SES（システムエンジニアリングサービス）は、客先にエンジニアを常駐させる雇用形態のひとつです。

いち早く実務経験が積めるほか、未経験でも挑戦しやすいといったメリットがある一方で、「SESはやめとけ」「ブラック企業が多くてきつい」というマイナスの声を見かけることもあるでしょう。

この記事では、SESが「やめとけ」と言われる理由を解説すると共に、仕事の魅力や向いている人物像、優良なSES企業に勤める方法を紹介します。

ホワイト企業のSESとして勤める方法も解説しますので、ぜひ判断基準のひとつにしてください。

そもそもSESとは何なのか詳しく分からない方は、こちらの記事を先にご覧ください。
⇒SESとは？派遣との違いやメリット・デメリットを紹介

なぜ「SESはやめとけ」と言われる？7つの理由

あらゆる理由で「やめとけ」と言われるSESですが、それらの噂はどのような部分から生じるのでしょうか。

以下は「SESはやめとけ」と言われる原因であり、SESのデメリットともいえる項目の一例です。

• プロジェクトごとに業務を覚える必要がある
• 十分な指導を受けられない場合がある
• 職場環境の変化が激しい
• スキルアップしにくい
• アウェイ感が強い
• 派遣先を選べない
• 給与が低い

SESへのキャリアチェンジを現実的に考えるためにも、詳細を確認しておきましょう。

プロジェクトごとに業務を覚える必要がある

SESはひとつのプロジェクトが終われば違う環境で新たな仕事をスタートさせるため、案件ごとに業務手順を覚える必要があります。短期契約だと3ヵ月～半年のペースで頭を切り替えなければならず、人にとっては大きなストレスになる可能性があります。

また「システム開発」という業務名は同じでも、取引先の業界が変化すると習得すべき専門知識が増えるのも負担かもしれません。

たとえば、医療業界のシステム開発を担った後に金融業界へ移るとなれば、過去に覚えた知識は使い物にならず、一から学習し直さなければいけない場合もあるのです。

SESがやめとけと言われる理由には、このような業務で求められる知識量の多さが関係しているものと思われます。

十分な指導を受けられない場合がある

SES企業のなかには、派遣先での対応方法などを十分に指導してもらえず、行き当たりばったりで業務にあたらなければならないこともあります。とくにクライアント企業へ1～2人で常駐する場合、教育・研修を受ける機会は皆無と思うのがよいかもしれません。

もし研修制度のあるSES企業に入社できても、エンジニアの勤務地はクライアント企業のため、上司から自身の能力や働きについて具体的なアドバイスをもらうのは難しいでしょう。

万全な状態でクライアント企業へ出向きたい方にとって、十分な指導を受けられないのは不満となり「やめとけ」という意見になるのかもしれません。

職場環境の変化が激しい

SESは客先常駐で業務につくため、案件ごとに働く環境が変化します。たとえクライアント企業で良好な人間関係を築けていても、別の業務がスタートすれば新たな職場に適応する必要があります。

このような現場ではコミュニケーション能力が試されるため、対人スキルの乏しい方だと大変に感じるでしょう。

派遣先によってはパワハラや休日出勤の常態化で職場環境が良くないケースもあり、精神的負担を被りやすい点から「やめとけ」と言われる可能性があります。

スキルアップしにくい

「SESはやめとけ」と言われるのは、スキルアップが難しくなる点も理由のひとつかもしれません。

SESはクライアントから依頼された業務のみをおこなえば良いため、他エンジニアよりも対応領域が狭くなりがちです。

また、常駐期間が短い案件の場合、スキルを習得できないまま他のプロジェクトに移らなければならず、長期的な目線でスキルアップを図りたい方には不向きといえます。

さらに、プロジェクトによってはシステムのテストや修正といった雑務を任されるケースもあり、やりがいを感じられないまま毎日が過ぎていくこともあるでしょう。

エンジニア職でキャリア形成を図りたい方だとSESでは物足りず、マイナスに評価してしまう可能性があります。

アウェイ感が強い

SESのエンジニアは、基本的に客先を転々としながら業務に専念します。少数で派遣されるケースも珍しくないため、多くの場合アウェイ感の強い環境での仕事となります。

そのような現場ではエンジニアの位置づけが低いため、業務がスケジュールどおりに進まなかったり期待に応えられなかったりすると、クライアントから簡単に交代を言い渡されるケースもあるでしょう。

