近年、IT業界の進歩に伴い、未経験エンジニアの採用を強化している企業は多く存在しています。
需要拡大によるエンジニア不足もあって、未経験からエンジニア転職を考える方が増えている一方で、「未経験からのエンジニア転職はやめとけ」とアドバイスする声も耳にするのではないでしょうか。
否定的な声を聞いて、本当に未経験でエンジニアに転職しても良いのか迷いが生じている方も多いかも知れません。
本記事では、未経験からエンジニア転職するのは「やめとけ」と言われる背景と合わせ、転職成功のコツについて解説します。
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目次
未経験からエンジニアになって後悔する人はいる?
どんな転職活動でも後悔する人はいます。
特に未経験の方がエンジニアになろうとして後悔するケースは多々存在します。
多いのがそもそもエンジニア職に向いていなかったというケースです。エンジニアは向き不向きが出やすい職業と言われています。
エラーと戦う根気強さが求められ、常に技術や知識をアップデートしないといけません。エンジニアはクリエイティブな職業と思われていますが、地味な作業も非常に多いです。
どんな職業でもそうですが、エンジニアはやや特殊な業種のため向き不向きによって後悔するケースが散見されるのです。
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エンジニアへの未経験転職を「やめとけ」と言われる理由
エンジニアと聞くと、多くの人が高い収入や将来性をイメージするかもしれません。
そのため、別の職種から未経験でエンジニアに転職する人もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、周囲から「エンジニアへの未経験転職はやめた方がいい」と言われた経験がある人もいるでしょう。
ここでは、エンジニアへの未経験転職はしない方が良いと言われる理由を解説していきます。
向き不向きが分かれるから
前述のとおり、エンジニアの仕事は向き不向きが分かれるといわれており、それが要因で「やめとけ」と言われるケースがあります。
会社の風土や職種によって細かい違いはありますが、エンジニアに向いている人の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
- 几帳面・真面目である
- コミュニケーション能力がある
- 常に学び続ける向上心がある
エンジニアは決められたスケジュールに沿って細かい開発作業を進めていくため、几帳面な性格の方の方が向いています。
またパソコンに向かって一人で黙々と作業をするイメージが強いかもしれませんが、実際にはチームで開発を進めることが殆どであるため、コミュニケーション能力の高さも求められます。
これらの特徴に当てはまらない、全くの正反対であるという場合は、向いておらず「やめとけ」と言われてしまうのかもしれません。
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残業時間が長くなることがあるから
エンジニアの仕事はプロジェクトや業界によって異なりますが、残業時間が長くなる傾向にあるため、未経験での転職は避けた方が良いと言われることがあります。
実際に、dodaが発表した「平均残業時間ランキング【94職種別】」では、「平均残業時間の多い職種 ランキングTOP20」として複数のエンジニア職がランクインする結果となりました。
しかし、企業によっては労働時間について法令を遵守しており、定時で帰宅できる環境を整えている場合もあります。
また、最近ではワークライフバランスが重視される傾向があり、残業を抑制するための取り組みも増えています。そのため、エンジニアに限らず、残業時間については企業選びが重要です。
参考記事:残業が少ない仕事・多い仕事は?平均残業時間ランキング【94職種別】|doda
休みがとりづらいから
