上記のような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、教員からIT業界に転職できる理由やおすすめの職種、転職後に必要なスキル、転職にあたっての注意点を詳しく解説します。

教員からIT業界に転職するための具体的なアクションが知りたい方は、ぜひご覧ください。

【結論】教員からIT業界に転職するのは可能

教員からIT業界への転職は可能です。

昨今のAI技術の発展にともない、IT業界はますますニーズの高まる業界となっています。しかし、需要が高まる一方で、人材不足である現状は否めません。

そのため、未経験者歓迎の求人も多数あり、IT業界で活躍する人材が求められています。

経済産業省が2019年に発表した調査によると、2030年の人材不足数は約79万人と予測されているほどです。

参考：ＩＴ人材需給に関する調査｜経済産業省

また、職種によっては、教員に必要とされるコミュニケーション力や新たな知識を学ぶための姿勢なども活かせる場面が多いでしょう。

教員からIT業界への転職がおすすめな理由7選

教員からIT業界への転職がおすすめな理由を7つ紹介します。

• 需要が高い業界だから
• 若いうちから年収が上がる可能性が高いから
• 教員で培った能力を活かせるから
• 在宅勤務やフレックス制など柔軟に働けるから
• 未経験からでも応募できる求人が豊富だから
• 教員は勉強することに慣れているから
• ノルマがないから

詳しく解説していきます。

需要が高い業界だから

IT業界は需要が高く、人手不足に悩まされています。多くの求人があり、教員からの転職もしやすいといえるでしょう。

たとえば、経済産業省の参考資料（IT人材育成の状況等について）によると、2019年をピークにIT業界の人材供給は減る一方で、IT市場の規模は拡大し続けています。

若いうちから年収が上がる可能性が高いから

IT業界に転職すると、若いうちから年収が上がる可能性が高いです。

以下は年代別のITエンジニアの平均年収です。

引用：ITエンジニアの平均年収はいくら？給料アップを目指す方法や転職事例も解説 ｜転職ならdodaエンジニア IT

20代から30代にかけて、128万円も年収がアップしています。また、これらの数字はあくまで平均値のため、平均年収以上の金額を稼いでいるエンジニアが多いのも事実です。

早い段階から年収アップを実現させたい方は、IT業界への転職を検討してみましょう。

教員で培った能力を活かせるから

教員で培ったスキルを活かせるのも、IT業界への転職がおすすめな理由です。

IT業界では、パソコンを使った業務が多いものの、基本的にはチームで他のメンバーと協力して仕事をするため、コミュニケーション能力が欠かせません。

教員には生徒にわかりやすく物事を伝えたり、指導をする上で相手の話をよく聞いたりする力が求められます。

在宅勤務やフレックス制など柔軟に働けるから

IT業界での仕事は柔軟な働き方が可能です。IT業界では職種上、多くの企業で在宅勤務やフレックス制が導入されています。

毎朝満員電車に乗り、同じ時間に退社するようなルーティーンがなくとも、自分で働きたい時に好きな場所で仕事ができるのは魅力的ではないでしょうか。

まだまだ手のかかる小さな子供がいたり、介護が必要な方がいたりする場合にも、自分の都合に合わせて働けます。

ただし、企業によって勤務形態は異なるため、自分の希望するものかどうかは事前に調べておきましょう。

未経験からでも応募できる求人が豊富だから

現在のIT業界には未経験から応募できる求人が豊富にあります。

そのため、教員からの転職をする方も少なくありません。

ただし、求人数は変動するので日々チェックしておくのがいいでしょう。

教員は勉強することに慣れているから

勉強することに抵抗がない教員にとって、IT業界への転職はおすすめの選択肢になります。

特に、近年のAI技術は目覚ましい発展を遂げており、IT業界は日々変化が大きいです。常に新しい技術を学んでいく必要があります。

IT業界では教員で培った、勉強する姿勢が大いに活かせるため、活躍できるチャンスがあるといえるでしょう。

ノルマがないから

IT業界の仕事には、ノルマがないものもあるのでおすすめです。

教員の方にとって、営業職のような「ノルマ」という言葉に、苦手意識を感じる方がいるかもしれません。しかし、IT業界では、仕事を終わらせる期日は決まっているものの、具体的なノルマが設定されているものは少ないです。

そのため、誰とも競わず、自分のペースで仕事を終わらせたい方にも、IT業界への転職は向いています。

教員からの転職でおすすめなIT業界の職種5選

教員からの転職でおすすめなIT業界の職種5選は、以下のとおりです。

• システムエンジニア(SE)
• プログラマー
• インフラエンジニア
• Webマーケター
• Webデザイナー

転職後に「想像していた仕事と違う」といった後悔をしないよう、どのような職種があるかを知っておきましょう。

システムエンジニア(SE)

