看護助手の仕事にやりがいを感じているものの、業務量の多さや不規則なシフトに不満があり、転職を考えている人は少なくありません。

年齢を重ねると体力も落ちてくるため、このまま看護助手を続けることに不安を感じている人も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、看護助手から転職をする際におすすめの職種を9つ紹介しました。

看護助手が仕事を辞めたいと感じる理由や、転職をする際の手順も紹介しています。

看護助手からの転職を考えている方は最後まで記事を読み、キャリアアップの参考にしてください。

関連記事：【2024年最新】看護師向けおすすめ転職エージェント19選！施設・働き方別に徹底比較

看護助手からの転職でおすすめの職種9選

病院やクリニック、介護施設などで働いた経験を活かせるおすすめの職種は、以下の9つです。

あなたが保有する資格やスキルを整理して、転職する職種を検討してください。

看護師・准看護師

看護助手の実務経験を活かした転職をする場合、看護師や准看護師はおすすめの職種です。

勤務する病院やクリニックによっては、看護学校への通学や資格取得のサポートを行っているため、現職を続けながら看護師や准看護師を目指せます。

通信制や夜間部のある看護学校を選ぶことで、働きながら資格取得を目指せるため、現在の収入を維持しつつキャリアアップも狙えるでしょう。

医療や看護の知識を更に深めたい方や、責任のある立場で患者のケアをしたい方は、看護師や准看護師を目指してください。

看護師の給料の実態を理解したい方は、以下の記事に詳しく書いています。
関連記事：看護師は給料が低いってほんと？看護師の給料実態と給料UPの方法３つ

医療事務

コミュニケーションスキルを活かしたい人や医療知識をより深めたい方は、医療事務への転職をおすすめします。

医療事務は対面での受付や電話対応の業務が多いため、看護助手で培った患者対応のスキルを活かせる職種です。

また、医療事務のシフトは日勤のみの場合が多く、土日・祝日は休みが取りやすでしょう。

夜勤のシフトも少なく子育てやプライベートを充実させたい方は、医療事務への転職をおすすめします。

医療事務が向いている人・向いていない人の特徴は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事：医療事務系の求人サイトを比較｜自分に合う求人の探し方も紹介

医療ソーシャルワーカー

患者の社会的な課題解決に関心のある人や、福祉制度・社会保障の知識を深めたい方は、医療ソーシャルワーカーへの転職がおすすめです。

具体的な業務では在宅医療や介護施設への入所手続きサポート、医療費の支払いに関する相談対応など多岐にわたります。

業務中は医師や看護師、ケアマネージャーなど幅広い職種と連携して仕事を進めるため、チーム医療に関心がある人に適した職種といえるでしょう。

なお、医療ソーシャルワーカーへ転職するには、社会福祉士か精神保健福祉士の資格を取得する必要があるため、専門学校や大学で学習する時間を確保してください。

調剤薬局事務

看護助手の業務で学んだ医療知識を活かしつつ、薬局での業務や薬の知識を深めたい方は、調剤薬局事務への転職をおすすめします。

調剤薬局事務の業務では処方箋の受付やレセプト（診療報酬明細書）の作成も行うため、事務作業が得意な方に適している職種です。

転職をする際に資格を保有する必要はありませんが、調剤薬局事務検定試験や医療保険調剤報酬事務士に合格すると、採用時に有利となるでしょう。

また、看護助手と比べて体力を使う作業は少ないため、身体的負担を減らしたい人にもおすすめできます。

介護職

介護職は未経験でも働きやすい職種のため、看護助手の実務経験が少ない方の転職にもおすすめです。

高齢者のサポートや利用者と長期的な関係を築けるため、地域密着型の仕事を希望する人に適した職種といえます。

介護職への転職では、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修の資格を取得すると、内定をもらいやすくなるでしょう。

また、介護福祉士や認知症ケア専門士の資格を取得すると対応できる業務の幅が広がり、将来的な給与アップも期待できます。

未経験からでも働きやすい介護施設をまとめた記事もありますので、ぜひ参考にしてください。
関連記事：介護職が働きやすい施設とは？業務内容や未経験者向けの施設も解説！

