「派遣先の環境に合わず辞めたい」
「希望通りの仕事ができない」

このようなお悩みにお答えします。

派遣の仕事を始めてすぐに辞めたいと感じる方は多いでしょう。

実際、初めて派遣社員として勤務した方の1年以内に辞める割合は、70.5％という報告があります。

引用：独立行政法人「非正規雇用者の1年未満の早期離職の要因分析」

離職理由は、労働条件や職場環境が大半です。しかし、派遣社員は契約途中の退職は認められていないため、退職に不安を持っている方は多いでしょう。

そこでこの記事では、以下の内容について解説します。

最後まで読んでいただければ、自分に合う仕事を見つけられます。

あわせて読みたい⇒仕事を辞めたいあなたに！原因と対処法・辞める際の判断基準

そもそも派遣社員の契約内容の概要とは？

派遣社員は、契約期間が決まっています。契約途中に退職する場合、以下の条件を理解する必要があります。

それぞれ解説していきます。

原則、契約途中の退職はできない

派遣社員は、原則契約途中の退職は認められていません。派遣元との契約時に、雇用期間をあらかじめ定めて契約するためです。

契約内容は法律に基づいて決められています。

参照：労働者派遣法第26条

派遣契約の主な契約内容は以下のとおりです。

派遣は原則、契約期間が定められているため、契約途中の退職はできません。

やむを得ない場合や1年超の契約は退職も可能

やむを得ない場合や、契約期間1年超では退職が可能です。法律で一定の事由があれば退職できることが明記されています。

参考：民法第628条「やむを得ない事由による雇用の解除」

契約途中でも辞められる理由は以下のとおりです。

法律に基づいた退職理由は、契約期間中でも退職が可能です。

とはいえ、退職を言い出せない方もいるでしょう。

しかし、退職代行を利用することであなたの代理となって、退職の意思を伝えられます。

退職代行については、以下の関連記事で詳しく解説しているため参考にしてみてください。

派遣を契約途中で辞める4つの方法

派遣を契約途中で辞める方法について4つ紹介します。

それぞれ参考にしてみてください。

人間関係に悩みがある

派遣先で人間関係に悩みがある場合、退職を検討することが可能です。勤務を続けると、心身に影響を及ぼす可能性があるためです。

一例として、派遣された職場で、期待通りの仕事ができない場合、上司や他の方からハラスメントを受けることがあります。

人間関係が悪い職場では、業務を円滑に進めることが困難です。enジャパンが調査したデータで、人間関係で退職した方は、25％いることがわかっています。

引用：enジャパン「退職理由のホンネとタテマエ」

退職を伝える際は、派遣元に相談することが重要です。派遣先に相談しても対応できません。最悪の場合、人間関係が悪化する恐れもあります。

職場での状況を具体的に説明するとよいでしょう。実際に受けたハラスメントを、提示できるデータがあればなお、退職できる可能性が高くなります。

適切な対応を行うことで契約途中の退職も可能になります。

労働条件が悪い

労働条件が悪い場合、退職は可能です。ストレスを抱えることや、精神的な健康に悪影響する可能性が考えられます。

労働条件が悪く退職するケースは以下のとおりです。

参考：en派遣「仕事の悩み」

給与面の不満から退職する方が多く見受けられます。劣悪な条件は法律の「やむを得ない事情」として該当するため、派遣元の担当者に相談しましょう。

適切な手続きを進めることでスムーズな退職が可能です。

希望していない仕事をさせられる

契約時に希望していない仕事をさせられた場合、退職できる可能性があります。契約以外の業務は、法律に違反しているためです。

参考：労働者派遣法第26条「契約の内容等」

契約以外の仕事は以下のとおりです。

派遣社員の方では、契約していない仕事をさせられる方もいるでしょう。

しかし、契約した業務以外は対応する必要はありません。強要された場合、派遣元に相談することで退職が認められる可能性があります。

