介護士に転職したいけど、「介護士への転職が成功するか不安…」「介護業界って実際どうなの？」といった不安や疑問を持っている方は多いのではないでしょうか？

特に未経験の方は介護職の転職に関して疑問も多く、なおさら不安を感じるかもしれません。

この記事では、介護職のリアルな実情や転職のメリット・デメリットなどを紹介し、介護職への転職を成功させる秘訣をお伝えしていきます。

介護士への転職を成功させて後悔なく働きたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事：介護職向け転職エージェントおすすめ15選｜資格・施設別に徹底比較【2024年最新】

介護職への転職は難しくない

介護職への転職難易度は比較的低いほうであるといえます。

現在高齢化が進む中で、介護業界は全体的に人手不足の状況にあり、介護職の需要は高くなっています。

それゆえ求人数も豊富で、採用活動も盛んにおこなわれているところが多いです。

資格がなくても始めることができ、未経験からでも応募できるので転職のハードルも比較的低いです。

また、年齢制限も厳しくないため、幅広い世代の方が介護職に挑戦することができます。

介護士への転職を成功させるための秘訣

介護職の転職を成功させるための秘訣を4つ紹介します。

それぞれの詳しい内容を見ていきましょう。

転職理由を明確にする

介護職への転職を成功させるためには、まず転職理由を明確にすることが必要です。

給料面だけでなく、休日の多さや残業の有無、キャリアアップ、研修等、注目すべき項目はたくさんあります。

例えば、プライベートを重視している場合は休日がとりにくい多忙な職場は適していません。

事前に「なぜ転職したいのか」「新しい職場に何を求めるのか」などの答えを明確にしたうえで理想の職場を探しましょう。

複数の介護施設に応募する

複数の介護施設に応募することも成功の秘訣のうちの一つです。

一つの求人にしか応募をしないと他の求人と比較できず、理想の職場に巡り合える確率も少なくなってしまいます。

また不採用になった場合、一から求人を探し直す必要があるので非効率です。

複数の介護施設の求人を比較しながら、同時に応募して効率的に転職活動をおこなっていきましょう。

時間をかけて転職活動をする

また、成功率を上げるには時間をかけて転職活動をすることが必要です。

転職活動はいつ始めても辞めることもできます。「早く転職先を決めたい」という思いから焦ってしまう人もいるかもしれませんが、時間をかけて冷静に転職活動を進めていきましょう。

短期間で決めようとすると、転職先を妥協することになり、自分の希望条件とはかけ離れた職場になってしまうおそれがあります。

介護職の求人は、ボーナス支給月の後や年度末などに増える傾向があります。

介護職への転職を成功させ理想の職場に転職するためにも、半年から1年ほど時間に余裕をもって転職活動をおこなうようにしましょう。

自分の力だけで転職活動しない

最後に、自分の力だけで転職活動をしないことです。

自分の力だけで転職をしようとすると、情報が限られ誤った選択をとってしまうかもしれません。

転職を有利に進めていくには、外から多くの情報を得ることも大切です。

以下のような方法もおすすめです。

特に転職支援サービスは、求人紹介だけでなく面接対策や条件交渉など、転職に関するさまざまな支援を受けられるので、転職活動に不安が少しでもある人は利用を検討してみるのもいいでしょう。

