食品業界への転職したい方の中には、どの転職エージェントを利用すれば良いのか悩んでいる方も多いでしょう。

転職エージェントには、一般的に知られている「総合型」や業界や職種に特化した「特化型」があります。

どちらもメリット・デメリットがあり、選び方を間違えると紹介が受けられなかったり、転職が長引いたりする原因となりかねません。

本記事は、食品業界に転職するのにおすすめの転職エージェントを紹介します。

自分にあった転職エージェントの見つけ方や転職を成功させるためのエージェントの活用法がわかるので、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事：転職エージェントおすすめ比較ランキング！人気エージェントの選び方を年代・職種別に一覧で解説

【総合型】食品業界に強い転職エージェント

転職エージェントには「総合型」と「特化型」の2種類があります。

総合型は一般的な転職エージェントで、幅広い業界や職種に対応しており、食品業界の求人も豊富です。

総合型エージェントは、豊富な求人数と幅広いネットワークに強みを持っています。

以下、おすすめの総合型転職エージェントを7社紹介します。

リクルートエージェント

マイナビエージェント

ビズリーチ

doda

type転職エージェント

LHH転職エージェント

パソナキャリア

【特化型】食品業界におすすめの転職エージェント

食品業界に特化した転職エージェントを3社紹介します。

特化型のエージェントは、全ての求人が食品関連で、キャリアアドバイザーも食品業界に精通した人がそろっています。そのため専門的な内容を相談し、キャリアを考えることができます。

フーズラボ

食品業界CAREER

食品業界CAREERは、食品業界に特化した転職エージェントです。2017年に設立された会社のため求人数は少なめですが、食品業界に特化しており、食品業界の中では、以下のようなさまざまな職種の求人が揃っています。

アドバイザーは10年以上食品業界での転職支援を行ってきたプロなので、食品業界の動向や傾向を熟知していて頼れる存在です。

サービス概要
サービス名	食品業界CAREER
運営会社	株式会社グロリアス・サーチ
公開求人数	非公開
非公開求人数	非公開
対応地域	全国
公式サイト	https://shokuhintenshoku.jp/jobs

RDサポート

RDサポートは、食品・化粧品・ヘルスケア業界専門の転職エージェントです。

とくに研究開発職や品質管理など、高度な専門性が求められる職種に強みがあります。

専任のコンサルタントが企業を直接訪問してヒアリングを実施するため、求人票からはわからない情報やリアルな社風を教えてもらえます。

また、大手食品メーカーからベンチャー企業まで幅広い求人を保有しており、ハイクラスの求人もあります。RDサポートは支援期間の規定がなく、自分自身のペースで納得いくまでサポートが受けられるでしょう。

サービス概要
サービス名	RDサポート
運営会社	株式会社RDサポート
公開求人数	1,896件
非公開求人数	非公開
対応地域	全国／海外
公式サイト	https://www.rdsupport-tenshoku.jp/

