「仕事がおもしろくない」
「今の仕事が激務で体調を崩しそう」
「転職したいけど、転職で失敗した話を聞くと不安になる」
「転職しないほうがいいケースを教えてほしい」

このように、今の仕事が性に合わず転職したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、実は転職しないほうがいいケースも多いです。

現職で解決できることなのに、一時の感情で辞めてしまうと後悔してしまいかねません。

本記事では転職しないほうがいいケースや、転職するか迷ったときに確認するポイントを解説します。

関連記事：転職エージェントおすすめ比較ランキング！人気大手18社の選び方を年代・職種別に一覧で解説

転職しない方がいいケース

感情的に動いて転職を早まると後悔する可能性があります。

本章で紹介する「転職しない方がいいケース」を理由に転職を検討している方は、踏みとどまり再考してください。

現職の問題を解消したい

現職で抱いている不満を理由に転職しようとしているケースは転職しない方がいいです。

なぜなら、現職で解決できる可能性があるからです。

たとえば、「人間関係の不満」です。人間関係の問題であれば、上司や同僚に相談するほか、社内の相談窓口で相談もできます。

パワハラ防止法の施行により、2022年4月から中小企業でも相談窓口設置が義務化されました。

相談することで、部署異動などの配置転換をしてくれる可能性もあります。

感情的に辞めようと思っている

感情的になっていると冷静な判断ができないため、誤った決断をしてしまいます。

感情的になる場面とは以下のようなケースです。

このような状況で決断したことは、あとで「判断を間違えた」と悔やむケースが多いです。

また、面接時にもネガティブな理由で辞めたと伝わってしまうためデメリットが大きいといえます。

辞める際もポジティブな理由で転職できるように、よく考えてから転職しましょう。

転職理由がはっきりしない

理由が明確ではない転職は、後悔を生む可能性が高いといえます。

漠然と辞める方は、転職しても目標がなく働くことになるからです。

転職する目的がないのであれば、現職で働いているのと同じでメリットは少ないでしょう。

一方で、「転職して新たに挑戦したい仕事がある」など、明確な目的をもって転職するなら、転職したことでしか得られないメリットを享受できます。

転職活動では、転職理由が明確でないと、面接官に十分なアピールは難しいので、転職理由を明確に持つことは重要といえるでしょう。

短期間で辞めようとしている

転職後すぐに辞めることは可能ですが、職歴にキズをつけることになり、次の転職時の心証を悪くしてしまう恐れが高いです。

面接の場面で、「嫌なことがあったらすぐ辞めてしまうのだろう」「甘えている証拠だ」などのネガティブイメージが先行してしまうケースも珍しくありません。

早期離職した（「初めての正社員勤務先」を辞めた）1年後の就職先を調査したデータによると、正社員の割合は男性が6割、女性が3割の結果となっており、正社員の職が見つかりにくいでしょう。