派遣先企業は、契約で定めた範囲を超えて指揮命令することはできないため、依頼された際、派遣元に相談しましょう。

とはいえ、飲み会の誘いは親睦を深めることもあります。業務外と割り切れる方は参加して、人間関係を構築するとよいでしょう。

体調不良で出勤できない

体調不良で出勤できない状況は、派遣元の担当者に報告を行い、退職を伝えましょう。手続きを踏むことで円滑に手続きが進めることが可能です。

体調不良で出勤できないケースは主に以下のケースが考えられます。

精神的な病気は、疾患にかかる前に相談することが重要です。心身が弱ってからでは人生設計が変わることもあるため、早めに退職しましょう。

派遣を辞めたい！と伝えるタイミング

派遣を辞めたいと伝えるにはタイミングが重要です。退職を伝えるときについて4つ紹介します。

それぞれ詳しく解説していきます。

退職希望日の1か月前

派遣を辞めたいと伝える場合、退職希望日の1か月前が推奨されています。業務の引き継ぎや人材確保の準備するためです。

たとえば、7月15日に退職したいなら、6月14日までに退職の意思を伝えるとよいでしょう。

早めに意思を伝達することで、派遣先や派遣元の手続きをスムーズに進められます。トラブルが大きくならないためにも、早めに伝えることが重要です。

人材が補填されたとき

人材が補填されたタイミングで「辞めたい」と伝えることで、派遣先や派遣元とのトラブルのリスクを低減できる可能性があります。

たとえば、即戦力の人材が入社すると、業務を効率よくこなせたり、職場の負担を減らせたりできます。

一方で、未経験の方が入社された場合、負担は増えるためトラブルにつながりやすいでしょう。

人材が補填されたタイミングで、退職を伝えることも一つの方法です。

月初や休日後

月初や休日後に伝えると、退職手続きをスムーズに行える場合があります。しかし、1日や月曜日といったタイミングは業務が集中している可能性があるため、3日や火曜日がよいでしょう。

派遣元担当者に連絡、忙しそうなら日程を改めると聞き入れてもらいやすい場合があります。業務が比較的落ち着いているときに伝えるとよいでしょう。

とはいえ、契約途中の退職になるため、トラブルになる覚悟は必要です。

退職の意思を伝えるタイミングは、月初や休日後がよいでしょう。業務が比較的落ち着いている時期を選ぶことが望ましいです。

具体的な退職日は、派遣元担当者と相談の上で決めると、退職手続きをよりスムーズに進められる可能性があります。

ただし、契約途中の退職であるため、トラブルになる可能性があることも理解する必要があります。

繁忙期以外や長期休暇後

退職を伝えるタイミングは、業務が比較的落ち着いている時期がよいでしょう。繁忙期や長期休暇の直前・直後は避けるべきです。なぜなら、業務が忙しく、十分な引き継ぎや相談の時間を確保しづらいからです。

適切なタイミングでは以下のメリットがあります。

転職にも影響する可能性があるため、慎重に選択が重要です。業務の状況を見極め、派遣元の担当者と相談しながら、最適なタイミングを選びましょう。

派遣を辞める5つの手順

派遣を契約途中に辞める場合以下の5つの手順で進めていきます。

それぞれ参考にしてみてください。

退職の意思を伝える

退職の意思は、派遣元に伝えましょう。派遣先に伝えても退職の手続きは行えません。

派遣先には派遣元から伝達されるため、自分から伝える必要はありません。

契約途中で退職する際は、1か月前までに意思を伝えるとスムーズな退職につながる可能性があります。契約中に辞めるため、退職理由はやむを得ない事情の内容を伝えましょう。

退職できる可能性がある理由は以下のとおりです。

原則、退職はできないため、やむを得ない事情を伝えることが重要です。

手続きの進行

派遣元を辞める場合、退職届や健康保険証を提出する必要があります。手続きは、退職届の受理や給与の計算、雇用保険や社会保険の資格喪失手続きなどが行われます。書類を提出する際は、コピーをとっておきましょう。

