージェントおすすめ比較18選｜求人数や口コミも紹介！

保育士ワーカー

保育士ワーカーは、転職のプロによるトータルサポートが受けられる転職支援サービスです。

プロフィールを作成すると、あなたに興味をもった企業からスカウトが届きます。保育園以外の施設で積極的に保育士採用をおこなっている企業は多くあります。思わぬ企業からオファーがくる可能性もあるので転職活動の幅が広がるでしょう。

入社後のフォローも万全なので、未経験の職場に転職しても相談できる環境があり安心です。

保育士人材バンク

保育士人材バンクは、上場企業のエス・エム・エスが運営する転職支援サービスです。

保育士が活躍できる幅広い職種が掲載されており、柔軟な視点をもって転職先を探せます。保育園以外の施設への転職を検討している方は、登録して求人を見せてもらいましょう。

実際に働いている人の口コミもチェックできるので、職場のリアルな情報もわかります。

レバウェル保育士

レバウェル保育士は、スカウト機能のも活用できる転職支援サービスです。待っているだけで企業からオファーが届くので、転職活動の幅を広げられます。

レバウェル保育士は、一般公開されていない非公開求人を多く保有しています。非公開求人の中には高収入・高待遇の求人も多いため、納得のいく職場が見つかる可能性が高いです。

現職の保育園よりも良い条件の職場を探したい方は登録して、求人を見せてもらいましょう。

意外な職場で働きたい保育士から寄せられるよくある質問

最後によくある質問と回答をまとめます。

保育士をやめた人の退職理由が知りたいです

以下は、厚生労働省が公表している保育士の退職理由の調査結果です。

もっとも多かった回答は「職場の人間関係」でした。次で「給料の安さ」「仕事量の多さ」が退職理由の上位を占めています。

出典：厚生労働省｜保育士として就業した者が退職した理由

職場の労働環境や待遇の条件に不満を抱えて辞める保育士が多いようです。

以下の記事では、保育士の離職率や辞めたくなる理由をまとめています。

辞めたいと思う保育士の気持ちについて詳しく知りたい方は合わせてご覧ください。

関連記事：保育士を辞めたい！よくある理由や退職を伝えるタイミング

保育士が人気がなく嫌がられている理由は何ですか？

そもそも保育士は、人気がなく嫌がられている職種ではありません。

保育士の仕事にやりがいをもって働いている方は多くいます。

ネガティブなイメージがあるのは、保育士は全職種と比較して給与水準が低く、体力的にもきつい仕事であるのも原因のひとつです。

以下の記事では、保育士の仕事のきつさについて詳しく解説しています。詳細が気になる方はチェックしてみてください。

関連記事：保育士の仕事はきつい？8つの原因と辛くなったときの対処法を解説！

保育士が活躍できる意外な職場を見つけてあなたらしく働こう！

保育士は保育園以外にも活躍できる場所は多くあります。

視野を広げて探してみると、保育士の資格や経験を活かせる意外な職種が見つかります。

職種や環境を変えることで、新しいやりがいや、成長の可能性を発見できるチャンスが広がります。

保育園で働くのが難しいと感じている方は、本記事で紹介した意外な職場への転職も検討してみてください。

未経験の保育業界に転職するなら、転職支援サービスの利用がおすすめです。

業界、職種に精通したキャリアアドバイザーが、気になる職場の仕事内容や雰囲気などを教えてくれます。

企業の事前リサーチを徹底できるため、ミスマッチの少ない転職を実現できるでしょう。