「派遣から正社員になるのは難しい？」
「派遣から正社員になるには何をするべき？」

正社員は給与が安定しており、昇給や昇進などの魅力があるため、派遣から正社員になりたいと考える人は多いでしょう。

しかし、派遣から正社員になるのは難しいのではないかと不安に感じている人も少なくありません。

結論、派遣から正社員になるのは可能ですが、入念な就職準備が必要になります。

本記事では、派遣から正社員になるのが難しいかどうかや、就職するためのコツやおすすめの就職サービスまで解説します。

関連記事：派遣から正社員になるのは難しくない！正社員になるための方法とメリットを紹介

20代で派遣から正社員になる方法・コツ4つ

派遣から正社員になる方法は、以下の4つです。

正社員になりたいと考えている派遣社員は、4つの方法から自分自身に適したものを選びましょう。

派遣先の正社員登用制度を活用する

派遣から正社員になりたい場合は、派遣先の正社員登用制度の活用がおすすめです。

職場の雰囲気に慣れているほか、業務も理解している人を正社員として採用するのは、企業にとっても大きなメリットになります。

派遣先の企業に正社員登用制度の実績があるかどうかを確認すれば、事業拡大や欠員補充時に正社員として採用してもらえる可能性があります。

ただし、正社員登用制度は法律で特定のルールとして定められておらず、企業の裁量次第で制度されているかどうかが異なる点に注意が必要です。

正社員登用制度で正社員を目指す場合は、派遣先企業が制度を整備しているかどうか事前に確認しましょう。

派遣会社で正社員（無期雇用派遣）として採用される

派遣から正社員を目指す場合、派遣会社で正社員（無期雇用派遣）として採用される方法もあります。

無期雇用派遣は、現在の派遣会社と雇用期間の定めがない状態で契約する形態です。

無期雇用派遣の場合は、派遣先企業で仕事がなく、勤務していない期間があっても原則として給与や休業手当が支払われます。

雇用期間が定められている場合と異なり、毎月固定の給料が支給されるため、安心感があるでしょう。

現在の派遣で生活が不安定だと感じている場合は、派遣会社で正社員（無期雇用派遣）として採用してもらえないかどうか確認するのがおすすめです。

紹介予定派遣として働く

派遣から正社員を目指す場合は、紹介予定派遣として働くこともおすすめです。

紹介予定派遣とは、一定期間（最長6ヶ月）を派遣社員として勤務し、企業と派遣社員の双方が合意した場合に正社員や契約社員として雇用してもらえるシステムです。

派遣先がはじめから雇用の意思があるため、紹介予定派遣は正社員として採用してもらえやすい点が特徴です。

また、自分自身も正社員になる前に職場の雰囲気や業務内容を詳しく知ることができ、早期離職を防ぐことにもつながるでしょう。

ただし、紹介予定派遣として採用された場合でも、必ずしも正社員になれる保証がない点はあらかじめ理解しましょう。

関連記事：紹介予定派遣はやめた方がいいのか？そう言われる理由と成功するためのポイントを解説

正社員に転職する

正社員になりたいと思うものの、足踏みしてしまっている人の中には「自分には何のスキルもないから正社員になるのは無理」と考えている人もいるのではないでしょうか。

確かに、何かしらのスキルを持っている方が、面接でアピールしやすいことは事実です。

しかし、20代のうちは特に、特定のスキルを持っていなくても「成長する伸びしろがまだ大きい」ということで、ポテンシャル採用の対象となることも多くなっています。

また、スキルよりも「実務経験」が評価されるケースは少なくありません。特に同じ業界や職種で正社員を目指すのであれば、面接の際に今まで派遣社員として経験してきた仕事内容をアピールすることで、面接官は「あなたが実際に入社して仕事をしている時のイメージ」を持ちやすくなります。

