企画営業は、「ノルマがある」「提案までに入念な準備が必要になる」「契約できないケースもある」などの理由できついと思われやすいです。

確かに、クライアントの要望を掴み「何が一番の課題なのか？」「今のリソースで実現できるか？」などを踏まえ企画を考えるのは、簡単ではありません。

しかし、業務が大変な分、企画営業の業務を経験すると自分自身のスキルアップにつながります。また、時間をかけて考えた企画が採用されれば、大きなやりがいも得られるでしょう。

本記事では、企画営業の仕事内容や「きつい」と言われる理由、魅力、向いている人の特徴などを解説します。

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企画営業とはどんな仕事？

企画営業とは、追加の提案や企画も含めて顧客へ商品・サービスを売り込む仕事です。

要望のヒアリングや市場調査などを実施し、よりニーズにマッチした提案をおこなうことで、クライアントの課題や悩みを確実に解決できるよう導きます。

たとえば以下のような業務をおこないます。

企画営業では、漠然と商品やサービスを売り込むのではなく、クライアントのニーズをヒアリングし、具体的なサービスの活用方法を提案したり運用サポートを提供したりなどの付加価値までつけることが大切です。

データ分析をおこなう機会があるため、マーケティングの知識も求められます。

営業企画との違い

企画営業と営業企画の両者には、以下の違いがあります。

実際に顧客へ提案するのは、企画営業の仕事です。

営業企画は、営業担当者が成果を出せるよう以下のような業務をおこないます。

クライアントと直接かかわるか否かが違いになりますが、いずれも顧客の課題解決に貢献する重要な仕事です。

企画営業が「きつい」と言われる理由

企画営業が「きつい」と言われる理由は、大きく以下の5つです。

ノルマが設定されている

企画営業を含め、営業ではノルマが設定されることが一般的です。

ノルマ未達であれば上司からのプレッシャーも大きくなるため、精神的なストレスがかかるでしょう。

とくに「納期間近にも関わらずノルマ未達である」「自分のミスでチームの全体ノルマに影響を与えている」状況では、よりストレスは大きくなるでしょう。

こうした状態で仕事をすると焦りによってパフォーマンスが低下すし、実力を発揮できず成績が下がる、その結果さらにパフォーマンスが低下するといった悪循環に陥るおそれがあります。

提案までに入念な準備が必要になる

企画営業では、提案までに以下のような準備をする必要があります。

提案当日までに「本当にこの提案で満足してもらえるか？」「この資料で意図を伝えられるか？」「分析結果は正しいのか？」などを細やかにチェックする必要があるため、準備にも時間がかかるでしょう。

地道な作業が多くなってくると「きつい」「飽きる」と感じることがあるかもしれません。

企画が通らず契約できないケースもある

時間をかけて市場調査やヒアリングをおこない企画を立案しても、必ず自社の企画が採用されるわけではありません。

クライアントに採用されなければ、時間をかけても報酬は受け取れません。

自分の努力が報われないというのは、精神的にもかなりしんどいでしょう。

クライアントのペースに合わせて働く必要がある

企画営業の仕事は、以下のようにクライアントのペースに合わせて動く必要があります。

とくに繁忙期になったり契約数が多くなったりすると、クライアントのスケジュールに対応するため、休日出勤や残業をおこなう必要があるかもしれません。

「ワークライフバランスを大切にしたい」人にとって、クライアントのペースを第一に考えなければいけないのは、負担がかかるでしょう。

クライアントの業界について勉強し続けなければいけない

クライアントに好印象を残す提案を作るには、課題やニーズ、要望はもちろん、常に「顧客の業界の最新情報」を吸収しておくことが重要です。

業界人なら知っていて当たり前の基礎知識やトレンド、時事ネタなどを踏まえて提案できなければ、クライアントから「この会社は自社の業務を理解していない」と思われ、信頼関係の構築が難しくなるおそれがあります。

クライアントに関する勉強は業務時間外におこなうケースが多いため、休日まで仕事を持ち越すことにストレスを感じる人もいるはずです。

また、その分の努力が業務として給与に反映されないのはきついでしょう。とくに興味を持てないジャンルの場合は、余計に勉強がつらくなるでしょう。

企画営業の魅力

企画営業にはきつい部分だけでなく、以下のような魅力もあります。

スキルアップできる

企画営業では、さまざまな業務を経験し、多様なニーズがあることを知ることで、以下のようなスキルが身に付きます。

上記のスキルは、企画営業に限らずどんな仕事でも必要です。

たとえば「エンジニアの仕事にも興味がある」人は、企画営業でヒアリングスキルを身に付けておけば、クライアントの要望を引き出してニーズにマッチしたシステムを構築できるエンジニアとして活躍できるでしょう。

