SEの労働環境は過酷なケースもあり、理想の職場を求めて転職を考える方は少なくないでしょう。

厚生労働省の調査によると、IT系の東京における有効求人倍率は2.79であり、求職者1人に対して3件近い求人がある売手市場となっています。

この記事では、SEから転職する際に知っておきたいおすすめの職種や転職を成功させるポイントなどを紹介します。

これから転職を考えているSEの方は参考にしていただき、後悔しない転職にするヒントにしてみてください。

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システムエンジニアから転職したくなる理由とは

まず最初に、システムエンジニアから転職を考える理由を5つ紹介します。

自身の考えと照らし合わせて、本当に転職すべきか？SEを辞めるかどうか？の考えを整理してみましょう。

残業が多い

SEの転職理由として「労働環境の改善」はもっともメジャーと言っても過言ではありません。

特に二次請け、三次請けの会社だと、納期のコントロールが難しく連日残業が続くこともあり、ワークライフバランスが保てない会社も多いのではないでしょうか。

厚生労働省が発表した「IT業界の長時間労働対策について」でも、SEを含むIT業界の所定外労働時間は上位にランクインしており、業界全体として残業の多さが課題になっていることがわかります。

年齢が若いうちはそのような会社で働くことが苦ではなくても、年齢を重ねるうちに「このままでは健康的に働けない」と転職を考えるケースも多いようです。

同じSEでも、自社サービスを持つ会社や社内SEは比較的残業が少ないため、労働環境を改善するチャンスはおおいにあります。

ぜひ選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

給料が低い

SEから転職を考える理由として、給料の低さを挙げる方もいるでしょう。

厚生労働省が運営する「job tag」ではSEの平均年収は「557.6万円」と発表されていますが、ある程度の経験年数があってこれより低い場合は、割に合っていないかもしれません。

また下請けIT会社だと、給料が途中から上がらなくなり、モチベーションが低下することもあります。

結果を出していたり高いスキルを持っていたりするのにも関わらず、正当に評価されていないことを感じると転職したくなるのかもしれません。

スキルを活かしきれていない

SEの中には、現在の職場で自分のスキルを活かしきれないことを理由に転職活動を始める方もいます。

下流工程の業務しか担当させてもらえなかったり、自分の得意とする分野に配属してもらえなかったり、せっかくのスキルを活かせていないと感じている方も多いようです。

スキルや経験を有効活用するため、より自分の理想とする職場を求めて転職活動を始めてみるのも良いでしょう。

人間関係が悪い

SEはチームで仕事をするため、人間関係の悪さは働きやすさに直結すると言っても過言ではありません。

転職すれば人間関係はリセットされますので、働きやすくなることもあります。

一方で、人間関係のよしあしは人によって感じ方が違うため、本人の捉え方次第で改善するケースもあります。

人間関係が理由で転職したいと感じた場合は、新しい職場に行けば本当に前向きに働けるのかどうかを改めて考えてみましょう。

ただし、ハラスメントが常態化しているなど明らかに悪質な職場環境であるならば、早急に転職するのがおすすめです。

職場環境のよしあしは求人票だけでは判断しにくいため、転職エージェントに相談しながら、企業の内情まで詳しく聞けるといいですね。

やりがいを感じない

SEの仕事の中には、毎日同じことを繰り返さなければならないなど、やりがいを感じにくい業務もあるでしょう。

ルーティンワークに飽きてしまったり、このままこの仕事を続けていてもスキルアップ・キャリアアップできないと感じたりして、転職活動に踏み切るケースもあります。

SEのスキルは、異業種や異職種でも生かせるものばかりです。せっかく働くのであれば、より熱意を持って働ける職場を探しましょう。

システムエンジニアから転職するのは難しい？

システムエンジニアの転職難易度は、以下の要素によって大きく変わります。

それぞれ当たり前な要素ではありますが、システムエンジニアはこれらによって転職の難易度が大きく変わってきます。

まず希望する業種・職種ですが、現在の業種のまま、システムエンジニアのままであれば、転職難易度は大きく下がります。

ただ、実務経験が狭かったり少なかったりすると少し難しくなりますので、可能であれば、現在の職場で幅広く経験できるよう積極的に行動してみましょう。

また、年齢が若ければシステムエンジニア以外の職種への転職も比較的やりやすく、とくにPCを使う職種であれば、元システムエンジニアとしてのITリテラシーの高さが強みになります。

