SES企業での業務に物足りなさを感じ、社内SEへの転職を検討する人は少なくありません。

急に常駐先の変更を指示されたり、プロジェクトが変わることでスキルが分散してしまったりと、キャリアの方向性に不安を抱える方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、SESから社内SEへ転職するメリットとデメリットを紹介します。

社内SEの仕事内容や年収のめやす、求められるスキルを解説しました。

社内SEに向いている人と向いていない人の特徴も紹介していますので、記事の内容を参考にしてください。

関連記事：IT転職エージェントおすすめ比較28選【2024年最新】エンジニア向けに徹底解説！

SESから社内SEへの転職は可能？

結論として、SESから社内SEへの転職は十分に可能と言えます。

あなたがSESとして積んだ実績は企業が求めるスキルや経験と重なる部分が多く、転職市場でも高く評価されるからです。

また、現在多くの企業でIT内製化が進んでおり、エンジニアは社内SEへの転職機会が増えています。

ただし、社内SEの業務内容は幅広く、ヘルプデスクや従業員からの問い合わせ対応なども行います。

転職活動をおこなう際は、企業の採用担当者から詳しく業務内容を確認し、自分が対応できるかどうかを判断してください。

SESから社内SEへ転職を考える理由

SES企業で働くエンジニアが、社内SEへ転職を考える理由を3つ紹介します。

当編集部が実施したアンケート調査の結果も紹介しますので、転職を検討している方は参考にしてください。

希望する案件を選べないから

希望する案件を選べないことで、SES企業からの転職を考えるエンジニアは少なくありません。

SES企業では会社同士の取引関係が優先されるため、エンジニアの希望とは異なる職種や案件に配属されることもあるでしょう。

例えば、最新技術を使いたいエンジニアが、古い言語やシステムの保守案件を任されるケースが見られます。

そのため、エンジニアは希望するスキルと実際の業務内容にミスマッチを感じ、スキルアップの機会が得られないことで転職を考えるようになります。

定期的に常駐先が変わるから

SES企業からの転職を考える理由には、定期的に常駐先が変わることも挙げられます。

SES企業とクライアント企業の契約は、一定期間で設定される場合が多いです。

そのため、契約期間が終了するとエンジニアは次の常駐先へ移動し、新しい環境で一から業務を覚える必要がでてきます。

環境の変化にストレスを感じたエンジニアの中には、長期的に同じ職場で働ける社内SEへの転職を選択するケースも少なくありません。

年収が上がりにくいから

年収が上がりにくい環境に不満を感じ、SESからの転職を考えるエンジニアは少なくないでしょう。

当編集部が実施したアンケート調査でも、以下の声が寄せられました。

SES企業は案件ごとに単価が異なり収入が変動しやすい一方、社内SEとして働くと基本給が設定され、年収が安定しやすい傾向にあります。

以下の記事では社内SEへ転職した後のキャリアパスを解説したので、あわせて読み進めてください。

関連記事：社内SEのキャリアパスを元SEが解説！求められるスキルや転職市場とは

SESと社内SEを条件別に比較

SESと社内SEの年収や仕事内容などを、条件別に比較しました。

社内SEへの転職を検討している方は、以下の内容を参考にしてください。

年収めやす

所属する企業にもよりますが、SESと社内SEの年収のめやすは以下の通りです。

SESの年収が社内SEよりも低くなりやすい理由は、多重下請けによる中間マージンと、エンジニアに対する還元率の低さです。

また、SESエンジニアは案件に参画していない時期の給与が減額されるケースもあります。

SESは安定した仕事量を確保できる社内SEと比べて、年収は低くなりやすいと言えそうです。

以下の記事ではエンジニアの平均年収を詳しく解説したので、転職活動の際は参考にしてください。

関連記事：エンジニアの平均年収はいくら？年収が低い理由や給料アップを目指すコツも解説

参考：厚生労働省  jobtag｜doda

仕事内容・働き方

SESと社内SEの仕事内容や働き方を、以下の表で比較しました。

	SES	社内SE
仕事内容	案件ごとに特定のフェーズに特化した作業を担当	企画から運用まで幅広い工程を担当
勤務場所	客先企業へ常駐	自社オフィス
チームの構成	客先企業のチームに参加	自社の開発チームに参加
身につくスキル	特定の言語やフレームワークに特化しやすい	幅広くスキルを身につけられる
残業時間	プロジェクトの進捗により変動する	比較的少ない
働き方の自由度	客先企業の勤務時間や開発プロセスに従う	自社の裁量で開発手法を決められる

これらの違いを理解し、あなたのキャリアプランや希望する働き方にあわせて、転職するかどうかを検討してください。

求められるスキル

SESと社内SEで求められる具体的なスキルを、以下の表にまとめました。

職種	求められるスキル
SES	プログラミングスキル コミュニケーションスキル プロジェクト管理スキル
社内SE	プログラミングスキル コミュニケーションスキル ビジネススキル マネジメントスキル 課題解決スキル

