水道や電気、ガスなどのように生活に欠かせない設備をインフラと呼びますが、私たちが普段何気なく使用しているインターネットやシステムも、ITインフラによって支えられています。

このITインフラを支えているエンジニアは、インフラエンジニアと呼ばれています。 

DX化など企業の中でも、ネットワークを活用した効率化が求められています。また日常生活の中でも、アプリやSNSなどネットワークによるつながりはなくてはならないものです。

こうした背景から、インフラエンジニアという職業も注目されています。 

そこで今回は、インフラエンジニアの気になる年収をまとめました。また年収を上げるためのポイントや関連資格も紹介しています。インフラエンジニアの仕事や転職が気になっている方、ぜひ参考ご覧ください。 

インフラエンジニアの平均年収は660万円

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、インフラエンジニアの平均年収は、660.4万円と発表されています。

国税庁では、平均給与が461万円と発表しており、比較するとインフラエンジニアの平均年収は高いことがわかります。

参考：システムエンジニア（基盤システム）
国税庁平均金給与

しかし、年齢や働き方によっても平均年収は異なるため、ここではさらに詳しくインフラエンジニア平均年収をチェックしてみましょう。 

年代別インフラエンジニアの平均年収

年齢によって平均年齢は異なります。

年齢が上がるにつれて、経験も増え、スキルやキャリアアップすることで、年収も増える傾向があります。

求人ボックス給与ナビでは、以下のとおり年齢別の年収を公開しています。 

年代	平均年収	月収	賞与
20～24	339万円	25.4万円	35.1万円
25～29	445万円	30.6万円	77.2万円
30～34	533万円	35.8万円	103万円
35～39	573万円	38.7万円	108万円
40～44	621万円	42.1万円	115.3万円
45～49	651万円	43.4万円	130.3万円
50～54	666万円	44.5万円	131.5万円
55～59	652万円	44.4万円	119.4万円

20代前半では、社会人経験の少なさやインフラエンジニアとして未経験な場合も多く、平均年収は339万円です。

一方で、20代後半の平均年収は445万円と、dodaが発表している20代の平均年収342万円よりも高くなっています。40代からは平均年収621万円以上となり、全体の年齢平均よりも高い収入です。 

引用元：平均年収ランキング（年齢・年代別の年収情報）

雇用形態別インフラエンジニアの平均年収

インフラエンジニアは、正社員の他に、派遣社員やパートなどの働き方もあります。

求人ボックス給与ナビによると、インフラエンジニアの派遣社員の平均時給は2,283円です。人材派遣会社によるリサーチによると、平均時給は1466円というデータもあり、派遣社員として働いた場合も給与が高くなる傾向があります。

アルバイトやパートの平均時給は1,248円です。2023年10月度 アルバイト・パート平均時給レポートでは、1,224円と発表があり、アルバイトやパートで働いた場合も、高い時給を期待することできます。 

地域・企業規模別インフラエンジニアの平均年収

働く場所や企業によっても、給与は異なります。

求人ボックス給与ナビが公表してるデータでは、関西地方で働くインフラエンジニアの平均年収が他の地域より高い傾向があり、その中でも兵庫県が一番高く525万円です。

また企業規模別にみた場合では、1,000人以上の企業の平均年収は610万円となり、企業規模が大きいほど給与が高くなることがわかります。 

参考サイト：求人ボックスインフラエンジニアの仕事の年収・時給・給料 

インフラエンジニアの年収が高い理由とは？

インフラエンジニアは、年齢別・働き方別など様々な角度からみても、平均年収が高い傾向にあります。

ITインフラは、現在では生活や仕事に欠かせないものとなっているため、インフラエンジニアの需要は高く、給与を上げてより良い人材を確保したい企業側の事情もあるからです。 