保育士

地域の子どもたちの成長を長期的に見守りたい方は、保育士への転職がおすすめです。

看護助手として培ったコミュニケーションスキルやケアスキルは、保育の現場でも役立つ能力といえるでしょう。

保育士への転職では保育士資格の取得が必要なため、専門学校や大学への入学など計画的に準備を進める必要があります。

保育士の平均年収や年収アップのコツを理解したい方は、以下の記事もあわせて読んでください。
関連記事：保育士でも年収600万円は実現できる！達成する方法と年収アップのコツ

医療秘書

事務作業が得意な人やパソコンスキルを活かした仕事を希望する方は、医療秘書への転職がおすすめです。

医療秘書の業務には、医師のスケジュール管理や診断書・紹介状の作成業務、医療機器の管理などがあるため、看護助手で働いた経験は大いに役立ちます。

看護助手の実務経験が豊富であれば医療用語や病院の仕組みを理解しているので、医療秘書への転職後もスキルを活かした仕事ができるでしょう。

医療秘書への転職に資格は必要はありませんが、医療秘書技能検定や医師事務作業補助者を取得すると、内定をもらいやすくなります。

カウンセラー

共感力の高い人や心理的なサポートに興味のある方は、カウンセラーへの転職をおすすめします。

なぜならば、カウンセラーの仕事には治療計画の作成や予防医療、心の健康を維持させるためのケアも含まれるため、看護助手の実務経験が役に立つからです。

具体的な業務では、相談者の悩みや課題を聞いた後に、適切なアドバイスや支援を行います。

患者の気持ちに寄り添って話を聞ける傾聴スキルの高い方は、カウンセラーの仕事に向いていると言えるでしょう。

ヘルスケア関連の企業

医療業界以外での経験を積みたい方は、ヘルスケア関連の企業への転職をおすすめします。

ヘルスケア企業にはさまざまな種類があるため、主なものを以下10個にまとめました。

ヘルスケア業界へ転職するメリットやデメリット、看護助手からの転職を成功させるコツを理解したい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事：【ヘルスケア業界】転職エージェントおすすめ徹底比較 | 成功させるコツもご紹介

