このような悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか？

転職を検討する際、どの分野を選択するかを悩む方は多いでしょう。

未経験業界や職種への転職は、ダメもとでチャレンジするレベルなのか、それとも十分ありうる選択なのか気になりますよね。

そこで本記事では、何歳までなら未経験転職の成功率が高いかについて解説します。転職適齢期や未経験でも転職成功率を高めるコツについて紹介します。

他業界や他職種に転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

関連記事：フリーターにおすすめの転職エージェント16社比較ランキング｜選び方と転職/就職成功のポイント

転職に年齢制限はある？

結論から申し上げますと、転職に明確な年齢制限はありません。

ただし通説や一般的に言われていることなどを下記の4つにまとめました。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

法律的な制限

2007年10月1日より施行された改正雇用対策法により、採用における年齢制限は原則禁止されました。

これは、企業が年齢のみで応募者を差別することを防ぎ、一人ひとりの能力や適性を評価した採用を促進するためです。

また、少子高齢化が進むなかで日本の経済が持続的に成長するための予防措置でもあります。

例えば以下の場合は、法律違反とみなされます。

雇用側は、求める能力を明示し、年齢を理由に採用・不採用を決めてはいけないことになっています。

ただし、以下の場合は年齢制限が認められています。

以上のような特殊なケースを除いて、年齢制限はできないことになっています。

転職者が多い年齢

厚生労働省による2023年の労働力調査によれば、転職する人の割合が一番多いのは、15～24歳の10.4％でした。

年齢別の転職者比率は以下のとおりです。

年齢	転職者比率
全体	4.5％
15-24歳	10.4％
25-34歳	7.4％
35-44歳	4.6％
45-54歳	3.5％
55-64歳	4.0％
65歳以上	2.4％

年齢が上がるごとに転職する人の割合が減っているのがわかります。

転職年齢限界説

かつては35歳が転職の壁と言われ、35歳を過ぎると転職が難しくなると考えられていました。

しかし近年では、転職年齢限界説は否定され、近年はシニア層の転職も活発化しています。

また、1回に留まらず2回・3回と転職する人も珍しくなくなりました。

ここでは一般的な転職年齢限界説を紹介します。

28歳	・キャリアの分岐点
32歳	・転職に成功した人の平均年齢（男33歳・女30歳） ・転職したら上司が年下の場合も
35歳	・これまでの限界と思われていた年齢 ・体力的な限界や需要減となる分岐点 ・スキルや経験のハードルが上がる

dodaの調査結果を見ると、転職成功している一番のボリュームゾーンは25~29歳です。このことから30歳までは転職希望者が多く、成功率も高いことがわかります。

一方で、年齢が上がるごとに求められるスキルや経験が多くなり、転職のハードルは上がるうえ、転職希望者も減少するようです。

関連記事：35歳から未経験職種への転職は難しい？転職に求められるスキルや成功のポイントを解説

転職年齢男女の差

転職希望者全体の男女比を見ると、男性の方が女性よりも少し多い傾向です。

これは、男性の方がキャリアアップや給与アップを目指して転職する傾向が強いからと考えられます。

厚生労働省の令和5年上半期の雇用動向調査における、一般労働者（雇用期間の定めなし）の転職者の男女の人数は以下のとおりです。

性別	人数（千人）
男性	1,133.3
女性	968.5

近年は女性の社会進出が進み、女性の転職率も上昇していますが、依然として男女間には転職における意識や行動に差があるようです。

ただし、パートや派遣を含めると、女性の転職率のほうが高くなります。

大企業での転職適齢期

大企業での転職適齢期は、職種によって多少違います。

代表的な職種における転職適齢期を見てみましょう。

コンサルタント業界での転職適齢期

コンサルタントには「転職しやすい年齢」があり、一般的には20代から30代半ばまでといわれています。

コンサルタントの転職を支援する株式会社ムービン・ストラテジック・キャリアによれば、コンサル転職のボリュームゾーンは20代後半となっています。

85％が未経験者ですが、前職の知見を活かしてコンサルタントへの転職を成功させています。「特定の業界やテーマの知識・経験」があれば、コンサルタントとしての転職には有利でしょう。

