「頑張ってきたけど毎日辛くて一日でも早く辞めたい」「可能なら明日からでも会社に行きたくない」「辞めたいけど直接上司に退職は伝えづらい」このような気持ちで、退職代行を検討されている方も多いのでないでしょうか。
通常、退職は退職日の2週間前までに退職の意思を伝えなければならず、このルールは退職代行を使っても使わなくても変わりません。
しかし、特別なケースであれば即日退職が可能となり、また特別なケースでなくても、有給や欠勤を利用して実質的に即日退職をすることは可能です。
本記事では退職のルールや即日退職の方法について、退職代行の利用も踏まえつつ解説します。
実質的に即日退職することは可能
まず結論として、実質的に即日退職することは可能です。「実質的に」というのは、「退職を伝えた翌日から会社に行かなくてもよい方法がある」という意味です。
本日退職を伝えたとすると、正式な退職日は2週間後です。しかし、その間に会社に行くことを回避する方法があります。
そして、その方法を利用する場合、退職代行の利用有無は直接的には関係ありません。
詳しくは後述しますが、どうしても辛くて仕方がない場合、退職の意思を伝えてから2週間は必ず出社が必要というわけではないということをまずは覚えておきましょう。
民法上は退職日の2週間前に退職の意思を伝える必要がある
必ずしも退職を伝えてから2週間の出社が必要ではないとはいえ、基本的なルールとしては、退職日の2週間前に退職の意思を伝える必要があります。言い換えると、退職を申し出てから、2週間経過しないと辞めることができないということです。
具体的には、民法の627条に下記の通り記載があります。
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
2 期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
3 六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。
引用:民法
なお、この条項は雇用の期限に定めのない正社員の場合です。契約社員や無期雇用ではない派遣は例外ですので注意しましょう。
「やむを得ない事由」であれば即日退職が可能
民法627条により、退職の意思を伝えてからも通常は2週間の出社が必要です。しかし、民法628条では下記のように記載しています。
(やむを得ない事由による雇用の解除)
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
引用:民法
つまり、「やむを得ない事由」と認められれば、2週間を待たずとも直ちに雇用契約を解除し、退職をすることが可能ということです。
そして、「やむを得ない事由」とは、具体的には心身の障害や疾病、パワハラやセクハラ、いじめ、会社の違法行為(賃金未払いなど)などが挙げられます。
当日から会社に行かなくてよい3つのケース
ここまでの話を整理すると、「基本的には退職を伝えてから2週間は働く必要がある」「ただし、やむを得ない事由であれば、直ちに退職が可能」ということです。
しかし、冒頭で述べたように、退職代行を使っても使わなくても、実質的に即日退職、つまり、退職の意思を伝えた翌日から出社を避ける方法はあります。
具体的には、民法の「やむを得ない事由」に該当する、有給休暇を取得する、欠勤扱いとする3つの手段です。それぞれみていきましょう。
ちなみに、これら3つの手段を満たさないとしても、基本的には会社との間で合意を得られることができれば、即日退職は可能です。ただし、会社となんの合意もなしに、一方的に「明日から会社を辞めます」と言い、急に出勤をしない場合は違法となり、会社から訴えられる危険性がありますので注意しましょう。
1. 民法の「やむを得ない事由」に該当するケース
まずは、民法628条の「やむを得ない事由」に該当する場合です。この「やむを得ない事由」については、具体的に法律でどのような場合なのかの明記はありません。
そのため、「やむを得ない事由」に該当するのかどうかは自分だけの判断だけでは危険です。法律の知識がある弁護士などに意見やアドバイスを聞き、該当するかどうかを確かめることをおすすめします。
2.有給休暇を取得するケース
2つ目の方法は、有給休暇を取得することです。退職の意思を伝えてから雇用契約が解除される2週間までの間、すべての出勤日で有給休暇を消化すれば、会社に行かずとも退職日を迎えられます。
退職代行の場合、退職代行業者から有給休暇を取得する旨を伝えてもらいましょう。