提案まで手間や時間がかかる大変な仕事ですが、一度経験すればスキルアップによって市場価値を高められるため、今後のキャリアアップを考えている人に企画営業はおすすめです。

大きなやりがいが感じられる

企画営業は、市場調査やデータ分析、施策の立案など幅広い業務をこなすため、難易度の高い職種です。

しかし、業務の難易度が高い分、提案がクライアントに採用された際のやりがいも大きくなります。

自分の提案によってクライアントの業績が大きく向上すれば、さらにやりがいを感じるでしょう。またそのような場合はクライアントから直接感謝の言葉を伝えてもらえることもあります。

また、提案当日までの過程を通じて、プレゼン力や思考力、ヒアリングスキルなどを磨き、自分自身のスキルアップを実感できれば、仕事のモチベーションアップにもつながります。

クリエイティブな仕事に取り組める

企画営業の仕事は、単純に商品やサービスを紹介して終わりではありません。

クライアントの悩みを解決し満足してもらうためには、以下のように柔軟な発想力を活かしたアクションが求められます。

クライアント個人の状況に合わせた対応をおこなうというのは簡単ではありません。

その分、独自のアイデアを考えて提案できる面白さもあります。

企画営業で求められるスキル

企画営業の仕事では、以下のようなスキルが必要です。

問題解決能力

企画営業の仕事では、クライアントの悩みや課題を正確に引き出し、適切な解決策を考える能力が重要です。

丁寧にヒアリングをおこない、以下のような観点から最適な解決策を提示できれば、顧客満足度が高まり長期的な信頼関係を構築できるでしょう。

既存の商品やサービスを漠然と紹介して売り込んでも、根本的なクライアントの課題解決にはつながりにくいため、以上のような観点から商品の提案に結びつけることを意識しましょう。

データ分析力

クライアントの課題解決につながる施策を考えるにあたって、以下のようにさまざまなデータを正しく分析する力が必要です。

上記のような膨大な量のデータを分析し、課題の原因や市場のニーズなどを導き出すことで、クライアントへ最適な施策を提案できるようになるでしょう。

企画力

一言で「企画力」といっても、以下のようなさまざまなスキルが含まれています。

ひとつの企画を成し遂げるには、ただ単にアイデアを出すだけでなく、上記のように実現化まで持っていけるスキルが必要になるでしょう。また、実現されたときの利益があるとさらに説得力が増します。

一方、実現可能な企画がなかなか思いつかないときは、企画上の問題を顕在化して周囲に相談できるコミュニケーション能力があるとスムーズに業務がおこなえるでしょう。

プレゼンテーションスキル

企画営業の仕事では、以下のような場面でプレゼンテーションスキルが求められます。

とくにクライアントの信頼を得て契約を勝ち取るには、「なぜこの企画を提案するのか？」「なぜ自社を選ぶべきなのか？」などを論理的にわかりやすく伝えることが重要です。

また、実際に企画を進行する際も、実施の意図や必要性を丁寧に説明できると周囲の協力を得やすくなるでしょう。

企画営業に向いている人の特徴

企画営業に向いている人の特徴は、以下のとおりです。

以下の特徴に得てはまる人は、企画営業として比較的スムーズに業務をこなせる可能性があります。

クライアントファーストで動ける人

企画営業では、クライアントのニーズや悩み・要望などを汲み取り、ニーズにマッチした提案をすることが求められます。

そのため、常にクライアントファーストの意識を持つことが重要です。クライアントの課題をダイレクトに解決できる方法を模索したり、作業ペースをクライアントにあわせたりすることが求められます。

場合によっては、休日出勤や残業をおこない追加業務に取り組むこともあるかもしれません。そうしたクライアントファーストで動くことに、やりがいや面白さを感じる人は企画営業に向いているでしょう。

物事を客観的な視点で分析できる人

提案を考える際は、幅広いデータを客観的な視点で分析することが必要です。

たとえば以下のような思考を意識しましょう。

データ全体を柔軟な視点で分析できれば、新たなニーズや課題を洗い出し、より効果的な提案を設計できるでしょう。

このような思考は一朝一夕にして身に付くものではありません。

業務に慣れない間やイレギュラーな要望が来たときは「きつい」と感じるかもしれませんが、このような思考ができると企業から重宝され、信頼できる人材として長期的なキャリアアップ・年収アップを目指せるでしょう。