最近はPCを使う仕事は数多くありますので、「システムエンジニアからの転職は無理」というほど厳しいものではありません。

自分のスキルや経験をできるだけ活かせるような転職先を探して、積極的に臨みましょう。

システムエンジニアの転職先

システムエンジニアが転職する際の転職先は主に3パターンあります。

それぞれ解説いたします。

システムエンジニアとしてキャリアアップするための転職

まずはシステムエンジニアとしてキャリアアップするための転職です。

システムエンジニアがキャリアアップにあたってスキルアップや収入を増やすことを考える際、とくに有効な手段が転職です。

独立行政法人情報処理推進機構（IPA）が公開しているIT人材白書2020における調査によると、先端IT従事者の68.7%、非先端IT従事者の53.5%が転職によって給与が5%以上増えています。

収入もですが、ポジションや業務内容など、自分のキャリアプランに見合った働き方をしたいのであれば転職活動を視野にいれておきましょう。

参考記事：2020 IT人材白書｜独立行政法人情報処理推進機構（IPA）

他社への転職

今の会社に対して給与や労働環境で不満がある方でも、会社を変えるだけで改善されることは多いです。

SEとしての経験がある方は、改めて求人を見直してみることで、今の会社よりも好条件の会社が見つかることも多いでしょう。

ただし、転職回数が増えていくと転職で不利になっていきます。 転職する際には、自身の経歴の棚卸しと転職先のリサーチをしっかりおこなって準備万全で挑むようにしましょう。

社内SE

社内SEは、IT業界はもちろんのこと、メーカー・製造業界や医療・医薬業界などすべての業界で必要とされる職種です。

「もともとはSIer会社に勤めていたが、顧客から声をかけられて顧客先の社内SEになった」という話などもあるので、社内SEのキャリアを考えている方はその道を考えてみてもよいでしょう。

システム運用が好きな方や1つの製品や企業に関わっていきたい方には特におすすめです。

社内SEはSEの中でも人気の職種ですので、転職を希望する場合は、社内SEの求人が豊富な「社内SE転職ナビ」を活用すると良いでしょう。

【関連記事】社内SEのキャリアパスを元SEが解説！求められるスキルや転職市場とは

フリーランスSE

SEとしての経験やスキルに自信のある方であれば、フリーランスとして働く道もあります。

フリーランスのSEは、企業から独立して直接システム開発や改修、保守・運用などを請け負います。

フリーランスで働くメリットとしては、働く場所と時間を選びやすいことや、自由な働き方ができることが挙げられます。

対して収入が不安定になりやすいことや、実力がないと低単価の案件しか引き受けられないなどのデメリットもあります。

自分のペースで働きたい方や、育児や介護など理由があって在宅で働きたいという方は、フリーランスの求人に強い「Geekly」などのエージェントを活用すると良いでしょう。

【関連記事】フリーランスエンジニア向けエージェントおすすめ22選比較ランキング

他職種のITエンジニアへの転職

「設計などの上流だけでなく、開発自体がやりたい」「この分野の専門家になりたい」などの想いから、システムエンジニアとは別のITエンジニアの道を目指す方も少なくありません。

たとえばフロントエンドやバックエンドでのアプリ開発、インフラ、データサイエンティスト、機械学習エンジニアなど、ITエンジニアと言ってもさまざまな職種があります。

システムエンジニアとして開発の現場に携わっている方であれば、これらの職種への転職も可能です。

とくに上流工程にあわせて開発経験もあるシステムエンジニアであれば、重宝されるでしょう。

エンジニアではない他職種への転職

システムエンジニアからITエンジニアではない、まったく別の職種へ転職を希望する方もいます。

年齢が若い方であれば未経験でも歓迎されることは多くありますが、年齢を重ねるにつれ、何かしら役立つスキルが求められるでしょう。

そのため、現在の仕事をしながら資格を取るなど、さまざまな努力が必要になります。

ただ、システムエンジニアとしての経験で高いITスキルを持っていれば、それを強みにすることも可能です。

たとえば Webマーケティングなどの、ITを幅広く活用している職種であれば、これまでの経験を活かせる部分も出てくるでしょう。

未経験の分野でも自分の強みを活かせる転職先を探してみましょう。

Webデザイナー

Webデザイナーは、主にWebページのデザインをおこなう仕事です。

クライアントから要望をヒアリングし、どのようなWebページをどのようなデザイン、レイアウトで作成するか、また、どの様なコンテンツを盛り込むかといったような、Webデザインの全ての工程に携わります。