ちなみに、会社からすると「今日退職を聞いて、明日から来ないと困る」と考えるかもしれません。しかし、有給休暇は労働者の権利として、基本的には会社は拒否することはできません。そのため、有給休暇が残っていれば、退職を伝えた後であっても取得をすることが可能です。
なお、通常勤務をしている時には、会社は「時季変更権」という権利を行使し、有給休暇の時期を他の期間に変更するよう要求できます。しかし、退職の場合は他の時季に有給休暇を取得できないため、時季変更権はほとんどの場合認められません。
参考:職場のトラブルQ&A ~年次有給休暇の時季変更権 - 福井県
3.欠勤扱いとするケース
2週間分の有給休暇が残っていない場合、欠勤扱いとする方法があります。欠勤した日数分は給料の支払いはありませんが、どうしても出社したくないという人にとっては検討したい手段といえるでしょう。
また、有給休暇と欠勤を組み合わせることも可能です。例えば、退職日まで実働10日、本来働く必要があるとして、残っている有給休暇の5日を使い、残りの5日は欠勤とするなどです。
なお、無断欠勤は会社とトラブルになるかもしれませんので、自分で、もしくは退職代行業者から欠勤する旨を連絡してもらいましょう。
ちなみに、会社としては欠勤が確定している退職希望者を退職日まで在職しておくメリットはありません。欠勤と伝えた場合、結局本当に即日退職と認められることも多いようです。
法律上では就業規則に関わらず2週間で辞められる
ここまで説明してきたとおり、法律上では退職の2週間前に退職の意向を伝えると記載されています。また、やむを得ない事由があれば、即日退職ができます。
ここで気になるのが、就業規則で「退職する1ヶ月前までに会社に伝えること」などと定められている場合です。就業規則と法律はどちらが優先されるのでしょうか。
このような場合、前述の民法第628条より、就業規則よりも法律の方が優先されます。つまり、1ヶ月前ではなく、2週間前までに伝えることで退職することができます。
ただ、これまでお世話になった会社に対しての恩などがあり、きちんと引継ぎをしたいというような場合は、就業規則に従って対応するのがベターともいえます。
円滑に即日退職するための下準備
即日退職をすると決めて、すぐ実行したとしても、準備が不十分だと結局うまくいかなかったり、退職代行をしたのに会社と話す必要性が出てきたりします。
スムーズに即日退職するためにしておくべき下準備についてみていきましょう。
有給休暇を確認しておく
普段は有給休暇がどれだけ残っているのか把握していない方も多いですが、特に退職代行を利用する場合は必ず確認しておきましょう。
あらかじめ取得できる有給休暇の日数を把握しておくことで、退職代行業者も利用者に対してアドバイスがしやすく、またスムーズに手続きを進めることができます。
取得できる有給休暇は人事部門に確認すればすぐに教えてくれるはずですし、会社によっては勤務管理システムで分かります。しかし、中には人事には聞きづらい、また勤務管理システムも導入していないという場合もあるでしょう。
その場合は自分で有給休暇の日数を大まかに計算しておくことをおすすめします。有給休暇は勤続期間が6ヶ月以上で10日が付与され、以降、1年ごとに取得できる日数が増えていきます。
最終的に勤続年数が6年6ヶ月で20日が付与されますが、有給休暇の時効は2年です。仮に1年間全く有給休暇を取得しなかった場合、翌年新たに付与される20日と合わせ、最大で年間40日間の有給休暇を保有できます。
会社備品の返却
会社備品の返却は忘れずにおこないましょう。もしもきちんと返却ができていないと、退職代行を利用したとしても、会社から後日出社を要求されるかもしれません。
会社備品は後日郵送もできるはずですが、可能な限り先に返却しておくことで、不要なトラブルや連絡を減らすことができます。もしも郵送が必要となった場合、退職代行業者に後日郵送する旨を伝えてもらうようにしましょう。
また、自分の私物が会社にある場合も、そのままでは社内の人が処分に困るため、事前に回収しておくことをおすすめします。
寮や社宅の整理
寮や社宅に住んでいる場合、退職によって決められた期間までに出ていかなくてはなりません。決められた期間は会社によって異なりますので、事前に社内規程などを確認しておきましょう。
引っ越しの手配や荷物の整理、必要であれば光熱費やネットの解約手続きなど、漏れのない対応が大切です。
