営業職の仕事は「もうやりたくない」と感じた方が、営業以外の仕事に就くための記事です。

営業の仕事に挫折しても、新たな仕事で再出発することは十分に可能です。

とはいえ、これまで営業職の経験しかないと、ほかの仕事が見つかるか不安に思われるでしょう。

この記事では、営業職以外の仕事を見つける方法をご紹介します。

営業をやりたくないと思う理由

これまでキャリアを積み重ねてきたのに「もう営業をやりたくない」と営業パーソンが考えることは少なくないようです。

いったい何が原因で「やりたくない」と考えるのかを分析してみましょう。

関連記事：営業がきつい理由とは？「しんどい」「辞めたい」と感じる前の対処法を解説

ノルマが厳しい

営業職には、売上や受注に関するノルマが付き物です。

ノルマは達成して当たり前と捉えられ、未達成なら厳しく責任を追及されることもあります。

思うように営業成績が伸びないときは、ノルマの存在がプレッシャーとなり、さらに売れなくなるという悪循環に陥る場合もあります。

扱う商材に魅力や誇りを感じられない

営業パーソンは、自分で売る商品を選べるわけではありません。

会社から命じられた商品を取り扱うのが基本です。

もし、自分が販売する商品を魅力的と思えない場合には、モチベーションが上がらないため、営業がうまくいく可能性は大幅に下がるでしょう。

もしかしたら、営業そのものがイヤになってしまうかもしれません。

人間関係が上手くいかない

営業職の特徴として社内だけでなく、社外にいる顧客や販売店などとも人間関係が生じます。

いずれも相性が合わない方がいると、大きなストレスとなるかもしれません。

上司や会社からのプレッシャーが掛けられ続けるのは営業職の宿命といえますが、近年は顧客からのあたりが強い「カスハラ」のような事例も聞かれます。

給料が安い

一般的に営業職は、ほかの職種と比べて高給だと思われがちです。

しかし実際には、インセンティブ制度が存在するために、基本給は低く抑えられているケースもあります。

契約を獲得できなければインセンティブはつかないので、給料は安いままになるでしょう。

こうしたことが、賃金の不満になることもあります。

労働時間が長い

営業職は顧客対応が中心で、柔軟な対応が求められます。

顧客から連絡があった際には、すばやく対応する必要があるため、業務時間が長くなりやすいでしょう。

とくに保険や不動産、車など個人向けに高額な商品を営業するときは夜間や土日の対応も多く、ハードだといわれます。

こうした条件から、もう営業をやりたくないと考える方がいても不思議ではありません。

営業に向いている方の特徴

もし営業はイヤだと思っても、これまでの経験を活かして今後も仕事するなら「営業をやりたい」と思えるように、自分を新たな環境へ適応させることが大切です。

以下で紹介する特徴に当てはまる方は、たとえ今は厳しくても本来は営業に向いている方だといえるでしょう。

関連記事：営業に向いている人の特徴は？向いていない人におすすめの対策

目標達成の意欲が高い

営業職に求められるのは、売上目標の達成です。

自身の目標を「達成しよう」という意識が高い方は、それだけで営業職に適性があると言えます。

目標を達成するために、自らさまざまな工夫を実行して改善を図るのは有力でしょう。

管理されなくても自主的に営業活動ができる

営業は常日頃からの顧客対応やあいさつ回りが求められます。

外回りでは、上司らの目が行き届かないために手を抜いてしまったという経験がある方もいるのではないでしょうか。

「継続は力なり」というように、自らの意志で日ごろから営業に注力できる方は、営業職の適性があると言えます。

負けず嫌いで努力を継続できる

性格的に負けず嫌いの方は、ノルマが達成できない状態を嫌います。

これはノルマを達成できない状態や、同僚と比べて営業成績が悪い状態を「負け」だと本人が捉えるためです。

その結果、自らの意志で営業を行う量や質が向上する傾向が多くみられます。

「達成するまであきらめない、やりきる」という強い意欲で仕事に取り組むため、継続的に努力できることも強みとなるでしょう。

顧客に貢献したい気持ちが強い

営業職の魅力のひとつとして「顧客が喜んでくれる」ことを挙げる方も多くいます。

契約や受注を獲得するまでの苦労がフォーカスされがちですが、顧客は購入したものに対して、価格以上の価値を感じれば「買ってよかった」と喜んでくれるものです。

このように顧客の満足感と自らのやりがいが一致するなら、営業職に向いているといえるでしょう。

営業職に向いていない方の特徴

営業職に向いている方とは対照的に、次のような特徴に当てはまる方は営業に向いていない可能性があります。

他人とのコミュニケーションが嫌い

営業職は、社内外のさまざまな人々とのやりとりが求められます。

顧客とのコミュニケーションが大切なのはもちろん、社内でも営業数字の見通しを聞かれたり、カスタマーサポートや技術部門などとの連携が必要だったり、チームワークは欠かせません。

