既卒から正社員就職を目指すには、適切な準備と逆算した戦略設計が重要です。

しかし、「既卒では採用されない」と悩む方も多いのではないでしょうか。

結論、自己分析や企業研究を徹底し、スキルや経験をアピールすることが重要です。

また、人手不足の業界や、未経験者歓迎の職種を狙うことも効果的な方法です。

この記事では、既卒者が採用されない理由を解説し、採用されるための具体的な対策やおすすめの業界を紹介します。

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既卒だと採用されないといわれる理由

既卒者の採用が難しい理由は、多くの場合、新卒者や中途採用者と比較される点にあります。

まずは、既卒者が採用されない理由を詳しく解説します。

新卒枠での採用競争に参加できない

新卒採用は企業が一括で教育・研修をおこなうことを前提としており、新卒枠は大学生や専門学生に対して限定されています。そのため、既卒者は新卒枠の採用競争から外れることになります。

日本では、新卒者が多くの企業にとって最優先されます。

新卒者を採用する理由として、企業は教育コストが低いことや長期的な人材育成が可能である点を挙げています。

一方で、既卒者は「就職活動に失敗した」「目的意識が低い」といった先入観をもたれることがあります。このようなマイナスイメージが、新卒枠への応募を難しくしている背景にあります。

基本的に、既卒者は中途採用枠で応募することになります。

しかし、中途採用枠は「即戦力」としてのスキルや経験を重視されるため、実務経験のない既卒者にとってさらにハードルが高くなります。

その結果、既卒者は応募できる求人が限られ、就職活動が長期化する傾向にあります。

継続して勤務できるか不安視される

企業が既卒者を採用する際、懸念するポイントの一つに「継続して勤務できるか」が挙げられます。

既卒者は新卒時の就職活動に失敗したとみられてしまうため、「勤務意欲が低い」「早期退職する可能性が高い」と判断される場合があります。

採用担当者は、既卒者が持つ経歴や空白期間を慎重に確認します。

空白期間が長い場合、「働く意欲が低いのではないか」「安定して勤務できないのではないか」といった疑念をもたれがちです。

とくに、企業は採用後に長期間働いてもらえる人材を求めているため、早期離職の懸念を払拭するには、空白期間の過ごし方や自身が成長した経験を具体的に説明することが重要です。

たとえば、「資格取得に励んだ」「アルバイトで責任のある役割を担った」といったエピソードを採用面接で伝えることで、継続的に努力する姿勢をアピールしましょう。

既卒者は中途採用者と比較される

既卒者が中途採用枠で応募する場合、ライバルとなるのは社会人経験のある求職者です。

中途採用は、即戦力となるスキルや経験が評価されるため、実務経験がない既卒者は不利な立場に置かれます。

既卒者の場合、スキルや実績ではなく、ポテンシャルや意欲で評価されるため、転職者と比較された際に優位に立つことが難しくなります。

さらに、採用面接では「なぜ既卒になったのか」と聞かれるでしょう。

この質問に対して曖昧な回答をしてしまうと、「計画性がない」「行動力が乏しい」といった印象を与える可能性があります。

企業が求める人材像に、自身がどう貢献できるかを具体的に説明することが重要です。

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既卒で採用される人とされない人の違い

既卒での就職活動に失敗しないためには、採用される人と採用されない人の違いを理解しておく必要があります。

そこで、採用される人の特徴と採用されない人の特徴を具体的に解説します。

採用される人の特徴

採用される既卒者にはいくつかの共通点があります。

その中でもとくに重要なポイントは、以下のとおりです。

ポジティブな自己PRができる

自己PRがポジティブにできる人は、企業に対して自身の強みや価値を明確に伝えることができます。

自己PRは単なる自己評価ではなく、企業にとってどのようなメリットを提供できるか、具体的に示す重要な機会です。

採用担当者は、ポジティブな自己PRを通じて、その人がもつ成長意欲や仕事に対する前向きな姿勢を評価します。

たとえば、「新卒時に就職活動がうまくいかなかったが、その経験を通じて計画性や準備の重要性を学びました。」といった具体的なエピソードを交えることで、過去の失敗を成長の糧としていることをアピールすることができます。