チームの一員というより、期間限定で手伝いに来ている人という「よそ者感」が拭えず、人によってはストレスになるかもしれません。

派遣先を選べない

多くのSES企業では、常駐するクライアント企業を選べません。やりたい言語や開発工程があっても挑戦させてもらえず、不満に思うこともあるでしょう。

一方、社内SEやSIerの場合は、意欲さえあればチャレンジできる可能性があるため、モチベーションアップにつながります。エンジニアでやりたい業務や目指したいキャリアがある場合は、SES以外の企業を選ぶ方がよいといえます。

給与が低い

SESがやめとけと言われる理由には、収入の低さも挙げられます。SESは主にシステムの下流工程を担うぶん、他エンジニアよりも年収が低い傾向にあります。

クライアント企業との契約が「請負」ではなく「準委託」のため、成果ではなく労働時間に対して報酬が支払われるのが特徴です。

このような報酬形態は、たとえエンジニア経験者や上流工程担当者でも変わりません。

どんなに良い結果を出しても給与に反映されず年収アップもしにくいため、「やめとけ」というマイナスな意見が出てくるのでしょう。

SESの仕事内容

SESを候補に入れる方のなかには、エンジニア未経験で業務内容をイメージできていない人も多いでしょう。ここでは、SESの仕事内容や他エンジニア職との違いを解説します。

SESとは？

そもそも「SES」とは、委託契約の一種です。エンジニアは自身が所属する企業以外で働くのが基本で、システムの開発や保守・運用などの依頼があったクライアント企業に一定期間常駐することで、問題解決を図るサービスを指します。

よく「客先常駐」ともいわれ、対象職種はプログラマーや開発エンジニア、システムエンジニア、ネットワークエンジニアなどさまざまです。

仕事内容も上流・下流を問わず、とにかく企業から依頼された業務を遂行するのが任務となります。プロジェクトの規模次第で常駐するエンジニアの人数が異なり、経験者ともなれば一人で企業に出向くこともあります。

社内SE（システムエンジニア）との違い

SESが客先常駐でクライアントのシステム開発に携わるのに対し、社内SEは自身が所属する企業でのシステム関連業務に従事するエンジニアを指します。社内SEのおもな業務内容は、以下のとおりです。

これらの業務や担当領域は、SESに従事するエンジニアと大きく変わりません。しかし、勤務先や雇用形態などの労働環境面は異なるため、以下の表で違いを理解しておくとよいでしょう。

比較項目	SES	社内SE
勤務先	クライアント企業	自社
雇用形態	準委託契約	正社員、契約社員などの直接雇用
環境の変化	プロジェクトごとに異なる	部署異動・転勤がない限り同じ

このような違いは、開発現場での動き方にも影響するものと思われます。人によっては、社内SEの方が居心地良く感じる可能性もあります。

SIer（エスアイヤー）との違い

SESと比較されるものに「SIer（エスアイヤー）」があります。SIerとは、システム開発の全工程を請け負う受託開発企業を指し、正しくは「System Integrator（システムインテグレーター）」といいます。

SESもSIerも、クライアントへ技術を提供する点で同類と考える方も多いでしょう。しかし、SIerは企業のシステム課題におけるコンサルティングや企画・設計といった導入部分からサポートするため、実際の業務は大きく異なります。

