SESからの転職を検討しているものの、システム開発の経験が少ないため転職活動に踏み切れない人も多いのではないでしょうか？

SESは職場環境が変化しやすく、派遣先によってはスキルアップがしにくいことから、将来性を心配している人も少なくありません。

そこで本記事では、SESから転職する際に必要なスキルを年代別に解説しました。おすすめの転職先を、エンジニア職と異業種に分けて解説しています。

記事の後半では、転職活動の際に内定をもらいやすくなるポイントを紹介しました。

ぜひ最後まで記事を読み、あなたの転職活動に役立ててください。

関連記事：IT転職エージェントおすすめ比較25選【2024年6月最新】｜エンジニア向けに選び方を解説！

SESから転職する難易度

SESからの転職は、保有するスキルや経験によっては難しい場合もあります。

SES企業への入社後はクライアント企業へ出向しますが、現場ごとに業務内容は異なるため、得られるスキルや知識に偏りが出やすいです。

また、以下の理由が重なると、転職活動は難しくなります。

一方、システム開発の実務経験や、需要が高いJavaやPythonのスキルを保有していると、転職市場での需要は高いです。

SESから転職をするときには、スキルシートやポートフォリオを用意して、あなたが持つ経験やスキルをアピールしてください。

SESによくある転職理由とは

SESから転職をする理由を、3つにまとめました。

それぞれの理由を紹介します。

残業や休日出勤が多いから

クライアント企業から残業や休日出勤の依頼が多くなると、SESからの転職を検討する理由となります。

プロジェクトが予定よりも遅れている場合や新製品のリリース時期、システム障害やバグの修正が必要なときに残業時間は多くなりやすいです。

担当者から追加要求や仕様変更が発生すると、予定外の作業が増えて休日出勤で対応する場合もあるでしょう。

残業や休日出勤が多くなるとプライベートの時間が削られるため、SESからの転職を考えるエンジニアは多いです。

プロジェクトごとに仕事環境が変わるから

SESはプロジェクトごとに現場が変わるため、新しい仕事環境に対応する必要があります。

同じ職場で腰を据えて働きたい方にとって、短期間で仕事環境が変わることはSESからの転職を考える理由になるでしょう。

例えば、クライアント企業Aでは最新のシステムを使用していても、クライアント企業Bでは古いシステムで対応する場合もあります。

プロジェクトごとに異なる作業環境でストレスが蓄積するため、SESからの転職を検討する人は少なくありません。

SESの将来性に不安があるから

SESの将来性に不安を感じることも、転職を検討する理由となります。

SES企業は市場の変化や景気の影響を受けやすく、時期によっては需要が減少するからです。

また、クライアント企業の予算が削減されると、担当者はできるだけ安い単価で仕事を発注したいため、SES企業同士で価格競争になりやすいでしょう。

価格競争が激化すると担当エンジニアの報酬も減るため、将来性に不安を感じて転職を考える理由となります。

SESからの転職におすすめの職種を紹介

SESのスキルや経験を活かせるおすすめの職種は、以下の4つです。

あなたのスキルや経験を整理して、転職する職種を検討してください。

SIer

SIerは、クライアント企業のニーズをヒアリングして、システムの開発や運用サポートを行います。

クライアント企業へ出向するSESとは異なり、自社メンバーとチームを組んで仕事を進めます。

SIerへの転職をおすすめする人の特徴は、以下のとおりです。

SIer企業へ転職すると、要件定義や設計などの上流工程を担当する機会が増えるでしょう。

プロジェクトのマネジメントや顧客対応のスキルを磨きたい方は、SIer企業への転職をおすすめします。

自社開発企業

自社開発企業へ転職すると、自社のメンバーでソフトウェアやシステム、ECサイトなどの開発や運用を行えます。

SESとは異なり、プロジェクトの計画から設計、開発やテスト、リリース後の保守・運用までを一貫して取り組める特徴があります。

自社開発企業への転職をおすすめする人の特徴は、以下のとおりです。

自社開発企業ではユーザーからの意見を直接もらう機会が増えるため、システムやサービスの改善がしやすいでしょう。

労働環境の変化もないため、一つの現場で集中して仕事に取り組みたい人におすすめします。

社内SE

社内SEの仕事内容は、企業内で使用するシステムやネットワークの管理、保守・運用などです。

システムやツールに詳しくない従業員へのサポートや、セキュリティ対策も社内SEが担当します。

社内SEへの転職をおすすめする人の特徴は、以下のとおりです。

社内SEとして働くと、システム開発や保守・運用以外にも、幅広い業務を任されることがあります。

従業員が使用するパソコンのセットアップや初期設定、社員に対するセキュリティ研修などを担当する機会もあるでしょう。

関連記事：社内SEのキャリアパスを元SEが解説！求められるスキルや転職市場とは

フリーランスエンジニア

SES企業から独立してフリーランスエンジニアになると、働き方が自由になり年収アップも期待できます。

フリーランスエンジニアになると仕事を断る選択肢が生まれるため、あなたが担当したい案件を選べるでしょう。

フリーランスエンジニアへの転職をおすすめする人の特徴は、以下のとおりです。

SES企業から独立すると、日々のスケジュール管理やクライアント企業への営業、税金計算なども一人で行います。

自己管理能力が高く自身で案件を獲得できる人は、年収アップを期待できるフリーランスエンジニアがおすすめです。

関連記事：フリーランスエンジニア向けエージェントおすすめ23選比較ランキング｜2024年5月版

SESの転職におすすめの異業種を紹介

IT業界以外の転職を考えている方は、以下の業種を検討してください。

異業種へ転職すると幅広いスキルが身につくため、キャリアプランの選択肢は広がります。

講師業

IT講師とは、企業の社員研修や自治体が開催するパソコン教室などで技術を教える仕事です。

普段パソコンを操作しない人に向けて説明するため、初心者でも理解できるように専門用語を噛み砕いて解説する必要があります。

講師業への転職をおすすめする人の特徴は、以下のとおりです。

パソコン教室やプログラミングスクールでは、図解を作成してわかりやすい資料が作れると、IT講師としての需要は高まります。

作成した資料を元に自社商品もリリースできるため、複数の収入源を期待できるでしょう。

営業職

SESで学んだ専門知識を活かして、営業職への転職も可能です。

直接顧客を訪問するフィールドセールス以外にも、将来の見込み顧客を獲得するインサイドセールスや、専門性を活かして営業のサポートを担当するプリセールスなどの仕事があります。