企業は、失敗を克服し前向きに取り組む姿勢をもつ人材を好むため、自己PRがポジティブであることは採用されるうえで大きなポイントです。

ブランク期間を有効活用している

ブランク期間にスキルや知識を習得し有効活用できた人は、自身を成長させるために取り組んできたことを示せます。

このような取り組みは、空白期間に対する企業側の懸念を払拭し、ポジティブな印象を与えます。

たとえば、資格取得、スキル向上のための学習、業界関連のボランティア活動、アルバイトでの実務経験などが挙げられます。

これらの活動は「意欲的に成長しようとしていた」というメッセージを採用担当者に伝える効果があります。

面接では、「ブランク期間中に何をしていたか」を尋ねられることが多いため、具体的なエピソードを用いて説明することが重要です。

「資格試験に合格したことで専門知識を得ました」や「アルバイトで接客スキルを磨き、チームでの協力を学びました」といった形でアピールすることで、前向きな取り組みを示すことができます。

企業の求めるスキルや経験を示せる

企業が求めるスキルや経験を具体的に示せる人は、採用されやすい傾向にあります。

企業が求人を出す際には、特定の業務や課題を解決するためのスキルや経験を重視しているため、自身がそれらを提供できる人材であることをアピールすることが重要です。

たとえば、「ITエンジニア」の求人であれば、プログラミング言語の習得や実際に作成したプロジェクトの成果を、ポートフォリオとして示すことで、自分のスキルを証明できます。

