ITコンサルタントの人気は高いですが、ネットで「やめとけ」と言われているのを見ると不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

なかには、激務の印象が強すぎて、ITコンサルタントになるのを諦めてしまう方も少なくありません。

結論ですが、ITコンサルタントの仕事がきついのは事実です。

しかし、きつく感じるのはITコンサルタントの仕事をよく知らずはじめてしまい、ミスマッチを起こしてしまったからです。

本記事では、ITコンサルタントはやめとけと言われる理由と、ITコンサルタントになるメリットや向き・不向きな方の特徴を解説します。

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ITコンサルタントはやめとけと言われる5つの理由

ITコンサルタントはやめとけと言われる理由は以下の5つです。

1. 業務の範囲が広く激務のイメージがある

ITコンサルタント業は、激務のイメージが先行している方も多いのではないでしょうか。

実際は、プロジェクト単位で異なるのが現状です。

たとえば、2〜3人で担当する少人数プロジェクトの場合、トラブルが発生すると激務になる可能性があります。

プロジェクトが忙しい時期は、残業時間が長くなることもあります。

しかし、それ以外の時期は、自分に課された業務のみ従事すればよく、連日残業することもありません。

昨今はワークライフバランスの見直しから、福利厚生の充実やフレックス制度など導入しているITコンサルタント企業も増えています。

2. 常に勉強し続けなければならない

IT業界は、これまでとまったく違う技術が突然生まれるため、常に自己研鑽していないと、取り残されてしまいます。そのため、常に勉強しなければいけません。

例えば、人工知能（AI）技術やブロックチェーン技術など、進むべき分野によって学ぶべき内容は異なります。

しかし、どの分野に進んでも多くのことを学ぶ必要があります。

常に向上心をもって仕事に励める方は、ITコンサルタント業務が向いていますが、常に勉強し続ける姿勢がもてない方は不向きでしょう。

3. 地味な作業が多い

ITコンサルタントという名前だけ聞くと、華やかなイメージを抱くかもしれませんが、実際そうではありません。

ITコンサルタントは、1つの知識を体系的に習得するまでに時間がかかるため、意外に地道な作業を積み重ねる仕事です。

たとえば、SAP（※）導入の際、給与確認の機能や出退勤機能、経費精算の機能など、それぞれの知識を蓄積していかなければなりません。

（※）企業の経営資源「ヒト・モノ・カネ」の情報を一元管理できるシステム

SAPの全貌を理解できるまでに3年はかかると言われています。

このように知識を蓄えていくために、地道に覚える必要があります。

華やかなイメージをもっていた方は、「システムエンジニアと同じだ」と、ギャップに耐えきれずITコンサルタントを辞めていく方も多いです。

4. クライアントとのコミュニケーションが多い

ITコンサルにはクライアントとの関係を構築する能力が求められます。

ただし、クライアントのなかには、無茶な要望を求められるケースもあります。

たとえば、プロジェクトの途中でスコープ（範囲）を広げて要求してくるケースです。ITコンサルタントは職業柄、頼まれた仕事を断りにくいです。

そのため、無茶な要望も引き受けて負担を増やしてしまいます。

システムエンジニア（SE）からITコンサルタントへステップアップした方のなかには、コミュニケーションコストが大きいことを理由にSEへ戻る方もいます。

5. 時間をかけて作成した提案も採用されないケースが多い

理不尽な理由で提案が通らないことから、「ITコンサルタントはやめとけ」といわれています。

クライアントの事情で通らないのは仕方ありませんが、上司のメンツを立てるため、提案を通さないようなケースがあり、コンサルタント業のなかでも問題になっています。

わざわざ時間をかけて最高の提案ができたと確信しても、上記のような理不尽な理由で不採用とされた場合、コンサルタント業を続けるモチベーションを奪われてしまいます。

ITコンサルタントの業務内容はきつい？

実際に「ITコンサルタントはきついのか」の結論は、人によって異なります。

まったくきつくない方はいませんが、やりがいを感じられるようになり、意欲的に働いているITコンサルタントは多く存在します。

【エンジニアからコンサルに転職して起こった変化】

労働時間：↗︎（残業時間は40~60h/月程度🕰️）
疲労：↑（1時間の濃さが全然違う。ずっと頭フル回転）
年収：↗︎（結構上がった）
やりがい：↗︎（毎日ハラハラドキドキ）
成長率：↗︎（常にギリギリで勝手に成長しそう）…