ひとりだけで黙々と作業を進めたいと考えるタイプの方は、営業職に向いていないかもしれません。

契約の決断を迫ることに罪悪感がある

営業の大事な仕事のひとつにクロージング、つまり顧客に「契約してください」と決断を迫る場面があります。

製品に愛着や自信がない場合や、できるだけ相手のペースにあわせたいと考える場合など、罪悪感をおぼえるような方は、営業に向いていないでしょう。

「この顧客にとって必要な商品だ。買えばきっと喜んでくれる」という思いがあれば、罪の意識を感じることはないはずです。

性格的に諦めが早くこだわりがない

負けず嫌いの性格が営業職に向いているのとは対照的に、諦めが早い方は営業職の適性に欠けるケースが多くみられます。

「顧客に断られてからが真の営業」などという格言があるほど、成果をあげている営業職は粘り強く交渉をおこない、新たな提案を思いつき、さまざまな手段を使って成約率を高めるものです。

諦めが早い方は、こうした工夫せずに次の商談に向かってしまうため、長期的に見ると成果にはかなりの差が生まれます。

営業をやりたくない方におすすめの転職先を紹介

営業をもうやりたくないなら、職種を変える必要があります。

その場合、営業職としてのキャリアや経験、スキルを活かせる仕事を目指すことをおすすめします。

事務職

多くの事務職は、外回りで疲弊することなく、パソコンを使った仕事が中心で穏やかに仕事を進められるためおすすめです。

なかでも営業パーソンのサポートを行う営業事務は、自身の経験が役立つ場面も多いはずです。

営業パーソンの気持ちや要望を理解できるという点は、大きな強みになる可能性があります。

関連記事：未経験から一般事務への転職はなぜ難しいのか？転職する方法について解説

人事職

人事の仕事の中でも、とくに採用に関わる仕事では、コミュニケーション能力が求められます。

営業職では社外にいる多くの顧客と重ねてコミュニケーションが学生や中途採用希望者に代わっても、やるべきことは同じです。

自社に対して好感を持たれるような接し方を心がければ、人事としてもよい成果を残せるはずです。

関連記事：人事の転職は難しい・転職しにくいのか？経験やスキルが転職で評価されるポイント

マーケティング職

同じ会社の営業職がマーケティング部門へ活躍の場を移すのは、合理的な選択といえるでしょう。

営業経験があるため、個々の顧客に関する知識があることは、さまざまなマーケティング施策を考えるうえで有利です。

一般的にマーケティング職の担当者は、営業担当にヒアリングして顧客や見込み客の思考を予測するのが基本です。

しかし、営業職のときの知識から、顧客の顔を思い浮かべながら適切な策を講じられるのは、強みとなります。

関連記事：営業からマーケティング職に転職するための3つのポイントと必要なスキルを徹底解説

コンサル職

コンサル職に転じた際にも、営業職での経験が活きる可能性はあります。

コンサルティングで重要なのは、クライアントのリサーチ力と、新たな施策を提案する力です。

新規顧客の開拓などをおこなう営業職では、日常的に見込み客へ同じような提案型の営業をおこなっていたケースもあるでしょう。

そうした経験は、他の職種でも十分に活かされます。

関連記事：コンサル転職のよくある失敗例｜特徴と後悔しないためのコツを解説

エンジニア

いつも求人の多いエンジニア職は、未経験の方でもチャレンジしやすい職種といえます。

エンジニアは、1日中ひとりでPCに向かっている姿をイメージされるかもしれませんが、実際にはほかのSEなどとコミュニケーションをとる場面は多くあります。

スケジュール調整をはじめ、自分だけでは解決できない技術的な課題など、適切なコミュニケーションを取りながら進めるべき仕事は多いでしょう。

関連記事：未経験からのエンジニア転職は「やめとけ」と言われる理由とは？転職成功のコツも解説

営業をやりたくない方が営業以外の職種に転職するコツ

営業職から営業以外の職種へと転職するときに意識しておきたいコツを3つ紹介します。

前向きで明確な転職理由を考える

営業をやりたくないと思っていても、後ろ向きだと捉えられるのは得策ではありません。