基本的に即日退職をする場合はあまり時間がありませんので、退職代行を依頼しつつ荷物をまとめたり、引っ越し先を見つけたりといったように、ある程度準備をしておくようにしましょう。
退職代行を利用した方がよいケース
退職代行業者にサポートしてもらいたいと思っても、なかなか勇気が出ないという方も多いものです。自分のようなケースで使ってもよいのだろうかと迷う方もいるでしょう。
続いては自分で退職を会社に伝えるのではなく、退職代行を利用した方がよいケースについて解説します。
退職拒否が想定される
特に近年においては、会社の人手不足が深刻化しています。さまざまな時代の変化に対するために必要な業務は増加傾向にあるものの、業界や会社によっては思うように人が集まらないという現状があります。
そのような中、会社としては一旦コストをかけて雇用した人材を失いたくないという思いから、退職したい旨を伝えても「無責任だ」「今の状況で退職するのは常識がない」といったように強く退職を拒否してくる場合があります。
このような態度は明らかに会社として問題があるものですが、退職時のトラブルは増加傾向にあります。
また、特に若い世代においては、自己主張ができない人も増えてきています。そのような人が上司に退職を強く拒否されると、言いくるめられて結局退職できなくなってしまうかもしれません。中には、退職の意思を伝えた後でも、直接説得の電話がかかってきたり、家まで引き止めに来たりする上司もいます。
家まで来られると、人によっては強く退職に進んでいくことができなくなってしまうこともあるでしょう。
このように、明らかに退職拒否が想定され、自分がなかなかそれに抗うことができなそうな場合、退職代行を利用することで退職をスムーズにおこなうことが可能です。
参考:平成29年度個別労働紛争解決制度の施行状況 - 厚生労働省
顔合わせが必要
退職希望者の中には、「上司に会いたくない」「同僚がどうしても嫌」という方もいるでしょう。思いつめるあまり、上司と顔を合わせるだけでストレスを感じるような方も少なくありません。
しかし、退職の手続きを自らしていく場合、会いたくない上司にまずは話を通さなければならなかったり、給与の受け取りなどで顔合わせが必要だったりします。そして、特に退職というかなり重たい決断を伝えるのは、相当なストレスです。
このように顔合わせが避けられない状態の退職希望者にとって、退職代行は利用を検討する価値があります。退職の手続きは全て退職代行業者がおこないますので、今回の事例の給与の受け取りなども対応してくれます。
退職代行を利用すると、退職時に必ず必要な上司との接触を避けることが可能な点は魅力的です。
感情的になってしまう
自ら退職の意向を伝える場合、感情的になってしまう場合があります。
基本的には退職の意思を伝えるのは直属の上司が一般的です。しかし、もしもその上司が退職理由の場合、退職の意思を伝えることは大変なストレスです。
日常のやり取りでさえ精神的負担が大きく、コミュニケーションをしたくないという状況の中、退職の場合に感じるストレスはそれを大きく超えます。そして、上司も自分も人間ですので、時には感情的になってしまうこともあるかもしれません。
「あなたのそういうところが嫌です」など、いまさら言っても仕方がないことをつい口にしてしまう可能性もあります。また、上司の中には、退職を伝えて2週間後に退職をするということについて、常識がないと考える人もいます。
自分と上司では感情的になってしまう場面でも、退職代行業者が間に挟まれば、冷静に事務手続きを進めることが可能です。
即日退職を目指すために利用したい退職代行3選
即日で会社を辞めたい方におすすめの退職代行を紹介します。なお、おすすめの基準として、サポート体制や過去の退職実績を考慮しています。
退職代行Jobs
退職代行Jobsは、弁護士監修の退職代行会社です。弁護士が関与しているため、安心して利用できるでしょう。
また、有給休暇の無料申請を行ってくれるサービスや、無料の求人サービスで転職のサポートサービスも設けています。
過去の退職実績は100%と表明しているため、確実に退職したいという方におすすめの退職代行といえるでしょう。
公式サイト:https://jobs1.jp/
退職代行Jobsの口コミ
会社での人間関係が悪くどうしようもありませんでした。先輩や上司から常に文句を言われ、精神的にも参りました。何度も退職の相談をしたのですが結局引き止められてしまいました。人手不足だったので、なんとか辞めさせないようにしていることは分かっていましたが、自分では振り切れませんでした。ジョブズに代行をしてもらい、すんなり退職することができたのでビックリです。成功100%の実績は信頼ができると思いました。