また、職種に関連する資格や、アルバイトなどで得た経験を具体的な数字や成果として示すことも効果的です。

さらに、応募する企業の業界や職種について十分な研究をおこない、その企業のニーズや期待に応じたスキルや経験をアピールすることも大切です。

採用されない人の特徴

一方、採用されない既卒者にも共通する問題点があります。

問題点を理解し、改善することで、採用の可能性を高められるでしょう。

面接や書類でブランクの説明が曖昧

既卒期間中の行動や理由を明確に説明できないと、採用担当者に「計画性や意欲がない」と判断される可能性があります。

面接や書類でのブランク期間の説明が曖昧だと、面接官は「なぜ既卒になったのか」「その期間に何をしていたのか」を疑問に感じます。

この疑問を解消できない場合、企業や面接官にネガティブな印象を与えてしまいます。

たとえば、「何をしていたのかよく覚えていない」や「とくに何もしていない」という回答は、意欲や行動力の欠如とみなされることがあります。

資格取得、アルバイト、スキルアップのための独学など、少しでも成長につながる行動を説明し、その経験が応募する企業にどう活かせるかをアピールすることが重要です。

自己分析や企業研究が不足している

自己分析や企業研究が不十分だと、応募企業の求める人物像に自分がどう適合するのかを明確に示すことができません。

面接時に「応募理由が薄い」「企業について理解していない」とみなされ、不採用につながる可能性があります。

たとえば、自己分析が足りない場合、自分の強みや志望動機を的確に説明できず、説得力に欠けた印象を与えます。

また、企業研究を怠ると、企業理念や業務内容に対する共感や理解が浅く、入社意欲が伝わりにくくなります。

これを避けるためには、自身の経験や強みをしっかりと整理したうえで、応募先企業の情報を徹底的にリサーチし、面接時に具体的な話をすることが大切です。

モチベーションの伝え方が弱い

採用担当者がとくに重視するのは、応募者の「入社後に長く活躍したい」という意欲です。

しかし、モチベーションの伝え方が弱いと、「すぐに辞めてしまうのではないか」「本当にやる気があるのか」と不安を抱かせてしまいます。

モチベーションを効果的に伝えるためには、志望動機や自己PRの中で、自身のキャリアプランと応募企業がどのように一致しているのかを具体的に説明する必要があります。

たとえば、「御社の〇〇という事業に興味があり、自分の経験を活かして貢献したい」といった形で、企業への共感と自身の目標を明確にリンクさせることが重要です。

また、企業研究の中で得た具体的なエピソードを用いることで、モチベーションをより説得力のある形で伝えることができます。

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既卒でも採用されるための具体的な対策

既卒の採用を目指すには、応募企業の求めるポイントを的確に把握し、自身の強みを効果的に伝える必要があります。

新卒や経験者と比較される既卒者にとって、採用のカギは「行動力」と「準備力」です。

本章では、具体的な対策を紹介し、それぞれがなぜ重要なのかを詳しく解説します。

自己分析を徹底する

自己分析は、転職活動の軸を明確にするために欠かせません。

自分の強みや弱み、価値観を理解することで、企業に「どのように貢献できるか」を具体的に伝えられるようになります。

まず、自身の経験やスキルを洗い出します。

学生時代や既卒期間中に取り組んだ活動をリストアップし、それらから得た学びやスキルを整理してください。

次に、自身の性格や価値観がどのような職場にマッチするかを考えていきます。

また、他己分析を取り入れるのも効果的です。家族や友人から見た自分の長所を聞くことで、新たな視点を得られるでしょう。

自己分析が十分でないと、「こんなはずじゃなかった」とミスマッチを感じ早期退職につながってしまいます。

しっかりと準備を整え、自信をもって自分をアピールしましょう。

志望動機を見直す

志望動機は、企業への熱意を伝える重要な要素です。具体性が欠けた志望動機では、採用担当者に響きません。

企業の特徴や事業内容をしっかり調べ、自分の経験やスキルと結びつけて伝える必要があります。

たとえば、「御社の〇〇事業に共感しました」というだけでは不十分です。

その事業がどのように社会に貢献しているのか、自身がどのように貢献できるのかを具体的に説明しましょう。

また、企業の理念や業務内容に関連するエピソードを交えることで、志望動機に説得力が増します。

さらに、競合他社と比較した際の魅力や、将来的にどのような成長を遂げたいのかを織り込むと、企業側に好印象を与えられます。

志望動機を丁寧に見直すことで、採用率を大幅に向上させることが可能です。

スキルや資格を取得する

即戦力をアピールするには、具体的なスキルや資格が有効です。

企業は既卒者に対して「どのように貢献してくれるのか」を重視するため、応募職種に関連するスキルや資格を保有していると採用されやすくなります。

たとえば、営業職を目指す場合は「簿記」や「ファイナンシャルプランナー」、IT業界であれば「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」などが役立ちます。