営業職への転職をおすすめする人の特徴は、以下のとおりです。

SESとして多くの企業へ出向していた人は、幅広い人脈があるため営業職への転職をおすすめします。

コンサルタント

ITコンサルタントとは、高い専門性を活かしてクライアント企業の課題を解決する仕事です。

企業の担当者から経営戦略や現在抱える課題をヒアリングして、新規システムやサービスの導入を提案します。

コンサルタントへの転職をおすすめする人の特徴は、以下のとおりです。

コンサルタントはクライアント企業の課題を解決するため、多くのリサーチを行い、ビジネスモデルを理解する必要があります。

また、短期間で結果を求められる場合もあるため、プレッシャーやストレス耐性の高い人におすすめの転職先です。

関連記事：ITコンサルタントに転職する際におすすめの転職エージェント11選

SESからの転職｜年代ごとに必要なスキルを解説

エンジニアの転職では、年齢に応じて企業から求められるスキルが異なります。

SESから転職をするときに必要なスキルを、年代ごとに解説します。

20代の転職で必要なスキル

20代エンジニアの転職で求められるスキルは、以下のとおりです。

20代の転職では、実務経験が少なくても将来性やポテンシャルを重視されます。

基本的なエンジニアのスキルに加えて、新しい技術を積極的に学ぶ姿勢やコミュニケーションスキルがあると、企業から内定をもらいやすいでしょう。

30代の転職で必要なスキル

30代の転職では、エンジニアのスキルに加えて、リーダーの経験やマネジメントスキルが求められます。

20代に比べてプロジェクトリーダーを担当する機会が増えてくるため、システム開発の経験だけでは企業から内定をもらいにくくなるでしょう。

企業との面接では、担当したプロジェクトの規模や概要を説明し、具体的な成果や課題解決能力をアピールしてください。

40代の転職で必要なスキル

40代になると企業の経営に関わる機会が増えるため、各部署に指示を出せるマネジメントスキルを求められます。

採用担当やチームメンバーのスキルや実績を査定する場合もあり、チーム全体を管理できる能力が必要です。

また、技術ドキュメントや仕様書を作成するときには、読み手にあわせて専門用語を噛み砕く文章力も必要になります。

40代の転職では、基本的なエンジニアのスキルに加えて、コーチングスキルや課題解決能力などのビジネススキルを求められるでしょう。

SESからの転職を成功させるための6つのステップ

SESから転職を成功させるためのステップは、以下のとおりです。

6つのポイントを意識して、転職活動を進めましょう。

SESにおすすめの転職支援サービス

SESからの転職におすすめの転職支援サービスは、以下の3つです。

サービスの特徴を、詳しく解説します。

レバテックキャリア

レバテックキャリアは、IT業界の求人に特化した転職支援サービスです。

サービス利用者の転職成功率は96％で、社内SEやインフラエンジニアなど約50種類のIT専門家の求人を取り扱っています。

レバテックキャリアのアドバイザーは企業や職種ごとに担当が分かれており、SIer専門やインフラエンジニア専門など、求職者のニーズにあわせたサポートが可能です。

担当者との面談は電話やWebサービスにも対応しているため、地方在住の方でも転職活動を進められます。

（※1）レバテックキャリア公式サイトより

マイナビIT AGENT

マイナビIT AGENTは、大手人材派遣会社のマイナビが運営する転職支援サービスです。

IT業界やエンジニアに特化したサービスで、転職後の定着率が97.5％と高い数字になっています。

マイナビIT AGENTにはIT業界出身のアドバイザーが多数在籍しており、エンジニアのニーズを踏まえた求人を紹介してもらえるでしょう。

応募書類の添削や面接対策もサポートしてもらえるため、はじめての転職でも安心して利用できるサービスです。

（※1）マイナビIT AGENT公式サイトより

Geekly

Geeklyは、ITやWeb、ゲーム業界に特化した転職支援サービスです。

転職の支援実績は14,000件以上あり、株式会社セブン銀行や株式会社ディー・エヌ・エーなど3,500社以上の求人を取り扱っています。

Geekly担当アドバイザーは、職務経歴書の作成代行や面接後のフィードバックなど、手厚く転職活動をサポートしてくれます。