以下は、SESとSIerの違いをまとめたものです。

比較項目	SES	SIer
特徴	クライアント企業から依頼された業務に対してサービスを提供する	クライアント企業が抱えるシステム開発の全工程を請け負う
対象	エンジニア	企業
クライアントとの契約形態	準委託契約	請負契約
働き方	客先常駐	自社勤務

SESが決められた業務をおこなうスポット的な役割なのに対し、SIerはシステムを完成させて納品までを担うと覚えておくのがよいかもしれません。

「やめとけ」と言われるSESの魅力とは？

「SESはやめとけ」という意見が多く聞かれるなか、実際は目指す人が多い魅力的な仕事でもあります。

以下は、SESへの転職で得られるメリットの一例です。

• 大手企業で働ける可能性がある
• 実務経験・知識量が増える
• 最終的な責任を問われない
• 未経験でも挑戦しやすい
• 対人スキルが向上する
• 独立しやすい

それぞれ詳しく解説します。

大手企業で働ける可能性がある

SESはクライアント企業からの要請により、常駐で働きます。なかには就職が難しいとされる大手企業からの依頼もあり、有名な会社に出向くとなればモチベーションの向上にもつながります。

また大手の場合、オフィスが非常にきれいだったり、充実した社食が用意されていたりするため、施設利用による貴重な経験も可能です。

魅力的な場所で仕事への意欲が高い人たちに囲まれた日々は、自身のスキル・行動をワンランク上の状態へと導いてくれるでしょう。

実務経験・知識量が増える

SESはあらゆる業界・分野の企業に出向くため、実務経験を通じてさまざまな知識を習得できます。

たとえば、SESの開発案件には、以下のような業務が挙げられます。

これらの多様な経験を短期間でできるのは、SESだからこそと考えてよいでしょう。各現場の社員との交流もあるため、会話などから得られる情報もあるはずです。

最終的な責任を問われない

SESエンジニアは依頼された業務を遂行するだけなので、作業に不備がなければそれで構いません。

一方、社内SEやSIerは、自社でシステム開発などの業務を全ておこなっているため、仕上がったものがきちんと効果を発揮するか、不具合が生じないかなど、最終的な責任を負う必要があります。

このように、SESはプロジェクトの一部を担う存在のため、きちんと働いてさえいれば問題ないのです。エンジニア経験の浅い方でも無理なく取り組める点では、メリットを感じる方も多いでしょう。

未経験でも挑戦しやすい

IT業界は専門的な知識が求められるため、転職市場で経験者が優遇される傾向にあります。その点SESは、エンジニア未経験から挑戦しやすいのが魅力です。

これには、プロジェクトごとにルールが変わったり、短期間で業務が終わったりするSESの特性が関係しているのかもしれません。

SESはIT関連の専門知識よりも、現場での立ち回りやキャッチアップ力などが重視されるため、未経験でスキルを上げたい方におすすめといえます。

対人スキルが向上する

SESエンジニアは、プロジェクトごとに違う現場で働きます。各現場では多くの人との出会いがあり、その都度交流を図らなければいけません。

コミュニケーションが苦手な方にとっては大変に思うかもしれませんが、回数を重ねると次第に対人スキルがアップするものと思われます。

ネットワークの広がりも感じられるなど、職場が転々とすることで得られるメリットは大きいでしょう。

独立しやすい

SESはあらゆる業界・分野でIT関連の知識と経験を高められるため、将来独立を考える方には有利かもしれません。

フリーのエンジニアになった場合、仕事内容はプロジェクトごとに変化するのが基本です。そのような環境はSESと非常に似ているため、経験者だと抵抗なくスタートできる可能性があります。

また、SESで広げたネットワークや交友関係は、フリーに転身すると役立つはずです。知人の紹介で仕事を紹介してもらえるケースもあり、SESの経験によって案件を獲得しやすい環境を整えられるかもしれません。

もし将来独立したいなら、一度はSESを経験して新しい現場での振る舞いや業務の進め方のイメージをつけておきましょう。そうすれば、独立後もスムーズにキャリアアップできるはずです。