これまで習得してきたプログラミング言語によってはSEの経験を活かせることも多く、むしろ「実装もできるWebデザイナー」として重宝される存在になれるでしょう。

WebデザインやWebサービスに興味のある方は検討してみてください。

関連記事：Webデザイナーにおすすめの転職エージェント比較ランキング【未経験もOK】

マーケティング職

マーケティング職は、多くの会社に存在している部署・職業で、SEからの転職もイメージしやすい職種です。

特に数字をベースに成果や効果を測定していく過程や、トライ&エラーの繰り返しによって最善を模索していく過程などはSEの仕事にも通じる部分があります。

また、マーケティングで欠かせない数値の集計作業や分析においてプログラミングの技術が活かせることも珍しくありません。

マーケティング能力を身につけておくことで、ビジネスパーソンとしての幅も広がりますので、転職を機にマーケティングスキルの習得を検討してみても良いでしょう。

関連記事：Webマーケティングに強いおすすめの転職エージェント10選！未経験向けなど比較して紹介

IT営業・ITコンサルタント

SEからの転職の中には、自社のソフトウェアやIT機器などを売り込むIT営業や、企業が抱える課題をITの知識を使って解決するITコンサルタントに転職する方もいます。

「ITの知識を活かしたいが、もっと顧客の近くで働きたい」という方は、IT営業やITコンサルタントを目指してみても良いかもしれません。

コミュニケーション能力に自信があって営業に挑戦してみたい方や、より上流工程に携わりたい方におすすめです。

SEから未経験分野に転職する場合の注意点

SEから心機一転、未経験分野に転職を考えている場合、大きな方向転換になります。

このような思い切った転職をする場合には、同じ職種での転職よりもさらに慎重におこなう必要があります。

こちらの項目では、SEから未経験分野に転職する場合の注意点についてまとめました。

採用されないことや給与が下がることも想定しておく

未経験でもできる仕事に転職する場合、業界経験者と比べてスキルや経験が不足しているため、最初のうちは給与が低い可能性があります。

転職前に現在の収入と比較し、生活費や将来的なキャリアアップの見込みを考慮し、判断する必要があるでしょう。

年齢が上がるにつれて転職難易度が上がる

未経験からできる仕事では、経験よりも将来性が重視される傾向があるため、年齢が上がるにつれて就職難易度が高くなる可能性があります。

転職を成功させるためにも、できるだけ早い行動を心がけましょう。

しかし、業種や職種によっては、年齢を問わず未経験からの転職が可能な場合もあるため、年齢を理由に転職を諦める必要はありません。

自己分析や資格取得などのスキルアップを積極的に行い、自分自身をアピールしていきましょう。

本当にSEを辞めて後悔しないか考える

SEは高い技術を有しており、将来的にも必要とされ続ける存在です。

今の仕事が辛いと「辞めてしまいたい」と思う気持ちが強いでしょうが、一度冷静になってみて本当に辞めて後悔しないかを考え直す機会を持ちましょう。

SEは辞めなくても他社に転職したり、社内SEとして働いたりする選択肢もあります。

SEを目指した時には、何かしらの考えがあってSEになったのでしょうから、本当に辞めて後悔しないかどうかまで考えておきましょう。

【関連記事】社内SEが後悔する理由5選！レベルが低いといわれる理由と後悔しないキャリアプラン

今までのスキルが活かせるかどうかを考える

SEから異業種に転職する場合も、SEで培われた経験が活かせる仕事を優先的に見つけていきましょう。

SEで培われた技術や知識を応用できる仕事であれば、転職もうまくいきやすいです。

さらに、技術面以外のコミュニケーション能力や交渉力、マネジメント能力などをアピールできれば、より良い条件での転職も成功させやすくなります。

転職する前には一度自身の経歴を棚卸しして、転職エージェントのアドバイザーなどから客観的にあなたの職業スキルを判断してもらう機会を設けてみてください。

仕事の適性を見極める

仕事内容が自分に合っていないと感じた場合、早期に離職する恐れがあります。

転職先を選ぶ際には、求人票や面接で具体的な業務内容や職場の雰囲気についてしっかりと調べましょう。

未経験の職種の場合、ミスをしてしまったり、年下の上司に叱責されたりするケースもあるでしょう。

そういった際もモチベーションを持ち続けることができる仕事かを、入社前にしっかり見極めることが大切です。

システムエンジニアからの転職で重要なポイント

システムエンジニアから転職するにあたり、重要なポイントがいくつかあります。

もしこれらポイントでできていない部分があれば、実際にやってみましょう。

なぜ必要かなど、それぞれ簡単に解説します。

今の知識・経験・スキルを棚卸しする

今の知識や経験、スキルは転職活動で自己アピールする際に必須となるものです。

それだけではなく、自分がどのような知識にかたよっているか、知識が足りない領域がないかなどを知るとても良い機会になります。