引用:【比較】退職代行サービス人気ランキング|労働問題弁護士ナビ
業務量が半端なく多く、残業とは別に深夜勤務の日もあり、もう体が限界でした。そのうえ給料も安く、働き続けることを悩んでいました。次々に退職者も出て、業務量は増えるばかりでした。ジョブズの担当者さんは今の自分の状況や会社のことを細かくヒアリングしてくださり、実際に退職する日も慎重に決めてくださいました。そのため、安心してお任せすることができましたし、スムーズに退職できたのですごく満足しています。
引用:【比較】退職代行サービス人気ランキング|労働問題弁護士ナビ
退職代行辞めるんです
退職代行辞めるんですは、後払い制度を設けている退職代行サービスです。「本当に退職できるのだろうか…」と、退職代行サービスの使用に抵抗がある方でも、利用しやすいサービスといえるでしょう。
依頼した即日に退職代行を依頼することも可能ですので、会社を辞めたい気持ちが固まっている方にはおすすめです。
公式サイト:https://yamerundesu.com/
退職代行辞めるんですの口コミ
簡単にLINEで応募でき、相談も無料でした。当日会社に(辞めるんです)から電話をしてくれて勤め先へ内容確認後サービスから退職完了の連絡をもらい無事退職できました。直接連絡が来たらどうしようと思いましたが、それもなく有給休暇も消化でき今は次の就職まで楽しく過ごしています。退職代行サービス(辞めるんです)に感謝しています!
会社での人間関係が原因で自ら退職を申し出たのですが、退職を止められ、1週間の休養となりました。しかし、休養期間にも自分の考えは変わらなかったため、メールでその旨を会社に伝えたところ一度話し合いのために出社するように求められ、ストレスで出社できる状態ではなかったため、退職の代行を依頼しました。退職代行に依頼してからは全ての連絡を代行していただき無事退職できました。
退職代行ガーディアン
退職代行ガーディアンは、東京都労働委員会に認証されている法適合の合同労働組合が退職代行を行ってくれます。
公的機関が関与しているため、違法性なく、安心して退職代行を依頼できるでしょう。
即日・当日対応可能であり、都合によっては、夜間・休日の対応も可能としています。
公式サイト:https://taisyokudaiko.jp/
退職代行ガーディアンの口コミ
入社1年目、夢を持って入ったこの会社だったが上司との関係がどうも上手くいかず、日々怒られる毎日に嫌気がさしました。辞めたくても揉めてトラブルになりそうだと思いガーディアンに頼んで即日退社。苦痛から解放されました。
運営元が労働組合であり、有給消化の交渉ができるのでガーディアンさんを選びました。 夜中に申込をして朝イチに連絡が来る対応の早さにいい意味で驚きました。それ以降のやり取りもスムーズでした。 会社の人数が少ない上に関係も良好といえず、私の性格も相まって退職を申し出づらかったという背景もあり職場とのやり取りを一切せず退職を代行してくださり精神衛生的にとても助かりました。 大変ありがとうございました。
退職代行で即日退職するまでの流れ
続いて、実際に退職代行で即日退職するまでの流れについてみていきます。退職代行を利用する前に流れを確認しておくことで、スムーズに退職代行業者と話を進めることができ、心に余裕をもって対応できます。
退職代行業者を選ぶ
ひとえに退職代行業者といっても、数多くの業者が存在します。退職代行業者の選び方のポイントは後述しますが、ホームページで調べる、口コミを調査する、実際に電話で話を聞くなどをしつつ、自分に合った業者を選びましょう。
特に、直接話を聞くことは大切です。現在は無料でLINEを活用し、チャット形式で端的に連絡を取ることも多くの業者で可能となっています。
退職代行業者に現状を伝え、申込を確定する
ある程度業者を絞り込んだのちに、退職代行業者に現状を伝え、一つの業者に申込を確定します。
なお、現状を伝えるといっても難しく考える必要はありません。基本的には退職代行業者の方から、必要な情報をヒアリングしてくれます。具体的には、氏名や生年月日、住所などの個人情報、雇用形態や勤続年数といった雇用に関すること、会社に関する情報、退職理由、退職希望日、有給休暇を使用するかどうか、連絡拒否の希望などについてです。
現状を伝え終わると、依頼料の支払い方法や今後の流れについて説明があります。退職代行業者は前払い制の業者が多くなっています。即日退職を希望するならクレジットカード払いが即時決済でよいでしょう。