ただし、ハラスメントや超過勤務などで心身の支障が出ているケースでは、大きな事故や精神疾患を発症する恐れがあるため、辞めることも前向きに検討すべきです。

そういった場合、まずは信頼できる人に相談しましょう。

参考元：独立行政法人 労働政策研究・研修機構

転職後の仕事や職種に不安がある

転職後の会社や業界選びを誤ると、転職したことを後悔する可能性が高まります。

転職先候補の会社の対応に不審な点がある場合は、すぐ内定を了承してはいけません。

不明な点があれば、不安が払拭できるまで質問すべきです。

また、業界選びでは以下の点に当てはまるかチェックしてください。

もし当てはまるようなら、再考をおすすめします。

そして「どうしてその業界を選ぶのか」「この業界でなければならない理由はなにか」を具体的に検討してください。

納得するまで検討した上で決断するなら、後悔する可能性は低いです。

転職した方がいいケース

転職は、キャリア形成をする上でポジティブな行動です。

転職はネガティブにとらえられやすいですが、転職した方がいいケースもあります。

本章で紹介するケースに当てはまる場合、転職を前向きに検討したほうがよいでしょう。

キャリアアップしたい意欲がある

キャリアアップするために転職したい方は、成長意欲がある証明になります。

採用担当者からみて、成長意欲が高く、積極的に業務をおこなってくれる人材を確保したいはずです。

キャリアアップ目的に転職する方は、転職した方がいいケースに該当します。

ただし、キャリアアップ目的の転職の面接時、前職の話をする際は「伝え方」に注意しましょう。

前職の不満ばかり話してしまうと「他責思考の人間」な印象を与えかねませんので、悪い印象を与えないよう注意してください。

企業が求める人材像を入念にリサーチ済みである

企業が求める能力やスキルを理解するのは、転職希望者にとって重要です。

なぜなら、採用を決めるのはあくまで転職先企業の方だからです。

普段意識していないと、転職先企業を調べる際に自分の希望条件ばかり優先して転職先企業を探してしまいます。

しかし見るべきは、下記の点です

不足しているなら、補うために能力・スキルを身につけなければいけません。

そういったリサーチを十分行えた状態で転職活動するなら、企業から逆アプローチを受ける可能性もあるでしょう。

転職先で求められる能力と今自分が持っている能力がマッチしている

転職先で求められる能力を満たしている方は、転職で成功する確率は高いです。

転職先企業は不足している人材を採用できるため、年収交渉にも対応してくれるでしょう。

また、そのような状況では「求められている人材」であると実感でき、承認欲求も満たされます。

金銭的にも、精神的にも満足できる転職が実現可能です。

転職すべきか迷ったら確認すべき4つのこと

「転職しない方がいいケースは理解できた。それでも、転職すべきか迷う」

このようにお考えの方は、以下で紹介する4点を確認してください。

転職したい理由を明確にする

転職したい理由があいまいでは、転職先でも同じ問題で悩んでしまい、転職したことを後悔してしまいかねません。

株式会社ビズヒッツが調査した「転職を思いとどまったほうがいい」と思う転職理由・状況」では以下のような回答結果が出ています。

順位	転職しない方がいいケース	人数
1	人間関係に不満	137人
2	仕事内容に不満	103人
3	収入に不満	63人
4	転職理由があいまい	32人
5	現職の給料・福利厚生が充実	26人
6	短期間での離職	17人
7	職場への不満のみ	13人
8	残業・休日に不満	13人
9	感情的に決めてしまう	12人
10	他社が良さそうに見える	11人

結果からわかるのは、人間関係などの問題は転職しても発生する可能性があることです。

転職したい理由を明確にすると同時に、「転職して本当に解決できるのか」もあわせて検討しましょう。

今の職場で解決できないか考えてみる

「現職で解決できる問題ではないのか」の視点に立つのも重要です。

なぜなら転職で解決できないこともあるからです。

とくに、人間関係の問題は、会社内の部署異動による配置転換で対策可能です。

転職には収入減少などのリスクが伴うため、現職であなたの悩みが解決できないか考えてみましょう。

転職することが目的になっていないか考えてみる

転職しようと思うに至った理由があるはずです。

その理由を解決できない転職では意味がありません。

「転職すれば解決できる」と考えていても、転職後も悩みは変わらず発生するようでは転職は失敗です。

転職自体を目的にしてはいけません。転職後のビジョンも明確に持ち、転職する前に確認しましょう。

転職するメリットとデメリットを洗い出してみる

転職するメリットとデメリットは何があるのかリスト化しておくことをおすすめします。

なぜなら、転職するか否かの判断材料になるからです。

例えば以下のような形で表にすると可視化できて、整理しやすいです。

転職するメリット	転職するデメリット
年収アップが望める やりがいのある仕事に就ける 自分のスキルが活かせる	転職活動で時間を失う 失敗する可能性がある 新たなことを覚えなくてはいけない