システムエンジニアとは、システムの設計図を作る職種です。システム構築において必要不可欠な存在になります。

システムエンジニアはクライアントの要望を把握し、システムを作る必要があるため、コミュニケーション力やヒアリング力、論理的思考力などが求められます。

教員にも保護者対応やスケジュール管理をする上で、似たようなスキルが必要とされるので、教員での経験をそのまま活かせる可能性が高いでしょう。

プログラマー

プログラマーとは、コンピューターを動かすのに必要なプログラム言語を使って、システムやソフトウェアを作るための「プログラミング」をする職業です。

論理的思考力のほかにも、プログラム言語のように複雑な内容も日々学ぶ力が必要になります。

しかし、教師の方は教員採用試験を突破するために、スキマ時間に独学で学ばれてきた方も多いでしょう。

そのため、時間管理が得意な教師にとっては、プログラマーはおすすめな職業といえます。

インフラエンジニア

インフラエンジニアとは、ITインフラの設計構築や運用保守をおこなうエンジニアです。担当する内容により、サーバーエンジニアやネットワークエンジニアのようにいくつかの種類に分かれます。

インフラエンジニアを目指す方は、CCNAやLinuC（リナック）などの資格を取得しておくと、転職できる可能性が高まります。

CCNAはITの中でもネットワークに特化した内容の資格であり、LinuCはシステム構築から運用管理に必要なスキルを証明できる技術者認定です。

Webマーケター

Webマーケターとは、クライアントの要望に沿ってWebマーケティング施策を実行する職種です。

たとえば、特定のキーワードで上位記事を狙う「SEO対策」やSNS公式アカウントの運用、Web広告出稿などの集客施策のほかに、商品やサービスの購入率を上げるための施策・運用が挙げられます。

そのため、Webマーケターには目的を達成させるための企画力や細かな数値分析、スケジュール作成のようなスキルが求められます。

企画立案のためにはクライアントと綿密な打ち合わせが必要となるため、コミュニケーション能力は欠かせません。

また、目標達成に向けてスケジュールを組み立てる力も必要になるため、教師に要求されるスキルに共通点もあることから、おすすめといえるでしょう。

Webデザイナー

Webデザイナーとは、主にWebサイトのデザインを制作する職種です。

具体的には、企業や個人のようなクライアントから依頼された要望を反映できるように、サイト全体の構成作成や色味・フォントの配置考案などを担当します。

Webデザイナーには、業務で使用する「Photoshop」や「Illustrator」などのグラフィックソフトを扱うスキルが求められます。

教員からIT業界へ転職するために必要なスキル5つ

教員からIT業界へ転職するために必要なスキルは、以下のとおりです。

それぞれのスキルについて、見ていきましょう。

論理的思考力

論理的思考力とは、論理の矛盾や飛躍がないように道筋立てて整理する考え方です。

Webマーケターのように人を集めて物を売るためには、客観的な数字から施策を考える必要があります。「なんとなくおもしろそうだからやりたい」のような気分や感情で企画を考えてはいけません。

また、エンジニアがシステムを構築するときに、設計図を無視して進めてしまうと非効率的になってしまい、納期に間に合わなくなってしまうでしょう。

分析力

分析力とは、現状の課題を解決するための情報を見つける能力です。

特に、変化の激しいIT業界においては、目的達成のためには何が必要で、何が課題になっているかを適切に把握する能力が求められます。

教員でたとえると、担当している生徒のテストの点数が低かった場合、授業の予習復習を十分にしていなかったり、テスト勉強のための時間が確保されていなかったりすることが原因かもしれません。

このように、現状に対してなぜかを問いかけ、適切に課題を発見する分析力がIT業界での仕事には必須となります。

マネジメントスキル

マネジメントスキルとは管理能力のことを指します。IT業界においてはプロジェクトにかかわる人やスケジュールを円滑に進めるための管理能力が求められます。

たとえば、システムエンジニアであれば、クライアントからシステム構築の依頼があった場合、納期に間に合うようにスケジュールを立てて、達成するための手段を考えなくてはなりません。

また、プロジェクトにはどのくらいの予算を組んで、どこに振り分けるのかを考える必要もあります。マネジメントスキルはIT業界の転職においては、欠かせないスキルのひとつといえるでしょう。

