病気やケガで働けないときや退職時に利用できる社会保険給付金について、詳しく知りたいと考えている人は少なくありません。

とはいえ、社会保険給付金という名称を聞いたこともなく「怪しい」や「本当にもらえるの？」といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、社会保険給付金の種類や受給期間、申請方法を詳しく解説しました。

社会保険給付金を申請するメリットとデメリットや、失業保険との違いも紹介しています。

退職後の生活に経済的な不安のある方や社会保険給付金の申請を検討している方は、ぜひ記事の内容を参考にしてください。

事前に読みたい⇒退職後にもらえる給付金まとめ！自己都合退職でももらえる条件とは？給付期間・金額も解説

社会保険給付金とは働けないときに受給できる給付金の名称

社会保険給付金とは、雇用保険や医療保険などに加入中の人が利用できる制度です。

病気やケガで一時的に働けなくなった場合や、失業時や求職活動中などに申請できます。

社会保険給付金は申請をサポートする会社が付けた名前

社会保険給付金は正式な名称ではなく、給付金の申請をサポートする会社が使い始めた呼び方です。

法律や公的機関の用語に社会保険給付金という名称はありませんが、顧客にわかりやすく説明するために使用しています。

具体的には、失業保険や再就職手当、傷病手当などの給付制度をまとめて社会保険給付金と呼んでいます。

社会保険給付金の種類

給付金の申請をサポートする会社によりますが、以下の制度をまとめて社会保険給付金と呼ぶことが多いです。

また、社会保険給付金は自動的に振り込まれる給付金ではないため、自分で申請することを覚えておきましょう。

社会保険給付金を受給できるケース

社会保険給付金は、失業時や再就職が決まったとき、病気やケガをした場合などに受給できます。

具体的なケースを、以下の表にまとめました。

社会保険給付金の種類	受給できるケース
失業保険	失業している 働く意思と能力がある 求職活動を行っている 一定期間以上の雇用保険の被保険者期間がある
再就職手当	失業保険の受給資格がある 失業保険の所定給付日数が3分の1以上残っている 雇用契約期間が1年以上ある会社に就職をした
傷病手当金	仕事中や通勤中以外に病気やケガをした 病気やケガのため仕事ができない 連続3日間の休業を含めて4日以上仕事を休んでいる 会社から給与の支払いがない

受給できるケースはそれぞれ異なるため、事前に確認しておきましょう。

また、退職時にもらえる給付金や受給条件は、以下の記事でも詳しく解説しています。給付金の申請を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
関連記事：退職後にもらえる給付金まとめ！自己都合退職でももらえる条件とは？給付期間・金額も解説

社会保険給付金の受給期間

おもな社会保険給付金の受給期間は、以下の表で確認してください。

社会保険給付金の種類	受給期間
失業保険	90日～330日 （障がい等があり就職が困難な場合は最大360日）
再就職手当	一括で支給
傷病手当金	支給を開始した日から通算して1年6ヵ月

失業保険の受給期間は、退職理由や年齢、雇用保険の被保険者期間によって異なります。

失業保険の受給期間は以下の記事で詳しく解説したので、あわせて読んでください。
関連記事：失業保険を会社都合退職でもらう方法を解説！手続き方法や受給期間も紹介

社会保険給付金と失業保険の違い

社会保険給付金と失業保険は、どちらも社会保険制度に加入している人を支援する制度です。

ただし、失業保険は失業者の生活を支援する制度に対して、社会保険給付金は幅広く支援を提供しています。

2つの制度を以下の表で比較しました。

	社会保険給付金	失業保険
目的	病気やケガ・出産・高齢・介護などのリスクに備える	失業時に再就職までの生活を支援する
対象者	社会保険の加入者	雇用保険の加入者
給付内容	制度によって異なる	基本手当として給与の45～80%を支給
申請方法	制度によって異なる	ハローワークで申請

以下の記事では失業保険の制度内容や受給できる金額の計算方法、もらい方を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
関連記事：失業手当（失業保険）はどんな制度？計算方法や条件・期間・もらい方までくわしく解説