退職代行業者が退職を会社に伝える
申込まで完了すれば、あとは退職代行業者が退職を進めてくれます。
退職代行業者が会社に退職の意思を伝えてくれ、場合によっては電話一つで退職の処理が完了します。会社によっては有給取得や給与処理の交渉のため、何度か話し合いがもたれる場合もありますが、この場合も会社から自分に直接連絡が来ることはありません。必ず退職代行業者が間に挟まり、状況を随時自分に共有してくれます。
退職代行業者から報告を受ける
会社の手続きが完了すれば、退職代行業者から完了した旨の連絡があります。
なお、もしも退職後に会社から直接連絡が来たり、書類の不備などがあったりした場合でも、都度退職代行業者に相談しましょう。適切な対応をしてくれるはずです。
退職代行を即日で対応してくれる業者の選び方
即日退職を退職代行でおこなう場合、業者の選び方が大切です。適当に選んでしまうと、詐欺業者に当たってしまったり、手続きをスムーズに進められなかったりする可能性があります。
確実に即日で退職をするために、退職代行を即日で対応してくれる業者の選び方についてみていきましょう。
24時間営業している
一つ目のポイントは24時間営業している退職代行業者を選ぶということです。
退職代行業者の中には、平日の限られた時間のみ受け付けという場合もあります。しかし、即日で退職をするためには、退職を伝える日のできるだけ早い時間に会社に退職の意思を伝えなければなりません。そしてそのためには、それよりも早い時間帯に退職代行業者に話をし、申込をしておく必要があります。
退職するかどうか、そして退職代行を利用するかどうか、ぎりぎりまで迷っていたとしても、24時間営業している業者であれば決断したときに即日対応してくれます。
なお、業者によっては即時退職が有料のオプションの場合もありますので、事前にプランを確認しておくとよいでしょう。
手続きがスムーズ
即日退職を問題なく進めるためには、退職代行業者との手続きをスムーズに進める必要があります。具体的には、連絡スピードが早く、支払いがスムーズにできる業者を選びましょう。
もしも、24時間営業の業者を選んだとしても、連絡が遅延しがちだと、結局退職日がずれてしまうかもしれません。業者への連絡手段としては電話かメール、LINEなどが一般的です。業者を選ぶ段階で、レスポンスの早さについて注意しておきましょう。
支払いのスムーズさも重要なポイントです。退職代行業者が決まり、情報交換が完了し、退職日が決定すれば、料金の支払い手続きをおこないます。
退職代行は基本的には前払いの場合がほとんどで、業者は入金が確認でき次第、動き始めます。そのため、支払いがスムーズにいかないと、即日退職に間に合わなくなってしまうかもしれません。クレジットカードを活用し、速やかに入金までいけるような業者を選びましょう。
退職代行業者を利用する場合の注意点
退職代行業者を利用する際には、事前に頭に入れておきたい注意点があります。特に即日退職をする場合、会社とさまざまな交渉が発生する可能性も否定できません。
一つずつみていきましょう。
会社とトラブルとなる可能性がある
特に即日退職の場合、退職を認めたくない会社と、どうしても退職をしたい自分との間でトラブルとなる可能性があります。会社からすると、いきなり社員が辞めてしまうと、それまでしていた業務を別の人に任せる必要があります。次の担い手を探し、また業務を覚えてもらえるまでには手間と労力がかかるでしょう。
また、「会社」というと無機質で実態が無い様に感じるかもしれませんが、会社を動かしているのは人です。中にはお世話になった上司や、仲のいい同僚、面倒を見てきた後輩もいるかもしれません。
そのような人にも事前に相談などなしに即日退職、しかも退職代行を使うとなると、退職後の円満な関係は望めない可能性があります。「自分に直接言わずに、業者を通して退職をするのか・・・」と、残念な気持ちにさせてしまうかもしれません。
このように会社の人と全く会わずに退職できるといっても、トラブルとなってしまったり、円満な退職とはならなかったりする可能性があります。
トラブルを避けるためにも、常識的な引継ぎは事前にしておいたり、特に仲の良い同僚には事前に相談しておいたりしていた方が、退職後も良好な関係性は保ちやすいといえるでしょう。
退職代行業者では会社と交渉できない
一般的な退職代行業者では、退職の意思を会社に伝えることや、形式的な事務処理を代行することは可能です。しかし、退職に当たって会社と有給取得についてトラブルが発生した際などは、交渉することはできません。
