転職を検討する際に「次の職場は長く続けたい」と考える人は多いでしょう。

しかし実際には、残念ながら短期間で転職を繰り返してしまう人や仕事に対して「辞めたい」と感じている人は少なくありません。

この記事では、長く働ける仕事の特徴や、長く働ける仕事につくための方法などを徹底解説します。

そもそも「長く続けられる仕事」の特徴とは？

一口に「長く続けられる仕事」といっても、さまざまなカテゴリがあります。

ここでは、「安定性」「体力」「モチベーション」の3つの視点で、長く続けられる仕事の特徴を紹介します。

【安定性】生活に欠かせない仕事

生活に欠かせない仕事は、不況の影響を受けにくく、雇用の安定性が期待できます。

例えば、水道やガス・電気や公共機関などのインフラ事業は需要が絶えず存在するため、安定的に働けるでしょう。

また、高齢化に伴い、医療や介護などの領域も、高齢者の生活に直結する重要な役割を担っており、安定した雇用が見込めます。

【安定性】AIやロボットに代替されない仕事

野村総研は2015年に「10～20年後には日本の労働人口の49%がAIやロボットなどで代替可能になる」という旨のレポートを発表しました。2025～2035年はもう目前に迫っており、AIやロボットに代替されにくい仕事を選ぶことは、将来的な職業の安定性に直結するといえるでしょう。

コンサルタントや営業職など、人同士の密なコミュニケーションが必要な仕事や、逆にAIを活用するポジションの仕事はAIやロボットに代替されづらい仕事とされています。

一方で、事務職やコールセンターのスタッフなど、ルーティン業務が多い仕事はAIやロボットに置き換えられやすい仕事といわれています。

【安定性】成長性の高い業界

成長性の高い業界での仕事は、長期的なキャリア形成において有利です。成長性の高い業界では継続的な雇用が見込まれるのはもちろん、常に新しいスキルや知識が求められる分野であることが多く、そこで得た能力はあらゆる業界で活かすことができるでしょう。

成長性の高い業界として代表的なものはIT業界です。今後も各分野のDX導入に伴いますます需要が高まることが予想されます。

そのほか、半導体やヘルスケア領域、医療や物流業界などは、今後も引き続き需要が高い業界として注目されています。

【体力】年齢を重ねても働くことができる

仕事の中には、残念ながら体力的な問題で年齢を重ねると働くことが難しい仕事があります。

たとえば重い荷物を持ったり、立ちっぱなしの仕事は体力的な負担が大きく、長く働くのは難しいでしょう。

一方で士業（税理士、司法書士など）は専門知識が重視されるため、年齢に関係なく活躍できる場があります。

また、営業職やコンサルタントなど、経験に裏打ちされた対人スキルが必要とされる職種も、年齢を重ねるほどに深みが増し、高い職種への進展が期待できます。

介護業界などはむしろ年齢に伴う人生経験が武器になることもあります。

【モチベーション】仕事にやりがいを感じられる

仕事にやりがいを感じられるかどうかは、長期的に仕事を続ける上での重要な要素です。

例えば、自分のスキルや知識が直接的に他人の役に立つような職種では、仕事への満足感や達成感が得やすく、モチベーションの源泉となります。

特に、医療や介護、教育などの分野では、人々の生活の質向上に貢献することで、大きなやりがいを感じることができます。また、クリエイティブな職種では、自分のアイデアや作品が形になる喜びが、仕事を長く続ける動機となることもあるでしょう。

【モチベーション】年収や待遇が良い

年収や待遇が良いことは、生活の質に直結するため、長期的なキャリアの維持において大きなインセンティブとなります。成果が収入や役職に直結する仕事であれば、さらにモチベーションを高く保てるでしょう。