もし、ITインフラに障害が起きた場合、業務や生活に支障が出るだけでなく、企業側の損失も大きくなってしまいます。

スムーズな運用や保守のために、経験豊富でスキルの高いインフラエンジニアが求められ、結果として年収も高くなっています。 

インフラエンジニアの年収アップのコツ6選

他の職業に比べて、年収が高い傾向にあるインフラエンジニアですが、さらに年収を上げるためにはどうしたらいいでしょうか？

インフラエンジニアの年収アップのコツは下記となります。

以下では、それぞれのコツについて細かく解説していきます。 

【関連記事】インフラエンジニアで年収1,000万は可能？収入ＵＰのコツや稼ぐ人の共通点

専門性スキルを磨く

インフラエンジニアの業務内容は幅広く、いくつかの種類に分かれる場合があります。

サーバーエンジニア

サーバーを設計、構築や運用をします。

ネットワークエンジニア

機器を接続させてネットワーク環境を作り運用します。

セキュリティエンジニア

セキュリティ対策をおこないます。

クラウドエンジニア

クラウド環境の構築や運用・保守などが業務内容で、近年需要が増している分野です。

このように、インフラエンジニアにはいくつかの分野に分かれます。

そのため、それぞれの専門性を磨くことで、インフラエンジニアとしての価値を高め、年収アップにつなげることが重要です。 

資格を取得する

インフラエンジニアの関連資格を取得することも、年収アップにつながる可能性があります。資格の取得は、客観的に自身のスキルを証明することに役立ちます。

そのため、資格を取得することで給与がアップしたり、転職時には、より高収入の求人に応募できたりと、年収アップのチャンスが増えるでしょう。

インフラエンジニアの関連資格は、あとで詳しく紹介します。関連資格をとって、年収アップや転職につなげたい方はぜひ資格紹介の章もご覧ください。 

英語力をつける

英語力をつけることで、年収アップにつなげましょう。IT業界は移り変わりが激しい世界です。また最新情報をいち早く得るためには、海外から発信される情報をキャッチする必要があります。そのためには、英語力を高めることが重要です。 

また、英語力が高いことは転職やキャリアアップで大きな武器になります。英語力があれば、より好条件の求人に応募することも可能になるでしょう。

英語力を身につけ、海外の情報や海外のチームとのコミュニケーションが可能になれば、インフラエンジニアとしての希少性が高まり年収アップも期待できます。 

マネジメントを経験する

開発や運用だけでなく、マネジメントができるインフラエンジニアは、年収も高くなる傾向があります。

プロジェクト全体を見渡し、スケジュール管理や内部調整ができるマネジメント力を持つことで、キャリアアップが期待できるからです。

また、マネジメント力の高いエンジニアは、さらに重要が高いと言われています。 

クライアントの要望に応えながら、社内調整もできる人材は希少なため、年収アップにつながるでしょう。 

別企業へ転職する

転職も年収アップにつなげる方法のひとつです。

たとえば、先ほどの企業規模別に平均年収を見た場合、100人未満の企業の平均年収は492万円です。それに対し、1,000人以上の企業では、610万円と約100万円の差があります。

経験を活かしながら、より好条件の企業へ転職することで年収アップをかなえられるでしょう。 

参考：求人ボックスインフラエンジニアの仕事の年収・時給・給料 

フリーランスのインフラエンジニアとなる

インフラエンジニアの中には、フリーランスとして独立をする方もいます。

企業では、給与が決まっていますが、フリーランスとして独立すれば、報酬の高い案件を獲得することで収入は青天井です。年収1,000万円を達成するインフラエンジニアを目指すことも可能でしょう。 

一方で、収入が不安定なことはデメリットです。経験が少ない、営業力が乏しいなど、独立に向かない方もいます。

インフラエンジニアとしての、確かなスキルと経験に自信がある方は、独立することで年収アップを目指せます。 

インフラエンジニアへの転職におすすめの転職エージェント

レバテックキャリア

マイナビITエージェント

Geekly

ダイレクトタイプ

ウィルオブテック

インフラエンジニアの年収を上げるのに必要なスキル

インフラエンジニアの年収を上げるためには、スキルを磨くことも重要です。どんなスキルが年収アップにつながるのか、気になる方もいるのではないでしょうか？

そこで、4つのスキルを紹介します。 

クラウドサービスのスキル

インフラエンジニアの中でも、特に需要が高まっているスキルがクラウドサービスに関するものです。近年では、サーバーやネットワークを独自に構築する以外に、クラウドサービスを利用するケースが増えています。 

そのため、クラウドサービスに関するスキルを磨くことで、現在の需要にあったインフラエンジニアになり、年収アップにつなげることが可能です。クラウドの基本知識を身につけ、実際に使い方を学ぶことでクラウドサービスについて知識を深めましょう。

また、次に紹介しますが、AWS認定資格などのクラウド認定資格を取得し、スキルを証明することで、年収アップが期待できるでしょう。 

サーバに関する幅広い知識 

インフラエンジニアとして、サーバーに関する知識は基礎的なスキルとして欠かせません。また、企業にとっても、日々の業務を円滑に進めるために、サーバーは重要です。 

そこで、サーバーの運用や保守など、サーバーに関する幅広い知識を持った人材は、需要があり年収アップにつながります。

また、先ほど紹介したクラウドサービスやセキュリティに関する知識を組み合わせることで、専門性や希少性を高め、年収アップが期待できます。 

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルを高めることも、重要です。コミュニケーション力が高いエンジニアは、企業やクライアントからも求められます。

たとえば、チームで仕事する場合では、チームメンバーとのスムーズな報連相が必要です。また、自身の作業進捗やクライアントからの情報をよりわかりやすく伝えることも大切でしょう。 

コミュニケーションスキルを高められれば、社内での評価が高まりキャリアアップし、転職でも評価されやすくなるなど年収アップが期待できます。 

マネジメントスキル

エンジニア全般に言えることですが、上流工程に携わると年収が高くなります。そのためには、プロジェクト全体を管理できるマネジメントスキルが重要です。 

クライアントの要望を汲み取りチームメンバーに伝える、社内の人材やスケジュール管理など、マネジメントスキルがあれば、インフラエンジニアとしてキャリアアップが期待できます。 

