人材業界は人と企業をつなぐ魅力的な仕事です。

しかし、一部でやめとけという声もあります。

本記事では、人材業界やめとけと言われる6つの理由を解説します。

さらに、以下の内容について詳しく解説します。

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人材業界やめとけと言われる6つの理由

本章では、人材業界やめとけと言われる6つの理由を解説します。

新規開拓営業が多い

人材業界では、求人案件獲得のために新たな顧客への営業活動が必要です。

営業職の場合、テレアポや飛び込み営業による新規開拓営業が欠かせません。新規開拓営業は、初対面の人を相手にするため、時には門前払いされるケースもあります。

そのため、顧客を獲得できず、業務がつらいと感じることがやめとけと言われる理由につながります。

しかし、自分の力で新たな顧客を獲得できた時には、開拓する楽しさや達成感を得られるでしょう。

勤務時間が不規則になりがち

人材業界の仕事は、基本的に就活生や転職活動中の社会人が対象となるため、夕方以降の業務が多くなり、残業が発生することもあります。

また、求人広告事業ではクライアントの都合により、土日に打ち合わせをすることもあります。

そのため、勤務時間が不規則になる点は理解しておく必要があります。

しかし、業務効率化が進む企業では、時差出勤や在宅勤務、振替休日など働きやすい環境を整えている企業もあるため、慎重に転職先を選びましょう。

業務内容が単純化しやすい

業務内容が単純化しやすいこともやめとけと言われる理由のひとつです。

例えば、営業職の場合、新規開拓を継続的にこなさなくてはなりません。テレアポ、訪問、提案と同じ業務を繰り返すことに、目新しさを感じなくなる場合もあるでしょう。

また、人材紹介ではキャリアアドバイザーとして、求職者との面談、仕事の紹介、進捗状況の連絡など、業務がルーティン化しやすい傾向です。

しかし、新規獲得のための提案力や、内定率を上げるための施策を積極的に考えられる方であれば、モチベーションを高めつつ業務に取り組めるでしょう。

求職者と企業の板挟みになる

人材業界の業務は、企業と求職者の間に立つ仕事であるため、板挟みになることもあります。

例えば、企業側からは「採用した人がすぐに辞めてしまった」、一方で求職者側からは「紹介された仕事先が合わなかった」とクレームが寄せられる場合があります。

こうした状況を解決しなければならないのも、人材業界で働くつらい側面のひとつです。

しかし、このような困難を乗り越える経験を積むことで、仕事を通して交渉力が身につくというメリットもあります。

ノルマが厳しい企業もある

人材業界のなかには、テレアポの獲得件数や目標の求人掲載数などノルマを設定する企業も一部で存在します。

日々、ノルマに追われる業務は、精神的に負担を感じることも少なくありません。

ノルマの厳しさは、企業が設定する目標値により異なります。

人材業界に転職して現実とのギャップを感じないためにも、企業の営業スタイルについて事前に把握しておくことが大切です。

責任の重さを感じる仕事

転職先や就職先を紹介する人材業界の仕事は、求職者の人生を左右する重要な役割を持っています。

紹介した企業が合わなかった場合、求職者にも企業側にも迷惑がかかってしまいます。

このように人材業界の仕事は、責任感が重いこともやめとけと言われる理由のひとつです。

しかし、プレッシャーを感じながらも経験を積み重ねていけば、大きな成長につながるでしょう。

人材業界の仕事内容

人材業界の主な仕事内容は、以下の4つに分けられます。

それぞれの仕事内容について、詳しく解説します。

関連記事：人材紹介会社とは？人材派遣会社や求人広告会社との違いを比較して解説

人材派遣

人材派遣業は、派遣社員と企業をマッチングする仕事です。契約した社員を人材派遣会社に派遣することで利益を得る仕組みです。

企業との年収交渉や入社日の調整、内定後のバックアップなど長期に渡って派遣社員をサポートします。

人材紹介

人材紹介とは、企業が求める人材を紹介するサービスです。

企業側のニーズに応えるだけではなく、求職者の強みやアピールポイントを引き出し、さまざまな業界の市場動向を広く把握するスキルが求められます。

求人広告

求人広告事業は、企業の求人広告を求人サイトに掲載する媒体サービスです。

求人広告の主な仕事は、掲載する企業へのヒアリングや掲載プランの作成、求人情報を媒体に掲載します。

企業側から掲載を依頼されるケースもありますが、ほとんどの場合は新規開拓営業により案件を獲得する営業スタイルです。

人材コンサルタント

人事コンサルタントは、企業の人事制度の構築、導入、評価制度を設計するコンサルティングサービスです。

クライアントへの適切な労働環境の提案や、社内研修のサポートなど業務は多岐にわたります。

そのため、人材業界の中でもとくに豊富な知識や経験が求められます。

人材業界で働くメリット

人材業界はやめとけと言われる声があるものの、仕事へのやりがいや魅力などメリットもたくさんあります。

人材業界で働くメリットを順に見ていきましょう。

企業と求職者から感謝される仕事

人材業界は「人」と「企業」をマッチングする仕事です。

求職者が理想とする企業に就職できれば、直接感謝の言葉をもらえます。

また、いい人材を紹介できた場合は、企業側にも大きく貢献できるため、責任のある仕事として、大きなやりがいを持てる業界といえるでしょう。

努力次第で給料アップが期待できる

営業職の場合は、インセンティブ制度を導入している企業もあります。

インセンティブ制度とは、目的達成や成果に応じて報酬を還元する制度です。

そのため、自分の努力次第では給料アップが期待できます。成果が数字として評価されることで、仕事へのモチベーションも向上するでしょう。

成長産業で活躍できる

株式会社矢野経済研究所によると2022年度の人材関連ビジネス（人材派遣業、人材紹介業、再就職支援業）の市場規模は、前年度比7.8％増の9兆2.355億円と報告されています。