介護職への転職が成功する人の特徴

介護職への転職を成功させている人にはどのような特徴がみられるのでしょうか。

以下で確認しましょう。

ここで紹介する成功例を参考に、自分の転職に活かしてください。

スキルアップのために転職している

介護職への転職が成功する人の特徴の一つ目は、スキルアップのために転職していることです。

自己成長のためという目的があれば、転職活動へのモチベーションを高く維持することができるでしょう。

また、活動中に困難なことがあっても乗り越えていけるはずです。

スキルアップしたいという姿勢は自身の転職へのモチベーション維持につながるだけでなく、転職先から見ても好印象です。

転職後のビジョンが明確である

次に転職後のビジョンが明確であることも挙げられます。

転職後に自分がなりたい姿を具体的に思い描いておくことは、転職活動の軸を定める上で重要です。

ビジョンがはっきりしていないと、転職活動の方向性が決まらず非効率的になってしまいます。

転職後の理想の自分を確立させておくことで、自分の理想の職場を見つけやすくなります。

時間をかけて転職活動をおこなっている

時間をかけて転職活動をおこなっていることも成功する人の特徴の一つです。

早く決めることだけを優先して考えていると、情報収集が不十分になり失敗のリスクが高まります。

時間的に余裕をもって転職活動をおこなうことで、多くの求人に出会うだけでなく自分の転職理由や希望条件をあらためて考え直す時間もとれるでしょう。

焦りは禁物ですので、転職活動には十分に時間をかけてベストな選択をしましょう。

介護職への転職が失敗する人の特徴

逆に介護職への転職が失敗する人の特徴も見ていきましょう。

それぞれの失敗例への対策も解説するので、ぜひ転職を成功させるための参考にしてください。

求人募集の内容のみで転職を決めた

求人募集の内容のみで転職を決めることは、介護職への転職が失敗する人の特徴の一つです。

転職を焦ってしまった結果、求人募集の内容だけで決めてしまう人もいますが、求人募集の内容だけでは詳しい条件や職場の雰囲気がわからないのでハイリスクです。

以下の手順での転職活動がおすすめです。

自己分析が足りていなかった

介護職への転職失敗の原因として多いのは、自己分析が足りなかったということです。

自己分析によって自分の強みや弱みを把握することができ、そもそも介護職が自分に適しているのか、自分に合った職場環境はどこなのか等を見極める重要な過程です。

自己分析が不十分なまま転職すると、自分に合わない職場を選んでしまうおそれがあります。

転職先への理想が高かった

転職先への理想が高いことも介護職への転職が失敗する人の特徴として挙げられます。

もちろん理想を追い求めて転職先を探すことは悪いことではありませんが、すべてが希望通りの職場を見つけられる可能性は極めて低いといえます。

理想を高くしすぎると、どんな職場に転職しても不満を感じてしまうかもしれません。

自分の中で絶対に譲れない条件を最初に決めて、優先順位を考えながら自分が納得できる職場を探していくことが重要です。

関連記事：介護転職でよくある失敗例は？後悔しないための対策を解説！

介護職への転職を成功させるために見ておくべきポイント

以下では介護職への転職を成功させるために見ておくべきポイントを6点紹介します。

業務内容

介護職への転職を成功させるために、介護職の業務内容を確認しておきましょう。

介護職は主に利用者の生活援助や身体介護を主としますが、職場や資格の有無によっても業務内容はさまざまです。

未経験や無資格者の場合は、転職先で研修制度が整えられているかもチェックポイントになります。

残業時間の有無

残業時間の有無についてもしっかりと確認しておく必要があります。

介護業界はシフト制のところが多く、時間帯によって交代でシフトが組まれます。

各施設によって夜勤の体制や残業時間は異なってくるので、事前に確認しておきましょう。

給与・手当・賞与について

給与・手当・賞与なども転職するうえで見ておきたい重要なポイントです。

介護業界の給与は他業種と比べて低いと言われがちですが、施設の中には各種手当や賞与が充実しているところも多くあります。

無資格や未経験から始めると、最初は給与が低くなるかもしれませんが、将来的にキャリアを積み給与が上がっていく可能性があるかどうか長期的な視点で見ることが必要です。

休日・福利厚生

介護職への転職の際には休日・福利厚生も確認しておきましょう。

介護職の休日は平均して月8〜9日あり、有給もしっかり取得できます。

福利厚生も社員寮や住宅手当、家賃補助、健康診断の補助などさまざまですので、転職先にどのようなものがあるかチェックしてみましょう。

資格取得支援や研修制度の有無

資格取得支援や研修制度の有無も介護職への転職を成功させるために見ておくべきポイントとして挙げられます。

未経験や無資格から介護職を始めようとしている人にとって、研修が充実しているか資格取得が目指せる環境にあるかは重要です。

研修施設が充実している職場なら、経験がなくても安心して働けるでしょう。

施設見学の有無