エンジニアの仕事は、プロジェクトの進捗状況や締め切りに追われることが多いため、忙しい時期には休みが取りづらかったり、休日出勤を求められたりするケースがあるようです。
とくに、インフラやシステムのトラブルシューティングに携わっているエンジニアは、緊急の対応が必要になるケースがあるため、休みがとりづらいと感じる可能性があるでしょう。
また、エンジニアの仕事は多くは専門性が要求されるため、自分以外の人が代わりに作業を引き継ぐことが難しい場合があると考えられます。
たとえば、一人で特定のプロジェクトに取り組んでいる場合、その人が休暇を取ってしまうと、プロジェクトが滞ってしまう危険があります。
プロジェクトにある程度の区切りがつくまでは、休みが取りづらい状況と言えるでしょう。
常に学び続ける必要があるから
IT業界は、他の業界に比べても技術の進化が早く、昨日まで使っていたものが明日には古くなるといったことがよく起こります。
エンジニアはこれらのトレンドに常にアンテナを張り、学び続けることが求められます。時には休日を学習時間に費やす人もいることから、「やめとけ」といった声が上がるのでしょう。
全く勉強をしないとすぐに取り残されてしまうため、飽き性であったり、勉強が好きではない方はよく検討した方がよいかもしれません。
下請け企業だと給与が低い傾向にあるから
IT業界では、業務を委託する元請け企業から二次請け・三次請け・四次請けとピラミッド状に業務が割り振られる「多重下請け構造」が目立ちます。
階層が下にいくほど任せられる業務は少なくなり、また得られる利益も減ってしまうため、下請け企業に勤めてしまうと給与が安くなりがちです。
なかにはひたすらテストだけをやらされたり、様々な企業をたらいまわしにされたりして疲弊してしまう方もいるようです。
このようなIT業界の特徴をもとに「未経験からエンジニアはやめとけ」といった意見が出るのでしょう。
こんな人はエンジニア転職をやめとけ!未経験から目指すのに向いていない人
この項目では、エンジニアへの未経験転職を「やめとけ」と言われやすい人の特徴について紹介しますので、未経験でエンジニア転職を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
年収の高さだけで目指そうとしている人
エンジニアは他職種より年収が高い傾向にありますが、高い年収だけを目当てに未経験からエンジニアを目指すのはおすすめできません。
企業によって給与は異なるからであり、特に下請け企業の年収はかなり少なくなることが予想されるからです。
なかには未経験を歓迎している企業もありますが、それは「誰でもよいから人材が欲しい」といった理由で募集しているのかもしれません。
年収の高さだけで転職を決めるとギャップに苦しむ可能性もあるため、事前によく調査しておくことをおすすめします。
関連記事:エンジニアの平均年収はいくら?年収が低い理由や給料アップを目指すコツも解説
企業がどんなスキルを求めているのか把握していない人
エンジニアに求められるスキルは、職種や企業によって異なります。
これらのスキルを把握していなければ、未経験からエンジニアに採用されることは少ないでしょう。求人票だけではなく、口コミや内部情報なども調べておく必要があります。
ポテンシャルも大切ですが、それ以上にIT業界やエンジニアの働き方について理解しておかないと、入社できてもミスマッチを起こしてしまうかもしれません。
勉強することが苦手な人
「会社員になってまで勉強したくない」と考えている方には、未経験からエンジニアを目指すことはおすすめできません。
IT業界やエンジニアの知識は、速いスピードで移り変わっていきます。変化に乗り遅れず、日々学習を続けることができなければ、エンジニアとして活躍することは難しいです。
終業後や土日などに勉強する必要も出てくるため、勉強し続けるのが苦痛と感じる方はエンジニアに向いていないといえるでしょう。
未経験からのエンジニア転職はやめておくべき?RUNTEQ代表の菊本さんに伺いました