また、仮に仕事自体に魅力を感じていなくても、年収や待遇の良さがあれば割り切って働くこともできます。

ただし、収入が高い仕事はそれに比例して負担が大きいこともあります。転職を考える際は、負担と収入のバランスを考えたうえで判断するのがいいでしょう。

【モチベーション】仕事を通じてスキルアップができる

仕事を通じてスキルアップができる環境は、仕事への満足度を得る上での大きなポイントです。

転職活動をする際は、新しい領域にチャレンジするチャンスがあるか、企業が提供する研修や、資格取得のサポートがあるかなどを確認しておきましょう。

長く続けられるおすすめの仕事7選

上記で述べた「長く続けられる仕事の特徴」に合致するおすすめの仕事を7つ紹介します。

自分に合うものや興味があるものがあれば、具体的にリサーチしてみましょう。

ITエンジニア

ITエンジニアは、非常に需要の高い職種です。ITはどの業界とも親和性があり、今後も高い需要がのぞめるでしょう。

また技術革新が激しく、領域も広いため常にスキルアップが求められます。自分の成長を実感しやすい仕事ともいえるでしょう。

分野によってはフリーランスやリモートワークなど、柔軟な働き方を実現しやすい仕事である点も魅力の一つです。

関連記事：未経験からITエンジニア転職はきつい？未経験可求人の実情やおすすめの職種を解説！

看護師

看護師は、高齢化社会に伴い、さらに需要が高まっています。医療現場以外でも、介護や保育などの現場で求められることが多いのも特徴です。

また対人でのコミュニケーションが必須の仕事なので、AIやロボットに代替される可能性は低いといえます。

働き方によっては高収入も見込めること、地方での需要も高いことなどから、資格さえあればどこへ行っても働ける職業といえるでしょう。

介護職

介護職は、高齢化と共に需要が増加しており、常に人材不足な業界の1つです。

未経験からチャレンジできる仕事でもあり、非常に間口が広いのが特徴です。

社会貢献性が高いのはもちろん、介護福祉士などの資格を取得することで、専門性を高め、キャリアアップの道がある点も魅力的です。

関連記事：介護職が働きやすい施設とは？業務内容や未経験者向けの施設も解説！

営業職

営業職は、ほとんどの業界で必要とされる職種です。

顧客ニーズの理解やコミュニケーション能力といった、どの業界・職種でも重宝される能力を培える仕事であり、キャリアチェンジがしやすい点も魅力的です。

また、成果に応じて報酬が得られるため、モチベーションを高く保ちながら働くことが可能です。

関連記事：営業に向いている人の特徴は？向いていない人におすすめの対策

地方公務員

地方公務員は、社会の基盤を支える重要な役割を担い、地域社会の発展に貢献することができます。特に、今後はさらに地方の過疎化が進むことが予測され、地域の人と密接に関わり声を拾い上げることも求められるでしょう。

勤務条件や労働環境が整っており、安定した雇用が確保される点も魅力的です。

士業（税理士・司法書士など）

士業は、専門的な知識を活かせる職種であり、資格さえあれば年齢を重ねても長く続けることができます。

また個人事業主として働く場合も多く、勤務時間の調整がしやすいことも多いでしょう。さらに収入が高い傾向があるため、モチベーションを高く持って働けます。

観光業

コロナ禍で一時落ち込んだ観光業ですが、インバウンドを中心に需要が戻りつつあります。

特に語学力のある方は、その能力を活かせる場面が多くあるでしょう。

また観光業には添乗員として旅行客と共に観光地を訪れるポジションから、ツアーのプランニングなどさまざまなポジションがあり、年齢や状況に合わせてキャリアチェンジすることも可能です。

長く続けられる仕事に就きたい時に有利な資格5選

資格は、専門知識や技術を証明するもので、昇進・昇格や昇給につながることもあり、キャリア形成において重要な役割を果たします。

以下では長期的なキャリア形成に役立つ資格を紹介します。

FP技能士

フィナンシャル・プランナーは、人生における資金計画を立てるための専門家のことを指し、国家資格である「FP技能士」は一度取得すると生涯有効となります。

習熟度に合わせて3級・2級・1級と分かれており、2級以上を取得すると就職や転職に有利になることもあります。

金融・保険業界や不動産会社などで活かせ、資格があれば手当や評価の対象となることもあります。

介護福祉士

介護福祉士は国家資格の一つで、介護の専門知識や技術を持つ人として施設内のマネジメント業務も担います。

介護業界への就職や転職に有利になるのはもちろん、ケアマネージャーや生活相談員、サービス提供責任者などのキャリアも拓けます。また、手当の対象になることも多い資格です。