これらの資格を取得することで、学習意欲や専門知識を証明できます。

資格以外にも、独学でのスキルアップやオンライン講座の受講なども有効です。

スキルや資格を計画的に取得し、他の候補者との差別化を図りましょう。

転職エージェントを活用する

転職エージェントは、既卒者が効率的に転職活動を進めるための強力な味方です。

キャリアアドバイザーが個別にサポートしてくれるため、自分では気づけない強みや適職を見つけられます。

転職エージェントを利用するメリットとして、書類添削や面接対策、非公開求人の紹介が挙げられます。

とくに、既卒者向けのサービスを提供しているエージェントでは、同じ境遇の人たちを多数サポートしてきた実績があるため、効果的なサポートを受けることができます。

転職エージェントの利用にあたっては、自身の希望を明確に伝えることが重要です。

具体的な条件を共有することで、アドバイザーもより適切な求人を紹介してくれます。

関連記事：既卒ニートでも就職できる？成功できる理由・就活の始め方や面接のポイントを解説

既卒でも活躍できる業界・職種

既卒から正社員として活躍したいと考える場合、どの業界や職種を選ぶかが成功のカギです。

とくに人手不足や成長分野での需要が高い業界は、既卒者にとって大きなチャンスです。

本章では、既卒者がとくに活躍しやすい業界と職種を紹介し、それぞれの特徴や魅力について具体的に解説します。

IT業界（エンジニア、サポート職）

IT業界は、既卒者が活躍しやすい分野の一つです。

とくにエンジニア職やITサポート職は、未経験者でも採用されやすく、スキルを身につけることでキャリアアップの可能性が広がります。

エンジニア職は、システム設計や開発、運用、保守を担当します。

未経験者の場合、プログラミングの基礎を独学で学ぶか、専門スクールを活用すると良いでしょう。

ITパスポートや基本情報技術者試験などの資格を取得することで、学習意欲と基礎知識をアピールできます。

IT業界では技術や知識が日進月歩で進化するため、継続的なスキルアップが必要です。

IT業界の魅力は、高い成長性と幅広いキャリアパスがあることです。

とくに、リモートワークが浸透している点は、柔軟な働き方を求める既卒者に適しています。

努力次第で短期間でスキルを習得できるため、初めての正社員としてのキャリアを築く場として最適です。

関連記事：未経験のエンジニア転職は「やめとけ」と言われる理由とは？実態や成功のコツを解説

営業

営業職は、既卒者が未経験からでも挑戦しやすい職種として知られています。

どの業界でも必要とされる職種であり、とくに人手不足の企業では積極的に採用が進められています。

営業職の主な仕事は、自社の商品やサービスを提案し、契約を獲得することです。

新規顧客の開拓を担当する「新規営業」と、既存顧客のフォローをおこなう「ルート営業」があります。とくにルート営業は、既卒者にとって取り組みやすい分野といえるでしょう。

営業職に求められるのは、コミュニケーション能力と目標達成意欲です。

たとえば、大学時代にサークル活動やアルバイトでリーダーシップを発揮した経験があれば、それを自己PRに活かせます。

また、顧客のニーズを的確に把握し、提案に結びつけるスキルは、入社後の研修や実務を通じて磨けます。

営業職で得た経験は、他の職種にも応用可能です。プレゼンテーション能力や交渉力は、将来的なキャリアチェンジにも役立つため、正社員としてのファーストステップにおすすめです。

関連記事：未経験から営業職はやめとけ？実情や転職成功のカギを徹底解説

販売・接客業

販売や接客業は、未経験者の採用が積極的におこなわれている職種です。

特に小売業界や飲食業界では、人手不足が課題となっています。

販売職では、商品の陳列や在庫管理、レジ業務などの基本業務に加え、顧客対応が主な業務です。

接客業では、サービス提供を通じて顧客満足を追求することが求められます。いずれも、顧客と直接関わる仕事であるため、明るく丁寧な対応が重要です。

未経験者が接客業に挑戦する際のポイントは、笑顔やホスピタリティ精神を前面に出すことです。

アルバイト経験がある場合、その経験を具体的なエピソードとして伝えることで、自身の適性をアピールできます。

販売や接客業での経験は、コミュニケーション力や対応力を鍛える絶好の機会です。これらのスキルは、他業界でも高く評価されるため、キャリア形成の第一歩としておすすめです。

関連記事：接客業に向いてないかも？接客業に向いている人の特徴と正しい転職活動の進め方

介護職

介護職は、既卒者が即戦力として採用される可能性が高い職種です。

高齢化が進む日本では、介護職の需要が年々増加しており、未経験者でも積極的に受け入れられています。

介護職の主な業務は、高齢者や身体に障害のある方の日常生活を支援することです。

食事や入浴の介助、リハビリテーションの補助、家族への対応など、業務は多岐にわたります。

利用者やその家族との信頼関係を築き、直接感謝を伝えてもらえることが、仕事の大きなやりがいです。

介護職に求められるのは、感謝の気持ちを受け止められる人間性と、継続的な努力です。

介護福祉士の資格取得を目指すことで、キャリアアップの道も開けます。また、介護施設によっては、資格取得を支援する制度が整備されている場合もあります。

介護職は、社会的意義が高いだけでなく、働きながらスキルを磨ける職種です。人の役に立つ仕事に興味がある方におすすめです。

関連記事：介護職は誰でも受かる？面接で落ちる人の特徴や受かるためのコツを解説

既卒におすすめの転職エージェント3選

以下では、既卒におすすめの転職エージェントについて紹介します。

えーかおキャリア

ハタラクティブ

就職カレッジ

まとめ｜既卒だと採用されないといわれる理由

この記事では、既卒者が採用されない理由や、採用されるための具体的な対策について解説しました。

採用される人の特徴として、ポジティブな自己PRやスキルの習得が挙げられます。

一方、採用されない人の特徴として、準備不足やモチベーション不足が原因であることがわかりました。

既卒者におすすめの業界としてIT業界や営業職、介護職などが挙げられます。

適切な準備と行動をとることで、既卒からでも正社員として活躍できる可能性は大いに広がります。