正社員を希望している方のなかには、年齢や職歴などの関係で、自信がもてない方も多いでしょう。

正社員になるためには、効果的な対策や企業選びを工夫する必要があります。

今回は、正社員になれない原因と対策法を解説します。本気で正社員を目指している方は、ぜひ参考にしてください。

関連記事：フリーターにおすすめの転職エージェント15社比較ランキング｜選び方と転職/就職成功のポイント

正社員になれない人は近年増加傾向にある

正社員になれずに悩んでいる方は、上記のように自己否定をしてしまうこともあるかもしれません。

しかし、近年は正社員ではなく、別の雇用形態で働いている人が増加傾向にあるのです。

総務省統計局が発表した労働力調査によると、2022年の非正規雇用者は36.9％にまでのぼるとされています。

引用元：労働力調査（詳細集計） 総務省統計局

2014年あたりの非正規雇用労働者は減少していましたが、2015年以降から少しずつ上昇している傾向です。

正社員になれなずに自信を失っている方は、正社員として働いていない人が3割以上いることを把握しましょう。

正社員になるための対策を実行すれば、現状の問題解決にもつながります。

正社員になれない人の7つの原因

正社員になれない方は、なぜなれないのかという原因を考えてみましょう。正社員になれない原因は、必ずしも自分だけにあるとは限りません。

以下に、正社員になりたいのになれないおもな原因を説明します。

正社員になれずに悩んでいる方は、自分のおかれた環境や考えを見直してみましょう。

社会人としてのマナーが守れていない

正社員になれない原因として、社会人としてのマナーが守れていないことが挙げられます。

おもに、フリーターから正社員を目指している方は、職場での勤務態度を見直してみましょう。

正社員になると、社内以外の人と関わることが増えるうえ、さらにほかの雇用形態より責任も大きくなります。

普段からマナーをが守れていない人は、職場における信頼も築けず、正社員として認められる可能性は低いのです。

言葉遣いやあいさつ、服装からもマナーがあるのかどうか評価されます。自分のマナーが不安な方は、少しでも改善するように努めましょう。

経験やスキルが足りていない

正社員になれない人の原因として、経験やスキルが足りていない可能性も考えられます。正社員は、責任のある仕事を任される機会が増えるので、スキルや経験が足りていない方は注意が必要です。

