教員から別の職種への転職を検討しているものの、「教員からの転職は難しいといわれている」「転職活動に充てられる時間がない」などの理由から、なかなか一歩を踏み出せない方は多いのではないでしょうか。

実際に、教員は「ビジネスマナーが身についていない」「企業で活かせるスキルが不足している」といった意見があるのは事実です。

だからといって教員が転職できないわけではありません。

本記事では、女性の教員に絞って、おすすめの転職先や、転職の進め方を紹介します。

ライフスタイルの変化に伴って転職を希望している女性は、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。

関連記事：教育業界に強い転職エージェント15選│利用するメリットや注意点も紹介

教員からの転職が難しいといわれる3つの理由

教員からの転職が難しいといわれる理由は、主に以下の3つです。

教員としての弱点を理解し、受け入れながら、その弱点を克服できるように転職活動を進めていくと良いでしょう。

関連記事：教員から転職するのは難しい？年代別のポイントやおすすめ職種を紹介

転職活動に割く時間が少ない

教員は、とにかく忙しい職業です。

転職活動に充てる時間がないこの環境こそ、教員からの転職が難しいといわれる理由です。

転職活動をなかなか開始できなければ、「もう転職しなくてもいいかな…」と諦めてしまう方もいるでしょう。

「寝る間を惜しんで転職活動をしよう」とはいいません。まずは、5分でも10分でも時間を作れないか、考えてみてください。自分一人の力では難しいですが、転職エージェントを活用すれば、短い時間でも転職活動を進めることができます。

後ほど、おすすめの転職エージェントを紹介するので、ぜひ記事の後半もチェックしてください。

ビジネス経験やスキルの面で不安視される

教員は地方公務員に該当します。

民間企業での勤務経験がないことから、ビジネス経験やスキルの面で不安視されることがあります。売り上げを伸ばして会社の利益を得るという意味で、民間企業は教員に合わないと思われてしまうのです。