エンジニア業界での転職適齢期

一昔前は、エンジニアは「プログラマー30歳定年説」といわれるくらい若手重視の業界でした。

近年では「ITエンジニア35歳限界説」が主流ともいわれています。中途採用のエンジニアであれば、即戦力が求められるため、年齢が高いほど求められるスキルのハードルが上がります。

それゆえ未経験でのエンジニア業界への転職は、20代の若年層が中心です。

ただし、IT業界は常に人手不足かつ技術者不足の業界ですから、未経験でも転職できる可能性は他業界に比べると高いかもしれません。

公務員への転職適齢期

公務員試験には受験に関して年齢制限があります。

転職の際には、受験可能な年齢を知ったうえで挑戦しましょう。

注意点としては、条件とされる年齢は受験時のものではなく、就職時の年齢となっています。年齢制限30歳の場合、受験時に30歳でも就職時に31歳になっている場合、受験資格はありません。

年齢制限は、試験種ごとに設けられています。

例えば国家公務員の場合、ほとんどの職種の受験上限年齢は30歳です。

地方公務員試験は、採用する都道府県によって上限年齢が違います。29歳から35歳が多く、一番制限年齢が高いのが山形県の39歳となっています。（市町村であれば、つくば・瀬戸内・武雄の59歳）

地方都市よりも政令指定都市のほうが上限年齢は低い傾向で、一番上限年齢が低いのが神戸市の24歳です。その他、公安系公務員や準公務員の試験にも、それぞれ受験年齢制限があります。

営業職への転職適齢期

営業職は何歳からでも活躍できます。

営業職に求められるのは、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力、さらには信頼関係構築能力などです。これらの能力は、年齢とともに培われることも多く、若さに優位性はありません。

