「長時間労働で体がもたない」
「医師でも退職代行を利用したら辞められる？」

このようなお悩みにお答えします。

医師は患者の命を救う重要な職種です。責任感から心身に影響を受けて退職を検討している方も多いでしょう。

実際、医師の約4割が月80時間以上の時間外労働をしているデータが報告されています。

参考：厚生労働省「医師の働き改革について」

自身の健康を後回しにした結果、精神的に病んでしまったり、命を落としてしまったりする方もいます。

そこでこの記事では、以下の内容について解説します。

この記事を参考にしていただき、つらい職場から解放できるよう一歩踏み出してみてください。

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医師で退職代行を利用する人の特徴5選

医師で退職代行を利用する人の特徴について5つ紹介します。

それぞれどのような依頼をしているのかみていきましょう。

関連記事：医者がつらい・大変・やめたいと思う5つの理由や対処方法を徹底解説

長時間労働がつらい

医師は、人手不足や業務量が多さから、長時間労働の傾向にあります。1か月の残業時間が80時間を超えることが常態化している病院もあるでしょう。

令和4年の調査によると、2割の医師が年間960時間を超えて時間外労働をしていることが分かっています。

さらに、1,920時間を超える医師が3.7％であることも明らかになっています。

引用：厚生労働省「令和4年医師の勤務実態調査」

我慢して勤務を続けると、精神的に影響を受けたり、命を落としたりする危険があります。患者を助ける医師が倒れては本末転倒です。つらい職場で働いているから、退職の専門家に依頼しましょう。

ハラスメントにあっている

上長のハラスメントにあっている医師は、退職代行を利用している人に多い傾向です。

直接退職を伝えると、問題が深刻化する可能性があります。対面で伝えるリスクは以下の内容があげられます。

全国医師ユニオンが調査した報告によると、約3割の医師が職場でパワハラを受けている報告があります。

引用：全国医師ユニオン「勤務医労働実態調査2022」

上長に精神的な苦痛を受けている人が利用しているといえます。

給与面に不満がある

勤務時間や業務量に対して、給与に不満がある人は退職代行を利用している傾向にあります。

直接、交渉が難しかったり、職場環境が改善されなかったりする可能性があるためです。

厚生労働省の報告によると、待遇に不満がある人は6割いることが報告されています。

引用：厚生労働省「勤務医に対するアンケート調査の結果について」

労働に見合っていない、報酬に我慢の限界に達した人が利用している傾向です。

関連記事：給料が少ないと感じたら｜原因と給料アップの方法4選まとめ

人間関係が悪い

人間関係の悪化も退職理由の上位です。職場内の人間関係の悪化で利用する人が多くいます。

自身で申し出ると、退職を先延ばしされたり、退職することが職場内に広まり嫌がらせをされる場合もあります。

病院は派閥ができやすく、対立などが起きやすいことが特徴です。上下関係が厳しく、プレッシャーをかけると自信が低下する人もいるでしょう。

人間関係の悪さから退職を言い出せない方が退職代行に依頼しています。また、嫌がらせを避けることも利用する方の特徴です。

患者対応と事務作業が多く激務である

退職代行を利用する理由に、激務があげられます。職場によっては、月80時間を超える時間外労働をおこなって患者の命を助けています。

特に当直や夜勤のある職場は、十分な休息が取れず自分の命を犠牲にして働いている人いるでしょう。

しかし、患者の命を預かる責任感から、過酷な労働環境でも退職の意思表示が難しい状況にあります。

責任感から退職を言い出しにくい職場の雰囲気では、退職代行を利用している方がいます。

関連記事：医者が忙しくない科はどこ？忙しくない診療科とワークライフバランスが取れた働き方を紹介

医師が退職代行を利用するメリット6選

医師が退職代行を利用するメリットを6つ紹介します。

それぞれ詳しく解説していきます。

法律に基づく交渉ができる

退職代行は法律に基づく交渉ができます。労働組合や弁護士が運営している退職代行では、専門的な知識と退職に関する経験を活かして、依頼者の代理で病院側と交渉が可能です。