また、学校という特殊な環境で働いていることから、ビジネスマナーが足りないのではと教員は敬遠されてしまう傾向にあります。

実際にビジネスマナーの有無は、一人ひとりのスキルや意識の問題ともいえます。

ただ、社会人と関わる機会が少ない面でいえば、民間企業で働く方と同様のビジネスマナーが必ず付いているとは言い難いでしょう。

民間企業への転職で年収が下がる可能性が高い

教員は基本的に年功序列です。

給料が下がることはなく、同年代の会社員よりも平均年収が高くなる傾向にあります。

そのため、教員から民間企業へと転職すると、年収が下がる可能性が高いのです。ただ、教員と会社員の年収に差が出始めるのは、30代以降といわれています。

20代での転職であれば、年収の違いをネックに感じる必要はあまりないでしょう。

女性教員はスキルや経験を活かせば転職できる

教員から転職するのが難しい理由は、いくつかあります。

しかし、教員としてのスキルや経験をしっかりアピールできれば、転職は可能です。

たとえば、教員は日々の取り組みで以下のようなスキルが身につきます。

性格や家庭環境が異なる生徒と日々接することで身に付いた、コミュニケーションスキルや臨機応変に対応できるスキルは、あなたの強みとして転職で役立つでしょう。

また、勉強を教えたり板書したりすることは、コーチングスキルやプレゼンテーションスキルにつながります。

女性教員におすすめ！経験やスキルを活かせる転職先6選

先述したスキルや経験が活かせる転職先を、6つ紹介します。

6つの職種以外への転職が難しいわけではありませんが、「早く転職したい」「転職先で経験やスキルを活かしたい」という方は、必見です。

関連記事：教育系の仕事14選| 必要な資格・向いている人・年収などを解説！

塾や予備校の講師

塾や予備校の講師は、「生徒に勉強を教える」ことで教員と共通しています。

「小学校・中学校・高校という環境は嫌だけれど、生徒に勉強を教えることは好き」という方にぴったりの職種といえるでしょう。

ただ、塾や予備校の講師は、講習の申し込み者数や、高校・大学合格者数などの目標を追う必要があります。

これらの数字は評価にもつながるので、結果的に給料にも影響してくるのです。

勉強を教えることが好きな方は塾や予備校の講師への転職がおすすめといえます。

家庭教師

塾や予備校の講師と同様、「生徒に勉強を教える」ことが仕事ですが、より生徒一人ひとりに寄り添った対応ができるのが、家庭教師の魅力です。

教員時代、生徒の悩み相談役になることが多かった方や、一人ひとりに寄り添える時間が足りなくて悔しい思いをした方におすすめです。

各教科や受験指導の専門知識をダイレクトに活かせるでしょう。

公務員

仕事内容に不満があったものの、福利厚生は変えたくない方や、さまざまな活動に携わってみたい方におすすめなのが、公務員です。

公立の学校の教員も公務員ではありますが、公務員専用の採用試験を受けて合格する必要があります。

公務員が気になっている方は、早めに採用試験に関する情報をチェックしておきましょう。

関連記事：民間から公務員へ転職するなら知っておくべき注意点と大切なポイント

営業職

授業を通して身に付けたプレゼンテーションスキルを、営業職で活かしてみるのもよいかもしれません。

コミュニケーションスキルに長けている方であれば、相手のニーズを汲み取りながら商品を販売する営業職に向いています。

出版業界や教育業界を転職先に選ぶことで、勉強や子どもといった分野のスキルが武器になる可能性が高くなるでしょう。

関連記事：営業に向いている人の特徴は？向いていない人におすすめの対策

教育関係企業の事務職

「人に何かを教えることが苦痛になったけれど、教員で得たスキルは活かしい」という方には、教育関係の企業で事務職がおすすめです。

たとえば、以下のような就職先があります。

直接指導はせずとも、指導する人の支えとなる仕事をすることで、困っている人を助けることができます。

資料作成や整理、テストの添削など、膨大な種類と数の業務をこなしてきた教員は、事務職でもそのスキルを発揮できるでしょう。

教育関連の企業

職種へのこだわりがない方は、教育関係の企業への転職を目指してみるのもよいでしょう。

学習指導に関する知識や教育者としての経験を最大限に活かして、的を射た改善案を提示できます。

気になる企業を見つけたら、そこからどのような職種があるのか探し、応募職種を決めていくとよいかもしれません。

年代別！教員から転職する際の進め方とコツ

転職する際、何かとネックになるのが年齢です。

ただ、年齢を理由に転職を諦めるのはもったいないです。

今後65歳を過ぎても働く可能性がある以上、自分がのびのびと働ける場所を常に追い求めることが、キャリアライフだけでなく私生活にも良い影響をもたらすでしょう。

今回紹介する年齢に合わせた転職の進め方を理解し、応用してみてくださいね。

20代女性教員から転職する場合

20代は、教員としてのスキルや経験を活かして転職をするのはもちろんのこと、やる気と熱意があれば、未経験の業界への転職も十分可能です。

ただ、選択肢が多い分、迷ってしまうこともあります。