必要な書類や手続きは派遣会社によって異なるため、担当者に相談することが重要です。

業務引き継ぎと貸与物の返却をする

退職が決まったら、業務の引き継ぎや貸与物の返却を行います。業務に影響が出ないように行うことでスムーズな退職につながります。

貸与物の返却は、確実に行いましょう。忘れていたり怠ったりすると、契約違反になる可能性があるため、損害賠償の対象になる恐れがあります。

スムーズに進めるためにも、業務の引き継ぎと貸与物の返却を確実に行うことが重要です。

有給休暇を確認し申請する

退職前に残っている有給休暇を確認し申請しましょう。有給も立派なお金です。支給される手当を辞退することになるため、受け取れるお金が少なくなります。

しかし、派遣元の業務量によっては有給を受け入れてもらえない場合もあります。早めに退職を伝えて申請すると取得できる可能性があるでしょう。

失業保険などの手続きをする

失業保険などの手続きは退職後に必要です。受け取れるお金が変わってくるため、期日までに手続きを行うようにしましょう。

新しい職場が決まっていない場合以下の手続きが必要です。

申請内容	手続き期限
失業保険の手続き	離職票が届き次第
年金の切り替え	14日以内
健康保険の切り替え	退職後20日以内
住民税の支払い方法の変更	退職した翌月の10日まで

ハローワークや市役所で手続きを行いましょう。

派遣を辞めるときの3つの注意点

派遣を辞めるときに注意すべきことが3つあります。

それぞれ詳しく説明します。

関連記事：適切な会社の辞め方とは？円満に退職する方法や注意点・やってはいけないことを解説

退職を派遣先やほかの人に伝えない

契約中に辞める際は、退職の意思を派遣先やほかの人に伝えないことが重要です。派遣元と派遣先でトラブルにつながる恐れがあるためです。

派遣は契約期間が決められているため、途中で辞めることは、派遣元やあなたの信頼関係を損なうことにつながります。

派遣先に退職の情報が知れ渡ることで、問題になり退職できない可能性があります。トラブルを防ぐためにも、退職が決まってから伝えるようにしましょう。

無断欠勤をしない

無断欠勤は社会人として避けるべきです。信頼を失うだけでなく、派遣元や派遣先に迷惑をかけることになります。

身元確認のため、あなたの電話や自宅を訪問することも考えられます。最悪の場合、懲戒解雇扱いになり経歴に記録されるここともあるでしょう。

派遣先に仕事に行くのが苦痛な場合でも、無断欠勤は避けるべきです。

会社の備品を返却する

派遣を辞める場合、派遣から借りている備品を返却しましょう。罰金が課られたり、給与が減額されたりするためです。

返却すべき主な備品は以下のとおりです。

退職前に忘れず返却しましょう。

即日辞めるなら退職代行サービスがおすすめ

やむを得ない事情で即日退職を希望するなら、退職代行サービスの利用がおすすめです。退職代行は、退職予定者の意思伝達や有給休暇の取得といった手続きを、退職完了まで代理で行うことが可能です。

希望していない業務を任されたり、派遣先の環境があっていなかったりする場合、即日にでも辞めたいでしょう。個人で退職を伝えることや手続きを進めるよりも、負担が軽いためぜひ活用することをおすすめします。

