手術室では、高いプレッシャーと緊張感が常にあります。

ストレスフルな状況に、心身の負担を感じながら仕事をしている人も多いはずです。

ストレス過多の状況のなかで、精神的にも身体的にも限界を感じているなら、無理をせずに、転職をしたほうがよいでしょう。

ただし、いきおいで転職をおこなうのはおすすめしません。

転職の成功率を高めるためには、計画的に転職活動を進める必要があります。

そこで本記事では、手術室看護師から転職したいと思ったときの対処法を解説します。

失敗しない転職方法やおすすめの転職先も紹介しているので「働く環境を変えたい！」と考えている人は、参考にしてみてください。

関連記事：看護師向け転職エージェントおすすめ18選｜求人数や口コミも比較して紹介！

手術室の看護師が転職したいと思う理由

ここでは、手術室の看護師が転職したいと思う理由を紹介します。

ひとつずつ解説していきます。

覚えなければならないことが多い

手術室看護師は、多岐にわたる知識や技術を習得する必要があります。

多忙な業務と並行して、多くの事柄を覚えなければいけない状況に耐えられず、転職を考えてしまう看護師もいるでしょう。

手術室では、一つの専門分野だけでなく、複数の手術領域（整形外科や脳神経外科、消化器外科など）の手技を覚えなければいけません。

手術方法や医療機器も絶えず進化しているため、常に最新の知識にアップデートする必要があります。

心身の負担が大きい労働環境のなかで、広範囲にわたる手術手技や機器の取り扱いに関する情報をインプットするのは大変な作業でしょう。

精神的な負担に耐えられず、転職を考えてしまう看護師がいるのも不思議ではありません。

人間関係のトラブルがある

手術室では、常に張り詰めた空気が漂っているため、人間関係が険悪になる場面が多々あります。

侮辱的な発言をされたり、傷つくような言葉を言われたりする状況に疲れ果て、転職を考えてしまう看護師もいます。

とくに、経験が浅い看護師の場合、求められるレベルにこたえられず、医師や先輩などにきつく当たられる場面が多々あるでしょう。

苦手なメンバーがいる手術の担当になってしまうと、長時間にわたりツライ思いをしなければなりません。

ストレスが溜まりやすい環境で、さらに人間関係に苦しむような状況のなかでは、転職を考えてしまうのも当然の流れといえます。

患者さんと関わる機会が少ない

病棟と比べて手術室では、業務中に患者さんと関われる機会が限られています。

ケアを必要とする方との関わり合いを大切にしたい看護師にとっては、仕事のやりがいを感じられず、転職を考える人もいるでしょう。

とくに全身麻酔の場合、手術がはじまる少しの間だけしかコミュニケーションをとれません。

手術後も意識がもうろうとしているため、患者さんからの感謝の言葉を直接うけとる機会も少ないでしょう。

患者さんとの関わりが少ない環境のなかで、さらに「ありがとう」という言葉をもらえない状況では、転職を考えてしまうのもやむを得ないといえます。

手術室看護師から転職したいと思った人の体験談

ここでは、手術室看護師から転職したいと思った人の体験談を紹介します。

【アンケート概要】
調査期間：2024年8月7日～8月14日
調査方法：インターネットによるアンケート
調査対象：手術室看護師から転職した経験のある男女
※ユーザーアンケートより抜粋