看護助手の離職率は13.6%

日本看護協会の調査によると、2022年度の看護助手の離職率は正規雇用者で13.6％、非正規雇用者は25.5％でした。

厚生労働省が同年度に調査した主要産業における離職率との比較を、以下の表にまとめています。

	正規雇用者	非正規雇用者
看護助手の離職率	13.6％	25.5％
主要産業の離職率	11.9％	23.1％

看護助手の離職率は、正規雇用・非正規雇用ともに主要産業の離職率よりも高い状況です。

とくに非正規雇用で働いている看護助手の離職率は高く、4人に1人の割合で仕事を退職しています。

看護助手が転職したいと感じる理由

看護助手が転職したいと感じる理由を、5つにまとめました。

年収が低いから

看護助手が転職したいと感じる理由の一つに、年収の低さがあげられるでしょう。

看護助手の年収は318万円で、他の医療系職種と比べても低い水準にとどまっています。

厚生労働省の調査をもとに、医療系職種の年収を以下の表にまとめました。

職種	年収
看護助手	318万円
看護師	508万円
保健師	451万円
助産師	567万円
施設介護員	371万円
訪問介護員	390万円

他の医療系職種に比べて年収が低いこともあり、より良い待遇の職場を求めて転職活動を始める方は少なくありません。

人間関係でストレスを抱えるから

人間関係でストレスを抱えやすいことも、看護助手が退職を考える理由の一つです。

看護助手の業務では、医師や看護師のサポートと並行して患者のケアも行うため、多忙になりやすく人間関係のストレスが生じやすいといえます。

とくに同期入社のスタッフに看護助手が少なく、看護師や准看護師ばかりの職場だと、上手く馴染めず精神的な負担を感じてしまうでしょう。

人間関係のストレスが日々積み重なることで仕事への意欲が低下し、最終的に離職へ繋がる可能性は高まります。

力仕事が多く体力的につらいから

看護助手が転職を考える理由には、力仕事が多く体力的に負担がかかることも挙げられます。

患者の移動介助や体位交換、重たい医療器具の運搬では、足腰に負担がかかり疲労や痛みが蓄積しやすいからです。

例えば患者をベッドから車椅子へ移動する際は、身体のバランスが取りにくい状態で補助するため、筋肉痛や腰痛の原因になりやすいでしょう。

また、30代や40代になると20代の頃と比べて体力も落ちてくるため、身体への負担が少ない仕事への転職を考えてしまいます。

夜勤や早出があり生活が不規則になるから

シフトが不規則で生活習慣が乱れやすいことも、看護助手が転職を考えてしまう理由の一つです。

病院の勤務では24時間体制で患者のケアを行うため、どうしても夜勤や早出をする必要があり、不規則な生活になってしまいます。

例えば、夜勤のシフトが続いて日中に睡眠時間を確保する生活が続いてしまうと、体内時計は乱れて「夜に眠れない・朝に起きられない」などの不調が生じやすくなります。

睡眠の質が下がることで集中力の低下や食生活も乱れやすくなるため、夜勤や早出の少ない職場へ転職したいと感じてしまうでしょう。

業務内容が複雑でミスが許されないから

看護助手が転職したいと感じる理由の一つに、業務内容が複雑でミスが許されないことも挙げられます。

看護助手は医療行為ができないとはいえ、患者の命に関わる重要な役割を担っており、緊張感と責任の重さを感じながら業務をおこなっているからです。

例えば、急患が救急車で運ばれてきたときには、限られた時間の中で適切な処置をする必要があります。

患者のケアから環境整備までを並行して行う必要があり、経験の浅い看護助手にとっては大きなプレッシャーとなるでしょう。

責任の重い業務内容とミスが許されない環境で働き続けることで、精神的なストレスを感じ転職を考える看護助手は少なくありません。

看護助手の転職で役立つスキル

看護助手の仕事から転職をする際に、役立つスキルを3つ紹介します。

自身が持つスキルを確認して、転職活動に役立ててください。

医療に関する知識

看護助手として働く中で身に付けた医療知識は、転職活動の際に役立つスキルの一つです。

医療に関する知識は医療関係の職種だけでなく、保育士やヘルスケア企業など他の業界に転職しても活用できるからです。

例えば、保育士として働く場合、園児が体調を崩した際や感染症の予防などで医療の知識を求められます。

また、ヘルスケア企業へ転職した際も、医療現場で得た知識や経験は新商品やサービスを開発する際に貴重な情報となるでしょう。

病院で身に付けた医療知識は幅広い業界で評価されやすく、転職活動でも有利になりやすいです。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルの高い方も、看護助手からの転職時に大きな強みを持つでしょう。

優れたコミュニケーションスキルを持つ人材は多くの職場で求められており、医療現場だけでなく他の業界へ転職する際も高く評価されています。

例えば、看護助手の業務では医師や看護師がスムーズに処置を行えるよう、患者の状態を的確に伝えることが求められます。

チーム医療で培ったコミュニケーションスキルは、どのような職種へ転職する場合でも、高く評価される能力です。

冷静な対応能力

転職時に役立つスキルの一つとして、予期せぬトラブルの際に冷静な対応ができる能力も挙げられます。

ほぼすべての職場では業務中に課題やトラブルが発生するため、冷静に対応できるスキルを持つ人材は転職市場でも高く評価されるでしょう。

例えば介護職に転職した場合、不満をぶつけてきたり嫌がらせをしたりする利用者に対しても、看護助手時代に培った経験を活かして冷静に対応できるでしょう。

さまざまな状況で冷静に対応できる人材は、緊急のトラブルが起きた場合でも適切に対処できるため、転職活動では内定を獲得しやすくなります。

看護助手からの転職を成功させるコツ

看護助手からの転職を成功させるコツを、5つ解説します。

上記のコツを意識して、転職活動を進めてください。

自己分析をおこなう

看護助手からの転職を検討し始めたら、自己分析を行いましょう。

転職時に自己分析をおすすめする理由は、以下の3つです。

また、複数の企業から内定をもらった場合でも、自己分析をおこなうと入社する企業を選択する際の判断材料となるでしょう。

自身が希望する職種を把握するためにも、転職活動を始めたら自己分析をおこなってください。

自己分析が重要な理由や具体的に行う際のポイントは、以下の記事で解説しています。
関連記事：第二新卒の転職には自己分析が重要な理由とポイントを解説

転職先の病院や企業をリサーチする

自己分析と並行して、転職を希望する病院や企業のリサーチをおこないましょう。

具体的には、以下の方法で採用条件や勤務場所、求められるスキルや資格などを調べてください。

とくに、地方在住で企業説明会や転職セミナーに参加しにくい方は、Wantedlyやnoteを活用した採用情報のリサーチをおすすめします。

必要なスキルや資格を取得する

転職を希望する職種や業界が決まったら、仕事で必要となるスキルや資格を取得しましょう。

とくに、資格を取得すると専門的な技術や知識を客観的に証明できるため、内定をもらいやすくなります。

医療業界で働く際におすすめの資格を理解したい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事：看護師の転職に有利な資格30選｜分野別の難易度やおすすめの資格を紹介