— 🐢みどりがめ🐢エンジニア→ITコンサルへ (@sa04ru18kiti) July 15, 2024

本章では、ITコンサルタントの業務内容や役割など、詳しく紹介します。

ITコンサルタントの業務内容と役割

ITを活用し企業の課題を解決するプロフェッショナルが「ITコンサルタント」です。

大きくわけて、IT投資のコンサルティングとIT開発のコンサルティングに分類できます。違いは以下のとおりです。

クライアント企業の経営戦略をヒアリングして、課題にあわせたIT技術の導入やサポートをおこないます。

費用対効果の算出や、導入から成果が上がるまでのスケジューリングまでも、ITコンサルタントの業務に含まれます。

ITコンサルタントの将来性

ITコンサルタントは需要が高く将来性は高いです。DXへの関心が高まるなかで、ITを本格的に導入したい企業が増えています。

株式会社リクルートが運営するグルメ情報サイト 『ホットペッパーグルメ』が調査した「デジタルツールの導入への興味・関心と導入状況・導入後の効果に関するアンケート調査」によると、飲食店経験者の45.5%がデジタルツール導入に関心があると回答しています。

今後も、IT技術をどのように自社ビジネスに活かすべきか悩む経営者は増えるでしょう。

そのため、今よりもITコンサルタントが必要になると予想されます。

ITコンサルタントは最新の技術をさまざまな分野で追いかけ続ける

ここまで紹介してきたように、ITコンサルタントは多岐に渡る分野で関わる仕事であり、常に新しい知識や技術を学び続ける必要があります。

新しい知識、技術を学び続ける意欲がない方は、ITコンサルタントの仕事をきつく感じてしまいます。

ITコンサルタントとして働く5つのメリット

ITコンサルタントのメリットを5つ紹介します。

ITコンサルタントを目指す価値があるのか本章を読んで確かめましょう。

1. 高年収が狙える

ITコンサルタントの平均年収は684.9万円です。全職種の平均年収が467万円のため、平均年収より大幅に高い水準なのがわかります。（出典：job tag｜厚生労働省）

高年収の理由は、「高い専門性が必要なこと」「成果主義で収入に直接反映されやすいこと」が挙げられます。

ただし、プロジェクトの全体の管理と責任を任され、失敗した際もすべての責任を背負わなければなりません。

成功報酬は高い仕事ですが、その分失敗できない責任の重い仕事です。

2. 仕事にやりがいを感じやすい

ITコンサルタントの醍醐味は、経営視点に立ってアドバイスできることです。

クライアントと同じ視点に立ち、企業が抱える課題を解決していくため、自分の提案したアイデアが形になっていくことにやりがいを感じやすいです。

ただし、クライアントの課題を解決するためには、経営者の考え方を身につける必要があります。

ですので、やりがいのある仕事の反面、新しい知識を学び続ける必要があることは覚悟しましょう。

3. 上流工程に携われるようになる

ITコンサルタントは、システムエンジニア（SE）が携われなかった上流工程の仕事に携われます。

たとえばシステム開発だけでなく、どのようにIT技術を導入してクライアント企業の課題を改善していくのか戦略を練る段階から関われます。

そのため、自分たちの仕事がどのようにして、クライアント企業で貢献するのか肌で感じやすい仕事です。

4. キャリアパスの幅が広がる

ITコンサルタントの実務経験や知識があると、転職や独立などのキャリアパスを描きやすくなります。

たとえば、以下のようなキャリアパスです。

どの選択肢を選んでも、ITコンサルタントの経験は高く評価されるでしょう。

5. 常に成長できる環境にいられる

ITコンサルタントは、常に自分のスキルを磨き続ける環境にいるため、自己成長を実感しやすいメリットがあります。

たとえば、前回は金融業界のITコンサルに関わっていたが、次回は建設業界のコンサルを担当するケースです。業界ごとに部署がわかれていないため、さまざまな経験をします。