高齢化による人材不足の影響や女性の社会進出などの影響により、人材業界の需要は高まっています。

そのため、市場規模が伸びている成長産業で活躍できるのも、人材業界で働くメリットと言えるでしょう。

成長企業で実践を積むことで、マネジメントのポジションへの昇進といったキャリアアップも期待できます。

参照：「2023年版 人材ビジネスの現状と展望 PART1 総合人材サービス編」|株式会社 矢野経済研究所

経営者との人脈を構築できる

人材業界では企業と直接関わる機会が多いため、経営者との人脈が構築しやすい業種です。

経営に関する知識や視点を直接学ぶ機会が増え、ビジネススキルを大幅に向上させることが可能です。

また、人材業界で培った人脈を活かし、独立した際に仕事につなげられる可能性もあるでしょう。

このように、人材業界での経験は、自身のキャリアパスに大きなメリットをもたらします。

さまざまな業界知識が身につく

人材業界は取引する企業が非常に多く、さまざまな業界知識が身につきます。

ビジネス全般の知識が身につくことで、異業種にキャリアチェンジすることも可能です。

「さまざまな業界を知りたい」「身に着けた知識を活かして活躍したい」という方に向いている業界です。

求職者を継続的にサポートできる

人材派遣や転職エージェントの場合、登録者に対してアフターフォローをおこないます。

登録者一人ひとりに向き合い、継続的にサポートすることでお互いの信頼関係を築くことができます。

継続的なサポートにより、登録者のキャリアの成功に貢献できるのも人材業界の魅力と言えるでしょう。

キャリアの選択肢が広がる

人材業界で培った経験は、さまざまなキャリアパスが描けます。

代表的なキャリアパスは以下のとおりです。

人材業界で培ったスキルを活かし、より専門性の高い人材コンサルタントに挑戦できます。さらに、実績を活かして個人事業で独立することも可能です。

このようにキャリアの選択肢が広がる点もメリットにつながります。

人材業界に向いている人の特徴

人材業界に向いている人の特徴を詳しく解説します。

人への関心が強い人

人材業界では、求職者やクライアント企業の担当者など多くの人を介して仕事を進めるため、人と関わることが好きな方に向いています。

相手の気持ちに寄り添い、ニーズを的確に理解する姿勢が求められます。

成長意欲が高い人

人材業界は、景気の変動や法規制による影響を受けやすい業界です。

そのため日々進化する業界に対して、学び続ける姿勢があり成長意欲の高い方に向いています。

適切なサービスを提案するためマネジメント能力を身に着けたい、新規顧客獲得に向けて営業スキルを磨きたいという方はチャレンジしてみましょう。

コミュニケーション能力が高い人

人材業界では、優れたコミュニケーション能力が求められます。

新規開拓営業では電話営業や直接訪問など、初対面の人にも臆せず積極的に話せる方が向いています。

また、企業や求職者のニーズを引き出すためのヒアリング能力も必要です。長期的な対人関係を築ける方は、人材業界で活躍できるでしょう。

情報収集が得意な人

人材業界では、クライアントに適切な提案をするため、さまざまな情報を効率よく収集できる能力が求められます。

そのため、何事にも好奇心旺盛で、情報収集力が高い方が向いています。

ざまざまな業界知識や最新の市場動向を把握していれば、信頼される担当者として企業や求職者から頼りにされる存在になるでしょう。

プレゼン能力や交渉力に自信のある人

人材業界は競合他社も多いため、自社の強みを的確にアピールできるプレゼン能力が欠かせません。

また、企業や求職者はさまざまな悩みや不安を抱えており、適切な解決策を見つける交渉力も必要です。

プレゼン能力や交渉力に自信がある方は、転職時のアピールポイントとなるでしょう。

タフで粘り強い人

営業職では、テレアポや訪問時に断られるケースも少なくありません。

また、企業側と求職者の板挟みになり、クレームに追われることもあるでしょう。