食品業界に強い転職エージェントの選び方

転職エージェントは選び方が重要です。

まずは、エージェントが提供するサポート内容が自分自身の要求に合っているかを確認しましょう。

本章では特に、効率よくできるだけ早く転職するための転職エージェントの選び方を紹介します。

食品業界にスムーズな転職を成功させるエージェントの選び方は以下3つのコツを意識しましょう。

関連記事：転職エージェントの選び方とは？失敗しない見分け方を徹底紹介！

特化型エージェントは必ず利用する

食品業界へ転職する際は、食品業界に特化したエージェントは必ず利用しましょう。

特化型エージェントは、業界特有の内部事情に精通しているため、的確なアドバイスを受けられるでしょう。

また、キャリアアドバイザーは食品業界ならではの採用基準や、求められるスキルについても詳しく知ることができ、転職活動を有利に進められます。

全体の求人数は総合型に比べて少ないですが、特定の業界に深く入り込んでいるので他の転職エージェントにはない求人を持っていることもあります。

貴重な非公開求人の情報を得るためにも、食品業界に特化した転職エージェントを利用するのがおすすめです。

希望する企業の求人があるか確認する

食品業界の中でも、自分自身が希望する企業や職種の取り扱いがあるか、求人一覧の検索を利用して確認しましょう。

もし特に転職を希望する企業との取引があれば、企業の人事部がエージェントの人材紹介を信頼している関係で、有利に転職ができる可能性があります。

さらに内定後の勤務条件や年収に関する交渉もエージェントが代理で行ってくれます。

このような点から、自分が希望する企業と取引のあるエージェントを選ぶことは、転職活動を成功させる上で重要な要素となるでしょう。

複数の転職エージェントに登録する

複数の転職エージェントに登録すれば情報や選択肢が増えるので、より自分自身に合った企業を見つけやすくなります。

同時進行で多くの会社の選考を受けられるので、転職を短期間で成功させられるでしょう。

ただし、異なるエージェントから同一の求人に応募しないようにだけ注意が必要です。

食品業界の転職動向

食品業界に転職するにあたっては、転職の難易度や年収などについて把握しておくことが必要です。

本章では近年の食品業界の転職動向について解説します。未経験で食品業界への転職を考えている人は参考にしてください。

求人数

日本金融公庫が2023年に発表したデータによると、食品業界はコロナ禍を除いて拡大傾向にあります。

また、これまで国内を中心に事業を展開していた企業が海外展開も始めるケースもあり、国内外で勤務地を問わずに食品業界への転職を実現できるでしょう。

【参考】食品産業動向調査（令和5年1月調査）｜日本政策金融公庫

業界の将来性

食品業界の将来性は、一般的に安定しているといえるでしょう。

食は人々の生活に不可欠で、需要が急激に減少するとは考えにくいです。

しかし、国内の人口減少に伴い国内市場の縮小が懸念されており、今後は海外に事業展開していく企業が増えると予想されています。

また、健康志向の高まりにより消費者ニーズも変化してきており、今後は高齢化が進むにつれて、機能性の高い健康食品の需要が増えるでしょう。

転職の難易度

食品メーカーは身近な商品に携わることができるので、転職の競争率は高いでしょう。

食品業界は新卒採用を中心とする企業が多く、中途採用の転職の場合は、業界経験者や関連する専門知識を持つ人材が優遇される傾向にあります。

未経験者で採用されるケースは「大学で食品や衛生について専門で学んでいた」ケースや「営業職に応募したい」ケースが多いでしょう。

そのため、営業職に応募する際は、これまでに営業職の経験があればアピールポイントになるでしょう。

大手企業や上場企業は同業界からの転職者が多く、未経験者は中小企業も幅広く見ておくことがおすすめです。

【参考】食品メーカーへ転職する方法は？職種や難易度、志望動機のポイントを紹介｜リクルートエージェント

業界の平均年収

食品業界の平均年収は、企業規模や職種によって異なります。マイナビエージェントが公表する、食品業界に従事する20代・30代の平均年収は以下のようになっています。

年齢	平均年収	男性平均	女性平均
20代	395万円	410万円	372万円
30代	530万円	553万円	454万円

【引用】気になる平均年収サマリー（食品部門）

食品業界の年収は、メーカーのカテゴリ内で比較すると低めですが、20代から30代の上昇幅がほかの業界と比較して大きい傾向があります。

転職する際は年収だけにとらわれず、福利厚生や労働環境なども含めて総合的に判断しましょう。

食品業界の仕事内容

食品業界には食品メーカー・小売・商社など、多くの種類がありますが、一例として人気のある食品メーカーの職種を紹介します。

気になる職種は、事前に仕事の概要を把握しておきましょう。

営業部門

営業職は、自社製品を小売店や卸売業者などに販売する職種です。

主な仕事内容は、新商品の紹介や取引条件の交渉、キャンペーンの販売促進の立案などがあります。消費者に直接販売することは少なく、法人営業がメインです。

商品開発部門

商品開発職は、消費者ニーズに合わせた新商品の企画や、既成商品改良をおこなう職種です。

主な業務としては、市場調査や新商品の立案、パッケージの検討などが挙げられます。

研究部門

研究職は、食品の機能性や安全性の研究などをおこなう職種です。

新たな製法の開発や、商品の改良も行います。仕事内容は、商品や製造過程の研究開発や分析などです。

また、研究職は専門知識が求められるため、大学院卒の方も多い職種です。

生産部門

生産職は、安全で品質の高い食品を製造する役割を担っています。

主な業務内容は、製造ラインの管理や品質管理・衛生管理などです。

近年は、食品ロスの削減や環境問題へ配慮した取り組みも、生産部門の重要な役割となっています。

管理部門

管理部門は、企業の運営を支える事務の仕事です。

人事や総務、経理などのバックオフィス業務を担っています。

また、管理部門は「食品表示法」や「食品衛生法」といった、食品業界特有の法令対応も必要です。

食品業界に転職するメリット

食品業界に転職する主なメリットは以下の3つです。

業界が安定している

食品業界の最も大きなメリットは、高い安定性です。食品は、私たちが毎日口にするものなので、景気に左右されにくい特徴があります。そのため、他の業界と比較して倒産リスクが低く、雇用の安定性が高いでしょう。