手術室看護師から転職したいと思ったときの対処法3選

ここでは、手術室看護師から転職したいと思ったときの対処法を紹介します。

ひとつずつ解説していきます。

上司や同僚などに相談する

手術室看護師からの転職を悩んでいるときは、一人で抱え込まず、上司や同僚などに相談してみましょう。

業務の負担を軽減できたり、価値のある助言を聞けたりする可能性があるからです。

たとえば、上司に相談した場合、業務内容の見なおしやサポート体制の強化をおこなってもらえるかもしれません。

同じ境遇にいる同僚に相談すれば、ツラい気持ちに共感してもらえたり、現実的なアドバイスを得られたりするはずです。

一人で悩みを抱え込んでしまうと、視野が狭くなり、冷静な判断をするのが難しくなります。

自身にとって最適な選択をするためにも、信頼できる上司や同僚などに相談して、客観的なアドバイスをもらうようにしましょう。

関連記事：看護師転職の相談先とは？よくある相談内容や解決方法を紹介

異動を検討する

退職の決断をするまえに、異動という選択を検討してみましょう。

同じ病院でも働く部署が変われば、いま抱えている悩みが解消され、転職したいという気持ちがなくなるかもしれません。

師長との面談では、異動を希望する理由を具体的かつ誠実に伝えましょう。

事前に約束をとりつけておけば、落ち着いて話ができる状況を確保できます。

異動は仕事を辞めるまえに検討すべき有効な手段の一つです。

手術室から他の部署に移れば、労働環境や人間関係の悩みなどが改善される可能性が十分にあるでしょう。

一方で転職には、労働環境・待遇面のミスマッチや収入の減少など、さまざまなリスクが伴います。手術室看護師を辞めたいと思ったら、退職する前に、異動を検討してみましょう。

