「派遣から正社員になるのは難しいの？」
「派遣から正社員になるとメリットがあるのかな」
「そもそも、どうやって正社員になるのかわからない」

派遣として働いている方の中には、こうした悩みを持っている方も少なくありません。正社員は派遣社員に比べてハードルが高いと思われている傾向があります。そのため、正社員をあきらめている方は非常に多いのです。

しかし、ポイントを押さえて行動すれば、正社員になるのは難しくありません。この記事では、なぜ派遣から正社員になるのが難しいと言われるのかや、正社員のメリット、正社員になるためのポイントを解説します。

最後まで読めば、正社員への道筋がわかり、自分にあった方法が見つかるので、ぜひ参考にしてみてください。

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派遣から正社員になるのが難しい理由

派遣から正社員になるのが難しい理由には、主に企業側と個人側の双方に要因があります。

まず企業側の視点で見ると、派遣社員は一時的な人材確保のために利用するといった認識を持っているケースが少なくありません。そのため、長期雇用を前提に考えていない場合があります。

そもそも、これまでに正社員登用の実績がなく、制度の導入にハードルを感じたり、前例がないことを理由に見送られたりする場合もあるのです。

また、正社員と派遣社員では、求められる責任やスキルレベルの差も影響しています。例を挙げると、派遣社員は特定の業務に特化した働き方が一般的です。

一方、正社員には幅広い業務への対応力が求められます。さらに、年齢による影響もあるでしょう。

企業は20代・30代の若手を優先的に採用する傾向にあるため、40代になると正社員への道は厳しくなります。

これまでに派遣社員の経験しかない場合は、さらにマイナス要因になる可能性が高い傾向です。

派遣から正社員になる4つの方法

派遣から正社員になるためのルートは、大きく分けて以下の4つの方法があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選択するとよいでしょう。

順番に解説します。

1.紹介予定派遣に応募する

紹介予定派遣とは、最長で6ヶ月の派遣期間が終わった後に、正社員雇用されるのを前提に派遣社員として働きます。

ただし、必ず正社員登用されるとは限らない点には注意が必要です。派遣期間中の6ヶ月は実質的な試用期間となるため、社員登用されるには仕事への取り組み姿勢が重要となります。

厚生労働省の調査によると、2022年度に紹介予定派遣として派遣された人は26,313人で、それに対して、直接雇用された人は14,865人です。紹介予定派遣から直接雇用に結びついた割合は56.5%という結果が出ています。