社会保険給付金を申請するメリット

社会保険給付金を申請するメリットを、2つ紹介します。

経済的な不安を減少できる

経済的な不安を減少できることは、社会保険給付金を申請するメリットの一つです。

病気やケガをして働けなくなった場合でも、定期的に給付金が振り込まれるので、精神的なストレスを減少できます。

例えば、足のケガが理由で働けない場合に傷病手当金を申請すると、収入が途絶えることへの不安を軽減でき、治療に専念できるでしょう。

足が完治していないのに無理をして働くことも防げるため、ケガの再発も防止できます。

安心して休める環境を整えるためにも、社会保険給付金の利用はおすすめです。

転職活動に専念できる

失業保険などの社会保険給付金を申請すると、転職活動に専念できるメリットもあります。

例えば、失業保険を受給できると一定期間の生活費を確保できるため、経済的な負担を軽減しながら転職活動を進められるでしょう。

また、安定した収入源があることでアルバイトなどの短期的な仕事に時間を使うこともなくなり、スキルアップや資格の取得に必要な勉強時間も確保しやすくなります。

あなたのキャリアアップに繋がる可能性もあるため、社会保険給付金の申請条件を理解してぜひ活用してください。

社会保険給付金を申請するデメリット

社会保険給付金を申請するデメリットを、3つ紹介します。

デメリットの内容も理解して、制度を上手に活用してください。

退職後に空白期間ができる

社会保険給付金を申請するデメリットの一つに、退職後に空白期間ができることが挙げられます。

空白期間とは退職から次に就職するまでの期間を指す言葉で、一般的に長くなると面接時にネガティブな印象を与えてしまいます。

社会保険給付金の申請後に空白期間が長くなると、面接担当者から「働いていない期間の過ごし方を教えてください」と、質問される場合もあるでしょう。

とはいえ、病気やケガなどを理由に空白期間が長くなった場合は、事情を説明すると面接担当者も理解してくれる可能性は高いです。

また「スキルアップのために勉強をしていました」「資格を取得するために時間を使っていました」などのポジティブな理由を答えられると、自信を持って転職活動を進められます。