経験は勤続年数や具体的な業務内容などから、スキルは仕事の成果などから評価されます。

スキルに自信のない方は、まずは仕事の効率や質を見直してみましょう。

主体性が足りていない

主体性が足りていないことも、正社員になれない原因のひとつです。正社員の場合、フリーターや派遣社員とは違い、職場からの指示に従って動くだけでは務まりません。

正社員は、仕事においてなにかトラブルが起こった場合、自ら率先して動ける行動力が問われます。

主体性に自信のない方は、まずは自分から動く姿勢を見せてみましょう。

信頼関係が築けていない

職場との信頼関係が築けていないことも、正社員になれない原因です。正社員の場合、ほかの社員とチームを組んで協力し合いながら仕事をする機会が多くあります。

派遣社員やフリーターの場合は、おもに一人でおこなう仕事が多いかもしれませんが、仕事はいろんな人と協調しながら進めなければいけません。

信頼されていないと、周りと協力して仕事を進めることができないと思われているかもしれません。

社員登用制度が設けられていない

正社員になれない原因として、社員登用制度が設けられていないことも考えられます。正社員になるためには、一定期間勤務したのち、面接や試験の受験が必要です。

しかし、社員登用制度が設けられていない職場は面接や試験がおこなわれず、正社員になれる機会がありません。

実力や勤務態度が認められれば、制度がなくても正社員として登用される可能性はありますが、社員登用制度のない職場で正社員を目指すのは難しいといえるでしょう。

就職活動に力を入れていない

就職活動に力を入れていないことも、正社員になれない原因のひとつです。就職活動では、企業へ自分のスキルや強みをアピールします。

就職活動に力を入れていない人は、企業へのアピールが足りず、正社員としての登用が認められない可能性があります。

就職活動の対策が足りているかが不安な方は、ひとりで進めるのではなく、就活エージェントにサポートしてもらながら進めるのがおすすめです。

希望している求人の条件が高すぎる

正社員になれない人の原因として、求人に設けている希望条件が高すぎることも考えられます。条件のよい企業は倍率が高く、正社員として雇用されるのは簡単ではありません。

年収は800万円以上、週休3日といったあらゆる項目に高い条件を求めるほど、受かる企業は限られてしまいます。

企業選びで求めている条件が高すぎると感じた方は、再度求めている条件を見直してみましょう。

正社員になれない人に効果的な対策法6つ

長期間、正社員に登用されていない場合、「自分が正社員になるのは無理なのでは」と自信をなくす可能性があります。

しかし、効果的な対策をおこなえば、誰にでも正社員になれる機会が訪れるのです。

対策を十分におこなうことで、正社員へ登用される可能性はあがります。正社員を希望している方は、職場から評価される対策を考えましょう。

関連記事：フリーターから正社員は難しい？就職できたリアルの体験談を元フリーターが解説

コミュニケーション能力を身につける

正社員になるための対策として、コミュニケーション能力を身につけることが挙げられます。コミュニケーション能力は、仕事面において、周囲の人たちからの信頼を得るのに効果的です。

コミュニケーション能力を身につけるためには、まず自分の仕事内容などを周囲の社員に相談してみるとよいでしょう。できるだけ多くの人たちと会話をすることで、コミュニケーション能力を身につける機会が得られます。

責任のある仕事をおこなうときほど、ほかの社員と協力しなくてはいけません。コミュニケーション能力は、正社員においても大切なスキルです。

行動量を増やす

正社員を目指している人におすすめの対策法として、行動量を増やすことも効果的です。社内で評価を高めるためには、自ら行動を起こし、自主性をアピールする必要があります。

自分にできることはないか、自分の得意とする作業などアピールできる事柄はさまざまです。行動を起こし、周囲に貢献するほど、職場からの評価は高まります。

今まで行動量が足りていなかった方は、ぜひ自主的に動くことと、自分が役立つ部分のアピールを意識してみましょう。

周囲に相談してサポートを受ける

身近な知人に相談し、サポートを受けることも、正社員になるためには効果的です。就職活動において、正社員として雇用されない方は、ぜひ実行してみましょう。

自分のことをよく知っている友人や家族、転職経験者の知り合いなど、多くの人からアドバイスをもらうのがおすすめです。

周囲から話を聞くと、自分の欠点や足りない部分、今まで気づけなかった長所などをあらためて認識できる機会が得られます。

就職活動をおこなうときは、身近な知人の話も参考にしましょう。

正社員登用制度を利用する

正社員になるための方法として、正社員登用制度を利用することも挙げられます。正社員登用制度は、指定された期間勤務している人には受ける機会を得られます。

おもな内容は面接や試験ですが、企業によっては資格取得など特定の条件があるため注意が必要です。

フリーターや派遣社員として、正社員登用制度がある企業で勤務している方は、ぜひ制度を活用してみましょう。

未経験でも応募可能な求人を探す

未経験可能な求人に応募するのも、正社員になるための対策です。企業が採用を決める際の判断基準として、スキルや経歴などが挙げられます。

しかし、未経験可能な求人は、スキルなどよりも入社後の実績を重視する傾向です。

未経験可能な企業では、実力が認められるほど正社員に登用される可能性はあがります。経歴やスキルなどに自信のない方は、未経験可能な求人を探してみてください。

ベンチャー企業への応募を検討する

ベンチャー企業への応募も、正社員になれない人におすすめの就職先ではあります。ベンチャー企業は設立して間もない企業であり、おもに新しい製品やサービスを開発しています。

ビジネスを拡大するために、採用に力を入れている傾向にあります。経験が多い人ほど有利ではありますが、おもに人柄や好奇心がある人を求めているといえます。

チャレンジ精神が旺盛な方は、ベンチャー企業への応募を検討しましょう。

正社員になれない人が企業選びで注目すべきポイント

正社員になれない人は、対策のほかに企業選びで注目すべきポイントが存在します。

説明するポイントは、以下の通りです。

企業が取り入れている制度に注目し、応募する企業を考えましょう。

社員育成に力を入れているか

正社員を希望する人が企業選びで注目すべきポイントのひとつは、社員育成制度です。学歴やスキル、即戦力を求める企業がある一方で、未経験者でも就職可能な企業も存在します。

社員育成制度に力を入れている企業はとくに、新入社員に対して自社に役立つスキルを身につけてもらうことを重視しています。十分な教育制度が取り入れられている企業に就職すれば、未経験でも活躍できる可能性が高くなるでしょう。

試用期間を設けているか

試用期間を設けているかどうかも、企業選びで注目すべきポイントです。試用期間を設けている企業は、正社員を多く採用する傾向にあります。

試用期間とは、指定された期間に業務を通して、今後自社に貢献できる人材かを確かめるための期間です。試用期間内に実力をつければ、正社員として本採用されます。

また、実際の業務に携わることで仕事内容が自分に合っているかを見極められるため、ミスマッチを防ぐのにも効果的です。

正社員採用を活発におこなっているか

企業選びで注目すべきポイントとして、正社員採用を活発におこなっているかどうかも挙げられます。正社員採用が多くおこなわれている企業は、自社の求めるスキルが備わっていれば採用される可能性はあがります。