また、担当アドバイザーはマッチング精度の高い求人を提案するため、サービスの登録から内定までスムーズに進められるでしょう。

（※1）Geekly公式サイトより

SESから転職した人の体験談

エンジニアからの転職経験を持つ人に協力していただき、アンケート調査を行いました。

アンケート調査の結果をもとに、エンジニアのリアルな声や体験談を紹介します。

転職を考えたきっかけを教えてください

属性（年齢・性別・職業）	体験談（※抜粋）
48歳 男性 SESからSEに転職	小さな会社で働いていたこともあり、先行きが不安になり転職を考えました。
34歳 男性 SESから自社開発のSEに転職	年収アップに魅力を感じ、SESから転職をしました。
25歳 男性 SESからSEに転職	SESの給与が少ないことをきっかけに、転職を考えました。
34歳 女性 SESからプログラマーに転職	一人で派遣される客先常駐ではスキルアップができないと思い、自社で受託開発をしている会社に転職しました。
31歳 女性 SESから事務職に転職	システムエンジニアとして従事していたが、待遇面が良くなく転職をしました。
59歳 男性 同職種であるSEへの転職	担当する開発業務からの撤退がきっかけで、転職をしました。
35歳男性 社内SEからシステム開発に転職	社内SEとして従事していましたが、開発に興味があり転職を考えました。
61歳 男性 同職種であるソフトウェア開発への転職	派遣先の上司に誘われて、上司が働く企業に転職しました。
53歳 男性 SEから営業職に転職	営業の仕事がやりたくなり、転職をしました。
40歳 男性 同職種であるSEへの転職	前職で対応した内容が自分には適していないと感じたため、将来の展望や指向性を考えて転職を決断しました。

アンケート調査の結果を見ると、給与や福利厚生に不満を持ち転職を考える人が多かったです。

また「派遣先の上司に誘われた」「他の職種の仕事に興味が出た」などの理由で、転職をするエンジニアもいました。

転職して良かったこと・悪かったことを教えてください

属性（年齢・性別・職業）	体験談（※抜粋）
64歳 男性 SESからカスタマーエンジニアに転職	転職後は、給与アップと充実した研修を受けられたことが良かったです。
61歳 男性 SEから講師に転職	新しい仕事に挑戦できて良かったと感じています。
67歳 男性 SESから管理・営業職に転職	大手企業から地元のソフトハウスへ転職しました。 前職と同じ年収を確保できたため、転職には概ね満足しています。
34歳 男性 インフラエンジニアからITコンサルタントに転職	給料も上がり、夜勤などの不規則な勤務がなくなり転職には満足しています。
34歳 女性 SESからプログラマーに転職	転職先では、幅広く案件にかかわれました。 自社の人と仕事ができたので転職には満足しています。
31歳 女性 SESから事務職に転職	転職後に年収が上がったので、満足しています。
53歳 男性 SEから営業職に転職	営業職を経験し、エンジニアの仕事の方が楽だと感じています。
35歳 男性 社内SEからシステム開発に転職	転職後は担当したことのない領域でお仕事をしてスキルアップにも繋がったし、概ね満足しています。
32歳 男性 同職種であるネットワークエンジニアへの転職	転職後は上流工程を担当する機会も増え、年収も上がったため満足しています。
49歳 男性 SEから研究職に転職	転職後もプログラミング技術は研究で生かされ、働く時間も自由に選ぶようになりました。

アンケート調査の結果では「年収がアップした」「エンジニアとしてスキルが上がった」など、ポジティブな意見が多く見られました。

「夜勤などの不規則な勤務がなくなった」「一つの現場に腰を据えて働けたので生活が安定した」など、働き方を改善できたという体験談も見られます。

SESから転職に関するよくある質問

SESからの転職に関するよくある質問を、5つ紹介します。

まとめ｜SESから転職してキャリアをアップさせよう！

この記事では、SESからの転職に必要なスキルやおすすめの転職先を紹介しました。

SESからの転職は難しいと言われますが、年齢に応じたスキルや経験があると転職活動はスムーズに進みます。

幅広い業界との実務経験を活かして、キャリアアップができる企業を選んでください。

また、転職活動をスムーズに進めるためには、転職支援サービスへの登録がおすすめです。

無料で求人情報の取得や転職活動のサポートを受けられるため、ぜひ活用してください。