転職サイトを利用している方の中には、正社員の求人を探しているにもかかわらず、派遣の求人ばかりが紹介されると感じる方も多いのではないでしょうか。

転職サイトは、使い方によっては派遣ばかりが紹介されやすくなるのです。

この記事では、派遣ばかりが紹介される理由や派遣求人の見分け方、派遣以外の求人を紹介してもらう方法などを解説します。

派遣を紹介されたときの対処法についても紹介するので、最後まで読んで、転職活動の参考にしてみてください。

転職サイトで派遣ばかり紹介される7つの理由

そもそも、正社員を希望しているのに、なぜ派遣を紹介されるのでしょうか。

その原因は主に7つです。

ひとつずつ解説します。

スキルや資格がない

派遣ばかり紹介される理由のひとつは、専門的なスキルや資格を持っていないからです。

正社員求人ではスキルや資格が重要視されることが多いため、習得していないと派遣の求人が中心となってしまう傾向にあります。

一方、派遣はスキルや経験が不要な仕事が多く、不採用になることが少ないため紹介しやすいのです。

たとえば、IT業界への転職を希望する場合、プログラミング言語やネットワーク関連の資格が求められることがあります。

IT関連のスキルや資格がない場合、正社員としての採用は難しくなり、派遣での採用が提案されやすくなるのです。

職歴に空白期間がある

職歴に空白期間がある場合も、派遣求人が多く紹介される要因のひとつです。

正社員では、継続的に働いた経験が重視されることが多いため、空白期間があると不安材料とされることがあります。

空白期間があると、その期間の社会人経験が乏しいため、正社員として採用することにリスクを感じる企業も少なくありません。

一方、派遣求人は、短期間の雇用形態が一般的であり、空白期間があっても比較的採用されやすい傾向があります。

そのため、まずは派遣として働き、実績を積んでから正社員を目指すといった提案をされやすくなるのです。

希望条件を指定しすぎている

転職活動において、希望条件を細かく指定しすぎることも、派遣ばかり紹介される原因のひとつです。

たとえば、勤務地や給与、勤務時間などの条件を厳しく設定すると、該当する求人が極端に少なくなってしまいます。

一方、派遣の求人は比較的柔軟な条件設定が可能です。

条件を絞るほど、正社員としての就職が難しくなってしまいます。

ですので、どこまでなら妥協できるかを決めておく必要があるでしょう。

短期間で転職を繰り返している

短期間で転職を繰り返している方は、派遣の求人が多く紹介されやすくなります。

採用しても、またすぐにやめてしまうのではないかと思われるからです。

頻繁な転職歴は、仕事への取り組み姿勢に問題があると捉えられる傾向があります。

一方、派遣は短期間の契約が一般的であり、長く働く場合でも短期間の契約を更新していく働き方です。

そのため、まずは派遣として働き、適性を見極めてはどうかといった提案がなされやすくなります。

関連記事：短期離職は人生終わり？転職を繰り返す人を成功へと導くアドバイス付きで解説

担当者に任せっきりにしている

転職活動を担当者に全てを任せきりにしてしまうと、派遣ばかりの紹介になってしまう可能性があります。

担当者があなたの希望や適性を十分に理解できていない場合、派遣の求人のほうが紹介しやすいからです。

しっかり伝えたつもりでも、担当者には希望や条件が十分に伝わっていない可能性があります。

その結果、派遣求人を紹介する方が手っ取り早いと考えるのです。

また、担当者の業績評価に関係している場合もあります。成約率を上げるために、少しでも多くの求職者を企業に紹介したいのです。

こうした背景も影響している可能性があるでしょう。

派遣の求人を検索したことがある

過去に派遣の求人を検索したことがある場合、その後も派遣の求人が多く紹介される傾向にあります。

転職サイトのアルゴリズムがあなたの検索傾向を学習し、派遣求人を優先的に表示することがあるためです。

こうした現象は、転職サイトのクッキーや検索履歴をクリアにすることでリセットできます。

一度でも派遣の求人を検索すると、システムがあなたが検索した仕事に興味があると判断するのです。

その結果、似たような求人を優先的に表示するようになってしまいます。

派遣求人の多い転職サイトを利用している

あなたが利用している転職サイトが派遣求人を多く扱っている場合、正社員の求人を見つけるのは難しいでしょう。

たとえば、派遣会社との連携が強いサイトや、派遣求人の掲載料が安いサイトなどでは、必然的に派遣の求人が多くなります。

正社員を目指す方は、正社員求人が多い転職サイトやエージェントを利用しましょう。

【関連記事】転職サイトの選び方を解説｜パターン別におすすめの転職サイトを徹底比較！

転職サイトの派遣求人を見分ける方法

完全に派遣求人を排除することは難しいため、自分で見分ける必要があります。