これは、弁護士ではない退職代行業者が会社と交渉することは「非弁行為」に当たるためです。具体的には、弁護士法72条で次のように規定されています。
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
引用:弁護士法
この規定により、退職代行業者が交渉できない場合には、自分で対応するか、別途弁護士に交渉を依頼する必要があります。
悪徳な退職代行業者が存在する可能性がある
多くの退職代行業者は真面目にかつ法律に則って業務を遂行していますが、中には悪徳な退職代行業者も存在します。
弁護士資格を有していると嘘をついて非弁行為をおこなっていたり、暴力団関係者や半グレ集団が退職代行業者を運営していたりする場合がその具体例です。
このような悪徳業者に引っかかってしまうと、個人情報が流出して振り込め詐欺などの二次被害に合ってしまったり、退職代行が適切な処理でなされなかったりというリスクがあります。
リスクを考慮するなら弁護士による退職代行もおすすめ
即日退職をする場合、会社と揉める可能性も大いにあります。また、説明してきたとおり、一般的な退職代行業者を利用した場合、込み入った交渉をすることはできません。さらに、退職代行業者によっては悪徳業者も存在します。
このようなリスクを極力避け、より即日退職をスムーズにおこなうのにおすすめなのが、弁護士による退職代行です。弁護士に退職代行を依頼することによるメリットについてみていきましょう。
メリット1. 弁護士法違反のリスクがない
一つ目のメリットは弁護士法違反のリスクがないことです。もしも、退職に際し会社と揉め、協議、交渉を求められた場合、弁護士が関わらない退職代行業者で対応をすると非弁行為となり、弁護士法違反です。
一方、弁護士であれば、きちんと法に則って対応することができます。
メリット2. 各種手続きや請求の代行が可能
弁護士は利用者にとっての代理人となることが可能です。離職票や源泉徴収票の請求、有給休暇の取得交渉、各種社会保険の手続きなど、退職によって発生する各種手続きを依頼することができます。
また、もしも会社でパワハラやセクハラなどで心身に疾患を生じさせていた場合、労災認定の手続きを依頼することも可能です。
なかなか退職させてもらえない会社では、賃金が未払いとなる場合もあります。そのような未払いの残業代の請求なども、弁護士であれば依頼できます。本来支給されるべき退職金が支給されないといった場合にも、請求することが可能です。
このように、さまざまな手続きや請求をしてもらえるのは、大きなメリットとなるでしょう。
メリット3. 損害賠償を請求されても対応できる
会社によっては、急に辞められたことに対して損害賠償を請求することもあります。損害賠償請求されると、怖くなったり不安を感じたりするでしょう。
しかし、弁護士に退職代行を依頼していれば、損害賠償請求に対する交渉や裁判の対応などもしてもらえます。その場合は退職代行とは別途の依頼となりますが、退職時から引き続き対応してもらえるのは心強いはずです。
自分だけで対応していると不慣れなので、不当に高額な賠償金を支払ってしまうかもしれません。弁護士に依頼することで、法律に沿った適切な対応ができるでしょう。
メリット4. 会社とトラブルになりづらい
そもそも、弁護士を通して退職代行をおこなった場合、会社とトラブルになりづらいです。
弁護士に依頼しているということで利用者の本気度が会社に伝わりますし、会社側も法律を無視した主張や要求などをすることはほとんどありません。
会社としても、利用者が退職するのが明らかにも関わらず、リスクや手間をおかして弁護士に対して無理な主張をしようとは思わないものです。
このように、弁護士を利用することで、円満に会社を退職できる可能性を高めることができます。
まとめ
どうしても辛い、毎日に会社に行くのが嫌で嫌で仕方がない、けれども退職を切り出すのが怖い。そのような方は、退職代行を利用することで、直接上司などに自分から連絡を取らなくても退職をすることが可能です。
また、有給休暇を消化するなどの手段を用いることで、実質的に即日退職をすることもできます。ただ、その場合は事前に引継ぎをしておく、あらかじめ荷物を整理するなどの準備をしておいた方が、少しでも後々のトラブルが発生するリスクを減らすことができます。
辛い方は我慢しすぎず、本記事を参考に退職代行を検討してみてはいかがでしょうか。