フリーターなどで特別なスキルがないときは、コミュニケーション能力や体力がある人を求める企業を選ぶのもおすすめです。面接や書類などで働く意思を強く伝えることで、目立った強みがない人でも企業の目に留まるでしょう。

正社員になれない人が応募時におこなうべき対策4つ

正社員になって活躍したいと考えている方は、企業選びや自分自身への対策のほかに、就職活動の対策もおこなわなくてはいけません。

おこなうべき対策として、以下の項目が該当します。

ひとつずつ解説します。就職活動の対策法がわかっていない方は、ぜひ参考にしてください。

自己分析をおこなう

自己分析は、就職活動において大切な要素です。自己分析をおこなえば、自分の強みや興味のある業種、将来のキャリアプランなどがみえてきます。

企業を選ぶ基準になるうえ、強みをアピールするときにも役立ちます。

自分はなにが得意なのか、どのようなアピールポイントがあるのかが理解できていない方は、応募のまえに自己分析からおこなってみましょう。

自分に合った仕事を選ぶ

自己分析を済ませたあとは、自分に合った仕事を選びましょう。自己分析の結果をもとに、自分にはどのような仕事で貢献できるかを考えることは大切です。

選んだ仕事が自分に合っているぶん、選考で企業の目に留まるようなアピールができ、正社員として採用される確率が高まります。企業が採用時に注目している部分は、応募者が自社でどのように貢献してくれるかどうかです。

自分の強みを求めている企業を選ぶとよいでしょう。

企業の雰囲気をチェックする

応募時におこなうべき対策として、企業に対する雰囲気チェックも挙げられます。企業の雰囲気が自分に合っていなければ、正社員として採用されたとしても、居心地がよくないことですぐに辞めてしまう羽目になるでしょう。

企業の雰囲気は、働いている人や社長がどのような人物かなど、企業に属している人の印象などでもわかります。

正社員として十分に活躍したいのであれば、企業との相性の確認は必要です。

応募するまえに、ホームページなどを調べ、社員インタビューや経営理念などをチェックしておきましょう。

希望の条件にこだわりすぎない

希望の条件にこだわりすぎないことも、応募時におこなうべき対策のひとつです。

とくに正社員の場合、希望の条件にこだわるほど、競争率も高くなり採用される可能性が下がってしまいます。正社員として採用を得たい場合は、希望の条件は限定させることが大切です。

企業を選ぶ際は、気になる要素がたくさんあるかもしれません。

しかし、正社員として採用されたいのであれば条件に優先順位をつけ、上位2つまでに絞るようにしましょう。

正社員になれない人におすすめできる仕事5選

正社員になれずに困っている方は、正社員として採用されやすい仕事を選ぶのもポイントです。職業によっては、正社員採用を積極的におこなっている企業も多く存在します。

また、企業によっては途中から正社員として働くことも可能です。

以下に、正社員になれない人におすすめできる仕事を紹介します。

関連記事：したい仕事がないフリーターにおすすめの職種や成功させるコツを解説

介護職

正社員になれない人におすすめできる仕事として、介護職が挙げられます。近年、日本で高齢化が進んでいるため、介護職は多くの人材を必要としている傾向です。

介護職の場合、未経験の人やフリーターの人でも正社員として雇用される企業もあります。

介護業界で必要とされる、高齢者の介護をするための体力に自信のある方は、応募を検討してみてください。

営業職

営業職も、正社員になりたい人におすすめの仕事です。営業職は、入社後の実績を問われる仕事なので、特別なスキルがなくても問題ありません。

応募時に、コミュニケーションスキルをアピールできれば、正社員として採用される可能性は十分にあります。

お客さんに自社の商品やサービスを自分の言葉で売れる自信のある方は、就職を検討してもよいでしょう。

ITエンジニア

正社員になれない人におすすめの仕事として、ITエンジニアも挙げられます。ITエンジニアは、専門的なスキルを要する仕事がたくさんあり、近年では需要が高い傾向です。

しかし、未経験者でも採用している企業もあり、なかには十分な研修制度が整えられているところもあります。

特別なスキルのないフリーターなどでも、正社員として専門的なスキルを身につけられる機会を得られるかもしれません。ITエンジニアに興味がある方は、関連している企業に応募してみましょう。