じっくりと考える時間を確保する

転職したいからといって、勢いにまかせて退職することはやめましょう。

考えなしに行動してしまうと、いまの職場を辞めた後に後悔する可能性が高まります。

働く環境を変えてよかったと思える職場に出会うためには、自己分析や徹底的なリサーチが欠かせません。

自己理解を深めれば、強みや興味、価値観などを再確認したうえで、自分に適した職場環境や業務内容を明確にできます。

時間をかけて情報収集をおこなえば、転職後のギャップを最小限に抑えられるため「こんなはずじゃなかった」という事態を防ぎやすくなるでしょう。

自分の理想とする職場で働くためには、一時的な感情に流されず、冷静な判断をする必要があります。

転職したいと思ったら、今後についてじっくりと考える時間を確保したうえで、最終的な決断をするようにしましょう。

関連記事：看護師が転職で後悔する理由とは？実例や悩み別に転職ポイントを解説！

手術室看護師から転職して成功しやすい人

ここでは、手術室看護師から転職して成功しやすい人を紹介します。

順番にみていきましょう。

臨床スキルを身につけたい人

身体介助や傷の処置、静脈ラインの確保などの臨床スキルを身につけたいと考えている人は、手術室看護師からの転職に向いているといえるでしょう。

手術室とは違い、病棟や訪問看護、介護施設などでは、幅広い看護技術・知識の習得ができるからです。

たとえば、病棟勤務であれば、以下のようなスキルを身につけられるでしょう。

手術室看護師は主に、手術中のケアに特化した業務をおこなうため、臨床スキルの習得が難しいです。

一方で、転職して働く環境を変えれば、さまざまな状況に対応できる看護技術・知識をみにつけられます。

幅広い臨床スキルを習得したいと考えているなら、手術室からの転職を前向きに検討してみるとよいでしょう。

患者さんとの関わりを重視したい人

患者さんとの対話を大事にしたい人や、充実した生活を送るためのサポートをしたい人は、手術室看護師からの転職に成功しやすいといえるでしょう。

手術室では患者さんと直接関われる機会が限られていますが、訪問看護や介護施設などの職場では、長期的なサポートをおこなえるからです。

たとえば、訪問看護であれば、長いスパンで同じ患者さんを担当するケースが多いため、一人ひとりと深い関わりを築けるでしょう。

介護施設では、日常生活のサポートにより、利用者さんの生活の質の向上に貢献できます。

手術室看護師の場合、手術前後の限られた時間しか患者さんと関われません。

一方で、他施設に転職すれば、長期にわたる関係性を築けます。

患者さんとのつながりを重視したいと考えているなら、手術室からの転職は良い判断といえるかもしれません。

手術室の空気感に大きなストレスを感じる人

手術室独特の緊張感やプレッシャーから解放されたい人も、転職に成功しやすいといえるでしょう。

手術室では、常にピリついた空気が流れていますが、訪問看護やクリニックなどの職場では、比較的穏やかな雰囲気のなか仕事ができます。

たとえば、訪問看護であれば、患者さんの自宅でケアをおこなうため、病院のような緊張感をあまり感じずに仕事をおこなえるでしょう。

クリニックの場合、状態が安定した人が多く、緊急対応が必要な場面が少ないため、精神的な負担が少ない状態で働けるはずです。

ストレスフルな職場環境から抜け出したいと考えているなら、手術室からの転職を積極的に考えてみるとよいでしょう。

手術室からの転職を考えている看護師におすすめの転職先5選

ここでは、手術室からの転職を考えている看護師におすすめの転職先を紹介しています。

一つずつ紹介していきます。

病棟

病棟では入院している患者さんに対して、全身状態の確認や医療処置、日常生活の支援などをおこないます。

以下に病棟での主な仕事内容をまとめました。

病棟は、患者さんとの長期的な関わりを求める人や、幅広い臨床スキルを身につけたい人などにおすすめの転職先でしょう。

平均年収は「約450〜500万円」といわれています。

関連記事：病棟看護師を辞めたいと感じる理由7選！対処方法やおすすめの転職先も紹介

美容クリニック

美容クリニックでは、施術前のカウンセリングや施術のサポート、施術後の経過観察などをおこないます。

以下に、美容クリニックでの主な仕事内容をまとめました。

美容クリニックは、手術室で得たスキル・知識を活かしたい人や、規則正しい生活を送りたい人などにおすすめの転職先でしょう。

平均年収は「約450〜700万円」といわれています。

以下の記事では、美容クリニックに強いおすすめの転職サイトを紹介しています。転職の成功率を上げたい方は、参考にしてみてください。

関連記事：美容クリニックに強い転職サイトおすすめ8選

検診センター・献血ルーム

検診センターは、生活習慣病の予防や病気の早期発見などを目的に、健康診断をおこなう施設です。一方で、献血ルームは文字通り、献血に関わる業務全般をおこなう施設です。

以下に、検診センターと献血ルームでの主な仕事内容をまとめました。

検診センターは、身体的な負担が少ない働き方をしたい人や、患者さんとの関わりを大切にしたい人などにおすすめの職場といえます。

一方で、献血ルームは、比較的穏やかな環境で働きたい人や、規則的な生活を送りたい人などにおすすめの転職先でしょう。

検診センターの平均年収は「約350〜450万円」、献血ルームの平均年収は「約350〜400万円」といわれています。

関連記事：検診センターの看護師を辞めたい5つの理由とは？対処方法とおすすめの転職先も紹介

介護施設

介護施設には、特別養護老人ホームや有料老人ホーム、グループホームなどがあります。

どの施設も基本的な仕事内容は変わりません。

以下に、介護施設での主な仕事内容をまとめました。

介護施設は、利用者さん一人ひとりと深い関係性を築きたい人や、精神的なストレスが少ない環境で働きたい人などにおすすめの転職先でしょう。

介護施設の平均年収は「約450～550万円」といわれています。

以下の記事では、特別養護老人ホームの特徴や転職先選びのコツを紹介しています。介護施設への転職を検討中の人は参考にしてみてください。

関連記事：特養の仕事がきついって本当？理由や働き方の実態・メリットもあわせて解説！

訪問看護

訪問看護では利用者の自宅に訪問して、健康状態の確認や医療処置、家族の支援・相談などをおこないます。

以下に訪問看護での主な仕事内容をまとめました。

訪問看護は、一人ひとりの患者さんと向き合いながら看護をしたい人や、自分のペースやリズムで仕事を進めたい人などにおすすめの転職先でしょう。

平均年収は「約400〜430万円」といわれています。

以下の記事では、訪問看護の転職先の探し方やおすすめの転職エージェントを紹介しています。職場探しの方法を詳しく知りたい方は、参考にしてみてください。

関連記事：訪問看護の転職方法とは？失敗しない求人の探し方を解説！

手術室から転職したい看護師必見！失敗しない転職方法

ここでは、失敗しない転職方法を紹介します。

ひとつずつ解説していきます。

自己分析をする

転職後の後悔を防ぐためには、自己分析をおこない、キャリアの方向性や希望する条件などを明確にする必要があります。

深く考えずに転職活動をおこなってしまうと「思っていたのと違った」という状況に陥り、早期退職のリスクが高まるからです。

一方で、自己理解を深めるための作業をおこなえば、自分が理想とする職場に出会える可能性を高められるでしょう。

自己分析をおこなう際は、企業が提供してくれている無料ツールや、転職サイトの利用を検討してみてください。

時間や手間を節約できたり、転職のプロからのアドバイスをもらえたりします。

後悔しない転職をするためには、転職後のミスマッチを可能な限りなくす必要があります。

「期待していた結果と違った…」という状況に陥らないためにも、自己分析をおこなったうえで、転職活動に臨みましょう。

情報収集をおこなう

転職先の雰囲気や業務内容、待遇面などの情報を事前に得るのも、失敗しない転職をするための欠かせない作業です。

情報収集をしっかりとおこなった状態で転職活動に臨めば、希望条件にマッチする職場に転職できる確率が高まります。

また、転職先が大事にしている価値観や、求めている人物像を理解した状態で面接に臨めば、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。