インフラエンジニアの年収を上げるのに有利な資格

ここでは、インフラエンジニアの年収を上げるために役立つ関連資格を紹介します。

資格を取得することで、自身のスキルの証明に役立ち、社内での資格手当による給与アップ、転職時でのアピールなど、年収アップが期待できます。 

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験は、国家試験でレベル4と呼ばれる難易度が最も高い試験となっています。

公式サイトでは「ネットワークの固有技術からサービス動向まで幅広く精通し、目的に適合した大規模かつ堅牢なネットワークシステムを構築し運用できるネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアを目指す方に最適」と書かれ、合格すれば、設計・構築・運用・管理・保守など幅広い知識やスキルの証明に役立ちます。 

公式サイト：https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/nw.html 

ITIL認定資格

ITIL認定資格は、人気の資格でもあり、レベル1の合格率は約50%と言われています。そのため、基本的な資格として認知されていて、よりレベルの高い資格を取得することで、転職などのアピールに役立つでしょう。 

認定資格は5つのレベルに分かれ、レベル1は誰でも受験可能です。

ITIL認定資格は、ITサービスを運用する上で、基本的な知識から幅広い知識を習得していることの証明に役立ちます。 

公式サイト：https://peoplecert.jp/ITIL4_main.html 

VCP

VCPと呼ばれる資格は、VMware技術者認定資格の一つです。VMware技術者認定資格は、VMwareの製品・サービスに関する知識の証明に役立ちます。

VMware技術者認定資格は、5つのレベルに分かれ、VCPの難易度は、初級のVCAの次に位置付けられています。

インフラエンジニアとして、クラウドサービスについての専門性や知識を深めたい方におすすめの資格です。 

公式サイト：https://www.vmware.com/learning/certification/vcp-vmc.html

AWS認定資格

AWS認定資格は、世界最大と言われるクラウドサービスAWSに関する知識やスキルの証明に役立ちます。

AWS認定資格は、4つのレベルで分かれ、さらに、12種類のコースがあります。AWSにはたくさんのサービスがあり、AWS認定資格を取得することで、専門性を身につけられるでしょう。

クラウドサービスのスキルを高めて、年収アップしたいと考える方におすすめです。 

公式サイト：https://aws.amazon.com/jp/certification/ 

MCP

マイクロソフトの認定資格（ MCP：Microsoft Certifications Program ）は、 マイクロソフト製品に対する知識や技術を持つ個人を認定する世界共通のプログラムです。 公式サイトには上記のように説明されています。 

「Microsoft製品を使った業務に携われるのであれば、取得することで、客観的なスキルや知識の証明に役立ちます。」 

また製品やレベル別など、さまざまな資格があり単一または複数の試験に合格することで、資格が認められる仕組みです。各資格の有効期限は1年となっているため、更新が必要なこともあります。 

公式サイト：https://www.microsoft.com/ja-jp/partner/contents/mcp 

インフラエンジニアの将来性

私たちの生活や仕事に密着したITサービスを支えるインフラエンジニアは、今後も需要が高い職業として考えられています。

中にはクラウドサービスの発展により、インフラエンジニアの将来性が心配される声もありますが、サーバーやネットワークはなくてはならない存在のため、今後も需要が高いと予測されています。 

また、クラウド化が進んでいますが、クラウドサービスに精通したインフラエンジニアへとスキルアップすることで、より専門性を磨きながら年収アップも期待できます。

日々変化するIT業界に目を向け、情報をキャッチしながら、インフラエンジニアとしてスキルやキャリアをアップすることが重要でしょう。 

最後に｜インフラエンジニアの年収アップには転職がおすすめ！

インフラエンジニアの平均年収は、一般的な平均年収よりも高い傾向があります。年代別で比較した場合も、同年代の全体の平均より高くなっていることがわかりました。

ITサービスが普及し、企業でもDX化による作業の効率化を図るなど、ITインフラの構築・運用などはまずます重要視されています。さらに、クラウドサービスにも精通することで、活躍の場が広がり年収アップも期待できるでしょう。 

また、関連資格を取得すれば、資格手当など給与アップ、高収入な企業への転職にもつながります。独立することも年収アップの方法の一つですが、不安定な収入や営業力が求められるなど向かない方もいるでしょう。 独立する場合も経験や実績が大切です。

まずは、経験を積むためにも年収アップをかなえながら転職することで、着実にステップアップが見込めます。

「収入をあげたい」「インフラエンジニアとして、経験を積みたい」と考えている方は、転職も考えてみてはいかがでしょうか？

ぜひ転職エージェントに登録して、自身の市場価値について考えるきっかけにしてください。