「やめとけ」はウソ！SESがおすすめの人の特徴

SESに対する「やめとけ」という噂があるなか、現場で活躍する人がいるのも事実です。

以下のいずれかが該当する人は、SES企業でやりがいをもって働ける可能性があります。

• 未経験でエンジニアの実務スキルを伸ばしたい人
• 定期的に職場環境を変えたい人
• 幅広いIT知識を習得したい人
• 大手企業で働きたい人
• チャレンジ思考な人
• 人脈を広げたい人

自身の性格をSES企業のエンジニアで伸ばすためにも、詳細をチェックしておきましょう。

未経験でエンジニアの実務スキルを伸ばしたい人

これからエンジニアでのキャリア形成を図る方なら、SESからスタートするのがおすすめです。

SESは未経験エンジニアを積極的に採用しているため、IT業界の専門知識や経験が乏しくても実務スキルを伸ばしていけます。

またSES企業への入社後は、業務開始にあたっての研修を受けられるため安心です。各現場で学べる要素も多く、エンジニアの実務経験を積みたい方は、SESで次につながるようなスキルを磨くのがよいでしょう。

定期的に職場環境を変えたい人

定期的に職場環境を変え、刺激のある日々を過ごしたい方は、SESが向いていると思われます。

SESは案件ごとに職場が変化するため、数ヵ月から長くても2～3年スパンで勤務先を移ります。

通常2～3年といえば、職場の業務をおおよそ把握して自身のポジションが確立されるころです。人によっては社内で新たな目標を探したり転職を検討したりして、キャリアアップを図るタイミングかもしれません。なかにはやりたいことや転職先が見つからず、ダラダラと仕事を続ける方もいるでしょう。

その点SESは、業務期間が終了すれば自動的に次の職場に移るため、常に新鮮な気持ちで仕事と向き合えます。

同じ場所に留まるのが苦手な方や、ある程度経験したら職場環境を変えたい方には、SESの働き方はおすすめです。

幅広いIT知識を習得したい人

SESは、幅広いIT知識や技術的なノウハウを習得したい人におすすめです。

エンジニアはプロジェクト期間満期をもって業務終了となり、新たな業務へ移り変わります。このとき、今まで開発業務に取り組んでいた方が次はインフラ業務をおこなうなど、案件ごとに業務内容がガラリと変化するケースも珍しくありません。

SESの場合、ひとつのスキルを究めるのは難しいかもしれませんが、一定レベルの知識を広く身につけたい方にはおすすめです。

プロジェクトによっては独学で知識を得るよう求められる可能性もありますが、同じ業務にずっと携わるようなエンジニアよりは知識幅の広がりを感じられ、発見の多い日々を送れるでしょう。

大手企業で働きたい人

大手企業で働きたい意欲のある方は、SESエンジニアになると機会に恵まれる可能性があります。

大手企業のなかにはSESに依頼してエンジニアを招くところも多く、運がよければ、転職難易度の高い上場企業や誰もが知る有名企業で働けます。

また、常駐した際の働きぶりが認められれば、そのまま引き抜きの声がかかるケースもあるようです。

期待しすぎるのは良くないですが、大手企業の案件に携わりたいなら一定以上のスキルを習得し、どのような案件が舞い降りてきても手を挙げられるよう準備しておくのがよいでしょう。

チャレンジ思考な人

チャレンジ精神があり、自ら行動できる人はSESのエンジニアで活躍できる可能性があります。

現場にとって、客先常駐のエンジニアは部外者です。そのため常駐先で教育制度が整っているケースは少なく、業務手順を教えてもらうためには積極的に調べたり質問したりして、キャッチアップする必要があります。