短期間で成果が出なくても根気強く取り組む姿勢が重要です。

上手く周囲を巻き込める人

企画を実現するには、クライアントはもちろん、別部門や社外パートナーなどさまざまな関係者の協力が必要です。

たとえばクライアントの売上データを分析する場合、マーケティング部門に企画の趣旨を説明し、企画が実現したときの結果を分析してもらうと良いでしょう。

また、法務部門を巻き込めれば企画内容が法的に問題ないかをスムーズにチェックし、実現までのスピードを早められます。

このように関係者を巻き込むには、企画の意図や依頼したいアクションを具体的に伝え、自分自身の信頼性をアピールして協力してもらいやすい状況を作ることが大切です。

柔軟な発想で企画を考えられる人

企画営業の仕事では、クライアントに「契約したい」と思ってもらえるような企画を柔軟に考えることが求められます。

そのために以下の要素を重点的に調査しましょう。

企画を考えるときは、従来の方法にこだわるのではなく、新しい角度から柔軟にアイデアを出すことで、よりクライアントにとって価値ある提案を設計できるかもしれません。

もちろん、ただ単に斬新な企画を考えるのではなく、具体的な実現可能性や成功の根拠なども論理的に説明することが大切です。

体力がある人

企画営業はクライアントファーストで動くため、残業や休日出勤が必要になるかもしれません。

そうした業務が発生した際も、仕事のクオリティを落とさず最後までやりきる体力があるとよいでしょう。

また、体力だけでなく、企画の進行をスケジュール通りにこなすためにも、日ごろの健康管理に気をつけましょう。

企画営業への転職でおすすめの転職エージェント3選！

企画営業へ転職するなら、以下3つの転職エージェントがおすすめです。

関連記事：営業職の転職に強いおすすめ転職エージェント徹底比較17選｜失敗しない選び方と転職成功のコツを解説

ビズリーチ

リクルートエージェント

マイナビエージェント

企画営業についてよくある質問

最後に、企画営業についてよくある質問をまとめました。

各項目について詳しく解説します。

企画営業の仕事内容はなんですか？

企画営業とは、クライアントのニーズや要望・悩みをヒアリングしたうえで、解決につながる提案をする仕事です。

単に商品やサービスを紹介して売り込むのではなく、クライアントの状況に合わせた提案をおこないます。

具体的に、以下のような業務を担当します。

企画営業の平均年収はどれくらいですか？

企画営業の平均年収は、公的機関から明確な数値が発表されていません。

企画営業と近い以下のような職種の平均年収に近いと考えられるので、以下の職種の給与額を参考異してください。

営業の場合はインセンティブが設定されているケースもあります。そのため、自分の努力次第で年収を伸ばすことも可能です。

未経験から企画営業に転職するのはきついですか？

未経験から企画営業への転職自体は可能ですが、ハードルは高めです。

企画営業では、単純に商品・サービスを紹介するだけでなく、クライアントへのヒアリングやデータ分析、企画の策定など、さまざまな業務をおこないます。

クライアントの成果につながるよう綿密に提案を組む必要があるため、未経験から転職するのはきつい部分もあるでしょう。

【未経験から営業に転職するには以下の記事が参考になります】20代｜30代｜40代

企画営業への転職で必要な資格はありますか？

企画営業への転職で必要な資格はありません。

しかし、以下のような資格を取得しておくと、転職活動を有利に進められる可能性が高まります。

実際に取得する際は、自分が目指す業界を踏まえて選ぶことが大切です。

企業によっては、資格手当が出たり、資格取得を応援してくれたりするところもあるので、気になる人は企業選びの1つの軸として持っておくとよいでしょう。

最後に｜企画営業のきつさだけでなく魅力も知って転職を検討しよう

企画営業とは、クライアントの要望や悩み・ニーズを把握して最適な提案をする仕事です。

商品やサービスを紹介するだけでなく、市場調査でデータを集め、クライアントに入念なヒアリングをおこない、柔軟な発想を活かした企画を設計することなどが求められる、幅広いスキルを総合的に組み合わせる能力が身に付くでしょう。

しかしノルマがあったり、ワークライフバランスを優先できないなどの側面から、企画営業は「きつい」と言われることもあるでしょう。

業務が大変な分、一度企画営業の業務を経験すればスキルが身に付くでしょう。自分自身の提案がクライアントの業績アップに貢献すれば、大きなやりがいも得られるかもしれません。