そのため、人材業界では、精神的にタフで粘り強い方が向いています。つらい状況もポジティブ思考で乗り越えられる方は、その先に仕事へのやりがいを見出せるでしょう。

人材業界に向いていない人の特徴

人材業界に向いていない人の特徴を解説します。

対人業務が苦手な人

人材業界は、求職者や紹介先との円滑なコミュニケーションが必須です。

そのため、対人業務が苦手な方には向いていません。

また、社外とのやり取りだけではなく、社内の連携も大切です。業務をスムーズに進めるために、どのような場面でもコミュニケーションスキルが求められます。

ひとつの業務に集中したい人

人材業界は、景気変動による市場の変化を受けやすい業界です。

そのため、淡々とひとつの業務に集中したい方には不向きといえるでしょう。

求職者や企業、市場動向のニーズに臨機応変に対応できる力が求められます。

積極的に行動できない人

企業の採用状況は、時代のニーズによって大きく変化します。

そのため、市場動向の分析や独自情報の収集など、積極的に学ぶ姿勢が大切です。

積極的に行動できないタイプの人は、このような状況の変化に対応するのが難しく、人材業界に向いていない可能性があります。

企業側からの依頼を待つだけでなく、自ら行動して企業に最適な提案をしましょう。

継続力がない人

人材業界の仕事は、採用や就職が決まったらそれで終わりではありません。企業側には採用者が働き続けているか、定期的にコンタクトを取る必要があります。

また、転職エージェントでは転職後のアフターケアもおこないます。

そのため、継続的にフォローアップができない人には向いていません。

長期的な関係性を築き、信頼を得るための継続力が求められます。

人材業界への転職に役立つ資格

人材業界への転職は、資格の取得が大きな強みとなります。

人材業界への転職に役立つ資格を3つご紹介します。

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは、2016年に国家資格化した資格です。

人材業界では、求職者と企業のマッチングを促進し、採用プロセスの効率向上に役立ちます。

キャリアコンサルタントの合格率は約50％と比較的取得しやすい資格なので、人材業界に転職を考えている方は取得を目指しましょう。

求人広告取扱者資格

求人広告取扱者資格は、公益社団法人求人情報協会が実施する資格です。

この資格は、雇用に関する法律や求人募集の知識を認定するものです。

人材紹介や求人広告事業など、求人に関わるざまざまな職種に役立つ資格です。

採用力検定

採用力検定は、一般社団法人日本採用検定協会が提供する資格です。

この検定では、採用に向き合う姿勢や採用をよりよくするための知見が身につきます。

採用力を磨くことで、自社サービスの情報を適切にクライアントに発信できるようになります。また、採用側の理解度が深まるため、提案力の向上にもつながるでしょう。

ブラック企業なのかを見極めるポイント

転職先がブラック企業かどうか見極めることは、転職活動をする上で非常に重要です。

こちらの章では、ブラック企業なのかを見極めるポイントを解説します。

関連記事：ブラック企業を見抜く方法｜ホームページ・面接・求人票から見分ける方法を徹底解説

離職率が高い

離職率とは、ある期間内における従業員の退職者数を、全従業員数で割ったものを指します。

離職率は企業や組織の人事管理の健全性や、職場環境の評価において重要な指標となり、数値が高いほどかなりの頻度で多くの人が退職していることがわかります。

多くの企業は、年次報告書や企業の社会的責任（CSR）レポート、新卒採用の求人票公開のタイミングで離職率を確認することができます。

また、「令和5年上半期の雇用動向調査結果の概況」によると、サービス業（他に分類されないもの）に分類される人材業界の離職率は11.7％という結果がでており、人材業界自体が比較的離職率が高い傾向にあります。