登録販売者

登録販売者は、医薬品の販売に関する専門知識を持つことを証明する資格です。資格を持っているとドラッグストアなどで第二類・第三類医薬品の販売業務が可能になります。

混同されやすい資格として薬剤師がありますが、薬剤師は薬学部や薬科大学などの卒業が必要となる一方、登録販売者は年齢・性別・学歴・実務経験に関係なく取得することができます。

ドラッグストアや薬局は全国にありますので、登録販売者資格を持っていればいつでもどこでも働きやすいのが特徴です。

総合旅行業務取扱管理者

総合旅行業務取扱管理者は、旅行業界唯一の国家資格で、旅行商品を販売する際は必ず必要になる資格です。旅行会社では必ず1人以上の配置が求められるため、特に重宝されます。

取得しておくと長期的な雇用が見込めるでしょう。

宅地建物取引士

宅地建物取引士（宅建）も国家資格の1つで、1度取得すると生涯活かせる資格です。合格率はあまり高くありませんが、年齢や学歴に関係なく何度もチャレンジできるため、生涯活かせる資格を探している人にはおすすめの資格です。

宅建士には契約締結前におこなう重要事項説明などの独占業務があるため、不動産会社や銀行・保険会社などで需要が高く、安定的な雇用が見込めるでしょう。

長く続けられる仕事に就くためにやるべきこと

長く続けられる仕事に就くためには、一定の努力が必要です。以下の行動を心がけてみましょう。

キャリアの目標を設定する

キャリアの目標を設定することは、長期的な職業選択の基盤となります。自分が数年後にどうなっていたいかを考え、それに必要なスキルや経験を明確にしましょう。

1度目標を立てても、ライフスタイルや市場の変化によって変更が必要なことがあります。定期的にキャリアの棚卸しをすることも大切です。

積極的に情報収集する

転職活動をするにせよ・しないにせよ、様々な業界や職種の動向を知っておくことは非常に重要です。

求人サイトや異業種交流会などをチェックして、最新の業界動向や求人情報を得ておきましょう。また、転職フェアやセミナーに参加することで、直接企業の代表者や現職者からの情報を得ることもできます。

資格取得などでスキルを磨く

現在は雇用が安定していても、市場は常に変動しているため、いつどうなるかは誰にもわかりません。何が起きても対応できるよう、常にアップデートすることを考えましょう。

例えば資格の取得はキャリアアップやキャリアチェンジに直結するためおすすめです。資格取得により自分の成長を実感できるため、モチベーションを保つのにも有効です。

就きたい仕事が決まっている場合は経験者に話を聞く

特定の職種に興味がある場合は、その職種で働く経験者に話を聞くことが役立ちます。

経験者からの具体的なアドバイスや実際の職務内容についての情報は、仕事の実態を理解するのに役立ちます。

また、実際に働いている人だからこそわかるデメリットなども教えてもらえるでしょう。これにより、自分が目指すキャリアについての現実的な見通しを得ることができます。

長く働ける仕事に就きたいなら自分の立ち位置を把握しよう

先ほどもお伝えしましたが、長く働ける仕事に就くには、キャリアの目標を設定することが大切です。そのためには、まず自分の市場価値を把握しましょう。

転職する・しないに関係なくキャリアアドバイザーのアドバイスを受けることができます。プロ目線であなたの経験、スキルセット、キャリアの目標を理解し、最適なアドバイスや仕事の提案、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策など、具体的なサポートを受けられるため、ぜひ活用してみてください。

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まとめ｜長く続けられる仕事に就くためのカギは「情報収集」

長く続けられる仕事に就くためには、自分自身のキャリアについて深く理解し、適切な情報収集と計画的な行動が不可欠です。また、プロのキャリアアドバイザーやキャリア支援サービスを利用することで、転職活動を効率的に進められるでしょう。

転職は、ただ仕事を変えるだけではなく、あなたの人生の新たなスタートです。この機会を最大限に活かし、自分にとって最適なキャリアパスを見つけましょう。