とくに大手企業では、多くの部門を経験してキャリアを積むことができます。

福利厚生が充実している

食品業界は、福利厚生が充実している企業が多い傾向にあります。

長く働くためには、こうした福利厚生が充実しているかをチェックすることが重要です。

以下は参考として、厚生労働省が発表している食品業界の待遇に関するデータです。興味がある人は参考にしてください。

【参考】食品製造業における待遇の実態に関する調査結果｜厚生労働省

未経験からスタートしやすい

食品業界の一部の職種は、未経験でも挑戦できます。

例えば、製造職や営業職などがその例です。とくに、製造部門はマニュアルに沿って行う業務が多く、詳しい知識がなくてもできます。また、自動化も進んでいるので難しい作業も多くありません。

未経験からのスタートでも、食品安全や衛生管理に関する基本的な知識は必要となるため、研修で基礎知識を身につけましょう。

開発職や研究職は、食品や衛生学を専門で学んでいたり、同業界から転職したりと、スキルや経験が必要な場合があるので、募集要件を確認しましょう。

食品業界への転職に必要なスキル

食品業界への転職に必要なスキルは以下の5つです。

チームワーク

食品業界では、商品の企画から製造、販売までに多くの部門が関わるため、チームワークが重要です。

たとえば、新商品開発では、マーケティング部門や研究開発部門、生産部門、品質管理部門などが協力してひとつの商品を作り上げます。

食品の安全性を確保するために、食品に直接かかわる全ての従業員が一丸となって衛生管理に取り組む必要があるでしょう。

コミュニケーション能力

食品業界では、社内外の関係者とのコミュニケーションが欠かせません。

社内では業務を円滑に進めるためのコミュニケーションが必要となり、社外においては、取引先とのこまめな連絡が信頼につながるでしょう。

コミュニケーション能力は、話す能力だけでなく、傾聴力も含まれ、相手の視点を考慮した考え方も重要となります。

プレゼン能力

プレゼン能力は、新商品の企画提案や取引先へのPRなど、多くの場面で必要とされる能力です。

たとえば、商品開発担当者は、新製品のコンセプトや特徴をわかりやすく、説得力のある説明をする必要があるでしょう。

問題解決力

食品業界では、問題解決力も重視されます。

たとえば、製造部門で予期せぬ問機械トラブルが発生した場合、迅速に解決し生産の遅れを最小限に食い止めなければなりません。また、営業部門では納期が遅れたり、欠品になったりした際の対処が求められます。

さらに、トラブルが発生した時だけでなく、トラブルを未然に防ぐための対策も問題解決力のひとつといえるでしょう。

食品に関する知識や経験

食品業界では、食品に関する専門知識や経験が活用できる業界です。

同業界で働いていた経験や、大学などで学んだ専門知識は面接時にしっかりとアピールしましょう。

たとえば、品質管理部門では、食品衛生法や食品表示法などの法規制に関する知識が求められます。

食品業界への転職におすすめの資格

食品業界で仕事をする上で必須となる資格はありませんが、以下の資格を保有していれば強みになるでしょう。

資格取得を検討している方は参考にしてみてください。

管理栄養士

管理栄養士は、食品業界で最も役に立つ資格のひとつです。

食事や栄養に関する幅広い知識を必要とする資格のため、食品業界のさまざまな部門で活躍できます。

たとえば、開発部門では、サプリメントや特定保健用食品の開発などで、資格保有者が重要な役割を果たすでしょう。

また、栄養成分表示の監修や、アレルギー物質の管理などでも専門性を発揮できます。

管理栄養士は保有者が少なく、資格がなければできない仕事も多いため企業からの評価が高い傾向にあります。近年の健康志向の高まりから、管理栄養士が活躍する場はさらに広がっていくでしょう。

関連記事：管理栄養士はやめとけといわれる理由は？｜勤めるメリットや転職を成功させるポイントを徹底解説

食品表示検定​​​​​​​

食品表示検定は、食品表示法に基づく食品表示の知識を評価する資格です。

たとえば、食品のパッケージやラベルに記載される原材料名やアレルギー、栄養成分などが正しく表示されているかを判断します。

食品業界には欠かせない資格で、とくに品質管理部門や商品開発部門で高く評価されます。食品表示検定には初級、中級、上級の3つのレベルがあり、上級を保有していれば転職時に大きなアピールポイントとなるでしょう。