上記のようにメリット、デメリットを洗い出してみて転職するか考えてみてください。

関連記事：仕事辞めてよかったと思う瞬間や退職を決意すべきか判断する方法を解説

転職しなくてよかったと思う人の口コミ

転職しなくてよかった人の口コミを紹介します。

「転職」で起こるリスクを知ることで、転職するか考える判断材料になるでしょう。

一から仕事を覚えなおさずに済んだ

転職しなくてよかった人の口コミの多くは、「新たに仕事を覚えなおさなくてよかった」ことを挙げています。

たしかに、転職すると仕事を一から覚えなければいけません。

たとえ、同業種への転職でも仕事の進め方が違うケースはあります。

仕事を覚えなおすことなく、自分の裁量で仕事を進められる点は現職で働き続けるメリットといえるでしょう。

「給料が低い」ことが悩みだったが給料アップした

給料が低いのを理由に転職を検討する方は多いのではないでしょうか。

しかし、仕事を長く続けることで会社からの信用は高まります。

転職を決断する前に、待遇や給与など他社と比較し、現職では昇給できないのか再考してみましょう。

転職活動が想像以上に厳しかった

上記口コミのように、転職活動が難航するケースも少なくありません。

現職を続けながら転職活動したことで、体調を崩すリスクもあります。

本アンケート回答者は40代以上でしたが、年齢によって転職活動が厳しくなる可能性は十分あります。

転職しないほうがいい人の特徴

結論から言うと、転職するための目的が定まっていない方です。

具体的には以下の通りです。

上記のような方は、転職の前に再考してください。

再考する際は、転職エージェントがおこなっている市場価値診断を活用するのがおすすめです。

無料であなたの現在の立ち位置を知ることができますよ。

関連記事：自分の市場価値を知る方法は？すぐにできる調べ方やおすすめの診断サービスを解説

転職したほうがいい人の特徴

転職したほうがいい人は、以下の特徴がある方です。

転職の理由が明確であれば、現職の不満を解消するために適切な転職先を見つけられるでしょう。

ただし、現職が体調不良になるほど激務であったり、優秀な人材が辞めていったりしている場合は企業体質が問われる状態です。

体調不良が悪化して、転職活動できなくなる前に行動してください。

【フェーズ別】転職すべきか迷った時の対処法

本章では、転職すべきか迷った時の対処法を解説します。

迷う内容も、今自分がいるフェースによって異なるため、フェーズ別に紹介します。

転職活動前のフェーズ

転職活動前のフェーズでは、悩んでいる理由が何なのか確かめることから始めましょう。

例えば、以下の項目をヒントに考えてみてください。

上記を参考に自身の悩みをハッキリさせたら、現職で解決できないか行動してみましょう。

例えば、成長の実感を感じられないことで悩んでいるなら、「新規プロジェクトのリーダーに立候補してみる」など行動起こしてみましょう。

転職活動中のフェーズ

転職活動中のフェーズでは、以下の点を押さえましょう。

転職先を決めるためにも、転職して何を得たいのか明確にし、転職の面接時に話せるようにしておかなければいけません。

自身が転職したい理由を書き出すなどして整理してください。

また、転職は収入ダウンするリスクもあり家庭への影響も大きいです。家族が不安にならないよう、よく話し合い、家族の同意を得てから転職活動をしましょう。

なお、「一人の転職活動が不安」「忙しくて一人で転職活動を進められない」な方は、転職エージェントサービスの活用がおすすめです。

転職活動のプロから、アドバイスや履歴書（職務経歴書）の作成指導など幅広くサポートを受けられます。

内定獲得後のフェーズ

内定獲得後に「このまま受諾していいのか」と悩んでしまう可能性があります。

人によっては、転職先企業より他の企業の方が良いのではないかと脳裏に浮かび、決めかねているケースもあるかもしれません。

大切なのは、自分軸をもって判断することです。転職によって解決したい課題がどうなるのかよく考えてみましょう。

もし、内定が出ている企業では解決が難しいのであれば、辞退してください。

たとえ内定承諾書を提出した後でも、労働者が解約を希望する日の2週間前までに意思表示していれば、一方的な解約は可能です。（出典：民法第627条1項｜e-Gov法令検索）