まずは転職サイトで派遣求人を見ていきましょう。見分け方は以下の4つです。

順番に解説します。

必要なスキルや経験、知識が不問

派遣求人の特徴のひとつに、必要なスキルや経験、知識が不問とされている求人が多いことが挙げられます。

派遣会社は、短期間の雇用が前提のため、特定のスキルや経験を求めないのが一般的です。

そのため、派遣求人には「未経験者歓迎」や「特別なスキル不要」といった記載が多い傾向があります。

また、具体的な業務内容が曖昧で「簡単な作業」や「サポート業務」といった表現が多く使われているのも特徴です。

これに対して、多くの正社員求人は必要なスキルや経験が明記されているので、チェックしましょう。

勤務地が具体的に明記されていない

派遣求人では、勤務地が具体的に明記されていないことがよくあります。

派遣先が複数あり、具体的な勤務地を記載できない場合が多いからです。

たとえば「勤務地は都内各所」や「勤務地は相談に応じます」といった表現が使われることがあります。

正社員求人では、具体的な住所や最寄り駅が示されていることがほとんどです。

このように、勤務地が曖昧な記載になっている求人は派遣求人の可能性が高いといえるでしょう。

会社概要に「派○○-○○○○○○」の記載がある

求人情報の会社概要に「派○○-○○○○○○」の記載がある場合、その求人は派遣求人の可能性があります。

この番号は派遣事業をおこなっている会社が、厚生労働省から許可を受けた際に付与される派遣事業番号です。

つまり、求人を掲載している会社が派遣業務をおこなっていることを示しています。

正社員の求人にはこのような記載はありません。

転職サイトで求人情報を確認する際には、会社概要欄をしっかりチェックし記載がないかを確認するとよいでしょう。

「コーディネーターがサポート」と書かれている

求人情報に「コーディネーターがサポート」などの記載がある場合、その求人は派遣の可能性があると思ってよいでしょう。

派遣会社では、求職者が派遣先でスムーズに働けるよう、応募の段階から担当者がサポートするのが一般的です。

一方、正社員の求人では、通常このようなサポートはありません。

正社員の求人は、企業が直接採用しすることが一般的です。

求人情報を確認する際には、このような記載があるかどうかをチェックし、派遣求人かどうかを見極めましょう。

派遣ばかり紹介されてしまった時の対処法

どんなに注意していても、派遣の求人ばかりが紹介されることがあります。

このような状況に直面した場合、適切な対処法を知っておくことが重要です。

ここでは、派遣ばかり紹介されてしまった時の効果的な対処法について詳しく説明します。

さっそく、みていきましょう。

紹介した理由を聞く

転職サイトで派遣ばかり紹介される場合、まず担当者にその理由を聞くことが重要です。

担当者がどのような基準で求人を紹介しているのかを知ることで、自分の希望とのギャップを知ることができます。

たとえば、経験不足が原因で派遣求人を紹介されているのか、そもそも希望している職種がないなどがわかるでしょう。

具体的な理由を聞くことで、今後の対策が立てやすくなります。

また、理由を聞くにあたって、あなたの希望をもう一度、明確に伝えましょう。

正社員求人を探していると念を押すことで、より自分に合った求人を紹介してもらえる可能性を高められるでしょう。

その場で即決しない

派遣を紹介された場合、焦ってその場で決断しないことが重要です。

紹介された求人について詳細を確認し、自分のキャリアプランに合っているかを冷静に判断しましょう。

じっくりと考える時間を取ることが大切です。冷静に内容を精査することをおすすめします。

求人内容を確認し、正社員への道筋が見えるかどうかを見極めることが重要です。

中には、将来的に正社員として登用される派遣求人もあります。

もし、派遣求人が自分の希望に合わない場合は、断る勇気を持つことも必要です。

別の求人サイトを利用する

いま使っている転職サイトで派遣求人ばかり紹介される場合は、別の求人サイトの利用を検討してみましょう。

転職サイトには、それぞれ得意とする分野や扱っている求人の特徴があり、業界や職種に特化した専門的な転職サイトも存在します。

これらのサイトでは、より細かい条件での検索が可能なため、あなたのスキルや経験に合った正社員の求人を見つけやすくなるでしょう。

正社員求人に強いサイトやエージェントを利用することも、より希望に合った転職先を見つけるための秘訣です。

転職サイトで派遣以外を紹介してもらう方法

正社員としての転職を希望している場合は、派遣以外の求人を紹介してもらう必要があります。

次に、転職サイトで派遣以外の求人を紹介してもらうための効果的な方法を見ていきましょう。

それぞれ、解説します。

担当者を変更してもらう

転職サイトの担当者が派遣求人ばかりを紹介する場合、担当者の変更を検討することもひとつの選択肢です。