転職後に「こんなはずじゃなかった」と思わないためにも、自分の好みや夢、得意なことを把握しましょう。

反対に、教員での生活を思い出しながら、不得意なことや苦手な業務を洗い出すのも、転職先を探すうえで有効です。

30代女性教員から転職する場合

30代であれば、約10年以上教員として働いてきたことになります。

教員としてのスキルや経験を活かせる職種に挑戦することをおすすめします。

経験値の高さを履歴書や面接でしっかりアピールできれば、採用の可能性が高まるでしょう。

ただ、民間企業への転職となると給料がぐんと下がることは、あらかじめ認識しておきましょう。

40代女性教員から転職する場合

40代での転職は、20代や30代に比べるとハードルが高くなります。

転職先を教育業界に絞って、転職活動をおこないましょう。

学年主任や生徒指導などの役割を担ったことがある方は、生徒だけでなく一緒に働く仲間への統率力もスキルとしてアピールすると、高評価を得られる可能性が高まるでしょう。

教員からの転職で失敗しないため重要ポイント3つ

限られた時間の中で転職したにもかかわらず不合格になってしまった場合、転職に対するモチベーションが下がってしまいます。

転職で失敗しないためにも、今回紹介する3つのポイントを転職活動前にしっかり読み込んでください。

自己分析を怠らない

転職の軸は、転職活動だけでなく、今後のキャリアにとっても重要な要素です。

自己分析をおこない、転職の軸をしっかり決めてから転職活動をおこないましょう。転職後にミスマッチが生じ、転職を後悔することを防げます。

おすすめの自己分析は、マインドアップと質問リストです。

教員を辞めたいという感情のその先にある根本原因を見つけることができるでしょう。さらに、自身の長所や強み、スキルを把握できます。

経験やスキルを活かせそうな求人に応募することが、転職成功への近道といえます。

転職活動のスケジュールを立てる

教員から転職したい方は、転職活動のスケジュールを立てて転職活動に挑みましょう。

教員は、年度末以外での退職が難しい職業です。

さらに、日々の授業に加えて、テストを添削したり授業の進め方を考えたりするなど、忙しいことで有名な職業です。

3月末の退職予定日から逆算してスケジュールを組み立て、ゴールを起点にスケジュールを組みましょう。いつ何をすればいいのかが明確になるので、行動しやすくなるでしょう。

転職エージェントを活用する

自分に合う転職先を見つけられない方や、スケジュール管理が苦手な方は、転職エージェントを活用してみましょう。

転職エージェントとは、求職者と求人募集を出している企業の間に立って、転職成功を支援するサービスのことを指します。

転職エージェントには、さまざまな種類があります。

あなたの性格やライフスタイルに合わせて転職エージェントを選択すれば、転職活動におけるあなたの負担を軽減してくれるだけでなく、あなたにぴったりの転職先が見つかるでしょう。

女性教員から転職したい方におすすめの転職エージェント3選

教員から転職したい方におすすめする転職エージェントを紹介します。

今回紹介する転職エージェントは、それぞれ特徴が異なります。

あなたがサポートしてほしい内容を考えながら、自分に合う各転職エージェントを探してみましょう。

Education Career

ビズリーチ

リクルートエージェント

女性教員から転職を考えている方に関するよくある質問

教員からの転職を考えている方に関するよくある質問と、回答を紹介します。

転職したい女性教員が多いのはなぜ？

教員は忙しく、土日も仕事に時間を取られることがあります。

結婚や出産を視野に入れている女性にとって続けるのが難しいため、転職しようと考えるのです。

しかし、今では育休制度や地域限定採用などの制度があります。教員を続けられない、というわけではありません。

小学校・中学校・高校でおすすめの転職先は変わる？

小学校の教員には、幼稚園の先生や保育士がおすすめです。

幼稚園教員免許や保育士資格を取得する必要がありますが、教員免許に向けて勉強に励んだ方であれば、集中して取り組めるでしょう。

ただ、幼稚園の先生や保育士は未就学児を対象とする職業です。元気いっぱいの子どもたちの相手をするため、体力に自身のある方に向いています。

また、中学校や高校の場合は、塾や予備校の講師がおすすめです。

受験に取り組む学生を間近で見てきた経験や、受験生へサポートしてきた経験を活かせるでしょう。

まとめ

今回は、教員の転職について解説しました。

教員から他の職種や業界に転職したい場合は、まず自己分析をおこない、転職スケジュールを組みましょう。

自分にぴったりの転職先を見つけるうえでも、自己分析は欠かせません。

さらに、毎日忙しい教員にとって、計画しながら転職活動を進めることは、内定獲得率にも大きく影響します。転職でつまずくことが多い方は、転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。

転職エージェントによっては、あなたが負担に感じる作業を担い、転職を後押ししてくれるでしょう。