そのような状況では、待っているだけの小心者だと仕事が滞ってしまいます。「まずはやってみよう」という意欲の高い方は、SES企業向きの性格といえるでしょう。

人脈を広げたい人

職場の変化が激しいSESは、コネクションづくりに最適の環境です。

とくに将来フリーランスのエンジニアや起業を目指す方は、SESエンジニアで滞在している期間中に、一人でも多くの方とコミュニケーションをとっておくのが良いと思われます。

もしそうでなくても、さまざまな業界の人と接点があれば、日常にプラスの働きをもたらしてくれるでしょう。人脈を広げたい方やさまざまな業界の人と交流したい方は、SESで働くのがおすすめです。

SESはやめとけ！向いていない人の特徴

SESが「やめとけ」と言われるのは、仕事の魅力よりも大変さばかりが注目されてのことと考えられます。

しかし、いくら魅力的とはいえ、転職するなら自身の性格を踏まえうえで検討しなければ、入社してから後悔する可能性もあります。

以下は、SESのエンジニアに向いていない人の特徴です。

• エンジニアで一定以上の経験を積んだ人
• 長期的な目線で業務に携わりたい人
• コミュニケーションが苦手な人
• 開発案件に特化したい人
• 年収を上げたい人

仕事への適性をきちんと考えるためにも、詳細を確認しておきましょう。

エンジニアで一定以上の経験を積んだ人

エンジニアで一定以上の経験を積んだ方は、SESに向いていません。

近年におけるインターネットの普及や企業のDX化により、実務経験のあるエンジニアは転職市場で需要があります。大手企業・高収入など、SESよりも好条件の求人が多いため、SES企業にこだわらず広い視野で仕事を探すのが良いと思われます。

しかし、今まで好条件の職場で働いていた方で、SES企業での働き方に魅力を感じているなら、転職してみるのもよいかもしれません。

経験値の高さはあらゆるシーンでメリットに働くため「SESは違った」となれば、次のステップにもスムーズに進めるでしょう。

長期的な目線で業務に携わりたい人

自身が携わったサービスやシステムの経過を見届けたいという、長期的な目線で業務に携わるのを望む方は、SES企業に向いていません。

SESのエンジニアは契約期間やプロジェクトが終了するとチームから外れるため、サービスの成長に長く関わるのは不可能です。

「あのプロジェクトは成功しただろうか」「ユーザーの反応はどうだっただろう」など、気になる点もあるかもしれませんが、区切りごとに頭を切り替えて、次の業務に集中する必要があります。

もし、機能の運用や改善といったサービスの成長に携わりたいなら、社内SEなど自社開発のサービスを展開する企業への入社を検討するのがよいでしょう。

コミュニケーションが苦手な人

周囲と調和を図りながら仕事するのが苦手な方は、SESだと苦痛に感じるかもしれません。

前述のとおりSESは案件ごとに職場環境が変化するため、その都度チームと積極的にコミュニケーションをとり、メンバーとの関係を構築する必要があります。現場での会話は必須となり、一人で黙々と作業に集中したい方には不向きです。

とくに1～2人での常駐を任されるような小規模プロジェクトだと、心細く感じるかもしれません。

対人能力に自信のない方や、自身の考えを周囲に伝えるのが苦手な方は、SESを目指すと精神的な負担を強いられる可能性が高いでしょう。

開発案件に特化したい人

エンジニアで働くなら必ず開発案件に携わりたいという方は、SES企業だと希望がかなわないケースが出てきます。

SESは常駐先を自身で選べないため、業務内容や企業環境にこだわりがあっても、実現しにくいのが事実です。

ましてや、開発案件は経験者に振られる可能性が高く、エンジニア歴が浅い方だと保守・運用以外に、テスト業務などの雑務が回ってくる場合もあります。

エンジニア＝開発などの概念や案件に強いこだわりのある方は、SESはやめておくのがよいでしょう。

年収を上げたい人

エンジニアでどんどんキャリアを構築して年収アップを図りたい方は、SES以外の選択肢を考えましょう。

前述のとおりSES企業は下請けのため、トップクライアントとの間にいくつもの企業が入ると、必然的に収入が減る仕組みになっています。どんなに経験値の高いエンジニアでも優遇されることはなく、年収が上がりにくいのが事実です。