未経験からエンジニア転職を目指したい方の中には「未経験からでも採用してもらえるのだろうか?」と不安に感じている方もいるかと思います。年齢や前職の経歴にもよるかと思いますが、実際のところ、未経験エンジニアを採用する企業は多いのでしょうか?

未経験者の採用は以前より増えてきていますよ。トレンドを追う事業会社からの求人であったり、開発の内製化を進める流れだったりで、エンジニア自体が足りない状況が続いているからです。
ただし、未経験で誰でも良いわけではなくて、ある程度の即戦力になれる未経験エンジニアを採用したいようです。即戦力になれる未経験エンジニアの実力レベルは、実務経験で求められる最低限の知識が身についている状態のことですね。

未経験から実践で求められるエンジニアになるためには、RUNTEQのようなプログラミングスクールに通って、基礎的な学習や現役エンジニアと関わる機会を持つことが大切なのですね。

エンジニアとして働くなら、周囲の環境や人から学ぶ姿勢はとても大切になりますよ。未経験からエンジニアとして働くためには、他のエンジニアとコミュニケーションを取ることをおすすめします。
エンジニアとの交流の機会を作ることが難しい場合には、自らイベントやオフ会に参加して情報収集してみるとモチベーションの維持に繋がります。RUNTEQでは受講者同士での交流や現場で活躍しているエンジニアとの交流が活発なので、エンジニア未経験で知識や人脈がない方でもぐんぐん成長されてますね。

実際に未経験からエンジニアとしての就職先を選択するタイミングになった際、受託企業と自社企業どちらを選択すればいいのか?と悩む方も多いと思います。菊本様の意見を伺えますでしょうか。

技術面で成長したければ受託企業を、ビジネス面で成長したければ自社企業を選択されると、ご自身でも納得の上で働けると思います。
未経験からの転職だからといって、とりあえずで受かった企業に就職することはおすすめしません。ご自身がエンジニアとして長く活躍するためにも、企業選びには慎重になって欲しいです。

企業側の意見として、受託企業・自社企業がそれぞれ求めている人物像などありますでしょうか?

受託企業の場合には、お客様から求められている技術の達成が課題となりますので、技術そのものが好きだったり、新しいことを探求できる人が好まれる傾向にあります。一方の自社企業では、事業に共感を持てる人が好まれます。自社企業の仕事は幅広いので、時期によってはプログラミングに手をつけられないこともあるんです。
事業の成長のためとはいえ、技術的な業務ができないと辛いと感じる場合には受託企業が向いているかもしれません。その企業のサービスそのものだったり、事業を成長させることに喜びを感じられる人が自社企業に向いていると言えるでしょうね。

RUNTEQ卒業生の方は、自社・受託企業やスタートアップ、メガベンチャーなど様々な場所で活躍されているかと思います。エンジニア未経験で入社した際に一番最初にぶつかる壁は何ですか?

もらった仕事ができないと落ち込む方は多い印象です。現場に出ると元々エンジニアとして活躍されている方もいる中で、同じ意識を持って業務に当たらなくてはいけませんから。「レベルが違う」とコメントをくれる卒業生もいました。

実務の難易度に慄いて、就職してから挫けてしまう方もいるのでしょうか。

自分だけの力で解決できないことが精神的なプレッシャーとなって、メンタルがやられてしまう方もいると思います。そういった壁にぶち当たった時には、楽観的になってみてください。
エンジニアはちょっと抜けているぐらいがちょうどいいと思います。前提として、実務未経験ということは周囲の方も把握しているはずですし、自分ができなくても誰かが助けてくれます。まずは目の前の仕事を全力でやってみて、できなかったら他の人に助けを求めてみましょう。ヘルプを出すことは恥ずかしいことではないです。できなくても、そこから勉強していきましょう。

最後に、未経験からエンジニアを目指す場合に、一番大事にして欲しいことを教えてください。

是非、技術探究心を持ってほしいです。未経験からエンジニアになるには大体1年ぐらいかかることが通常です。しかし、エンジニアになるまでの1年間でも、技術の進化は止まりません。
新しいことを取り入れて行かないと振り落とされてしまう世界です。学ぶことを楽しんで、エンジニアとして成長していきましょう。
まとめ
未経験からエンジニアを目指す場合、周囲から「やめとけ」と言われることは珍しくありません。理由としては「残業時間が多い」「給料が低い」「未経験からのハードルが高そう」などが考えられます。
しかし、転職理由が明確であったり、自身のスキルアップに精力的に取り組んだり、働き方や企業選びによってはエンジニアとして成功する人も多く存在します。そのためエンジニアになる前の準備や心構えが重要となります。
エンジニアとして働く企業の労働条件や研修制度などは実際に入社してみないと分からない部分もありますが、転職エージェントを活用することで業界や企業についてより詳しく知ることができます。
ぜひ本記事で紹介した転職エージェントをご活用ください。
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