ITがベースにあるのは同じなので、業界が変わってもキャッチアップすることは可能です。

このように、関わる企業や業界が幅広いため、常に自己成長できる環境に身をおけるでしょう。

ITコンサルタントはやめとけは本当？リアルな口コミ

ITコンサルタントはやめとけと言われる実態を、実際の口コミを参考にして検証しましょう。

「人の役に立っている」実感がある

人として大きく成長できた

ITコンサルタントの経験が副業にも役立っている          

上記のアンケート調査から、自己成長意欲の高い方ほど、ITコンサルタントに向いている結果がわかりました。

ITコンサルタントには「やりがい」「成長」など、仕事を通じて得られるものが多いことが理解できます。

なかには、「副業で活かせるスキルを学ぶこともできた」口コミもあり、将来的に仕事の幅を広げられる可能性もあります。

ITコンサルタントに向いてる方の特徴

ITコンサルタントに向いている方の特徴は以下のとおりです。

詳しく解説します。共感できる内容か確認してください。

探究心が高い

ITコンサルタントは、「情報の正しさ」や「最新の情報か」など、自分でリサーチした情報をもとに、クライアントへ提案していかなければなりません。

そのため、アンテナを張り、学ぼうとする探究心が必要です。

言い換えれば、ITコンサルタントは情報トレンドを追い続けることが苦ではない、知的好奇心の高い方が適しています。

粘り強さがある

ITコンサルタントは高度なスキルより「粘り強さ」が重要と言われます。

なぜなら、クライアントや担当部署の責任者を説得させるために「粘り強さ」が必要だからです。

たとえば、新しいシステムを導入する際、「これまでやったことがないから」「知らないから」と導入に消極的な声が必ずあがります。

周囲の意見を受け止めながら、成果を達成するために、粘り強く提案し続ける精神力が、ITコンサルタントにはなくてはなりません。

このような特性を持ち合わせている方は、ITコンサルタントに向いています。

問題解決能力が高い

問題解決にやりがいを感じられる方もITコンサルタントに適しています。ITコンサルタントの仕事自体が「企業の課題をIT技術で解決すること」です。

さまざまな課題を検討し、仮説を立てて、メリット・デメリットから企業がとるべき方向性を提案していきます。

自分の提案が実って企業の課題解決に結びついたとき、達成感を感じられる方はITコンサルタントに適性があります。

IT全般の知識に精通している

ITコンサルタントはクライアント企業に対し、IT技術を提案しなければなりません。そのため、ITに関して深く最新の知識を身につけておく必要があります。

IT知識が豊富にあれば、クライアント企業へのプレゼンする際も、説得力のある説明ができるでしょう。

ITの知見が他の人より劣っていると感じる方は、ITに関する資格を取得するのも1つの選択肢です。たとえば、ITコーディネータ資格（※）がおすすめです。

（※）ITと企業の経営双方の知識があることを証明する経済産業省推進資格

コミュニケーション能力が高い

ITコンサルタントが仕事をする上で、クライアント企業と良好な関係を築くことが重要です。

コミュニケーション能力が高い方は、関係性を築きやすく、ITコンサルタント業に適しています。実際に理系が多いIT業界でも、文系で優秀なITコンサルタントも多く存在します。

自分の提案をうまく伝えられる力は、ITコンサルタントの仕事をしていく上で必要なスキルです。

ITコンサルタントに向いてない方の特徴

ITコンサルタントに向いていない方の特徴は、以下のとおりです。

ITコンサルタントの仕事を検討している方は、後悔しないためにもチェックしてください。

向上心がない

向上心のない方はITコンサルタントに不向きです。コンサルティング業界は、常に新しい知識や技術を学び、クライアント企業に最良の提案をしなければいけません。

業界誌を読んだり、コミュニケーション能力を高めたりと、ITコンサルタントとしての素養を高めるためのタスクは山積みです。

極論を言うなら、コンサルタント業を毎日考え続けることを求められます。「現状維持がいい」と考えている方は、ITコンサルタントの仕事に就くと後悔する可能性が高いでしょう。

ITへの関心がない

ITコンサルタントは、IT技術を使ってクライアントの課題を解決するのが仕事です。ITへの関心がなければ、モチベーションを保つことは難しいでしょう。

もちろん興味がなくても学び続けることで、キャッチアップできますが、IT業界は日々変化し続けるため、学び続けることは必須です。常に学び続けるには、やはりモチベーションが必要です。

