ものづくりの仕事に関心をもつ方のなかには、どのような職種があるのか、また40代未経験でもその分野で働けるのかといった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

私たちの日常生活で欠かせないさまざまな製品は、製造業からIT業界に至るまでの幅広いものづくりの仕事によって生み出されています。

この記事では、40代未経験でもものづくりの仕事に転職するためのポイントについて詳しく解説しています。

ものづくりの分野への転職を検討している方にとって有益な情報が満載ですので、ぜひ参考にしてください。

関連記事：40代向けのおすすめ転職サイト13選！40代の転職事情や注意点まで解説

関連記事：40代向け転職エージェントおすすめランキング！全11社の人気サイトを徹底比較

ものづくりの仕事とは？

ものづくりの仕事とは、専門技術を駆使してさまざまな製品を創造する仕事のことです。

ものづくりと聞くと、製造業や職人のイメージが強いですが、IT業界やクリエイティブ分野なども幅広く含まれています。

さらに、製品を直接作る仕事だけでなく、企画、開発、管理、マーケティングなど、製品制作に間接的に携わる職種も多く存在します。多様な業界が存在するため、キャリアの選択肢も豊富です。

ものづくりの仕事の種類

ものづくりの仕事として一般的に知られるのは製造業ですが、最近ではITやテクノロジーの分野でも重要な役割を担っています。

製造系

製造系と聞くと、多くの方が工場での自動車製造などを思い浮かべるかもしれません。

しかしながら製造に関わる業務だけでなく、製品開発や生産計画、そして企画などの仕事もあります。商品の販売に至るまでのプロセスに関わる全ての職種がものづくりの仕事に含まれます。

職種と業界の範囲は広く、食品、電子部品、化学品など多岐にわたるため、自分の興味に合った分野で働くことができるでしょう。

IT系

IT企業も、ものづくりをする企業のひとつです。

Webサイトやアプリの開発、スマートフォンや電子マネーのセキュリティ対策、さらには情報処理といった業務がIT業界のものづくりに該当します。

職種としては、Webデザイナー、エンジニア、プログラマーなどがあります。

これらの仕事は専門性が求められる分野だと考えられがちですが、エンジニア不足により未経験者でもチャンスがある業界といえるでしょう。

建設系

建設系では、建築や土木工事などが主な仕事です。震災復興やインフラ更新など、需要が高い分野だとされています。

高齢化による人手不足もあり、未経験者にとっても参入しやすい特徴があります。

道路、橋、トンネルなどの重要な構造物を手がけることは、未来に残る価値ある仕事だといえるでしょう。

職人系

職人の仕事は、多くの方がものづくりの代表例として思い浮かべるでしょう。職人になるためには、技術を身につけるために専門学校におこなったり、経験を積むためにプロのもとで修業したりする方が多いです。

長い下積み期間を経て、独立して自分の店を持つことも可能です。

定年がなく、一生続けられる仕事でもあります。性別や年齢に関係なくおこなうことができる点も職人の仕事の魅力だといえるでしょう。

クリエイティブ系

独創的なアイディアと高度なスキルで、デザインやゲーム制作などの表現活動をおこなうのがクリエイティブ系の仕事です。

さまざまな業界と職種にわたり、新しいものを作り出して提供します。

ものづくりの仕事のメリット

ものづくりの仕事には、多くのメリットがあります。

• 手に職がつく
• スキルアップしやすい
• 未経験でも可能
• 達成感を得やすい
• 国からの支援がある
• AIで代替しにくい

主な6つのメリットについて、一つずつみていきましょう。

手に職がつく

手に職がつくことは大きな利点です。専門知識や高度な技術が身につくと、転職や独立の選択肢が広がります。

また手に職があると、仕事のブランクがあっても再就職しやすくどこでも働くことが可能です。

高度な技術を習得することで、収入の増加や定年後の再雇用の可能性も高まるでしょう。

スキルアップしやすい

ものづくりの仕事では、地道な努力と経験を積むことで徐々にスキルが向上します。

多くの企業が研修制度を提供し、スキルアップを支援しているので、働きながら資格を取得することも可能です。

スキルアップを望む方にとって働きやすくなっている環境も、メリットのひとつだといえるでしょう。

未経験でも可能

ものづくりの仕事には専門スキルを必要とするものが多いですが、学歴や過去の経歴はあまり問われません。このため、未経験でも挑戦しやすくスキルアップが可能です。

教育体制が整っている業界も多く、専門性の高い職種でも未経験から始めやすい環境が整っています。

達成感を得やすい

自分の手で作ったものが形になり、その成果や影響が直接感じられることが多いので、ものづくりの仕事では達成感を得やすいといえます。

自分の仕事が誰かの生活に役立っていることを実感できるため、モチベーションが高まるでしょう。

国からの支援がある

ものづくりの仕事は、国からの助成金などを通じて、積極的な支援を受けています。

たとえば、厚生労働省の「若年技能者人材育成支援等事業（ものづくりマイスター制度）」は、若い技能者の育成を目的としています。また、中小企業庁の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、設備投資を支援してくれるのです。