以下に情報収集の方法をまとめましたので、参考にしてみてください。

転職を成功させるためには、事前の情報収集が欠かせません。徹底的なリサーチをおこなったうえで転職活動を進めましょう。

転職エージェントを活用する

後悔のない転職をしたいと考えているなら、転職エージェントの活用を前向きに考えたほうがよいでしょう。

転職のプロから、転職活動に必要となるすべてのサポートを受けられるため、転職に失敗する確率を下げられます。

実際、転職エージェントを利用すると、以下のような転職支援を受けられます。

転職エージェントは無料で利用できます。転職成功の確率を高めるためにも、積極的な活用を検討してみてください。

手術室から転職したい人のサポートをしてくれるサービス3選

最後に、手術室から転職したい人のサポートをしてくれるサービスを紹介します。

サポート体制の手厚さや、求人数の多さなどに定評のある転職サイトを厳選したので、参考にしてみてください。

レバウェル看護

レバウェル看護は、累計利用者数40万人以上の実績を誇る看護師に特化した転職サイトです。

求人掲載数は15万件を超えており、各地域に詳しいキャリアアドバイザーが転職のサポートをおこなってくれます。

LINEでの相談も可能なため、隙間時間を活用しながら、転職活動を進められるでしょう。

病院以外の求人も豊富で、訪問看護や介護施設、検診センターなどの求人が用意されています。また、サイトに掲載されていない非公開求人が多数あるのも魅力の一つでしょう。

レバウェル看護は、年間4,000回を超える職場訪問をおこなっています。

まったく経験のない職場に転職する場合でも、各職場の内部情報を教えてもらえるため、転職後のミスマッチが少ない状態で働きはじめられるでしょう。

ナース専科 転職（旧：ナース人材バンク）

ナース専科 転職（旧：ナース人材バンク）は、年間10万人以上の看護師が利用している看護師専門の転職支援サービスです。

地域担当制のキャリアパートナーがいて、あなたの転職をサポートしてくれます。

求人票にはのっていない各職場のリアルな情報を教えてもらえるため、理想と現実とのギャップを最小限に抑えられるでしょう。

求人には、訪問看護や介護施設、クリニックなど、病院以外の求人が多数用意されています。

未経験の職場であっても、キャリアパートナーが業務内容を教えてくれるため、不安な気持ちを解消しながら転職活動を進められるでしょう。

ナース専科 転職（旧：ナース人材バンク）では、履歴書の作成サポート・添削や条件確認・交渉などもおこなってくれます。

過去の紹介実績から各施設の口コミや雰囲気などを教えてもらえるため、自分に適した転職先かどうかを判断したうえで転職できるでしょう。

看護roo！転職

看護roo!転職は、累計利用者数60万人以上の実績を誇る、看護師転職エージェントです。

取り扱い求人数は18万件を超えており、看護師転職のプロのキャリアアアドバイザーが転職支援をおこなってくれます。

LINEでのやりとりもできるため、ちょっとした疑問をすぐに解消しながら転職活動を進められるでしょう。

さまざまな求人を取り揃えていて、美容クリニックや訪問看護、介護施設など病院以外の職場も充実しています。応募先ごとのリアルな情報を教えてもらえるのも強みの一つでしょう。

看護roo!転職では、転職するかどうか迷っている段階でも利用できます。

「手術室を辞めたいけど、本当に退職してもいいのか不安…」と悩んでいるなら、キャリアアドバイザーに気軽に相談してみましょう。

まとめ｜手術室看護師からの転職はじっくり考えて決断しよう

手術室看護師を辞めたいと思っているのは、あなただけではありません。

実際、人間関係のトラブルや患者さんとの関わりの少なさなどを理由に、転職を検討している人がいます。

手術室では、高いプレッシャーと緊張感が常にあります。ストレスフルな状況に、心身の負担を感じながら仕事をしている人も多いはずです。

ストレス過多の状況のなかで、精神的にも身体的にも限界を感じているなら、無理をせずに、転職をしたほうがよいでしょう。

なお、転職活動をおこなうときは、看護師の転職に特化した転職エージェントの利用がおすすめです。

看護師業界に精通した転職のプロからのサポートを受けられるため、転職後の後悔を最小限におさえられるでしょう。