参考：憲法第28条

法律上、退職を申し出てから2週間後に退職は完了すると明記しています。個人で伝えるより希望する日に退職できるでしょう。

参考：民法第627条

個人で交渉しても、先延ばしされたり、拒否されたりするでしょう。退職代行に依頼すると法律に基づく交渉ができる点はメリットです。

精神的な負担を軽減できる

依頼することで精神的な不安を軽減できます。退職代行は退職の申し出から完了まで代理で手続きを進められます。

高圧的に接してくる上長や、退職を申し出ても受理されない場合、効果的に利用できるでしょう。

退職代行では以下の項目が依頼できます。

ハラスメントを受けている人や、退職を伝えるタイミングがない場合、スムーズに手続きを進められるところはメリットです。

患者の引き継ぎができる

患者の引き継ぎを依頼することが可能です。依頼する場合、以下の条件を満たす必要があります。

不備があると誤解やトラブルが発生する可能性があります。引き継ぎは自身で丁寧に行うことが重要です。

しかし、すぐにでも退職したい人は、誰が見てもしっかり分かるようマニュアル化するなどするとよいでしょう。

時間外労働の報酬が請求できる

退職代行は、時間外労働で支給されていない報酬の請求ができます。

支給されていない賃金がある場合、法律違反になる可能性があります。

参考：労働基準法第37条

医師の中にも、法律を超える残業を強いられているにもかかわらず、残業が認められない病院はあるでしょう。

労働組合や弁護士に依頼すると、未払いの賃金を受け取れる可能性があります。実際、医師で残業手当を受け取れた事例があります。

医師である依頼者が、就業先である医療法人から過酷な労働を課されていた上、残業手当等も支払われない状況となったため、医療法人に対して退職を申し出たものの、後任が見つからない等の理由により、退職の合意が得られない状態となったため、スムーズな退職と未払い賃金を請求することを希望して当方に依頼された案件。

引用：医療問題専門の弁護士法人フラクタル法律事務所

時間外の報酬も受け取って退職する場合、労働組合や弁護士が運営している組織に依頼することが重要です。

有給を消化できる

退職代行は病院側に有給消化の交渉が可能です。法律でも有給は労働者の権利として明記されているため、大半の場合で認められます。

参照：労働基準法第39条

個人で有給を申請しても承諾されない可能性が高いでしょう。

退職代行に依頼すると残っている有給を無駄なく消化できるところはメリットです。

病院から損害賠償を請求された場合の対応ができる

退職を伝えた際に、病院側から損害賠償を請求される可能性があります。急な申し出に、感情的になる上長もいます。

実際、退職する医師の人も懸念しているようです。

Q：自分が辞めるとオペ室や病棟業務が回らなくなると思います。それでも損害賠償など請求されませんか？😰
A：されません‼🙆‍♂️

Q：病院側の引き止めを断ると、医師法の応召義務違反になりませんか？
A：なりません。医師法の応召義務と退職する権利はそもそも対立せず、全く問題ありません🙆‍♂️

— 退局代理.com (@taikyokudairi) January 26, 2022

しかし、損害賠償を請求するには費用がかかったり、認められる可能性は低いため、請求されることはありません。

一方で、請求が成立する可能性の高い場合があります。

損害賠償を請求されそうな恐れがある場合、弁護士に相談することが重要です。

医師が退職代行を利用するデメリット3選

医師が退職代行を利用するデメリットについて3つ紹介します。

それぞれ解説していきます。

退職代行によってはトラブルになる可能性がある

退職代行を依頼する運営組織によっては、トラブルになる可能性があります。

退職代行の運営組織は3つあります。それぞれの特徴と対応できる内容は以下のとおりです。

運営組織	対応内容
民間企業	退職の伝達
労働組合	退職の交渉や手続き 退職に関する交渉 未払い賃金の交渉
弁護士	退職交渉や手続き 金銭面の請求 慰謝料の請求

交渉権がない民間企業は、病院側と退職の交渉ができません。退職を伝えた際に拒否されると、退職できなかったり、上長との関係が悪化したりする恐れもあります。

確実に退職するなら、労働組合や弁護士が運営する組織に依頼しましょう。

関連記事：退職代行のトラブル事例7選とトラブル回避の対策

周りの目が冷たくなる可能性がある

退職を伝えた後に、出勤や転職する場合、周りの目が冷たくなる可能性があります。

医療業界は、比較的狭いため、噂が広まりやすい傾向にあるためです。

たとえば、「退職申し出後に嫌がらせを受けた」「仕事を増やされた」といったことが考えられます。退職を申し出て勤務を続ける場合、裏切り者扱いされるリスクはデメリットです。