ただし、「やむを得ない事情」で退職代行を利用する際は、正しい選び方があります。労働組合か弁護士が運営しているサービスを選ぶことが重要です。

即日辞められるおすすめの退職代行会社については、以下の関連記事を参考にしてみてください。

派遣を辞めた後の仕事の探し方

派遣を辞めた後、再度契約期間内に退職しない仕事の探し方について5つ紹介します。

それぞれ解説していきます。

関連記事：後悔しない仕事選びのコツとは？重視すべき基準やおすすめのサービスを紹介

自分の好きな仕事は、モチベーション維持につながります。興味や情熱を持って取り組める期待があるためです。

自分の好きな仕事か

また、人間関係も構築しやすく、ストレスの少ない可能性があります。興味のある仕事はスキルが向上しやすく正社員に登用できる可能性も高いでしょう。

好きな仕事を見つける方法は以下のとおりです。

自分の得意なことや価値観を理解できれば早期退職も防げるでしょう。

長く続けられるか

長く続けられる仕事を選びましょう。給与の高さを重視すると、あなたの希望とはかけ離れた仕事をする可能性があります。

長く続けられる仕事では以下のメリットがあります。

長期的に働くと、スキルが向上したり人間関係の構築も築きやすかったりします。あなたが長く続けられる仕事を明確にすると良い職場か見つかるでしょう。

希望する仕事ができるか

希望する仕事ができる場合、やりがいや満足感が得られやすいでしょう。短期離職を防げる可能性があります。

スキルを身につけることや経験積み重ねることで、キャリアの目標が立てゴールに向かって取り組めます。

「正社員になりたい」「マネージャーや部長などの役職になりたい」といった気持ちも湧き出てくるかもしれません。

希望する仕事では、目標ができたり達成感を得られたりする可能性が高いため、契約期間内での退職を防ぎやすいでしょう。

求人票の文言に特徴はないか

仕事を探す上で、求人票の文言に気をつけましょう。職場環境や労働条件が悪い企業は特徴があるためです。

それぞれの求人票の特徴は以下のとおりです。

求人票の内容	派遣を続けたくなる企業	派遣を辞めたくなる企業
給与と待遇面	給与や手当が具体的な数字を明記している	「給与が高い」などの金額が曖昧
労働条件	年間休日や残業時間の具体的な数字を明記 「年間休日120日」「残業20時間程度」	「休日出勤あり」「残業多め」と曖昧な表現
福利厚生	有給休暇の取得率や福利厚生について数字で実績を明記している。 「有給休暇80％」「育児制度あり」など	具体的な情報は明記しない。 「福利厚生充実」だけなど

特徴を理解することで、契約途中の退職も防げるでしょう。

関連記事：登録してはいけない派遣会社とは？特徴や見分け方を解説

募集日数は長くないか

求人を探す場合、募集している日数に気をつけましょう。期間が長い場合、派遣元を離職する方が多い可能性があります。

派遣先の労働条件や人間関係が悪い可能性が高く、常時人が足りない場合が考えられます。

そのため、長期間募集している求人は、企業リサーチが重要です。ネット検索で口コミを確認するとよいでしょう。

関連記事：ブラック企業を見抜く方法｜ホームページ・面接・求人票から見分ける方法を徹底解説

派遣を辞めたい！と思ったときによくある質問

派遣を辞めたいと思った時によくある質問について3つ紹介します。

それぞれ見ていきましょう。

退職はメールで伝えても大丈夫？

派遣を辞めたいとメールで伝えても問題ありません。やむを得ない事情では、病気や入院などで対面が難しい場合、メールで伝えることも一つの方法です。

しかし、理由なき契約途中の退職は違反になるため、注意しましょう。

派遣は即日退職できる？

やむを得ない場合に限り、即日退職できる可能性があります。派遣は契約期間が決まっているため、理由なき退職は違反になるためです。

即日退職できるケースは職場のハラスメントや病気などの事由があるときです。しかし、個人で即日退職するには引き止められたり、新しい人が入社されるまで拒否されたりする可能性もあります。

働くのが困難な事情で即日退職したい場合、出社不要の実現性がある退職代行サービスを利用するとよいでしょう。心身に負担が少なく退職が可能です。

関連記事：派遣社員でも退職代行は使える？注意点や利用時の流れ、オススメ業者を紹介

契約途中で辞めるとペナルティはあるのか？

契約途中に辞めてもペナルティは発生しません。法律で違約金を定めることは禁止されています。

参考：労働基準法第16条

しかし、急に退職を伝えると派遣先や派遣元に迷惑がかかり、転職で不利になるケースが考えられます。やむを得ない事情がある場合でも早めに伝えるとよいでしょう。

まとめ

この記事では、派遣社員が契約途中で辞めたくなったときの、辞める方法や辞めたいと伝えるタイミング、手順について解説してきました。

派遣先の職場環境に合わないことや、希望通りの仕事ができないといったケースはあります。契約途中でも辞めたい場合、「やむを得ない事情」の退職は可能です。

ハラスメントを受けている職場では、精神的な負担を軽減できるでしょう。また適切な対処法についてもサポートが可能です。

対面で辞めたいと伝えられない状況では、退職代行サービスを利用することも検討してみてください。