SES企業で働くエンジニアは、クライアントの要件に応じたプログラミング言語やフレームワークに関する専門的なスキルが求められます。

一方で、社内SEはサービスのリリースや外部ベンダーとの調整など、幅広い業務を担当します。

そのため、プロジェクトの予算管理や経営層への提案・報告など、ビジネスに関するスキルも求められるでしょう。

SESから社内SEへ転職するメリット

SESから社内SEへ転職するメリットを、3つ紹介します。

長期的に同じ職場で働ける

SESから社内SEへ転職するメリットの一つは、長期的に同じ職場で働けることです。

社内SEは自社システムの保守や運用がおもな業務となるため、定期的な異動もなく一つの職場で長期的に働けます。

そのため、企業特有の業務プロセスやシステムについて、深く知識を得られるでしょう。

また、チームメンバーも固定されるケースが多く、同僚との信頼関係も築きやすいです。

社内のフィードバックを直接得られる

同僚からのフィードバックを直接得られることも、社内SEへ転職するメリットと言えます。

社内の各部署ともコミュニケーションが取りやすく、システムの改善点や要望をリアルタイムで把握できるからです。

とくに、システムに不具合が起きた場合もすぐにチャットで連絡を受け取れるため、素早く対応できるでしょう。

SESとして客先へ常駐する場合と比べて気軽にフィードバックを得られやすく、より使いやすいシステムの開発や改善に繋げやすい環境が整っています。

残業が少ない傾向にある

社内SEとして働くエンジニアは、比較的残業が少ない傾向にあります。

残業が少ない理由として、自社内のシステム運用がおもな業務のため、エンジニア自身でスケジュールを柔軟に調整できるからです。

また、自社システムへの理解が深まると作業計画の見通しも立てやすく、夜勤や休日出勤する機会も少なくなるでしょう。

とはいえ、大規模システムの改修や緊急トラブル対応が重なると、残業が発生する場合もあります。

そのため、入社前に残業の実態や手当を人事担当者に確認してください。

SESから社内SEへ転職するデメリット

SESから社内SEへ転職するデメリットを、2つ紹介します。

以下のデメリットを理解したうえで、転職活動を進めてください。

ヘルプデスク業務ばかりになる可能性がある

転職した企業でITに詳しい人材が少ない場合、ヘルプデスクの業務を任されることもあります。

システムの保守・運用に専念したいエンジニアにとって、ヘルプデスクの業務が多くなることは、社内SEへ転職するデメリットとなるでしょう。

ヘルプデスクの業務では、同僚からのパソコン操作に関する対応や、新入社員に向けたIT研修の実施などが求められます。

エンジニアにとっては基本的な操作でも、相手にあわせて一から説明する必要があるため、同じような対応の繰り返しにストレスを感じる方も少なくありません。

人間関係に悩むリスクがある

社内SEは一つの職場で長期的に働くため、もし同僚との関係が悪化した場合、人間関係の悩みが長期化するリスクがでてきます。

社内SEはIT部門と他部署との橋渡し役となるため、部署間の利害関係や要求の板挟みになりやすい立場です。

そのため、同僚からの問い合わせが頻繁に届くと、対応に追われて人間関係のストレスが増加する可能性もあるでしょう。

転職後に人間関係でストレスを感じた場合は、問題をひとりで抱え込まないことが重要です。

同僚や上司へ相談しながら、業務量の調整や役割分担の見直しをおこなってください。

SESから社内SEへの転職を成功させるコツ