近年では働き方改革の推進により、労働環境改善に向けた取り組みも進んでいますが、人材業界で年間離職率が20%を超える、もしくは新卒3年以内の離職率が30%を超える場合、ブラック企業である可能性が高いと考えられるため注意が必要です。

平均勤続年数が低い

平均勤続年数が低い企業は、社内環境や人間関係に問題がある可能性が高くなります。

そのため、平均勤続年数が低い会社は注意が必要です。

一般的に、働きやすい環境では社員の定着率も高い傾向にあります。介護や育児の制度、サポートが充実している企業であれば、女性の方も長く働きやすいでしょう。

年間休日が少ない

現職で働く利用者をサポートする人材紹介業では、休日や業務時間外に面談をすることが多いのが特徴です。

そのため、年間の休日数もブラック企業であるかを判断するポイントとなるでしょう。

「令和5年就労条件総合調査」によると、日本企業の平均の休日数は年間110.7日です。大手の人材企業では、年間120日を確保した求人が掲載されています。

転職を考える際は、年間休日も事前に確認しておきましょう。

平均年収が低い

平均年収があまりにも低い企業は、ブラック企業である可能性が高いため注意が必要です。

とくに、人材業界は参入障壁が低く、中小、ベンチャー企業など多くの企業が参入しています。

企業規模によって年収が大きく異なるため、転職の際には他社比較や平均年収だけではなく労働時間の確認をしましょう。

例えば、年収400万円と提示されていても、月80時間以上の残業が常態化している場合、実質的な時給は低くなってしまいます。

また、営業職ではインセンティブ制度を導入している企業も多く存在しています。

転職先がブラック企業かどうか見極めるには、売上に対する還元率など、給与形態が明確化している企業を選びましょう。

労働条件を確認する

福利厚生の充実度や有給休暇の取得のしやすさも、ブラック企業かどうかを見極めるポイントのひとつです。

福利厚生が充実しているか、していないかで従業員の満足度が変化してきます。

また、有給取得がしやすい企業では、チームで業務を分担し、働く環境を整えている可能性も高いでしょう。

口コミサイトを確認する

企業に関するさまざまな口コミ情報は、ブラック企業であるかを客観的に評価する判断材料となります。

企業に対するいい口コミだけではなく、マイナスの意見も幅広く確認することが大切です。

また、口コミを調べる際は、複数のサイトを参考にして信頼性の高い情報を集めましょう。

転職エージェントを利用する

企業の内部事情を詳しく知りたい方は、転職エージェントの利用がおすすめです。

転職エージェントを活用すれば、企業の社風や社内環境、働きやすさなど第三者の視点で詳しい情報が手に入ります。

また、非公開求人など公開されていない求人情報もあるため、自分の理想にマッチングした企業が見つかります。

関連記事：【業界まとめ】転職先におすすめな業界を解説！各業界の特徴や求められるスキル

人材業界の転職におすすめのエージェント3選

人材業界の転職におすすめのエージェントを3選ご紹介します。

リクルートエージェント

マイナビエージェント

ビズリーチ

関連記事：転職市場で人気のおすすめ業界7選｜人気の転職先から採用をもらうコツを解説

人材業界に関するよくある質問

人材業界に関するよくある質問と回答をまとめました。

人材業界の最大大手はどこですか？

人材紹介ビジネスでは、リクルートエージェント、リクナビ、リクナビNEXTなどを運営する株式会社リクルートが最大大手と言えるでしょう。

その他にも、doda、anのサービスを展開するパーソルキャリア株式会社、人材派遣業を中心に事業を展開する株式会社パソナグループも主要産業として挙げられます。

人材業界の離職率は？

「令和5年上半期の雇用動向調査結果の概況」によるとによると、人材業界が分類されるサービス業の離職率は11.7％という結果です。離職率の平均値が8.7％であるため、若干高い傾向です。

しかし、キャリアアップのための離職も考えられるため、必ずしもネガティブな理由だけではありません。

人材業界はいつが忙しいですか？

人材業界の繁忙期は以下のとおりです。

1～3月、6～7月、10～11月など、ボーナス後や年度の切り替わりで転職者が多くなる傾向です。

求人案件が増える1月や10月は特に忙しくなります。

まとめ

人材業界やめとけの真相に迫りました。やめとけといった声はあるものの、人材業界の仕事は、人との関わりの中で多くのやりがいを見出せる仕事です。

また、専門性の高い知識が身につくためキャリアの幅も広がります。

人との関わりが好きで、コミュニケーション力や交渉力に自信のある方には、とくにおすすめの業界です。

転職エージェントを上手に活用し、自分に合った転職先を見つけましょう。