ただし、20代であればエネルギーや意欲があるため、未経験であってもポテンシャルで転職を成功させやすいでしょう。

30代以上であれば、営業未経験であっても業界知識、問題解決能力、戦略的思考能力などがあれば即戦力としての価値をアピールできます。

40代以上では、チームマネージメント能力などが求められます。

最終的に、営業の世界で重視されるのは、数字や実績のため、それにコミットできるのであれば年齢は関係ないと言えるでしょう。

事務職への転職適齢期

事務職は、定型化された業務が多いため、ワークライフバランスを取りやすい仕事です。

ただし、事務業務をパートや派遣に委託している企業も多く、正社員の求人が少ない職種といえます。

また、大手企業であれば勤務年数とともに給与は上昇しますが、一般的な事務職の平均給与は全体の平均に比べて低めです。

このような事実から、事務職への転職適齢期は20代から30代前半までといえます。

関連記事：未経験転職におすすめの業界・職種は？年代別の転職先選びのポイントや転職成功率を上げるコツ

未経験転職のメリット

未経験転職のメリットには以下のようなものがあります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

年収や待遇アップの可能性がある

前職の給与が低かった場合、年収アップのチャンスとなります。

選ぶ業界や職種によって、平均給与が違うのは事実です。

現在の職と比較して、年収や待遇アップが狙える業界や職種であれば、未経験でも挑戦する価値は大いにあるでしょう。

関連記事：未経験の仕事に転職する場合の年収は下がる？年収ダウンする際の交渉方法を解説

職場環境を改善できる

職場環境が悪いことが理由で転職を考えている場合、転職によって環境が良くなる可能性は十分あります。

残業時間の削減や休日の確保など、業界によっては慢性的な問題となっているケースもあります。

未経験でも活躍できる業界や職種へ転職し、今よりも職場環境を改善することで、ストレス少なくイキイキと働けるでしょう。

新しいキャリアや人間関係が構築できる

未経験の業種や職種にチャレンジすることで、新しいキャリアをスタートできます。

最初は給与が下がるかもしれませんが、成果を積み上げていく醍醐味があるでしょう。

また、転職することで人間関係を一新できます。職場の雰囲気も変わり、新しい同僚や上司とつながりを持つことで新鮮な気持ちで頑張れるでしょう。

人事評価をリセットできる

転職すると、今までの人事評価がいったんリセットできます。

今までの業界で、自分のスキルを十分に生かしきれなかった場合でも、転職先ではゼロベース評価でのスタートです。

新鮮な気持ちで仕事に取組み、1からキャリアを積み上げていきましょう。

未経験転職のデメリット

未経験転職のデメリットには以下のようなものがあります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

バリューを出せるまで時間がかかる

ゼロベースからのスタートとなるため、成果を出すまでに多くの時間と努力が必要です。

未経験の職であれば、経験者よりも時間がかかるのは当然です。

職場の文化に馴染んだり新しい人間関係を構築したりなど、ある程度のストレスは覚悟しましょう。

収入や信用情報が低下する

未経験転職であれば年収ダウンの可能性も少なくありません。

また、ローンを組む場合、勤続年数が審査に影響します。

金融機関は、未来にわたって安定してローン返済ができる能力があるかを確認するため、収入の安定性、勤務形態、勤続年数、信用情報などを調査するためです。

ただし、転職先が大手企業の場合、2～3年勤務するだけで収入も信用情報もプラスになることが期待できます。

キャリアが積みあがらない

未経験転職の履歴があると、キャリアに一貫性がなく経験も積みあがりません。

もし次の転職をしたいと考えたとしても、未経験転職があるために、職歴が武器になるどころかマイナスに働く可能性もあります。

未経験の転職で年齢ごとに求められること

未経験の転職は、年齢ごとに求められることが違います。

20代・30代・40～50代、それぞれの年代で求められることを解説しましょう。

ご自身の年代を参考にしてください。

20代はビジネス常識とポテンシャル

20代は、ある程度の社会人経験を積んで、ビジネスの基本的な常識を身につけていることが求められます。

また、新しいことを学ぶ意欲や将来性も評価されるでしょう。

具体的には、以下のようなスキルや経験が求められます。

20代で未経験転職を成功させるためには、これまで培ってきたスキルや経験がどのように役立つかを知ってもらいましょう。

また、意欲や将来のキャリアプランを明確に伝えて、ポテンシャルをアピールしましょう。

関連記事：20代転職におすすめの職種・業界10選｜未経験からの転職でおすすめの職種を紹介

30代は即戦力とリーダーシップ

30代は、これまでのキャリアで培ってきた専門性やマネジメント経験が求められます。

また、即戦力として活躍できる人材としても期待されるでしょう。

具体的には、以下のようなスキルや経験が求められます。

未経験転職であれば、業界知識や専門知識は期待できません。

そこで、それ以外のソフトスキルで勝負しましょう。リーダーシップやマネジメント経験などをアピールすると効果的です。

40～50代は管理スキル

40～50代は、業界に精通した知識や管理スキルが求められます。

しかし未経験転職では、業界に精通した知識は期待できません。

そこで、若い世代を指導できるような育成経験が評価されるでしょう。

ほかにも、以下のようなスキルや経験が求められます。

40～50代で未経験転職を成功させるためには、30代以上にマネジメントや管理スキルが重要になります。

また、これまで培ってきた人脈もアピールポイントとなるかもしれません。

未経験転職を成功させるコツ

未経験転職は、経験者の転職と比べて難易度が高いと感じるかもしれません。

しかし、適切な準備と戦略により成功率を高められます。

ここでは、未経験転職を成功させるコツを4つ紹介しましょう。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