志望動機や自己PRなどがしっかりと整理されていれば、高評価をもらえる確率も高くなるでしょう。

20代で派遣から正社員に転職するときの注意点

派遣から正社員を目指す場合は、以下のことを心がけましょう。

それぞれ詳しく解説します。

正社員転職後に後悔しないためにも、採用基準や派遣社員と正社員の違いなどを事前に確認しましょう。

採用基準を確認する

派遣から正社員として登用してもらうことを考えている人は、事前に企業の採用基準を確認しましょう。

正社員登用制度は、法律では明確な採用基準を定められておらず、企業によってそれぞれ異なります。

企業によっては、適性検査や面接・レポート作成などを設けているため、事前準備が重要です。

事前に企業の採用基準を確認し、正社員採用の準備を入念におこないましょう。

真摯に業務に取り組む

企業は、業務に真剣に取り組んでくれる人を採用したいと考えています。

遅刻しない、報連相を徹底する、業務の納期は必ず守るなど、基本的な業務姿勢を徹底することを日頃から意識しましょう。

また、経験・スキルが不足している場合でも、業務に対する姿勢が良いことや向上心があることを評価してもらえれば、採用してもらえる可能性がにあります。

派遣先での業務は日頃から真剣に取り組み、企業に真摯な姿勢をアピールしましょう。

正社員は必ずしも安定しないと考える

正社員は毎月一定の給与が支給されるため魅力的ですが、必ずしも安定するとは言い切れないと考えてください。

業績不振が続くような企業の場合は、最悪の場合倒産する可能性もあります。

安定を求めるのも大事ですが、仕事のやりがいや価値観も重視し、自分自身の適性や仕事観に最適な企業を探しましょう。

派遣社員と正社員の違いを理解する

正社員になる場合は、派遣社員との違いをよく理解しましょう。

正社員は、派遣社員と異なりより多くの業務を担当し、より大きな責任が伴います。

経験・スキルに応じてより高度な業務を任されたり、別の部署や支店に異動するケースもあるでしょう。

派遣社員と正社員の違いを理解しておかないと、就職後に「想定と異なっていた」「派遣社員の方が適していた」などの後悔につながる可能性があります。

事前に派遣社員と正社員の違いを理解したうえで、最適な選択をしましょう。

20代で派遣から正社員に転職できる人の特徴

派遣から正社員になれる人の特徴は、以下のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

コミュニケーション能力が高い

派遣から正社員になれる人の特徴として、コミュニケーション能力が高いことが挙げられます。

正社員では自分の部署の人や外部企業、他部署の人など多くの人とかかわる機会があります。

営業やコンサルタントなどの職種の場合は、単に人と話せるだけではなく、顧客の意図を適切に汲み取り、最適な提案をおこなう能力も必要になるでしょう。

責任感がある

正社員は派遣社員よりも給与が高く設定されていることも多く、その分大きな責任が課されます。

例えば派遣社員であれば、何か大きなトラブルがあったとしても、派遣元に連絡して派遣されている人を変えてもらう、あるいは派遣会社を変えることはそれほど難しくありません。