もしエンジニアで年収を上げたいなら、SESをキャリア形成の一ステップと考え、多く経験を積んだ後に高収入の企業へ転職しましょう。SESではあらゆる経験と知識を蓄えられるため、将来的に高収入を達成できる可能性があります。

【関連記事】客先常駐のSESが辛いと言われる理由は？メリットや辛いと感じた際の対処法を徹底解説

おすすめのSES企業に勤める方法

SES企業の魅力や人材の適性を踏まえると、「SESはやめとけ」という意見は誰にでも当てはまるものではありません。体制が整っているSESの優良企業に入社できれば、デメリットに挙げられることも払拭できると思われます。

ここでは、おすすめのSES企業に勤める方法を4つ解説します。SESでかなえたいキャリアを実現させるためにも、詳細をチェックしておきましょう。

自社開発のサービスがあるか確認する

SESのなかでも優良企業に入社したいなら、自社開発のサービスを展開する会社を探しましょう。そうすれば、客先常駐だけでなく自社の案件に携われる可能性もあるため、職場環境の変化や目まぐるしく変わる業務内容に惑わされることもなくなります。

また、自社開発の業務に回れると、長期的な目線でサービスに関われるようにもなります。

SESに特化した企業よりもキャリアアップを図りやすくなるなど、多くのメリットを得られるでしょう。

派遣先・案件を選べるか確認する

SES企業のなかには、常駐先や案件の希望を聞いてくれるところもあります。

エンジニア自身である程度仕事を絞れるのは、優良企業ならではといえます。

ただし、毎回望みどおりの仕事に就けるかは定かではありません。

企業に舞い降りてくる依頼数・内容に応じて選択肢の幅が変化しますが、要望を聞いてくれたり自身のスキルに合った現場に派遣してもらえたりする企業では、満足度の高い仕事ができるでしょう。

企業の口コミをチェックする

SESの優良企業に入社したい場合、企業の口コミをチェックするのは大切です。実際に働いた人からの話は信ぴょう性が高く、企業を比較する際の指標になります。

口コミや評判を確認するときは、以下の点に留意するとよいかもしれません。

口コミには悪い評価も集まりやすいため、全てを鵜呑みにするのは危険ですが、内情を探るためにもチェックして損はないでしょう。

転職エージェントを利用する

もし、SES企業のなかでも自身の希望に合ったところを探したいなら、転職エージェントを利用するのがおすすめです。

なかでもIT業界に詳しいエージェントサービスを活用すれば、求人情報からはわからないSES企業の内情を教えてもらえる可能性があり、イメージどおりの転職を目指しやすくなります。

また、在籍するキャリアアドバイザーからは求職者のキャリアに応じた求人を紹介してもらえるため、一人で情報収取するよりも効率的に転職活動を進められます。優良SES企業に勤めたいという希望も、実現しやすくなるでしょう。

SESへの転職におすすめの転職エージェント

最後に｜優良SES企業へ転職したい方はエージェントの利用がおすすめ

ここまで、SESが「やめとけ」と言われる理由について、良い面と悪い面、人材の向き不向きを踏まえながら解説しました。SESには「やめとけ」という噂が絶えませんが、そのような意見は個人の価値観によるもののため、あまり気にする必要はありません。

なかには優良企業も多く、きちんと調査しながら転職活動を進められると、満足度の高いSES企業に出会えるはずです。

もしSESのエンジニアになって経験値を高めていきたいなら、IT業界に詳しいアドバイザーが在籍する転職エージェントに依頼するのがよいでしょう。

そうすれば、IT業界の転職事情を把握したアドバイザーが、あなたにふさわしい転職活動のプランを提案してくれるはずです。