このように、ものづくりの仕事は国からのバックアップも期待できるでしょう。

【参考記事】
若年技能者人材育成支援等事業（ものづくりマイスター制度）
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

AIで代替しにくい

AIの発達にも関わらず、ものづくりの仕事がなくなる可能性は低いとされています。

AIが得意とする定型的な動きとは異なり、ものづくりの仕事は新しいアイディアの創出やトラブル対応など、人間特有の能力が必要な場面が多いからです。

そのため、将来的にもものづくりの仕事は比較的安定しているといえるでしょう。

ものづくりの仕事のデメリット

先に述べたように、ものづくりの仕事にはたくさんのメリットがある一方、デメリットもあります。

• 下積み期間が長い
• 景気に左右されやすい
• 人間関係が特殊

先ほど紹介したメリットと合わせて、ぜひ判断材料のひとつにしてください。

下積み期間が長い

ものづくりの仕事では、高度な技術を習得するために長期間の下積みが必要です。

このため、スキル習得前に挫折する方が多く、人手不足を引き起こす一因となっています。

しかしながら、この長い下積み期間を乗り越えれば、一生役立つスキルを習得し、将来的なキャリアの安定につながる可能性があるでしょう。

景気に左右されやすい

ものづくりの仕事は、景気に大きく影響される傾向にあります。経済状況が悪化すると、建築物や工業製品、食品などの売り上げが減少することがあります。

逆に、景気がよくなると需要が増え、売上が伸びることもありますが、常に一定の売上を保つことは難しく、この不安定さがデメリットだといえるでしょう。

人間関係が特殊

ものづくりの分野では、創造力が重要で、普通では気づかないような独自の洞察力をもった個性的な方が多いです。

さらに、年齢や経験年数ではなく、技術力が高い方がリーダーを務める実力主義の傾向があります。

そのため、ものづくりに携わる方は、自分の意見をはっきりと述べる強さと、他人の技術を尊重する寛容さが求められるでしょう。

ものづくりの仕事に向いている方とは？

ここでは、ものづくりの仕事に向いている方の特徴を4つご紹介します。

• ものづくりが好きな方
• コツコツと努力できる方
• 想像力が豊かな方
• 手先が器用な方

ものづくりの仕事には、忍耐力とものづくりへの情熱が不可欠です。自分に当てはまっているかどうか、一つずつ確認してみましょう。

ものづくりが好きな方

ものづくりには、作ることへの情熱が欠かせません。この強い情熱があれば、長い下積み期間や高度な技術習得の過程を乗り越えられます。

さらに、この情熱が技術向上の原動力となるため、長い目で見ればスキルアップにもつながるでしょう。

コツコツと努力できる方

ものづくりには、細部のチェックや製品検査など地道な作業も含まれます。

コツコツと努力を重ねることでスキルが向上し、納品が完了した時の達成感を味わえます。

毎日似たような作業を繰り返しても苦にならない方にも向いているでしょう。

想像力が豊かな方

ものづくりの仕事は、想像力が豊かな方に適しています。これは、想像力を駆使したクリエイティブな思考が求められる作業が多いためです。

独創的なアイデアを活かしたい方には最適だといえるでしょう。

手先が器用な方

ものづくりの仕事では、多くの場合、手先の器用さが重要です。

特に職人や製造の職種では、手先を使った緻密な作業が多く、器用でなければ作業が困難になることもあるでしょう。

ものづくりの仕事は40代未経験でもできる？

ものづくりの仕事への転職は考えているものの、40代未経験で不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

40代未経験でも可能

ものづくりの仕事の範囲は広く、伝統的な工芸からIT関連のプログラミングまで多種多様です。

業界や職種によっては、40代未経験からでも転職は可能です。

ただ、伝統的な世襲制を採用している職種では、未経験者の採用が難しいケースもあります。一方で、工場の製造業などでは研修プログラムが用意されており、未経験でも転職がしやすい職種も存在します。