一方で、正社員は簡単に解雇したり異動させたりできないため、正社員を採用するのであれば、企業は仕事に対する責任感が強い人を採用したいと考えるものです。

また、ベンチャー企業であれば、20代の若手が新たな業務を立ち上げたり、会社の売り上げを大幅に上げたりといった事例もめずらしくありません。

企業によっては、安定した仕事ができる人よりも、会社に良い刺激を与える若手が欲しいと考えていることもあるでしょう。

そういった企業では、大きな仕事を任されることも多い一方で、相応の責任感が求められます。

派遣先で責任をもって誠実に業務に取り組んできたことをアピールできれば、正社員として入社後にやりがいのある大きな仕事を任せてもらえることもあるでしょう。

効率よく業務ができる

派遣から正社員になれる人の特徴として、効率よく業務ができる人が挙げられます。

特定の業務のみを任されることの多い派遣とは異なり、正社員では幅広い業務を任されるため、業務目標や売り上げ目標を達成するためには効率の良さが重要です。

たとえば、タスクの優先順位を決めたり、同じ業務ばかりの場合は自動化できないかと考えたりすると効率化につながります。

また、自分の苦手分野を任された場合は、周囲の人をうまく巻き込んで業務に取り組むと効率よく進められるでしょう。

派遣として働いているときに効率化を考えながら業務に取り組んでいる人は、派遣から正社員への就職が比較的スムーズに進むかもしれません。

20代で派遣から正社員に転職するメリット

派遣から正社員になるメリットは、以下のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

毎月安定した給与を得られる

派遣から正社員になるメリットとして、毎月安定した給与を得られる点が挙げられます。

日本の企業では正社員は終身雇用が一般的で、問題を起こさない限りは定年まで毎月給与をもらいながら働けます。

一方派遣社員は、契約更新しながら働くため、雇用が不安定です。

収入に対する不安が少なく、長期的な目線でキャリアプランを形成しやすい点が、正社員になるメリットといえるでしょう。

福利厚生が充実している

正社員は、福利厚生が充実している点もメリットです。

育児休暇や有給休暇、レジャー施設の割引優待など、正社員にはさまざまな福利厚生が備わっています。

住宅手当や通勤手当などの生活をサポートする福利厚生もあるため、派遣社員のときよりも働くうえでの満足度が高くなるでしょう。

また、保育所を設けている企業もあるため、子どもが小さい人でも安心して働けます。

派遣社員は福利厚生を利用できない場合があり、さまざまなサポートを受けられるのは、正社員になるメリットといえるでしょう。

業務の幅が広がる

派遣社員に任される仕事内容は、書類整理や電話の取次ぎなど社内向けの仕事であることが一般的です。社外との折衝などを任されることもゼロではありませんが、企業によってはそれほど多くはありません。

しかし、正社員になると、例えば取引先との折衝や営業など、部署によっては社外の人と接触する機会が格段に多くなります。派遣社員と比較すると、正社員の業務内容は幅が広く大きな責任を伴うものです。

会社から求められることも増えますが、より多くの実務経験を積むことでスキルアップにもつながります。このため、正社員採用の面接では、成長意欲もアピールできると良いでしょう。

昇進・昇給制度がある

正社員として採用されると、管理職への昇進や業績に応じた昇給などを受けられることがあります。

派遣会社の中にも昇給制度を設けているところはありますが、大半の場合は、正社員と比較すると昇給幅は小さいのが実態です。

また、派遣社員として働いている限り、管理職になれることはほとんどないと思って良いでしょう。

引用元：国税庁

役職定年などが設けられている企業もあるため、55歳以上は下がっていますが、50代前半までは上がり続けていることがわかります。年齢が上がって昇進していけば、給与も上がっていくことが期待できるでしょう。

派遣から正社員に転職したい20代におすすめの転職エージェント

派遣から正社員への転職におすすめの転職エージェントは、以下のとおりです。

それぞれの特徴やサービス内容を詳しく解説します。

リクルートエージェント

マイナビエージェント

ビズリーチ

派遣から正社員に転職する20代からよくある質問

派遣から正社員への転職に関するよくある質問は、以下のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

派遣から正社員になるにあたって、疑問がある人はぜひ参考にしてみてください。

派遣から正社員に転職するのは早い方が良いですか？

派遣から正社員に転職するのは、早い方が良いです。

企業は可能な限り長く働ける人材を採用したいと考えているため、年齢を重ねるほど即戦力を求める傾向にあります。

派遣時代の経験・スキルが浅いまま年齢を重ねると、転職難易度が高くなるため、正社員になるチャンスが減ってしまう恐れがあります。

正社員を目指す場合は、可能な限り早めの行動を心がけてください。

正社員が不安なので派遣で経験を積むのはおすすめですか？

正社員が不安な場合は、派遣で経験を積むのもおすすめです。

派遣で経験・スキルを積めば、転職活動でアピールできるため、有利に進められる可能性があります。

ただし、年齢を重ねるほど正社員になる難易度は高くなるため、可能な限り早めに転職活動をおこなうようにしましょう。

また、派遣では正社員に比べて身につけられる能力やスキルが制限される可能性があることも理解する必要があります。

派遣から正社員になれる確率はどのくらいですか？

厚生労働省の調査によると、派遣労働者を正社員に採用する制度がある事業所の割合は13.0%であり、そのうち1.7%が過去1年間に正社員として雇用されています。

反対に、派遣労働者が就業している事業所で正社員登用制度がある事業所は27.8%であり、そのうち5.8%が正社員として採用されています。

調査結果から派遣から正社員になれる確率は、高いとは言えないのが現状です。

【参考】 派遣労働者を正社員にする制度｜厚生労働省

まとめ | 20代で派遣から正社員に転職しよう

派遣から正社員になることは、十分に可能です。

正社員登用制度や紹介派遣制度、転職活動などさまざまな方法で派遣から正社員を目指せます。

いずれの方法にもメリットがあり、自分自身のキャリアに適した方法を選択すれば、転職に納得できる可能性も高いです。

また、転職活動の際は転職エージェントのようなサービスを受けるのもおすすめです。

リクルートエージェントやマイナビエージェントなど、キャリアのプロからサポートを受けながら正社員への転職を成功させましょう。