営業に対しての否定的な理由を述べるのではなく、自分が他の職種を「やってみたい」理由を定義しましょう。

以前の職場での人間関係など、表面的な理由を述べても、採用面接で共感を得られる可能性は低いでしょう。

「自分が面接官だったら」どんな人を採用したいか考えてみてください。

これまでの仕事を悪くいわれても、一緒に働きたいと思う確率は極めて低いはずです。

営業職の経験とスキルが活かせる仕事を探す

自分の強みを伝えて、新たな会社に貢献できるイメージを植え付けられれば、転職が成功する確率は高まります。

仮に営業経験の職務経験が短いとしても、営業職で得られた経験やスキルについて考えてみましょう。

さらにその経験、スキルを活かせる仕事をイメージすることをおすすめします。

数字を用いて過去の実績をアピールする

営業職の強みは、実績を数値で表せることです。

とくに、他職種へ転職するときは、過去の具体的な営業成績を数字で伝えて実績を強調するのがよいでしょう。

実際に営業職の経験者は、面接で過去に携わった営業の数字を聞かれることが多くあります。

ここで自分の過去の営業成績を表現できれば、他の職種でも成果にこだわる人材だと思われやすいはずです。

転職エージェントを活用する

新たな職種に挑戦するには情報が必要です。

そこで転職エージェントを活用して、最新のトレンドを知ることが重要です。

また、自分にどんな仕事が向いているか、客観的なアドバイスを受けられるのは転職エージェントを活用する大きなメリットと言えます。

営業職をやりたくない方におすすめの転職エージェント

ここでは、営業をやりたくない方におすすめの転職エージェントを紹介します。

営業以外の求人も豊富なエージェントばかりなので、チェックしてみてください。

ビズリーチ

ビズリーチは、営業職からの転職を目指す方におすすめの転職エージェントです。

営業以外の様々な職種の求人を豊富に取り揃えているため、自分に合った仕事を見つけやすいでしょう。

高年収求人が多いのも魅力の一つです。営業職で培ったスキルを活かせる職種で、より高いポジションや給与を目指せます。

また、企業の担当者やヘッドハンターと直接やり取りできるため、求人の詳細や職場の雰囲気をより深く知ることができ、自分に合った転職先を見つけられるでしょう。

リクルートエージェント

リクルートエージェントは、業界でも求人数がトップクラスの転職エージェントとして知られ、営業職からの転職支援に豊富な実績があります。

各業界の情報にくわしいキャリアアドバイザーが、一人ひとりの経験やスキル、希望を丁寧にヒアリングしたうえで、最適な求人を提案してくれます。

営業職で培ったスキルを他の職種で活かすため的確なアドバイスが受けられるでしょう。

拠点は全国各地にあるため、地方在住の方の転職もスムーズにサポートしてくれます。

地元での仕事を探している方にとって、心強い味方となるはずです。

マイナビエージェント

マイナビエージェントは、適性診断を通して、求職者の強みや適性を見極め、最適な職種や求人を提案してくれる転職エージェントです。

営業職から他の職種への転職を希望しても、自分のスキルや経験がどのように活かせるか想像が難しいという方も多いでしょう。

マイナビエージェントでは、適性診断の結果をもとに適した職種や業界を提案してくれるため、営業以外の仕事でも活躍できる可能性が見えてきます。

未経験分野への転職支援にも定評があります。

あえて営業職とは関連のうすい職種にチャレンジしたい方も、安心してサポートを受けられるでしょう。

転職後のアフターフォローも手厚く受けられるため、新しい職場に馴染めるかといった不安も解消できます。

営業をやりたくないと感じるときに関連する質問

最後に営業職をやりたくないと思うときの質問について解説します。

まとめ

今回は、営業をやりたくない方の転職について解説しました。

営業職特有の難しさやストレスが原因で「もう営業をやりたくない」と思う方は少なくありません。

他の職種への転職を考えるなら、営業経験や知識が役立つ職種への転職を検討するのがよいでしょう。

転職エージェントを活用して、第三者のプロの目線から自分に適した職種を選ぶのが転職成功のコツだと言えます。