つまり、半数以上は正社員になっているのです。

【引用】厚生労働省｜令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果（速報）

このように、紹介予定派遣なら、比較的高い確率で正社員になれる可能性があるので、応募してみると良いでしょう。

2.現在の派遣先企業で正社員になる

もし、派遣先の企業が社員登用制度を設けていれば、派遣先の社員になる道もあります。

厚生労働省の調査では、59.9%の企業が正社員転換制度を持っているので、派遣元の担当者に相談してみると良いでしょう。

【引用】厚生労働省｜令和5年若年者雇用実態調査の概況

企業にとっては、新規で採用するよりもコストを抑えられ、業務や職場の雰囲気になれている人物を採用できるメリットがあります。

ただし、制度が導入されていても必ず実績があるとは限りません。また、採用試験の有無や試用期間などは企業によって異なります。

そのため、実際に過去に、社員登用の実績があるかどうかを確認しておく必要があるでしょう。

3.派遣会社で正社員になる

派遣会社の正社員として無期雇用派遣社員になる方法もあります。近年は、福利厚生などが充実し、キャリアアップ支援制度も整っている派遣会社が少なくありません。

とくに、専門性の高い職種では、経験を積んだスタッフを専門職として採用する派遣会社も増えています。

ただし、あくまでも取引先の企業で働くスタイルには変わりなく、働く場所も変わる可能性がある点には注意が必要です。しかし、正社員のため安定した働き方ができます。

4.正社員として転職する

派遣を辞めて、正社員として転職する選択肢が最も広がる方法です。

ただし、派遣会社を通さない一般枠での応募となり、転職先も自分で探さなければならないため、ハードルは上がります。そのため、より綿密な準備が欠かせません。

正社員として転職するなら、転職支援サービスを活用して職務経歴書の作成や面接対策などのサポートを受けるのがおすすめです。

1人で行動すると長引く可能性があるため、積極的に利用すると良いでしょう。

派遣から正社員を目指すために心がけること

派遣から正社員を目指すためには、派遣会社と企業の両方に好印象を持ってもらう必要があります。そのためには、以下の点に気をつけておきましょう。

ポイントとなる項目なので、しっかり確認してみてください。

多くの経験を積む

派遣社員として働いている期間中は、できるだけ多くの業務経験を積みましょう。

正社員になれば、やらなければならない業務が増えるため、できる仕事が多い人ほど採用されやすい傾向があるからです。

たとえば、担当業務だけでなく、部署全体の流れを把握し関連する仕事を手伝うなど、正社員としての適性をアピールすると効果的です。

また、言われた仕事をこなすだけでなく、自主的に業務の幅を広げていくのもアピールになります。

仕事で成果を残す

今の業務で具体的な実績を残すことが、正社員登用の可能性を高めるには一番効果的です。

たとえば、事務作業なら処理件数の向上や業務スピード、正確さなど、目に見える形で成果を示すと良いでしょう。

また、営業やテレアポなら獲得実績でトップを目指すなど、具体的に数字で結果を残せれば正社員登用の面接時にアピールしやすくなります。

このように、即戦力として採用してもらえる可能性を高めるためには、結果や実績が不可欠です。

真面目に仕事に取り組む

勤務態度は、正社員登用の判断材料として重視される項目のひとつです。

とくに、遅刻や欠勤がない、提出物の期限を守る、報告・連絡・相談を適切に行うなど、当たり前のことは確実に実行しましょう。

真面目さだけでなく、協調性も大事です。そのため、突発的な業務への対応や、残業が必要な際は積極的に協力するなどの姿勢もアピール材料となります。

採用の基準を確認しておく

企業によって正社員登用の基準は異なるため、事前に採用基準を確認しておく必要があります。

一般的には、勤務態度や業務スキル、コミュニケーション能力などが基準になるでしょう。

また、採用にあたっては、適性検査の実施やレポート提出が課せられるなど、面接の他にどのような項目があるのかも把握しておく必要があります。派遣会社の担当者や職場の上司に確認し、必要に応じて準備を進めましょう。

職場内で積極的にコミュニケーションをとる

業務上の連絡だけでなく、日頃から上司や同僚との積極的な交流も大事です。

「コミュニケーションが苦手な人」という印象を持たれると評価が低くなり、正社員に応募した際に不利になる可能性があります。

印象を悪くしないためにも、挨拶や報告・連絡・相談を怠らないなど、最低限のコミュニケーションはとっておくべきでしょう。

派遣から正社員として転職する4つのメリット

派遣から正社員になると、派遣社員では得られない多くのメリットがあります。以下に主要な4つのメリットについて詳しく見ていきましょう。

順番に解説します。

1.福利厚生が良くなる

正社員になると、派遣社員時代と比べ福利厚生が大幅に充実します。

たとえば、住宅手当や家族手当といった各種手当の支給です。企業によってはリフレッシュ休暇や保養所の利用、資格取得の支援など、企業独自の福利厚生制度を利用できるようになります。

また、保育所を設けている企業もあり、小さな子どもがいても安心して仕事ができる環境になっていることも少なくありません。

今の派遣先企業にこうした福利厚生の制度があっても派遣社員は利用できないので、正社員になって利用できるメリットは大きいでしょう。

2.安定した働き方ができる

正社員は雇用期間が無期限で、定年まで安定して働けるのが大きなメリットです。

一方、派遣社員は契約を更新しながら働くため、雇用が継続されない可能性もあります。

正社員は、こうした不安がなく、安定した収入が得られるため長期的なキャリアプランを立てやすいのが特徴です。

そのため、契約期間の不安を考えずに安定して働ければ、経済的にも精神的にも安心できるため、正社員として働くメリットは大きいと言えるでしょう。

3.仕事の幅が広がる

派遣社員は契約内容で行う業務が決められているため、特定の業務にしか携われないのが一般的です。

しかし、正社員になれば派遣社員の時よりも、多くの業務を任せてもらえるようになります。たとえば、プロジェクトのリーダーを務めたり、部下の育成に携わったりなど、マネジメント経験を積むことも可能です。

また、定期的な部署異動により、新たな経験を積んでスキルアップのチャンスもあります。このように正社員は仕事の幅を広げられるメリットがあります。

4.昇給や昇進が期待できる

一般的に、派遣は長く働いても昇給されません。

一方、正社員は定期昇給があり年齢や経験に応じて給与が上がっていく企業が多いです。

キャリアアップのための研修制度を導入している企業も多く、スキルを身につければ昇進・昇格のチャンスがあります。

さらに、役職者に昇進すれば役職手当も支給され、収入アップも期待できるでしょう。このように、正社員は頑張っただけ評価される点が大きなメリットです。

派遣から正社員として転職する4つのデメリット

派遣から正社員になる場合、人によってはメリットばかりではありません。以下の点がデメリットになる可能性を踏まえて、正社員になるメリットを活かすと良いでしょう。

それぞれ、解説します。

1.残業が発生する可能性もある

派遣社員の場合は、契約で定められた時間内での勤務が基本です。そのため、残業が発生することは少ないでしょう。

しかし、正社員になれば、残業が発生する可能性が高くなります。とくに繁忙期や締め切りが近いなどの場合、残業になるケースが少なくありません。

正社員はパートや派遣社員よりも業務への比重が重い立場のため、業務の状況に応じて柔軟な時間対応が求められる場合があります。従って、残業はどれくらい発生する可能性があるのかを事前に確認しておくと安心です。