とはいえ、医師の退職や転職は、一般的です。生涯で4〜5回職場を変えるといわれています。嫌がらせをする職場は、気にせず退職しましょう。

医師会で評判が悪くなる可能性がある

退職代行を利用して退職する場合、医師会の集まりで悪い評判が広まる可能性があります。

医師同士では信頼関係や医師の価値観を重要視する傾向にあるためです。

転職する場合、悪い噂をされることで不利になる場合もあるかもしれません。

しかし、引き継ぎがしっかり行われていたり、適切な退職方法や明確な退職理由があれば影響はないでしょう。

実際に医師が退職代行を利用した体験談

医師が退職代行を利用した体験を紹介します。

2人の体験についてみていきましょう。

嫌がらせを受けていた職場を早期退職した

面接で聞いていた職場環境と実際が大きく乖離していたこと、また、事務部長から無視などの嫌がらせを受けていたことを理由に契約満了前に早期退職を希望していました。「弁護士法人みやび」の弁護士が直接病院責任者に電話介入を行い、法的に契約を前倒しで終了＆依頼者様の希望日で退職に成功しました。

引用：弁護士法人みやび「40代男性医師」

有期雇用契約で面接内容と相違があったケースで、早期退職できた事例があります。実際、入職すると心身とともに休まる時がなかったり、部長から無視などの嫌がらせを受けていたりしています。

また、責任者から契約の見直しを迫られる圧力もあったそうです。一刻も早い退職を望んでいたが、会社の規定は3か月前の申し出と明記されていたため、退職代行に依頼しています。

個人では、対応できない退職交渉も弁護士に依頼することで、法に基づいて交渉できるため、契約満了前の退職ができます。

パワハラ気質な職場環境から解放

今回は分院の院長として入職した医師の方からご依頼をいただき、退職代行を実施しました。経営者がパワハラ気質のため、法的な証拠の収集や契約外業務の強制の違法性を提示することで、トラブルなく退職に成功した。

引用：弁護士法人みやび「分院の院長として入職

経営者がパワハラ気質でも、法的な証拠を提示することで退職に成功しています。問題になった内容は以下のとおりです。

さらに、過去にも経営者の威圧的な態度が原因で、退職者が出ていたことも発覚していました。

パワハラ気質な相手には弁護士に依頼すると、トラブルを解決して退職できます。弁護士は、法に基づいて適切な対応ができます。

医師を最短で退職するのにおすすめの退職代行サービス3選

おすすめの退職代行サービスについて3つ紹介します。

それぞれの特徴について解説していきます。

退職代行Jobs

退職代行Jobsは、株式会社アレスが運営する退職代行です。労働組合の「合同労働組合ユニオンジャパン」と連携しているため、病院側と退職交渉ができます。最短30分で手続きができるため、即日退職も可能です。

朝日新聞や読売新聞など多数のメディアに掲載されているため、安心して利用できるでしょう。料金は27,000円から利用できます。

Jobは24時間、LINEやメールで退職の悩みを受け付けています。あなたの都合に合わせて連絡できるため、退職に悩んでいるなら一度、相談してみましょう。

退職代行ガーディアン

退職代行ガーディアンは、東京労働経済組合が運営する退職代行です。25年を超える組合を運営しているため、懲戒解雇や損害賠償請求に対応できるノウハウを保有しています。

労働組合は、業界で唯一東京都労働委員会から認証されており、法律に基づいて病院側と交渉が可能です。ハラスメントや強制的な配転などの労働問題の解決のサポートができます。