顧客対応スキル

顧客対応スキルとは、文字通り、顧客に対応するスキルです。お客様に満足してもらい、良好な関係を築くために必要な能力全般を指します。

IT業界においては、以下の場面で顧客対応が必要です。

• 企画立案をするためのミーティング
• 顧客要望のヒアリング
• 出来上がったシステムのチェックの依頼

上記のような場面で適切な提案や対応ができれば、クライアントに喜んでもらえ、継続的に仕事を依頼してもらえる可能性が高まります。

そのため、IT業界での仕事において、顧客対応スキルは必須です。

ただし、プログラミングのようにシステムの保守・運用をメインとする職種の場合は、必ずしも必要とされるわけではありません。

資料作成スキル

IT業界の仕事では、数値を正確に分析し、的確な解決策を出すための論理的思考力が求められます。

それらを相手に伝えるためには資料作成のスキルも欠かせません。

一目で必要な情報を過不足なく伝えられる資料が作れれば、クライアントと接する職種では重宝されるでしょう。

教員からIT業界へ転職する方法

教員からIT業界へ転職する方法は、以下のとおりです。

教員のように未経験から転職する場合は、いかに事前に準備しておくかが転職成功のカギを握ります。

IT業界に関する知識を身につける

IT業界には、専門用語や知識が多くあるため、未経験からすると抵抗を感じる場合も少なくないでしょう。

また、転職したてのころは仕事についていくのに必死となり、知識を身につける時間を取る余裕がないかもしれません。

資格を取得する

資格を取るとスキルや知識を証明できるため、未経験で教員からIT業界に転職しやすくなります。

ITパスポート試験は、平均合格率は50％と高く、ITに関する基本的な知識が証明できる国家試験になります。

また、基本情報技術者（FE）は、ITパスポート試験と比べると難しく、ITエンジニアの登竜門ともいわれています。

合格すると、経済産業省から情報処理技術者として認定されるため、取得する価値があるといえるでしょう。

IT業界に特化した転職エージェントに登録する

IT業界に特化した転職エージェントに登録すると、IT業界の最新動向やトレンドを把握できます。

また、自分で調べなくても、エージェントやスカウトからメールを通じて情報を得られるので、手間がかかりません。

他にも、以下のサポートを受けられるメリットがあります。

そのため、「未経験でどの企業を受けたらいいかわからない」という方は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。

教員からIT業界を目指す方におすすめの転職エージェント

教員からIT業界を目指す方におすすめの転職エージェントは以下のとおりです。

それぞれの転職エージェントの特徴を理解し、自分に合うサービスを活用しましょう。

Education Career

ビズリーチ

リクルートエージェント

教員からIT業界へ転職するときの注意点

教員からIT業界へ転職するときの注意点は、以下のとおりです。

退職理由が不明瞭だと、転職後も同じ悩みを抱えてしまい、結果的に転職を繰り返す可能性があります。

そのため、退職理由は明確にしましょう。

技術を学び続けなければならない

IT業界は急速に新しい技術が生まれる可能性が高いため、技術を学び続けなければなりません。

特に、近年のAI技術の発展は目覚ましく、昨日までの常識が今日では通用しなくなる可能性があります。

IT業界で活躍する人材になるためには、常に学び続ける姿勢が大切といえるでしょう。

下流工程（下請け）は多忙になる可能性がある

IT業界へ転職したとしても、下流工程をするだけでは多忙になってしまう可能性があります。

システム設計や企画立案などの上流工程と比較すると、下請けは作業量も多く、残業が増える要因になります。

自身のスケジュール管理の徹底はもちろん、転職後の会社がどのような待遇なのかも事前にチェックしておきましょう。

教員からIT業界へ転職する理由を明確にする

面接ではどのような理由で転職するのか必ず聞かれます。転職理由は明確に示せるように準備しましょう。

具体的なポイントは以下です。

上記は自己分析と企業分析をじっくりとおこなえば、おのずと出てきます。納得のいく答えが出せるように取り組んでみましょう。

教員からIT業界へ転職するなら転職エージェントに相談しよう

IT業界は今後も成長する可能性が高い業界であり、IT関連スキルや資格が身につけられれば、教員から転職可能です。また、人手不足により求人数も豊富なため、未経験でもチャレンジできる業界だといえるでしょう。

ただし、そのためには教員の仕事を通じて培ったスキルの棚卸やIT業界への志望動機などを明確にしなくてはなりません。

転職エージェントを活用すれば、自己分析や企業分析ができるとともに、自分にマッチした企業や職種の情報を受け取れます。

「IT業界の中でもどの企業を選べばよいかわからない」「転職に失敗したくない」方はぜひ転職エージェントの利用を検討しましょう。