フードアナリスト

フードアナリストの有資格者は、食品全般に関する幅広い知識を持つ専門家として認定されます。

食を取り巻くあらゆる情報を読み解いて、発信する食の情報のプロフェッショナルとして、食品業界のさまざまな部門で活躍できるでしょう。

とくに、商品開発や食品の特性を活かした販促戦略の立案などで、専門性を発揮できるでしょう。

また、近年はネットでの情報発信が中心となっており、フードアナリストは今後も多方面で活躍が期待される資格のひとつです。

品質管理検定（QC検定）

品質管理検定は、品質管理に関する知識を証明する資格です。

資格保有者は製品の品質管理に関して一定のスキルがあると認定されます。

食品業界では、食品の安全性と品質の確保が重要なため、品質管理検定は製造部門や品質管理部門で高く評価されるでしょう。

また、品質管理検定は1級〜4級まであり、レベルに合わせて受験できます。

貿易実務検定

貿易実務検定は、国際取引に関する知識と実務能力を証明する資格です。

海外で事業展開している企業や、輸出入を行っている企業で高く評価されます。海外への進出を視野に入れている企業では重宝されるでしょう。

通信講座もあるので、忙しい方でも学習しやすい資格です。また、試験もWebで実施されます。外資系や大手の食品メーカーへの転職を希望する方は、取得しておくと有利になるかもしれません。

転職エージェントを利用して転職成功するためのコツ

転職エージェントは、上手に利用すれば効率よく転職活動ができ、早期に次の仕事が決まります。

本章では転職エージェントを利用する際のコツを5つ紹介します。

転職エージェントは2〜3社を利用する

転職エージェントは複数を併用することで、より多くの求人情報が得られます。

エージェントごとに、それぞれ得意分野があり、特徴も異なるので2〜3社の利用がおすすめです。利用する際は、特徴が異なるエージェントを組み合わせると良いでしょう。

おすすめは、食品業界に特化したエージェントと、幅広い業界を扱う総合型のエージェントを利用し、スカウト型にも登録してオファーを待つパターンです。

転職希望時期は「すぐに」と伝える

転職エージェントに転職希望時期を伝える際は「すぐに」と伝えましょう。

転職の場合は新卒と異なり、随時採用が決まります。

企業側は「少しでも長く働いてキャリアを積んでほしい」「早く会社に慣れてほしい」と考えているので、早期に入社できる応募者の方が優先的に採用される可能性があります。

無理に入社を早める必要はありませんが、転職を考え始めたらなるべく早く行動に移し、転職先を見つけることがカギとなるでしょう。

担当者とは頻繁に連絡する

転職エージェントの担当者とは、頻繁に連絡を取りましょう。

頻繁に連絡を取れば、転職に意欲的な姿勢を見せられます。

転職の意欲が強い人は、最新の求人情報や食品業界の最新トレンドや市場動向などの情報を紹介してもらいやすくなるかもしれません。

積極的に転職活動する

転職エージェントだけに頼らず、自ら積極的に転職活動をしましょう。

エージェントからの紹介を待たず、自ら求人を探して気になる企業があれば、担当者と相談して応募しましょう。

担当者から紹介してもらう職種が、本当に自分自身の希望や適性に合っているかを判断するために、業界研究や自己分析をおこなうのもおすすめです。

書類添削や面接指導を活用する

転職エージェントのサービスの中には書類添削や面接指導があります。

転職の場合は、履歴書や職務経歴書で一次選考されるケースが一般的です。エージェントからプロの視点で第三者の意見をもらえるので、書類や面接の回答がより洗練されたものになるでしょう。

転職エージェントは企業ごとの質問の傾向を把握しているため、ピンポイントで効果的な対策ができるでしょう。

これらのアドバイスを受けることで、自信をもって選考本番に臨めます。

まとめ

食品業界への転職を成功させるためには、転職エージェント選びが重要です。

各社に特徴があり、保有している求人も異なるため、複数のエージェントを利用しましょう。

利用する際は、総合型のエージェントと食品業界を専門にした特化型を組み合わせて利用すれば、より自分に合った企業に出会える可能性があります。

転職エージェントは上手に活用することで効果が得られます。

本記事で紹介した転職成功するためのコツを実践して、効果的な転職活動を進めてください。