申請には手間と時間がかかる

社会保険給付金の申請に手間と時間がかかることも、デメリットの一つと言えるでしょう。

社会保険給付金は制度ごとに受給条件や必要書類が異なるので、ルールを把握するために多くの資料を確認する必要があるからです。

例えば傷病手当金を申請するには、事業主と担当の医師それぞれに記入を依頼する項目があります。

担当医師に意見書の記入を依頼するために病院へ向かう手間もあり、申請後の審査にも時間がかかることはデメリットと言えそうです。

手続きを間違えると受給できない可能性もある

社会保険給付金の申請手続きは、正確に行うことが重要です。

申請の手続きを間違えると給付金を受け取れない可能性もあり、多くの人にとってデメリットとなるでしょう。

例えば、失業保険を受給するには「7日間の待期期間中は失業状態にある」という条件があります。

この条件を確認せず待期期間中に就職をすると、失業保険は受け取れません。

手続きを間違えて社会保険給付金を受給できないと経済的な負担も大きくなるため、申請時には以下の準備を心がけてください。

自分でおこなう申請に不安があれば専門家に相談しよう

社会保険給付金は制度ごとにルールが異なり、完璧に理解するには多くの資料を読み込む必要があります。

自分で行う手続きに不安のある方は、適切なアドバイスをしてくれる専門家への相談がおすすめです。

とくに退職コンシェルジュはLINEを使って気軽に相談ができ、わかりにくい申請手続きもサポートしてくれます。

担当者は丁寧にヒアリングを行い、申請の手続きから給付金の受取完了まで対応してもらえるため、一度以下のボタンから無料説明会を視聴してみてください。

社会保険給付金の相談もできる！おすすめの退職代行サービス3選

適切な退職時期や退職後に申請に必要な書類の相談もできる、おすすめの退職代行サービスを3つ紹介します。

関連記事：退職代行おすすめランキング13選｜サービス内容や料金・評判を比較【最新版】

退職代行Jobs

退職代行Jobsは、弁護士が監修している退職代行サービスです。

労働組合とも連携しているため、組合費2,000円を支払うと退職日などの交渉も依頼できます。

退職代行Jobsでは失業保険の受給に必要な求職活動のサポートも無料で行っているため、あなたに適した会社の情報を紹介してくれるでしょう。

また、別途費用はかかりますが社会保険給付金の申請サポートも行っているので、手続きに不安のある方は退職代行とあわせて申し込んでみましょう。

関連記事：退職代行Jobsの口コミ紹介！メリットや注意点、評判、料金などを解説

退職代行ガーディアン

退職代行ガーディアンは、労働組合法人が運営する退職代行サービスです。

正社員や契約社員などの雇用形態を問わずに、一律24,800円で退職手続きの代行を依頼できます。

退職代行ガーディアンではLINEを利用して相談ができるため、病気やケガで外出しにくい場合でも自宅から問い合わせが可能です。

また、東京都労働委員会からの認証を受けている労働組合が運営しているため、初めて退職代行を利用する方でも安心して依頼できるでしょう。

関連記事：退職代行ガーディアンの口コミ・評判・体験談は？料金や注意点なども解説

退職代行OITOMA

退職代行OITOMAは、労働組合が運営しており弁護士が監修する退職代行サービスです。

料金は一律24,000円で、依頼後に退職できない場合は全額返金保証にも対応しています。

退職代行OITOMAは転職支援のサポートも行っているため、失業保険の受給に必要な求職活動の相談も可能です。

顧客満足度や口コミの評価も高いサービスのため、退職で悩んでいる方は公式サイトから無料相談を依頼してください。

関連記事：退職代行OITOMA（オイトマ）の口コミ・評判・体験談は？料金や注意点なども解説

社会保険給付金の申請方法

社会保険給付金の申請方法を、3つのステップに分けて解説します。

受給資格や条件を確認する

まずは、社会保険給付金の受給資格や申請条件を確認しましょう。

事前に確認しておきたい資料を、以下の表にまとめました。

社会保険給付金の種類	公式サイトや資料
失業保険	ハローワーク 失業保険（雇用保険）のよくある質問
再就職手当	ハローワーク
傷病手当金	全国健康保険協会

疑問点や不安なことがある場合は、必ず問い合わせ窓口に相談しましょう。

また、1人で行う申請に不安のある方は、退職コンシェルジュなどのサービスの利用も検討してください。

申請に必要な書類を集める

社会保険給付金の受給資格や申請条件を確認したら、必要な書類を手元に集めてください。

具体的には、以下の書類が必要になります。

制度やあなたの状況によって必要な書類は異なるため、事前にチェックしておきましょう。

申請書を提出する

必要な書類が手元に用意できたら、申請書を提出しましょう。

提出先は、以下の通りです。

提出時には注意事項や再度提出する書類を指示されることもあるため、疑問点があればすぐに担当者へ質問してください。

社会保険給付金に関するよくある質問

社会保険給付金に関するよくある質問を、3つ紹介します。

社会保険給付金は在職中に申請できますか？

在職中に申請できる社会保険給付金は、傷病手当金や出産手当金、介護休業給付金などがあります。

スムーズに給付金を受け取れるように、申請書を早めに用意して会社の担当者への相談をおすすめします。

社会保険給付金の受給が会社にバレたらどうなりますか？

社会保険給付金は厚生労働省や全国健康保険協会が管轄する制度のため、会社にバレても問題はありません。

また、正当な理由があり社会保険給付金を受給しているので、転職活動の面接でもきちんと事情を説明すればネガティブな印象にはならないでしょう。

社会保険給付金は誰でももらえますか？

社会保険給付金は雇用保険や医療保険などに加入中の人が利用できるため、個人事業主やフリーランスは制度を利用できない場合があります。

また、条件を満たしている場合でも申請が必要なため、自動的に振り込まれる給付金ではないことも覚えておきましょう。

まとめ｜社会保険給付金制度をよく理解して申請しよう

この記事では、社会保険給付金の概要や受給できる条件を解説しました。

社会保険給付金には多くの種類があり、制度ごとに申請方法や必要書類は異なります。

自分で申請を行う場合は手続きに手間と時間がかかるため、いち早く給付金を受け取りたい方は早めに準備を行ってください。

また、社会保険給付金の申請に不安のある方は、専門家への相談をおすすめします。

退職コンシェルジュなどのサービスでは無料の説明会や問い合わせにも対応しているため、公式サイトから一度相談をしてみましょう。