SESから社内SEへ転職する際は、以下5つのポイントを意識して転職活動を進めてください。

SESで学んだスキルを整理する

転職活動を始めたら、SESで学んだスキルを一度整理してください。

エンジニアとしてのスキルセットを明確にすると、求人要件とのマッチングがしやすくなり、面接でも自分の強みをアピールできるからです。

具体的には、ポートフォリオや職務経歴書に、使用できるプロジェクト言語やフレームワーク、経験した開発環境などをまとめてください。

整理されたスキルセットを持つエンジニアは他の求職者と差別化できるため、内定を獲得できる可能性は高くなるでしょう。

転職する理由を明確にする

SESで学んだスキルを整理できたら、社内SEへの転職理由を明確にしましょう。

なぜならば、転職理由を深く考えることで自分が仕事で大切にする条件を理解でき、より適切な企業を選択できるからです。

具体的には、給与面や通勤時間、業務で使用する技術スタックやキャリアパスなど、現職での課題や不満をもとに転職理由を整理してください。

志望動機を明確にする

応募する企業を複数に絞れたら、各企業への志望動機を明確にしましょう。

志望動機と転職理由につながりがあれば、採用担当者に対して説得力のある説明ができます。

具体的な志望動機の例を紹介しますので、あなたの状況にあわせて参考にしてください。

面接対策を行う

各企業への志望動機を明確にできたら、面接対策を行いましょう。

社内SEの採用面接では採用担当者から技術的な質問が多く投げかけられるため、あらかじめ回答例を準備しておくと安心です。

具体的な質問例を紹介します。

事前に対策を行うことで、自信を持って面接に臨めるでしょう。

エンジニアに特化した転職支援サービスを利用する

志望動機の作り方や面接対策に不安のある方は、エンジニアに特化した転職支援サービスの利用をおすすめします。

転職支援サービスでは応募する企業の提案だけでなく、以下のサポートも受けられます。

また、内定後に行う入社時期の調整なども依頼できるので、はじめての転職活動で不安のある方は、無料相談へ申し込んでみましょう。

社内SEへの転職でおすすめの転職支援サービス

社内SEへ転職する際に使用したい、おすすめの転職支援サービスを紹介します。

ユニゾンキャリア｜20代の転職活動におすすめ

ユニゾンキャリアは、ITやWeb、ゲーム業界に特化した転職支援サービスです。

専門性の高いアドバイザーが在籍しており、応募する企業の相談から面接対策、内定までをサポートしてくれます。

ユニゾンキャリアを利用して転職した方の83％が年収アップ（※1）を実現しており、より良い待遇を求めるエンジニアにとって魅力的なサービスです。

また、無料のITスクールも運営しており、スキルに不安がある方は隙間時間を活用して、社内SEの業務に必要な技術を身につけられるでしょう。

（※1）ユニゾンキャリア公式サイトより

社内SE転職ナビ｜社内SEの求人数1万件以上

社内SE転職ナビは、社内SEへの転職サポートに特化したサービスです。

インフラエンジニアやセキュリティエンジニア、情報システム担当者など幅広い職種の求人を取り扱っています。

社内SE転職ナビで取り扱う求人は10,000件以上あり、公式サイトでは職種や業務で使用するプログラミング言語やツールを指定して求人を検索できます。

また、公式サイトには社内SEへの転職に役立つコラムも多数掲載されているため、情報を集めたい方にも最適なサービスです。

（※1）社内SE転職ナビの公式サイトより

レバテックキャリア｜希望企業への転職成功率96％