相談は24時間、LINEや電話で受け付けています。職場に不満や不安を感じているなら一度、相談してみてください。

退職代行TORIKESHI

退職代行TORIKESHIは、株式会社warabeが運営する退職代行です。日本労働産業ユニオンと提携しているため、病院側と交渉が必要な状況においても対応できます。

相談実績は20,000人以上です。退職に関する豊富な知識をもっています。利用者からのレビューは5点満点中4.8点の評価を得られています。

最短で即日退職も可能なため、すぐに退職を希望しているなら一度、相談してみましょう。24時間、LINEで受け付けています。

退職代行の費用相場

3つの運営組織ごとの費用相場について紹介します。

運営組織	費用相場
民間企業	1万円〜3万円
労働組合	2万円〜3万円
弁護士	5万円〜10万円

中には、相場より安すぎたり、高すぎたりする場合、詐欺に遭う可能性もあります。退職代行を選ぶ際は、依頼内容に応じて適切な運営組織を選ぶことが重要です。

利用する前には、相場にあった退職代行や信頼性を確認するとよいでしょう。

医師が退職代行を利用する手順

医師が退職代行を利用して退職するまでの手順について紹介します。

それぞれ順番に解説していきます。

関連記事：退職代行サービスを利用する際の流れとは？当日の流れや手順・使い方を解説

1.無料相談する

利用する退職代行を決めましょう。24時間365日、相談を受け付けているところが多くあります。

連絡方法は以下の3つです。

連絡後にヒアリングがあります。主に以下の内容について聞かれます。

各項目について回答していきましょう。

2.依頼する

代行を依頼したい場合、料金を支払います。後払いに対応している業者もあるため、不安な方は選択できるところを選ぶとよいでしょう。決済方法は現金やクレジットカードなど豊富に選択できます。

前払いの場合、契約後のトラブルを防ぐためにも、追加料金やオプション料金を聞いておくとよいでしょう。

3.担当者が職場に連絡する

依頼が決まると担当者は病院側に連絡をします。退職の旨を伝え、退職日の交渉をします。

退職が受理されると退職届や貸与物について連絡があるため、待機しましょう。

4.退職届や貸与物を提出する

退職届は依頼者の自宅に送付されるため、記入しましょう。提出は郵送で行われることが大半です。

準備が整えば発送し担当者に連絡します。医師は持ち出しが制限されています。もし以下のものがあれば返却しましょう。

提出が遅れると退職できないため、早急に対応することが重要です。

5.退職完了報告を待つ

書類や貸与物を発送すると、担当者から退職完了報告を待ちます。稀に郵送物が届いていない場合があるため、連絡が遅い場合、一度相談しましょう。

退職完了後、依頼者の要望があれば以下の書類が送られます。

転職する際に必要です。足りないものがある場合、担当者に連絡しましょう。

医師が退職代行を利用する際のQ&A

医師が退職代行を利用する際の疑問について3つ紹介します。

それぞれ解説していきます。

試用期間でも辞められる？

試用期間でも退職は可能です。研修中であっても法律に基づき退職を申し出てから2週間後に成立します。

参考：民法第627条

労働条件や人間関係が合わないと感じれば辞められます。退職に不安なら退職代行に依頼しましょう。

人手不足で辞めると言い出せないけど辞められる？

人手不足でも辞められます。退職の自由は労働者に与えられた権利です。

参考：憲法第22条

人手不足の職場は病院側の責任です。退職を言い出せない場合、専門家に依頼しましょう。個人で伝えるよりスムーズな退職が可能です。

医師でも辞められる？

医師であっても退職できます。民法第627条に該当するためです。

参考：民法第627条

契約期間の定めがある場合でも「やむを得ない理由」では、早期退職が可能です。退職に不安があるなら、労働組合か弁護士が運営している退職代行に相談してみましょう。

関連記事：医局を円満に辞めるための切り出し方とトラブルを回避する方法を解説

まとめ

この記事では、医師で退職代行を利用している人の特徴やメリット、デメリットを解説してきました。

医師でも退職代行を利用すれば最短で退職できます。しかし、運営する組織によってはトラブルになる可能性もあるため、依頼する際は労働組合か弁護士に相談することが重要です。

長時間労働や上長のハラスメントで悩んでいるなら一度、相談してみましょう。