辞めたいのに退職させてもらえない
どこに相談したらいいかわからない
このような悩みをお持ちではないでしょうか。
世の中には引き止める・脅す・有給消化させないなど、あらゆる手を使って退職を妨害する会社が存在します。
それだけあなたが会社にとって魅力的な人材ということかもしれませんが、退職したいのにできないのは困ってしまいますよね。
この記事では、なかなか退職できないよくある事例とその対処法をまとめています。
関連記事:退職代行おすすめランキング13選|サービス内容を比較【最新版】
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目次
退職できない会社は違法?法律上のルールはない
そもそも、退職したい労働者を会社が引き止めることはできません。
そのような法律上のルールはないためです。
一方、労働者には条件を満たせば自らの意思で退職する権利があります。
以下の3つのパターンについて見ていきましょう。
正社員なら2週間前に通知すれば退職できる
下記のように民法で定められているもので、この際に会社の同意は必要ありません。
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。
この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
(引用:民法第627条)
このように労働者には退職の自由が認められており、退職理由が問われることもないのです。
反対に、会社側が退職届を受理しなかったり有給消化させなかったりすると「在職強要」とみなされ、違法になる可能性があります。
派遣社員やパートは雇用期間に注意
雇用形態が派遣社員やパートで、1年ごとの更新など雇用期間が定められている場合は注意が必要です。
基本的に、雇用契約した期間中の退職は認められていないためです。
期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が一年を超えるものに限る。)を締結した労働者(第十四条第一項各号に規定する労働者を除く。)は、労働基準法の一部を改正する法律(平成十五年法律第百四号)附則第三条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第六百二十八条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から一年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。
(引用:労働基準法第137条)
ただし、1年を超える契約期間の定めがある場合、契約開始から1年を経過した後に申し出をすればいつでも退職が可能です。
特別な理由があれば即日退職も可能
雇用期間の定めの有無にかかわらず、職場でいじめやパワハラで鬱を発症したなど「やむを得ない事由」があった場合は、即日退職が認められる可能性があります。
(やむを得ない事由による雇用の解除)
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
(引用:民法第628条)
「やむを得ない事情」にあたる具体的例は記載されていませんが、労働相談センターによると次の例が挙げられていました。
- 心身の障害・疾病
- 両親や子供の病気の介護
- 業務が法令に違反している
自分がどのケースに当てはまるか、今一度確認してみましょう。
関連記事:退職代行で可能な「即日退職」の仕組み|すぐに辞めたい人が押さえるべきポイント
【注意】就業規則と民法が異なる場合
このように民法上、正社員など雇用期間の定めのない場合であれば2週間前の通知で退職は可能です。
しかし、会社の就業規則では「退職の意志は1ヶ月や2ヶ月前に通知する」となっている場合も多いでしょう。
基本的には就業規則よりも、民法のほうが優先されると考えて問題ありません。
とはいえ、引き継ぎや後任者の求人募集などの手間を考慮すると、なるべく早めに通知したほうがお互いにとっていい結果になるはずです。
会社と話し合いができる状況であれば就業規則にしたがって早めに伝え、スムーズな退職を目指すのがベストでしょう。
辞めたいのに退職できないよくある事例と対処法
労働者を引き止めたい会社は、あの手この手で在職強要をおこなってきます。
よくある事例とその対処法を紹介するため、自分が当てはまるケースがないかチェックしてみてください。
退職届を受け取ってもらえない
雇用期間の定めのない正社員などの場合、民法上、退職の意思を伝えて2週間経つと退職が可能です。
それを利用してわざと書類の受け取りを拒否し、いつまでも退職扱いにしない手口を使われることもあります。
対処法としては、相手が受け取った証拠を残すことです。
すると郵便局が相手へ届けたこととその内容を証明してくれます。
人手不足を理由に引き伸ばされる
「代わりの人がいないからもう少し待ってほしい」などと言われ、ずるずると引き伸ばされるパターンです。
しかし、会社の人手が足りないのは会社の体制に問題があり、あなたのせいではありません。
「あなたなしでは業務がまわらない」と情に訴えられる
「あなただけが頼りなんだ」「あなたなしでは業務がまわらない」といったように、情に訴えて引き止めることもよくあります。
小さな会社であるほど1人1人の裁量が大きかったり、長年勤めたりして辞めづらいことも大いにあるでしょう。
しかし、代わりの人間を採用・教育してこなかったのも、あなた1人に大きな仕事を任せっぱなしにしていたのも会社の責任です。
自分の将来ややりたいことのためには、感情に引きずられることなくきっぱり辞める覚悟も必要になるでしょう。
未払いの残業代や退職金の手続きをしてもらえない
ブラック企業に勤めていて未払いの残業代がたまっていたり、退職金があるのに手続きをしてもらえなかったりすることも珍しくありません。
残業した証になるタイムカードや給与明細などを揃えて退職してから、相談窓口で相談してみてください。
損害賠償を請求すると脅される
「あなたのせいで取引先に迷惑がかかったので、給与から差し引く、損害賠償を請求する」と脅されるケースもあります。
しかし、たとえ労働者が労働契約違反をして会社が何らかの損害を負ったとしても、給料から差し引くことは認められていません。
(賃金の支払)
(引用:労働基準法第16条)
第二十四条
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
また、損害賠償請求についても、従業員に法令、雇用契約、就業規則等に違反する行為があり、会社に損害を与えた場合は別として、従業員が退職すること自体で会社に損害が発生したと主張されている場合であれば、一般的には損害賠償請求が認められる可能性は低いといえます。