2.仕事によっては給与が下がる可能性もある

派遣社員から正社員になれば、必ずしも給与が上がるわけではありません。実際には下がるケースもあります。派遣社員は時給制で給与が計算され、残業代も時給換算で支払われるのが一般的です。

一方、正社員は月給制で、残業については固定残業代として支給される企業もあります。派遣社員は時給が高めに設定されている場合が多く、月給制に換算すると収入が減少する可能性があると理解しておきましょう。

しかし、賞与や今後の昇給を考えると、生涯賃金では派遣を上回るので、長期的に考えると正社員の方がメリットがあると言えるでしょう。

3.仕事に対する責任が重くなる

正社員になれば、より責任のある仕事を任されるようになります。

派遣社員時代は与えられた業務のみをすればよかったのに対し、正社員になると部門全体の業績や後輩の育成なども求められるケースが少なくありません。

また、ポジションが上がっていくにつれ、重要な意思決定に関わる機会も増えるなど、仕事の結果に対する責任が重くなる傾向があります。

4.転勤が発生する可能性がある

正社員として採用されると人事異動の対象となり、企業によっては転勤や配置転換が発生する可能性が出てきます。

とくに全国展開している企業では、地方への異動もあり得るでしょう。転勤になれば、家族がいる人の場合、大きな影響を及ぼす可能性もあります。

ただし、企業によっては、転居が伴わない転勤対象となる制度を導入していたり、転勤がない社員制度を導入しているケースも少なくありません。

そのため、事前に転勤の可能性について確認しておくと良いでしょう。

派遣から正社員へ転職するための3つのポイント

派遣から正社員への転職を成功させるためには、ポイントを押さえておくことが大切です。

事前に、下記の3つを心がけて活動すれば、アピールもしやすく企業からも好印象を得られます。

一つずつ解説します。

1.希望する職種や業界の研究をする

転職活動を成功させるためには、職種や業界の研究が必須です。

たとえ今まで勤務していた業界であっても、業界や企業の詳細については詳しく調べておく必要があります。これまで、経験があったとしても、面接で質問された時に明確な回答ができなければ、熱意がないと受け止められかねません。

具体的には、業界特有の課題などを理解しておくと良いでしょう。また、業務に有利となる資格取得に向けた勉強などもアピール材料となります。

2.自分の強みや経験を整理する

転職にあたっては、自分の強みや経験を整理しておくことも不可欠です。具体的な業務内容や成果を時系列で整理し、それぞれの経験から得られたスキルや知識を明確にしておきましょう。

とくに、複数の企業で働いた経験がある場合は、職場への適応力や業務経験がアピールポイントとなります。

また、業務の実績があれば、具体的な数値を交えて整理しておくとアピールしやすいのでおすすめです。とくに、派遣社員としての経験を正社員転職に活かせるように、自己分析をしっかり行いましょう。

3.転職エージェントを活用する

転職エージェントの利用は、派遣から正社員への転職を成功に導くために必須だと言っても過言ではありません。

派遣社員から正社員への転職は、一般的な転職や新卒採用とは異なり、職務経歴書の書き方や面接での受け答えかたなどにコツがあります。

こうしたテクニックは自分ではわからないため、転職エージェントにアドバイスを受けるのが転職成功の近道です。

転職エージェントでは、経歴の棚卸し方法や応募書類の書き方、非公開求人の紹介など、転職に関するさまざまなサポートを受けられます。

業界にも詳しく、派遣社員の経験をどのようにアピールすべきか、具体的なアドバイスをもらえるため、積極的に活用しましょう。

派遣から正社員への転職におすすめの転職エージェント

派遣から正社員に転職する際は、エージェント選びが重要です。適当に選んでしまうと、転職活動が長期化する可能性が高くなります。

最後に、派遣社員から正社員への転職におすすめのエージェントを3社紹介します。

この3社はぜひ登録しておきましょう。

リクルートエージェント

マイナビエージェント

ビズリーチ

まとめ

派遣から正社員になることは、決して難しくはありません。

手っ取り早い方法として、紹介予定派遣や現在の派遣先での正社員登用、派遣会社での正社員になるなどの方法があります。

希望する職種や業界の研究を行い、自分の強みや経験を整理してアピールしましょう。

ただし、職場が変わったり給与が下がったりするケースもあるため、一般企業への転職がおすすめです。

正社員として転職するためには、派遣で働いた経験をアピールする必要があります。また、職務経歴書の書き方や面接での受け答え方などにコツがあり、自分で解決するのは難しいでしょう。

このような状況があるがゆえに「派遣から正社員は難しい」と言われているのです。

従って、正社員として転職するには、転職エージェントを活用すると良いでしょう。記事で紹介した3社はどれも実績が豊富なエージェントなので、ぜひ登録して転職を成功させてください。