職務経歴書を作成し面接対策をおこなう

病院や企業へ応募をする際は、職務経歴書を作成し面接対策をおこないましょう。

職務経歴書の作成時は、以下の項目を記載してください。

また、面接では以下の質問を聞かれやすいため、スムーズに回答できるよう対策をおこないましょう。

とくに、退職理由はネガティブな印象にならないよう、前向きな表現で説明できるように心がけてください。

関連記事：看護師の転職面接でよく聞かれる質問と回答例とは？答え方のポイントを解説

転職支援サービスを活用する

病院での勤務が忙しく転職活動に多くの時間を使えない方は、転職支援サービスの利用がおすすめです。

転職支援サービスを利用すると、希望する病院・企業のリサーチや職務経歴書の作成、面接対策などもサポートしてくれます。

医療業界に特化した転職支援サービスでは、病院やクリニック、介護施設に詳しい担当者からアドバイスを受けられるため、スムーズに転職活動を進められるでしょう。

看護助手からの転職におすすめの転職支援サービス

看護助手からの転職におすすめの転職支援サービスを2つ紹介します。

ジョブメドレー看護

ジョブメドレー看護は、医療や介護の分野に特化した転職サイトです。

公式サイトに掲載している求人情報は見やすく整理されており、希望する勤務地や雇用形態、給与などを絞って検索できます。

ジョブメドレー看護は幅広い地域の求人を取り扱っており、都市部以外に住んでいる方でも利用しやすいでしょう。

サービス概要
サービス名	ジョブメドレー看護
運営会社	株式会社メドレー
公開求人数	39,914件
非公開求人数	非公開
対応地域	全国
公式サイト	https://job-medley.com/

関連記事：【看護師向け】ジョブメドレーの評判は？しつこい？口コミから実態を調査！

看護師ワーカー

看護師ワーカーは、医療や福祉業界への転職をサポートする転職支援サービスです。

無料登録をするとキャリアアドバイザーから転職活動のサポートを受けられるほか、病院や介護施設から直接スカウトをもらえます。

また、看護師ワーカーでは介護士や保育士、栄養士などの求人も取り扱っており、幅広い職種の中からあなたに適した求人を探せるでしょう。

転職サイトやハローワークなどには公開されていない非公開求人も取り扱っているため、多くの選択肢の中から希望通りの職場を見つけられる可能性は高まります。

看護助手からの転職に関してよくある質問

看護助手からの転職に関してよくある質問を、2つ紹介します。

看護助手は人手不足ですか？

看護助手を含む医療業界は、現在人手が不足しています。

厚生労働省が提供する情報サイトjobtagによると、2022年度の看護助手の有効求人倍率は3.98％と高い数字です。

今後も日本の高齢化は進むため、医療業界の需要はさらに増加し、人手不足の状態が続くと考えられています。

参考：職業情報提供サイトjobtag

看護助手から看護師になる方法を教えてください

看護助手として働きながら看護師を目指す方は、以下のステップで看護師免許を取得してください。

病院によっては看護師免許の取得をサポートしてくれるため、学費補助やシフトの調整を受けられるよう、勤務先に相談してみましょう。

まとめ｜看護助手からの転職では転職支援サービスを活用しよう

この記事では、看護助手からの転職におすすめの職種を9つ紹介しました。

看護助手は日々の業務の中で医療に関する知識やスキルを身に付けられるため、転職市場でも評価は高くなりやすいです。

病院やクリニック、介護施設で働いた経験を活かして、より良い環境で働ける職場を選んでください。

また、日々の業務が忙しく転職活動に多くの時間を使えない方は、転職支援サービスへの登録をおすすめします。

転職支援サービスの担当者は病院や介護施設を訪問する機会も多く、面接を担当する看護師長の性格や希望休の取り方など、細かくアドバイスをもらえるでしょう。

最新の求人情報や転職活動のサポートを無料で受けられるため、ぜひ転職支援サービスを活用してください。