転職を決断したら考えておくべきポイント

転職を決断したら考えておくべきポイントを紹介します。

リスクを先に知っておけば対策可能です。転職したことを後悔しないためにもチェックしてください。

収入ダウンの可能性がある

転職は収入が減少する恐れがあります。

実際に転職者の約3割が「転職で年収ダウンした」と回答しています。（参考：令和3年雇用動向調査結果｜厚生労働省）

収入ダウンする転職が発生しやすいケースは、以下の通りです。

転職で収入ダウンしやすいケースを把握しておき、入念に企業研究しましょう。

新たな悩みが発生するリスクがある

転職して新たな悩みが発生するリスクもあります。

例えば、年収や待遇に惹かれて転職したのに、人間関係がうまくいかなかったケースです。

転職したら、悩みがすべて解消されるわけではありません。

新しい環境に対応する必要があり、新しい環境ならではの課題も発生する可能性は十分あります。

その結果、モチベーションが下がり、再離職する危険性もあるため軽視できません。

転職前に入念な企業研究をおこない、面接時にも不安な点をよく質問しておきましょう。

前職との比較して劣るリスクがある

転職後、時間の経過とともに前職と比較して不満に感じる部分が見えてくるはずです。

例えば、会社の休暇制度の違いです。

前職では有給消化率が高い会社だったため、有給を自分の使いたいタイミングで使えていたのに、転職先企業では有休消化率が極端に少なかったケースです。

もちろん、転職によって解決したい課題を解消できるのがもっとも重要なことです。

しかし、前職の方が良かったと感じる部分が出てくることも理解しておく必要があります。

一から新しいことを覚えなければならない

株式会社ネクストレベルが運営するミライのお仕事が、「未経験の仕事」に転職した経験がある社会人に「未経験の仕事に転職して大変だったこと」を聞いたところ、74.4%の方が「新しいことを1から覚えること」と回答しています。

引用元：ミライのお仕事

アンケート結果では、業務で必要なテクニカルスキルだけでなく、一般的なビジネスマナーで苦労した方も多かったようです。

例えば、営業職から事務職への転職で、タイピングなどの経験が少ない場合で、周囲は皆ブラインドタッチなのに自分だけできないといったケースです。

このような、新しいスキルやマナーを学ばなければならない苦労があることは忘れてはいけません。

転職を決断した方におすすめの転職エージェント

転職を決断した方におすすめの転職エージェントを紹介します。

プロの力を借りて、転職して理想の働き方を手にいれたいと考えている方は、ぜひ登録を検討してください。

ビズリーチ

マイナビエージェント

リクルートエージェント

転職しないほうがいいケースに関するよくある質問

転職しないほうがいいケースに関するよくある質問を紹介します。

転職を迷う原因はなんですか？

転職を迷うのは「現職の仕事から逃げたいから」などさまざまな原因で発生します。

このように「転職するのを恐れる」理由が転職を迷う原因です。

迷ったら転職はやめるべきですか？

結論から言うと、転職する明確な理由がないと判断できるため、転職はやめておくべきです。

実際に、転職して働いてみないと合う合わないはわかりません。

それを働く前から考えて、不安だけ募らせているようなら、どうしても転職したい決断ができていない証拠です。

迷いが消えるまで、転職するメリット・デメリットを書き出すなどして解消しましょう。

関連記事：仕事辞めてよかったと思う瞬間や退職を決意すべきか判断する方法を解説

大企業で働いています。転職しないほうがいいですか？

結論、あなたが会社に何を求めているかによって回答が違ってきます。

大企業と中小企業のメリット・デメリットを表にまとめます。

	メリット	デメリット
大企業	年収が高い 教育制度が整っている 昇給システムなど明確 社会的信用度が高く住宅ローンなど借りやすい	個人の意見が反映されにくい 年功序列制度が残っている可能性が高い 業務が細分化しすぎてモチベーションを保ちにくい
中小企業	任される仕事が多くやりがいを感じやすい 小回りがききスピード感のある仕事がしやすい 学歴にとらわれず実力で出世できるチャンスがある	大企業に比べ給料が低い 不景気などによる経営危機の不安がある 社長の影響力が強くワンマンになりやすい

大企業にはメリットもある反面、デメリットもあります。現職で感じていることを書き出してみると、あなたが行動すべき方向性が見えてくるはずです。

関連記事：​​大企業を辞める人に多い5つの理由とは？得られるメリットや失うものを解説

まとめ

今回、転職しないほうがいいケースの方について解説しました。

転職しないほうがいいケースは、それぞれの状況によって異なります。

もし転職するか迷う方がいたら、「転職するか迷ったときに確認するポイント」を見直してみてください。

そして、転職希望者の中には、転職した方がいい人もいます。

転職する際は、転職の進め方や書類添削までサポートしてくれる転職エージェントの利用がおすすめです。