実際に訴えられても十分交渉の余地があるため、そのまま退職して大丈夫です。
暴言を吐かれる
ひどい会社では、辞める際にありえない暴言を吐かれたり、人格を否定するようなことを言われたりすることもないとはいえません。
「仕事を辞めるだけでなぜここまで言われるのか」と落ち込んでしまうこともあるでしょう。
しかし、辞める会社の人間をこれ以上相手にしても仕方ありません。
あなたの人生はあなたのものです。
有給休暇を使わせてもらえない
退職時には、残っている有給休暇を消化して辞めるのが一般的です。
しかし、これを認めずに嫌がらせをしてくる会社も存在します。
また、有給消化にあたって理由が問われることもありません。
関連記事:【最新版】有給消化ができないときは退職代行サービスを利用しよう
給料を支払ってもらえない
退職の意思を伝えたとたん、すでに出勤した分の給料まで「支払えない」とごねられるケースもあります。
出勤した証拠になるタイムカードや日報・給与明細などをあらかじめ集めておき、退職後に請求をおこなってください。
希望日に退職させてもらえない
自分が指定した退職希望日を無視し、退職日を変更されるケースも存在します。
この日にちを会社が勝手に変えることはできません。
そのため、もし違う日付を指定されても無視し、当初の退職希望日に退職しましょう。
そのことを理由に会社が給与や退職金の支払いを拒否するのは違法になります。
離職票をもらえない
離職票は、労働者が退職後に失業保険を受け取るために必要な書類です。
しかし、この離職票を出す手続きをしないという嫌がらせをする会社も存在し、これも在職強要の一種と考えられます。
対処法としては会社に直接うながすよりも、ハローワークを通じて催促してもらうと角が立ちません。
関連記事:仕事辞めたらすることは?退職後の重要な4つの手続きや流れを解説
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なかなか退職できないときに注意したいポイント
なかなか退職できないと焦ってしまいがちですが、そんなときは次のポイントに注意してください。
引き継ぎをしっかりおこなう
円満退職のためには、引き継ぎをしっかりおこなうことが大切です。
民法上引き継ぎをする義務はないことから、実際はある日突然辞めることもできます。
しかし同僚や上司に迷惑をかける可能性が高いだけでなく、のちのちトラブルにも繋がりかねません。
「どうしてもあと1日も出社したくない」というほど追い込まれているのでない限り、会社と合意のうえで退職日を設定し、その日までにしっかりと引き継ぎを終えるのが理想的です。
関連記事:退職代行を利用すれば引き継ぎなしで退職できる?リスクやスムーズに退職するポイント
退職の意思を伝えるタイミングに気をつける
辞めたい時期が具体的に決まっていないなら、なるべく会社に迷惑がかからないタイミングを選ぶのがおすすめです。
業種によって繁忙期がある場合、1年でもっとも忙しい時期やその前後は避けるといった配慮をするべきでしょう。
代わりの人員を募集・教育するのにも時間がかかるはずだからです。
退職そのものは認めて応援されているのに、時期が悪いというだけで同僚や上司によく思われないと損をしてしまいます。
関連記事:退職時期や切り出すベストタイミングは結局いつ?円満退職を実現させるポイントとは
できるだけ就業規則にしたがう
民法のほうが優先されるとはいえ、可能なかぎり会社の就業規則にしたがったほうが、円満退職が見込めます。
会社には、その会社ごとの都合に合ったスケジュールや体制があるはずです。
それを踏まえたうえで、自分が希望する退職日や退職スケジュールがあるなら伝えると、柔軟な対処が期待できるでしょう。
なかなか退職できないときにおすすめの退職代行サービス3選
ここでは、なかなか退職できないときにおすすめの退職代行サービス3選を紹介します。
自分に合ったサービス選びの参考にしてください。
関連記事:退職代行おすすめランキング14選|サービス内容を比較
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関連記事:退職代行Jobsの口コミ紹介!メリットや注意点、評判、料金などを解説
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どうしても退職できないときは、以下の相談窓口の利用をおすすめします。
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関連記事:退職の相談は誰にすればいい?トラブル時の相談窓口まとめ
労働基準監督署(労基)
労働法を守っていないという連絡が入れば調査し、不正が見つかれば勧告をおこないます。
基本的に会社側の問題を是正する機関のため、残業代を支払わない場合の勧告などはしてくれますが、個別に動いてくれるわけではありません。
よほど会社の実体がブラックで証拠も集まっているなら訴える価値はありますが、個人的な問題解決は労働相談センターを利用したほうがいいでしょう。
総合労働相談コーナー
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会社の対応が法律違反を犯しているほど悪質な場合、直接的に関わってくれる可能性もあるでしょう。
会社への要望や通達があれば労働局長からなされ、話し合いを通じて解決を目指します。
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弁護士
弁護士に依頼すると、損害賠償請求に対して交渉したり、必要書類を作成するよう促したりできます。
退職にあたって自分1人の手には負えないほど困っている場合は、弁護士に相談するのも1つの方法です。
ただしほかの無料相談窓口とは異なり、弁護士の利用には費用がかかります。
利用するかどうかは慎重に判断してください。
退職トラブルに対応している旨を記載している弁護士を選ぶと、より安心して使えるでしょう。
まとめ
「仕事を辞めたくても辞めさせてもらえない」といった事例は、驚くほど多く存在しています。
とはいえ、労働者には自由に退職する権利があります。
もし会社と合意できなくても、退職の通知から2週間が経過すれば問題なく退職できるため安心してください。
もし残業代が支払われなかったり、必要書類の手続きをしてもらえなかったりした場合は、証拠を集めておき退職後に改めて請求しましょう。
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