最後に施設見学の有無も見ておきたいポイントの一つです。

実際に施設に足を運ぶことで求人情報だけではわからない実際の雰囲気や、そこで働く人々の様子を確認することができます。

転職後のミスマッチを防ぐためにも施設見学は積極的におこないましょう。

介護職へ転職するメリット

以下では介護職に転職するメリットを4つ紹介します。

年齢や学歴を問わず転職しやすい

介護職へ転職するメリットの一つは年齢や学歴を問わず転職しやすいことです。

他の職種や企業では年齢や学歴を理由に断られてしまうケースが少なくありません。

対して介護職の求人は年齢や学歴に制限がなく、介護職に挑戦したいという気持ちがあれば誰でも転職を目指すことができます。

勤務時間の調整がきく

勤務時間の調整がきくことも介護職へ転職するメリットです。

施設の多くがシフト制を採用しているため、柔軟な働き方が可能になっています。

自分の生活スタイルに合わせてシフトを調整できるので、プライベートと両立できます。

資格取得などで給与アップが見込める

また、資格取得などで給与アップが見込めるも介護職へ転職するメリットとして挙げられます。

無資格からのスタートでも、研修や教育制度で学びながら実際に経験を積んでキャリアアップや昇進が目指せます。

資格を取得することで、資格手当がある施設では給与アップが可能です。

関連記事：介護士の給料はいくらもらえる？平均年収や給料アップの方法なども紹介

将来性が高い

将来性が高いことも介護職へ転職するメリットです。

日本は高齢化社会であり、介護業界の人手不足が課題となっています。

これから先もますます高齢化が進んでいくと同時に、介護職の需要もさらに増えていくと予想されます。

介護職は長期的に安定して働ける将来性の高い仕事だといえるでしょう。

介護職へ転職するデメリット

以下では介護職へ転職するデメリットについて４つ解説します。

体力的な負担がある

介護職へ転職するデメリットとして体力的な負担があることが挙げられます。

介護職は利用者の日常生活の援助や身体的介護が主となるため、肉体労働が多くなります。

体力が必要となる職種なので、始めたばかりの時期や年を重ねてくると負担に感じてしまうかもしれません。

全職種に比べると給与が低い

全職種に比べると給与が低いことも介護職へ転職するデメリットの一つです。

介護業界は全体的に給与が低いことが問題となっており、また施設によっては経営が苦しいところも見られます。

夜勤なしや無資格の場合にはさらに給与が低くなってしまう可能性もあります。

夜勤・土日出勤などで生活リズムが崩れやすい

介護職へ転職するデメリットには夜勤・土日出勤などで生活リズムが崩れやすいことも挙げられます。

介護職は24時間体制をとっているため、夜勤や休日出勤も必要になります。

夜勤や土日の出勤によって生活リズムに乱れが生じ、体調を崩したり、プライベートの時間が制限されたりしてしまうおそれがあります。

人間関係でトラブルを抱えやすい

最後に、人間関係でトラブルを抱えやすいことも介護職へ転職するデメリットです。

介護職はチームでおこなう仕事が多く、職場での人間関係が重要になります。

また、利用者やその家族との間でトラブルが起きるケースもあり、ときにはクレーム対応もしなければなりません。

こうした職場での人間関係をめぐるトラブルでストレスを抱えてしまう人も少なくありません。

転職する前に知っておきたい！介護業界のリアルな実情とは

介護士への転職を成功させるためにも、以下のような介護業界のリアルを把握しておくことが大切です。

介護業界の現状を把握し、介護士を取り巻く環境を知ることで、介護士への転職をあらためて考えるきっかけにしてみてください。

介護士の人数

厚生労働省の調査によると、介護事業所で働く介護士の人数は、令和4年度の時点でおよそ215万人です。高齢化率の上昇とともに、介護士の人数も10年間で50万人近く増えています。

【参考記事】介護職員数の推移｜厚生労働省

ただし以下の図からもわかるように、団塊の世代が後期高齢者になる2025年（令和7年）には、およそ32万人の介護士が不足する見込みです。

【引用元】第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について｜厚生労働省

介護士の人数は年々増えているものの、高齢化率の上昇に間に合っていないのが現状です。

介護士の平均給与

介護士の平均給与は、数年の間に以下のような変化を見せています。

年代	平均給与 （常勤で月給の者）
2018年	29万4,880円
2019年	30万120円
2020年	31万5,850円
2021年	31万6,610円
2022年	31万7,540円

年々待遇はよくなっているものの、年収にすると380万円ほどで、全産業の平均給与である458万円を大きく下回っています。

介護士の詳しい平均給与や給料アップの方法などが知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事】介護士の給料はいくらもらえる？平均年収や給料アップの方法なども紹介