40代未経験だからと最初から諦めるのではなく、積極的に応募や問い合わせをおこない、やる気を積極的にアピールするとよいでしょう。

条件は事前に確認を

ものづくりの仕事では、技術を習得し一人前になるまでの期間、給与が低めであったり労働条件が厳しかったりすることがあります。

たとえば、伝統を守るために手作業を続ける職人の仕事では、利益が少なく、一人前になっても給与が大きく上がらないことも珍しくありません。

また、工場での仕事では、24時間体制のシフト勤務の場合もあります。

事前に勤務体系や待遇の詳細をしっかりと確認し、入社後に予期せぬ状況に直面しないよう留意しましょう。

40代未経験でものづくり業界への転職を成功させるポイント

ものづくり業界への転職は、40代未経験者でも可能ですが、成功させるためにはいくつかの重要なポイントがあります。

ここでは、ものづくり業界への転職を効果的に進めるためのコツをご紹介します。

志望動機を明確にする

ものづくりの仕事を目指す際、その理由や志望動機を明確に示すことは重要です。納得のいく理由をもっていれば、面接での熱意も伝わりやすくなります。

興味本位や趣味の延長線上での応募ではなく、具体的な理由をもっていることが望ましいでしょう。

そのためには、応募先の企業の業界を深く分析し、「どのような経緯でその職を志望するに至ったのか」を詳しく説明することが大切です。

たとえば、職人の仕事を希望する場合は、「観光で職人の技術に触れ、その伝統を受け継ぎたいと思った」といった具体的な理由を述べるとよいでしょう。

また、ものづくりに関わることで何を成し遂げたいのかをはっきりさせることも重要です。たとえば、「企業の技術を継承し、新たな価値を創造したい」といった目標をもつことが理想的でしょう。

熱意をアピールする

面接の際には、あなたの情熱を強く伝えることが肝心です。なぜその企業で働きたいのかという熱意をはっきりと示しましょう。自身の未来の目標を話すことによって、より情熱を伝えることが可能になります。

たとえば、ITエンジニアなら「開発したシステムで作業効率を高めたい」といった目標、伝統工芸の職人を目指すなら「次世代に伝統技術を伝承したい」という願いなどです。

さらに、自分が採用されることで企業にどのようなメリットをもたらすかを伝えることも、転職成功のポイントとなるでしょう。

製作物を提出する

過去に自分で作った製作物がある場合、選考の際にそれらを提出するとよいでしょう。

作品が複数ある場合は、それらをポートフォリオにまとめて提出するのもおすすめです。

特に、求められる経験が不足している場合、これらの製作物は有利に働くことがあります。製作物を提出する際には、工夫した点などをアピールするとよいでしょう。

業界・企業研究をしっかりとおこなう

業界や企業に関する研究を徹底的におこなうことが重要です。単に製品が好きというだけでは、消費者に過ぎません。

業界や企業を研究することで、「自分がその業界でどのような貢献ができるか」や「入社して改善したい点」を明確に伝えられるようになります。

さらに、その研究は志望動機を考える際にも役立つのです。たとえば、その企業の理念に影響を受けたことを話せば、なぜその企業で働きたいのかがはっきりします。

ものづくりの仕事を目指す場合、入念な業界・企業研究が転職成功への鍵となるでしょう。

転職エージェントを利用する

自ら業界・企業研究を十分におこなうのは難しいことがあります。そのような場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。

転職エージェントを利用すると、最新の業界情報や企業研究の方法を教えてもらえる可能性があります。さらに、業界に詳しいアドバイザーが、あなたの希望に応じた求人を探し出し提案してくれます。

また、面接対策やその他のサポートをおこなってくれるエージェントもあるので、転職の際には利用を検討してみるとよいでしょう。

40代未経験ものづくり業界への転職におすすめの転職エージェント

最後に、40代未経験でものづくり業界への転職を検討している方へおすすめの転職エージェントを6つご紹介します。

リクルートエージェント

マイナビエージェント

doda

ワークポート

ワークポートは、IT・Web・ゲーム業界の求人を豊富に扱う転職エージェントです。国内に38拠点を構え、大手から地元企業まで全国の求職者を手厚くサポートしてくれます。

また、IT業界に精通したコンシェルジュも多く在籍しており、業界未経験の求職者へ適切なアドバイスをしてくれるだけでなく、これまでのキャリアをIT業界でどのように活かすのが良いかなど戦略を立ててくれるのもメリットです。

初めての転職や未経験からエンジニアを目指す方でベストな企業を探したいのなら、ワークポートの利用で満足度の高い転職が期待できるはずです。

レバテックキャリア

type転職エージェント

まとめ

ものづくりの仕事に転職することは、40代で未経験の方にも十分可能です。自分で何かを作りたい、自分の作った製品を多くの方に使ってもらいたいと考えている方には、特におすすめの職種だといえます。

転職活動をおこなう際は、重要なポイントをしっかりと理解し、計画的に進めることが大切です。

この記事でご紹介したおすすめの転職エージェントもうまく活用し、40代未経験でも諦めずに、ものづくりの仕事への転職を成功させましょう。