未経験転職を積極採用している業界を狙う

すべての業界が未経験者を積極的に採用しているわけではありません。

未経験転職を成功させるためには、未経験者を積極的に採用している業界に絞って転職活動をおこなうことが重要です。

未経験者を積極的に採用している業界は以下のとおりです。

ほかにも、業界に関係なく営業職やコンサルタント職は、未経験者でも積極的に採用しています。

人材不足の業界を狙っていけば、転職の成功率はかなり高くなるでしょう。

今までの実績を活かせる方法を考える

未経験転職であっても、これまでの経験を活かせる方法は必ずあります。

前職で培ったスキルや経験を、新しい職種に活かすアイデアを面接時にアピールしましょう。

また、ボランティア活動や趣味を通して得た経験も、アピールポイントになる可能性があります。少しの実績でも体験などと絡めてアピールすれば、説得力のある志望動機となるでしょう。

業界・職種研究を十分にする

未経験転職で成功するためには、応募する企業や職種を十分に研究しておくことが重要です。

企業のホームページやパンフレット、業界誌などを参考に、企業理念や事業内容、求める人物像などを理解しましょう。

また、業界の動向や職種の将来性についても調査しておきます。ほかにも転職フェアや転職エージェントを活用して、情報収集をするのもおすすめです。

転職エージェントを利用する

転職エージェントとは、転職を希望する人と採用企業の間に立って転職活動をサポートしてくれるサービスです。

転職エージェントを利用することで、自分に合った求人を紹介してもらったり、面接対策のアドバイスを受けられたりします。

登録すると、一人ひとりに担当がつき、さまざまな相談に乗ってくれるだけでなく、最適な求人を紹介してくれるでしょう。

具体的には次のようなサービスが受けられます。

費用が無料の場合も多く、未経験転職の場合はとくに積極的に利用するとよいでしょう。

未経験の転職におすすめの転職エージェント

未経験の転職におすすめの転職エージェントを3つ紹介します。

えーかおキャリア

ハタラクティブ

就職カレッジ

未経験転職に関するよくある質問

未経験転職に関する、よくある質問について解説します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

正社員になれない年齢は？

正社員になれない年齢というものは、特にありません。

近年では、シニア層の活躍が注目されており、60代や70代でも正社員として採用されるケースが増えています。

ただし、年齢が上がれば上がるほど、採用基準は厳しくなる傾向です。

未経験転職で正社員を目指す場合は、年齢よりもスキルや経験、熱意が重要となります。

大企業に正社員転職できるのは何歳まで？

大企業に正社員転職できる年齢に決まりはありません。

しかし、一般的には35歳くらいまでが有利と言われています。

これは大企業の場合、中途採用枠が限られているためです。35歳を超えると、採用枠がさらに少なくなる傾向です。

大企業に正社員転職を目指す場合は、早めに行動しましょう。

未経験転職でおすすめの業界は？

一般的に未経験転職でおすすめなのは、成長が著しく人手不足の業界です。

もちろん、本人のスキルや経験、興味によって、おすすめの業界は異なりますが、IT業界や介護業界などが挙げられます。

IT業界は、人材不足が深刻化しており、未経験者でも比較的転職しやすい傾向です。

また、介護業界は、高齢化社会の進展により、人材需要が高まっています。

そのほか、未経験転職でおすすめの業界としては、以下のようなものがあります。

自分の興味関心や得意なことを踏まえたうえで選びましょう。

関連記事：未経験でもできる仕事16選！正社員として採用されやすい求人の特徴や転職のコツを解説

まとめ｜未経験転職に年齢制限はない！戦略的に転職を成功させよう

法改正により、年齢で採用に条件をつけることはなくなりました。

また、以前であれば若い方が優遇される場面も、慢性的な人不足により、年齢による不利な状況は減りました。それよりも、スキルや経験が重視されるようになっています。

未経験転職の場合は、これまでの経験や業界の知識がない状態のため、コミュニケーション能力やマネジメント力などのソフトスキルをアピールするのがおすすめです。

ただ、業界によって求められるスキルが違うため、情報収集は重要です。

転職エージェントを上手に利用しながら、未経験業界への転職を成功させましょう。