販売・接客業

販売や接客業も、正社員になりたい人におすすめできる仕事です。特別なスキルや知識は必要なく、フリーターの方でも正社員として採用される傾向にあります。

販売や接客業は、お客さんとコミュニケーションをとる機会が多いので、人と話すのが好きな方にはとくにおすすめです。

販売・接客業は、担当する商品の知識も同時に得られるため、世間の需要を知れるところも魅力といえます。

Webデザイナー

Webデザイナーも、正社員になれない人におすすめの仕事です。Webデザイナーは、ホームページを作成するデザインスキルが求められますが、特別な資格などは必要ありません。

隙間時間に勉強しながら実力をつけられるので、自分で制作したWebページなどが、応募時にアピール要素として使えます。

少しでも興味のある方は、Webデザインのスキルを身につけてもよいでしょう。

関連記事：フリーターからWebデザイナーになれる？学習方法や未経験で転職する方法を解説

正社員になれない人のための仕事探し方法4選

正社員になれない人にも、仕事を探す方法はたくさんあります。仕事探しは、なにも調べず自分のやり方でおこなっても、あまりよい求人は見つけられません。

仕事探しの方法は、以下のとおりです。

仕事探しに困っている方は、ぜひ参考にしてください。

転職エージェントを利用する

正社員におすすめできる仕事探しの方法として、転職エージェントの利用が挙げられます。転職エージェントに登録すると、プロのキャリアアドバイザーが、面談を通して自分に合った企業を紹介してくれます。

また、選考対策や面接の日程調整、必要であれば内定の辞退もおこなってくれるため頼れる存在です。正社員採用を活発におこなっている企業もそろっています。

自分一人で仕事を探すのが不安な方は、転職エージェントを利用するのもよいでしょう。

求人サイトを利用する

正社員になれない人のための仕事探し方法として、求人サイトの利用も挙げられます。希望の条件を入力して登録すれば、自分に合った企業が表示されるのが特徴です。

求人サイトは、自分で応募する日時や面接の日程が決められます。今すぐ仕事を探す必要がない方におすすめです。

自分のペースに沿って仕事探しをしたい方は、求人サイトに登録してみましょう。

求人誌を読んでみる

求人誌を読むことも、正社員になれない人に向いている方法です。

求人誌には、未経験でも応募可能な求人が多く掲載されています。特別なスキルがなく、フリーターとして働いている方も、正社員になれるチャンスがあるためおすすめです。

求人誌は、おもにコンビニやスーパーに多く見られます。

登録などの必要もなく手軽に読めるので、今すぐ調べたい方はぜひのぞいてみましょう。

友人や知人に相談する

正社員になりたい人のための仕事探し方法として、友人や知人への相談も挙げられます。友人や身近な知人が就いている仕事に興味をもった場合などは、相談してみるとよいでしょう。

また、自分を知っている友人や知人に相談すると、強みや弱みなどを加味した意見が聞けることもあります。

自分に向いている職種や、活躍できそうな仕事を知るいい機会にもなるため、仕事探しに困っている方はぜひ相談してみましょう。

正社員になれないと悩んでいる人によくある質問

正社員になれない人が不安に思うときの質問を紹介します。

おもに挙げられる質問内容は、以下のとおりです。

1つずつ回答していきます。

正社員の経験がないフリーターでも就職できる？

はい。就職できます。企業の求めるスキルが自分に備わっているのであれば、ぜひ応募してみましょう。

正社員になるのが怖くて動けません

はじめは怖いかもしれませんが、まずは行動してみましょう。

一人だと不安でなかなか行動にうつせないときは、転職エージェントなどの利用も検討してみてください。

関連記事：働きたくない・何もしたくないは甘え？やる気が起きないときの原因と対処法

何歳までなら正社員になれますか？

正社員になるのに年齢制限はありません。しかし、企業や職種によっては年齢を加味した条件を提示しているところもあります。応募するまえに、募集要項を確認してみましょう。

正社員になれない30代でも就活する意味ありますか？

何歳であっても就活する意味は十分にあります。

また、就活に年齢は関係ありません。企業によっては、30代でも正社員として採用してくれる企業もあるので、視野を広くもって調べてみましょう。

関連記事：仕事で何がしたいかわからない30代がやりたいことを見つける方法を解説

最後に｜正社員になれない人は対策からはじめてみよう

正社員になれない場合でも、自分を否定する必要はありません。現在、正社員になれていないとしても、対策次第でなれる可能性は十分にあります。

本記事で解説した、正社員になれない人にとって大切な要素は以下のとおりです。

長い間正社員になれずにいた方も、一度原因を考えて、自分に足りないものや企業が求めているスキルを調べてみることが大切です。

本気で正社員を目指している方は、早めに行動をおこしましょう。