もしITに興味がない方は、ITコンサルタントをおすすめしません。

長時間労働に耐えられない

たしかに仕事の責任が重く、深夜まで残業するのが当たり前とも言われています。

リクルートエージェントの「平均残業時間」に関する調査によると、1ヵ月あたりの平均残業時間が多い業界の2位がコンサルティング業界（18.3時間）。

残業の多い職種では、ビジネス系コンサルタント（21.2時間）が1位にランクインしています。

平均残業時間が多い業界	コンサルティング業界	18.3時間
平均残業時間が多い職種	ビジネス系コンサルタント	21.2時間
平均残業時間が少ない業界	化粧品販売・美容部員	5.4時間
平均残業時間が少ない職種	アパレル・服飾業界	7.5時間

残業が少ない職種1位の化粧品販売・美容部員（5.4時間）と、残業が少ない業種1位のアパレル・服飾業界（7.5時間）と比較すると、10時間以上残業時間が長くなっています。

そのため、家庭の事情などで長時間労働できない環境にいる方は、おすすめできない仕事です。

本当にITコンサルタントになるべきではない？

ITコンサルタントはやめとけと言われる理由を確認してきましたが、振り返ると必ずしもITコンサルタントになるべきではないことが理解できたと思います。

ITコンサルタントの仕事の性質を理解し、安心できる企業で働けば、仕事にやりがいを持ちながら働けるでしょう。

またクライアントの課題をともに解決していくなかで、自分自身の成長も感じやすいはずです。

ITコンサルタント転職を成功させるためにも、IT業界に精通した転職のプロの力を借りるべきです。

関連記事：ITコンサルタントに転職する際におすすめの転職エージェント11選

ITコンサルへの転職におすすめのエージェント

ITコンサルタントへの転職は簡単ではありません。ITコンサルタントになるために必要な知識やスキルだけでなく、転職ノウハウが必要なケースがあります。

転職のノウハウは、転職のプロからアドバイスを受けて、ITコンサルタントへの転職成功確率を高めましょう。

リクルートエージェント

ビズリーチ

マイナビエージェント

ITコンサルタントに関するよくある質問

ITコンサルタントに関するよくある質問は、以下のとおりです。

同様の悩みを抱えている方は参考にしてください。

ITコンサルタントとslerの違いはなんですか？

ITコンサルタントとSlerの違いは以下のとおりです。

	ITコンサルタント	Sler
業務内容	クライアントの課題に対して適切な対処法を提案する	クライアントのニーズに適したシステムを構築
クライアントとのやり取りの主体	営業企画や、業務企画などユーザー部門	開発部や情報システムなどIT部門
お金の受け取り方	プロジェクトごと	一月ごと

ITコンサルタントの仕事は、クライアント企業の課題を解決するIT技術の提案です。

そのため、営業企画や業務企画などのユーザー部門とのやりとりが多くなります。

一方、Slerはクライアントのニーズに適したシステム構築が仕事です。同じようにみられがちですが、業務の内容は異なります。

ITコンサルタントへ転職すると後悔しますか？

結論ですが、後悔する方はそれぞれの状況によって異なります。ITコンサルタントに向いていない方の特徴に当てはまる場合、ITコンサルタントへの転職を後悔する可能性は高まります。

一方で、「ITコンサルタントに向いている方の特徴に当てはまり、現在SEの仕事をしている」方は、ITコンサルタントへの転職で、やりがいや満足度が向上する可能性が高いでしょう。

ITコンサルタントの激務を軽減する方法はありますか？

軽減方法におすすめなのが得意（専門）分野を作ることです。

得意（専門）分野を作り、その業務を集中して引き受けることで知見がたまります。特化することで、共通する課題を見つけやすくなるでしょう。また、やることが見えるため、仕事時間の短縮も目指せるはずです。

また、「不動産業界のITコンサルタントといえば…」といったように、イメージがわくようになれば、市場価値も高まり転職にも有利です。

ITコンサルタントはやめとけ！まとめ

ITコンサルタントはやめとけといわれる理由を解説しました。たしかに、プロジェクト次第で忙しくなることや、常に新しい知識をアップデートし続けなければならないことは事実です。

しかし、自分がおこなった仕事によって、クライアント企業の業績がアップするなど、やりがいを感じる仕事でもあります。

自分がITコンサルタントに向いているのか自己分析をおこない、興味があるなら、選考を受けてみましょう。