担当者によって得意とする分野や持っている情報が異なるため、新しい担当者に変更することで、適切な求人を紹介してもらえる可能性があります。

担当者の変更を申し出る際は、現在の担当者との相性や、紹介される求人の傾向に不満があることを丁寧に説明しましょう。

ただし、新しい担当者との関係構築に時間がかかったり、これまでの情報が引き継がれない可能性もあります。

そのため、担当者の変更を決断する前に、現在の担当者とのコミュニケーションを改善する努力も必要です。

担当者にはっきり要望を伝える

派遣以外の求人を紹介してもらうためには、担当者にはっきり要望を伝えることが重要です。

正社員としての転職を希望していることや、興味のある業界や職種など具体的な希望を伝えましょう。

具体的な条件や希望を伝えることで、担当者はあなたに適した求人を探しやすくなります。

たとえば「営業職で正社員として働きたい」や「希望年収」「希望する勤務地」など、詳細な情報を伝えることが大切です。

また、自分のスキルや経験、資格をアピールすることで、担当者があなたにマッチした求人を紹介してもらえる可能性が高まるでしょう。

複数の転職サイト・エージェントを利用する

ひとつの転職サイトやエージェントに頼るのではなく、複数を併用することでより多くの求人情報が入手可能です。

それぞれに独自の強みがあり、取り扱っている求人も異なります。

また、異なる担当者との接触も増えるため、より良いアドバイスやサポートを受けられるでしょう。

転職サイトやエージェントの特徴を把握し、戦略的に使い分けることも効果的です。

たとえば、業界特化型のエージェントと総合型のエージェントを併用するなど、それぞれの強みを活かして利用するとよいでしょう。

【関連記事】派遣会社は「登録だけ」もOK！メリット・デメリットと合わせて解説

正社員の求人が多い転職エージェント

正社員の求人を効率的に見つけるには、信頼できる転職エージェントの利用がおすすめです。

ここでは、正社員の求人が豊富な3つの転職エージェントを紹介します。

順番に解説します。

リクルートエージェント

マイナビエージェント

ビズリーチ

　

転職サイトが派遣ばかりと感じる方のよくある質問

最後に、転職サイトが派遣ばかりと感じる方からの質問にお答えします。

一問ずつ回答します。

派遣会社で無期雇用で働くとどうなる？

無期雇用派遣は、派遣会社と無期限の雇用契約を結び、派遣先企業で働く形態です。

一定期間ごとに契約が更新される派遣社員とは異なり、長く働けます。

大きな特徴としては、派遣先企業の都合によって契約を解除されるリスクが低くなることです。

ただし、あくまでも派遣会社との雇用契約なので、派遣先と同じ待遇ではないことが多くあります。

また、派遣先が変わる可能性もあるため注意が必要です。

転職エージェントと派遣会社の違いは何ですか？

転職エージェントと派遣会社にはいくつかの違いがあります。

転職エージェントは主に正社員として働きたい求職者を対象に、求人企業とのマッチングをおこないます。

求職者のスキルや経験をもとに最適な求人を紹介し、面接対策や条件交渉などをサポートする会社です。

一方、派遣会社は派遣社員として働く求人を提供し、派遣会社と雇用契約を結び派遣先企業で働く形になります。

転職エージェントは長期的なキャリア形成を重視したい方向けで、派遣は柔軟に働きたい方に適している働き方です。

どちらを利用するかは、キャリア目標や働き方の希望で選ぶと良いでしょう。

関連記事：人材紹介会社とは？人材派遣会社や求人広告会社との違いを比較して解説

正社員から派遣社員に転職する理由は何ですか？

正社員から派遣社員への転職には、ストレス軽減やワークライフバランスの向上などの理由があります。

正社員は安定した雇用形態である一方で、責任が重く、長時間労働やサービス残業が発生することも少なくありません。

これに対して派遣社員は業務範囲が明確で、定時での退社がしやすく、ワークライフバランスを取りやすい傾向があります。

育児や介護などの家庭の事情、または自分の時間を大切にしたいと考える方が派遣社員への転職するケースは多いです。

まとめ

転職サイトで派遣ばかり紹介される理由として、スキル不足や希望条件を絞りすぎていることが挙げられます。

また、担当者とのコミュニケーションが取れていないケースもあるため、しっかりと正社員を希望していることを伝えましょう。

さらに、そもそも、派遣求人を多く保有している転職サイトやエージェントを使っているケースも少なくありません。

対策としては複数の転職サイトやエージェントを利用することがおすすめです。

本記事で紹介した、リクルートエージェントやビズリーチ、マイナビエージェントなどの正社員求人が多いエージェントを積極的に利用しましょう。

複数のエージェントを併用することで、より多くの正社員求人に出会うことが可能です。

あなたの転職活動の成功に向けて、これらのポイントをぜひ参考にしてください。