レバテックキャリアは、ITエンジニアやデザイナーに特化した転職支援サービスです。

社内SEとして働いた経歴を持つアドバイザーが在籍しており、実際の経験を活かした丁寧なサポートも期待できます。

2024年12月時点で社内SEの募集を調べたところ、1,513件の求人が掲載されていました。

社内インフラ基盤の企画や既存システムの改善、ベンダーとのやり取りなど、多様な業務内容の求人から希望にあった企業を選択できます。

（※1）レバテックキャリア公式サイトより

SESから社内SEへ転職するにあたってよくある質問

社内SEへの転職活動を始めた方から、よく聞かれる質問を4つ紹介します。

社内SEが人気の理由を教えてください

エンジニアの転職先として社内SEが人気を集める理由は、以下の5つです。

ただし、応募する企業によっては求人倍率が高くなりやすいです。

効率的に転職活動を進めたい方は、社内SEに特化した転職エージェントの利用をおすすめします。

関連記事：社内SEにおすすめの転職エージェント12選を徹底比較！【2024年最新】

社内SEへの転職は難しいですか？

社内SEへの転職は、他のエンジニア職と比べて難易度が高くなる傾向があります。

とくに、大手企業の社内SEポジションは求人数に対して応募するエンジニアの数が多く、求人倍率は高くなりやすいです。

また、多くの企業では即戦力となるエンジニアを募集しており、専門的なスキルや経験が求められるでしょう。

社内SEへの転職を目指す方は、応募前に求人詳細をよく確認し、求められるスキルを習得してください。

関連記事：社内SEへの転職は難しい？人気の理由や転職で求められるスキル、転職を成功させるコツを解説

30代でも社内SEへ転職できますか？

30代のエンジニアでも、社内SEへの転職は可能です。

ただし、20代の転職者と比べて、30代では入社後にチームリーダーやマネジメント業務を任される場合もあります。

企業との面接では、これまでのSES経験とあわせて、コミュニケーションスキルやマネジメント能力を積極的にアピールしてください。

なぜSESはやめとけと言われるのですか？

SESはクライアント企業で働く客先常駐が基本のため、自社内でのキャリアアップや昇進の機会は少ない傾向があります。

一つの企業でキャリアアップを目指すエンジニアからは「やめとけ」とアドバイスを受けることもあるでしょう。

また、SESでは案件が決まらないと給与が満額もらえないケースもあり、年収の予測が立てにくいデメリットもあります。

安定した働き方を希望する人は、社内SEへの転職をおすすめします。

以下の記事ではSESはやめとけと言われる理由を解説していますので、あわせて読み進めてください。

関連記事：SESはやめとけと言われる理由とは？ホワイト企業へ勤める方法を解説！

まとめ｜SESから社内SEへの転職では転職支援サービスを利用しよう

この記事では、SESから社内SEへの転職を考える理由や、転職するメリットとデメリットを紹介しました。

社内SEのポジションは長期的に同じ職場で働けるため、同僚からシステムやサービスに対するフィードバックを直接受けやすい環境です。

一方で、ヘルプデスク業務が忙しくなると、システム開発や改善など本来の業務が滞りやすいデメリットもあります。

エンジニアとして希望する働き方やキャリアプランが社内SEの業務内容とマッチする場合は、転職を検討してみてください。

また、転職するかどうかを迷っている方は、転職支援サービスの無料相談を利用しましょう。 担当アドバイザーはあなたのスキルや経験にあわせて、適切なキャリアプランをアドバイスしてくれます。