介護士の活躍場所

介護士は主に、以下のような場所で働けます。

介護施設はさまざまな種類があるため、自分にあった施設で働くことで、より長く活躍できます。

自分にあった働きやすい施設については、以下の記事を参考に見つけてみてください。

【関連記事】介護職が働きやすい施設とは？経験者・未経験者が働きやすい施設の特徴も解説

介護士の退職理由

介護労働安定センターの調査によると、介護士は以下のような理由で退職しています。

退職理由	割合
職場の人間関係に問題があった	27.5%
法人や施設・事業所の理念や経営のあり方に不満があった	22.8%
他に良い仕事・職場があった	19.0%
収入が少なかった	18.6%
自分の将来の見込みが立たなかった	15.0%

多くの介護士は人間関係を理由に退職しているため、転職を成功させるためには人間関係が良好で働きやすい職場を見つけることが大切です。

介護士のキャリア形成

介護士のキャリアは、以下のような流れで形成していくのが一般的です。

介護業界では、資格取得がキャリアアップに効果的です。

資格取得は収入アップだけなく、スキルアップによるリーダー職や管理職などへの昇格といった、キャリアの選択肢が広がる効果も期待できます。

介護士への転職を成功に導く転職エージェント

介護士への転職を成功に導くために、以下のような転職エージェントを利用しましょう。

それぞれの特徴や強みなどを紹介するので、自分の転職にあった転職エージェントをご活用ください。

介護ワーカー

介護ワーカーは豊富な求人数と手厚いサービスで、毎年多くの介護士の転職を成功させています。

はじめて介護士に転職する方でも、安心して利用できるでしょう。

レバウェル介護

担当者が「転職先の雰囲気を事前に教えてくれる」という点はレバウェル介護の強みで、介護士に転職する際に非常に参考になります。

とくにネガティブな情報を事前に聞いておけば、入社後に「想像と違った」といったことも少なくできるでしょう。

マイナビ介護職

マイナビ介護職は、全国の求人を取り扱っており、利用者も多く「介護職転職エージェント認知度No.1」の称号を得ています。介護士への転職をする際に、多くの方が使っている転職サービスです。

キャリアアドバイザーは施設に直接足を運び内部情報を入手するため、情報収集力が高く希望する施設のこまかい情報を知りやすいのも特徴です。

介護職への転職を成功させたい方によくある質問

最後に介護職への転職を成功させたい方によくある質問を3つ取り上げます。

無資格や未経験でも転職できますか？

無資格や未経験の方も介護職に転職することは可能です。

研修制度や資格取得支援が充実している施設もあるので、安心して始めることができます。

無資格や未経験の方は教育制度が整った転職先を探すといいでしょう。

30代・40代からでも介護職に転職できますか？

30代・40代からでも介護職に転職できます。

介護職は他業種に比べて厳しい年齢制限はなく、中途採用も盛んにおこなわれています。

30・40代の方はコミュニケーション能力など、これまで培った経験も活かすことができ、十分転職を成功させられる可能性があります。

関連記事：30代から介護士に転職は可能？転職成功のコツを30代の現役介護士が徹底解説
関連記事：介護士は40代未経験でも転職できる？志望動機や仕事内容についても解説！

介護職に向いている人の特徴は？

介護職に向いている人の特徴の例としては、人と関わるのが好きでコミュニケーション能力があること、体力があることなどが挙げられます。

介護職は利用者、またその家族など、人と接する機会が多い仕事です。

人と交流することが好きで思いやりをもって利用者に接することのできる人は向いているといえます。

また、コミュニケーションスキルが高ければ高いほど利用者やチーム内での関係も築きやすいです。

加えて介護職は利用者の介助をおこなう体力勝負の仕事でもあります。

体力に自信がある人にも適しているといえるでしょう。

介護士への転職を成功させるためには事前準備が大切

介護士への転職を成功させるためには、やみくもに転職活動をしてはいけません。

時間をかけて準備をし、自分が希望する職場を見つけることが大切です。

成功させるために必要な準備は、本記事の「介護士への転職を成功させるための秘訣」で紹介しています。ぜひ、自分の転職活動の参考にしてみてください。

介護士への転職を成功させるためにも、事前準備を確実に行い、自分が納得できる転職を実現させましょう。