自分に足りない知識やスキルに強みのある企業であれば、転職する動機にも繋がります。

なぜ転職したいかを明確にする

転職したい理由を明確にすることは転職活動でもっとも重要です。

何のために転職するかが明確になっていないと、転職先でも同じように不満を抱えたまま転職を繰り返すことになってしまいます。

場合によっては自身のキャリアが大きく傷つく可能性もありますので、転職前に必ず考えておきましょう。

この辺りを考えておくと、転職先で後悔するリスクが減らせるのではないでしょうか。

それぞれ自分がどのようなことに不満を感じ、やりがいを感じるかなど、自己分析してみるのもおすすめです。

将来のキャリアプランを考える

転職したい理由を明確にするために考えるべき項目の一つにもなりますが、将来のキャリアプランを考えることはとても大切です。

これが企業面談の際の志望動機やその後の配属部署などにも影響しますし、自分自身のモチベーションやその後に身につけるべきスキルの整理にも繋がります。

一度決めたら絶対にブレてはいけないというものではなく、「今自分はどういう方向に進んでいきたいのだろう」程度は考えておきましょう。

足りないスキルを身につける

ここまで紹介したポイントを整理すれば、自然と自分に足りないスキルは見えてくるでしょう。

エンジニアとしての将来像ができれば、それに見合った分野のスキルが必要になりますし、もし他職種にいく場合でも将来像に合わせた資格勉強などがはじめられます。

転職活動は求人を探して面談することだけでなく、その前から始まっています。

時間をかけてじっくりと準備しておきましょう。

転職エージェントや周りのエンジニアに相談する

転職するにあたって、信頼できる周りのエンジニアや転職エージェントを頼ることはとても有益です。

知り合いのエンジニアに相談することは、以下のようなメリットがあります。

ただし、社内で転職の相談をする場合はリスクもありますので、注意してください。

また、転職エージェントに頼るのも大切です。

自分の要望にあった求人を見つけてもらえたり、場合によっては転職エージェントが持っている条件の良い非公開求人を紹介してもらえたりする場合もあります。

さらに、これまでのポイントの整理を手伝ってくれるなど、転職エージェントのサービスはさまざまです。

全て自分でやりたいなどの強いこだわりがなければ、他者の力を借りるようにしましょう。

SEからの転職におすすめの転職エージェント

最後に、システムエンジニアが転職活動をするにあたって、おすすめの転職エージェントを3社紹介します。

エンジニアとしてキャリアアップのための転職でも、他職種のIT企業への転職でも対応できる企業なので、ぜひ活用してください。

ちなみに、転職エージェントも必ず1社でないといけない訳ではありませんので、複数登録して、相性の良い担当者さんを選ぶ形もおすすめです。

レバテックキャリア

レバテックキャリアはITエンジニアやクリエイターに特化したハイクラス転職エージェントです。システムエンジニアはもちろん、他職種のエンジニアやIT関連のクリエイターなどの求人も多数保有しています。

また、レバテックキャリアの公式サイトによると、支援を受けたエンジニアのうち、90％の方が「アドバイザーの知識が豊富」と回答しており、94％の方が紹介された求人に満足したと回答しています。

もしハイキャリア志向で、やりがいと高収入を狙いたいという気持ちがあるようでしたら、レバテックキャリアを活用しましょう。

マイナビITエージェント

マイナビITエージェントは、転職業界大手マイナビのITに特化したエージェントです。

大手エージェントのため保有している求人が多く、あなたが希望する収入や働き方などに合わせた幅広い選択肢を提示してくれるでしょう。

また、エンジニア経験のあるアドバイザーも在籍しているため、具体的なアドバイスを多くもらえます。

初めての転職活動であれば、安心してお任せできるエージェントの一つです。

Geekly

GeeklyもITに特化した転職エージェントです。

業界別だけでなく、それぞれの職種に合わせた専門のコンサルタントが在籍しているため、希望する分野への転職についてより専門的なアドバイスが期待できます。

専門コンサルタントならではの視点で、あなたの強みや市場価値を見つけ、それが活かせる求人を紹介してくれるでしょう。

もし「自力での転職活動はどうやれば良いかわからない」、「専門的なアドバイスやサポートが欲しい」と思うようでしたら、Geeklyに登録してみてはいかがでしょうか。

まとめ

システムエンジニアの転職活動は、年齢や経験・スキルによって変わりはしますが、高いITリテラシーもあるため、決して不可能なものではありません。

キャリアアップのための転職活動であれ他職種への転職であれ、しっかりと準備しながら活動をすれば、良い転職先が見つかるでしょう。

必要に応じて転職エージェントも活用しつつ、満足できる転職活動を行ってください。